戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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1対多の戦闘を得意とする蘭が活躍します。


6章も1/3まで来ました。





諏訪の底力

 

 

土地の奪還を目指す勇者部一同、しかしここのところは敵の襲来も無く、穏やかな日々が続いていた。

 

 

海岸--

 

薫「海の音色が儚いね…。連戦は大変だったかが、あれから1ヶ月近く、何も無いね。」

 

香澄「のんびり出来て良いですよね。」

 

中沙綾「香澄、薫さん、パン食べます?」

 

香澄「やったぁー!食べる食べる!…もぐもぐ。うーん、相変わらずさーやのパンは美味しいね!」

 

薫「沙綾ちゃんが作るパンは本当に美味しいね。私もいただくよ。」

 

中沙綾「作ると言えば、例のアレはどうなったんだろうね。」

 

 

---

 

 

勇者部部室--

 

蘭「レタス、玉ねぎ、ほうれん草、トマト、インゲン、茄子…ピーマンにししとう…大根、ブロッコリー、トウモロコシ。」

 

何やらぶつぶつと蘭が虚空を見ながら呟いている。

 

ゆり「ら、蘭ちゃんは育てたい野菜でも口にしてるの?」

 

りみ「大丈夫なのかな。いつもの蘭ちゃんじゃないけど…。」

 

モカ「あらら〜。これは禁断症状だね。蘭は畑耕してないとああなっちゃうんだよ。」

 

そこにたえがやって来る。

 

中たえ「そんな農業王にお知らせだよ。畑の許可が降りたから自由に使って大丈夫だって。」

 

その言葉を聞いた瞬間に、蘭の目に光が戻る。

 

蘭「本当!?」

 

中たえ「うん。大赦関係者に話つけてきたから、思う存分どうぞ。」

 

モカ「蘭、やったじゃーん。」

 

蘭「これでみんなに美味しい野菜を食べさせられるよ。」

 

そう言って蘭はモカを連れて畑へと駆けて行った。

 

 

---

 

 

その頃、山道では有咲に夏希、あこ、燐子が山登りをしていた。

 

あこ「ん?連絡だ…。あっ、らんらんが畑を手に入れたって。」

 

燐子「美竹さん大喜びでしょうね…ふぅ、ふぅ…。」

 

有咲「大丈夫か、結構歩いたから疲れたんじゃない?」

 

燐子「大丈夫…です。私も勇者の端くれですから…足腰を鍛えないと…。」

 

あこ「さっすがりんりん!下山までもうちょっとだよ!」

 

有咲「山だと一層元気だよなー。いつも思うけど、あこと燐子がゆりとりみに被る時があるんだよな。

 

夏希「あっ、それ分かります。ゆりさんとりみさんがあこさんと燐子さんに見える事あります。雰囲気的に。」

 

有咲「姉妹みたいな雰囲気…だからか?」

 

あこ「あことりんりんは仲良しだからね!もしかしたら姉妹に生まれ変わってるかも。」

 

燐子「だとしたら…嬉しいね。」

 

有咲「本当に仲良しだ…ん?何だか嫌な風が吹いてきた。急いで戻るぞ。」

 

夏希「完成型ってそんな事まで分かるんですか!」

 

有咲達は下山を急いだのだった。

 

 

---

 

 

畑--

 

蘭「うん、良い感じの畑だよ。土も最高。」

 

するとりみの端末から"木霊"が飛び出してきた。

 

りみ「何だか木霊が嬉しそう。いつもより元気だよ。」

 

蘭「精霊にも分かるんだね。ここが最高の畑だって。」

 

ゆり「モカちゃんも一緒に耕すの?」

 

モカ「え?私はー…あっ、神託だ。」

 

その内容にモカが驚いた。

 

モカ「えっ、三方向から同時攻撃!?そのうちの1つが凄い速さでこっちに向かってるよ。」

 

それと同時に警報も鳴った。

 

蘭「異常事態だね。冷静に対処しよう。」

 

ゆり「頼りにしてるよ。モカちゃん、落ち着いて状況を分析して。」

 

モカ「今神託を受けてます。」

 

ゆり「いきなりの敵襲には驚いたけど、今はモカちゃんが神託を受けてるから待ちましょう。」

 

りみ「そうだね。準備運動して待ってるよ。」

 

そこに神託を受け終わったモカがやって来る。

 

モカ「すぐここに敵が来るから迎撃準備をお願いします。他の区域は、他のみんなに任せて…。」

 

蘭「分かった。モカはたえと安全な所に避難して。」

 

モカ「大型みたいだから気をつけて。」

 

中たえ「私も戦えたら良いのになー。あれ以来幾ら念じても端末出てこないし。」

 

ゆり「よし、みんな行きましょう!」

 

ゆりの掛け声を合図に3人は変身した。

 

 

---

 

 

樹海--

 

あこ「あっ、友希那さん達だ!おーい!こっちだよー!」

 

友希那「あこ、燐子、市ヶ谷さん、海野さん。何とか間に合ったみたいね。」

 

有咲「急いで下山して正解だったな。やっぱり敵襲だった。」

 

友希那「すぐ戦いになるわ。」

 

夏希「間に合って良かった。」

 

友希那「神託が無かったから油断してたわ。点呼1。」

 

燐子「こちらが攻めてたとは言え…相手が攻めて来る事もありますからね…点呼2。」

 

あこ「切り替えていこう!点呼3。」

 

夏希「同感です!点呼4。」

 

小沙綾「私とおたえは鍛錬する為に集まっていたので、丁度良かったと切り替えます。点呼5。」

 

小たえ「点呼6ー。リサ先輩がさっき言ってた情報だと、相手は足が速いバーテックスだから…。」

 

有咲「全員が集まるのは難しいか。私たちだけでやるしかないな。点呼7、以上。」

 

この箇所は7人で防衛していく事となる。

 

友希那「リサは避難出来たかしら…。」

 

有咲「心配ならさっさと敵を倒せば問題なし!」

 

友希那「……そうね。市ヶ谷さんの言う通り。」

 

そこへ敵影が近付いてきた。

 

友希那「みんな、行くわよ!奇襲が無駄な事を教えてあげましょう。」

 

 

--

 

 

小沙綾「敵、沈黙しました。」

 

有咲「"大型"でも1体だけなら大した事無いな。」

 

小たえ「他の場所でもみんな頑張って戦ってるかな?」

 

小沙綾「多分ね。近くにいるなら加勢に行けるんだけど、目視出来ないからかなり遠い所にいるんだろうね。」

 

あこ「仲間を信じようよ。みんななら問題無い筈だからさ。」

 

友希那「そうね、あこ。」

 

 

---

 

 

一方畑にいた3人はというと、

 

大型の敵に加え、星屑や魚の新型がうじゃうじゃ出てきていた。

 

ゆり「よいしょっ!」

 

ゆりは大剣を振り回して広範囲を攻撃する。

 

蘭「まるでプロペラだ…。敵が細切れになっていく。」

 

りみ「ここは通さないよ!」

 

りみはワイヤーで敵を切断していく。

 

蘭「敵が豆腐みたいに切れていく…。」

 

だが敵が減る気配は無く、湯水の様に湧いて出てくる。

 

ゆり「ってまた出てきた。りみ、こうなったらアレをやってみよう。」

 

りみ「良いの、お姉ちゃん!?」

 

ゆり「大丈夫。」

 

りみ「わ、分かったよ。」

 

するとりみはワイヤーでゆりの足を縛り--

 

りみ「ええーーーーいっ!!!」

 

そのままゆりを振り回したのだ。

 

ゆり「これが姉妹の合体技!!牛込っ!!」

 

りみ「だ、大車輪!!」

 

遠心力とリーチが更に加わり、広範囲に敵を薙ぎ倒していく2人。

 

蘭「凄い……。さすが姉妹の力。」

 

ゆり「まだまだ!どんどん来ーーーい!」

 

 

---

 

 

浜辺--

 

2カ所で戦闘が起こっている中、浜辺では穏やかな時間が流れていた。

 

香澄「あっ、美咲ちゃん!こっちこっち!」

 

美咲「戸山さん。ここは風が気持ちいいね。」

 

香澄「今みんなでまったりしてるから、美咲ちゃんもどう?」

 

美咲「良いねぇ。ご相伴にあずかろうかな。」

 

中沙綾「挨拶がわりのパンはどう?」

 

薫「海を見ながらみんなで食べるパンは美味しいよ。元が美味しいから尚更だね。」

 

美咲「では、いただきまーす。うん、甘ーい。」

 

そこに高嶋と紗夜もやって来た。どうやら散歩をしている様だ。

 

薫「ここは本当に勇者がよく現れる場所だね。」

 

香澄「そうだね。有咲や友希那さんもここでよくトレーニングしてるよね。」

 

高嶋「紗夜ちゃんもたまには散歩しないとね。」

 

紗夜「ついゲームばかりしてしまうから、誘ってくれるのは嬉しいです。」

 

2人は香澄達には気づいていないようだった。

 

美咲「なんか邪魔するのも悪いね。」

 

その時、沙綾と薫が敵の気配を感じる。

 

中沙綾「っ!?この感覚は……敵!?」

 

薫「海が、哭いているね……。」

 

みんなは変身し、樹海へと急いだ。

 

 

---

 

 

樹海--

 

美咲「のんびり浜辺で過ごしてたのに、敵の急襲なんて…。」

 

高嶋「急だったからびっくりしたよね。みんなが近くにいて助かったよ。」

 

香澄「さーやから神託が聞けたから心の準備が出来たね。」

 

高嶋「勇者なのに巫女も出来るなんて、山吹さんは凄いな!」

 

香澄「そうだよ。さーやは凄いんだから!」

 

中沙綾「香澄、褒めてくれるのは嬉しいけど、恥ずかしいよ。」

 

沙綾の顔が赤くなった。

 

美咲「状況を分析するに、私達だけで迎え撃つしかないみたいだね。」

 

遠くから敵がこちらに向かって来ている。

 

薫「私達が抜けてしまったら、神樹様へ辿り着いてしまう。合流は考えずにここを守るしかないね。」

 

中沙綾「多分、みんなもこんな感じでそれぞれ戦いが始まってると思う。」

 

紗夜「この前の戦いではパーティを分けずに済みましたが、とうとう分割する時が来たんですね。」

 

敵がみんなの視界に入り、それぞれが迎撃準備を開始する。

 

香澄「よーしっ、私達は、負けないよ!!」

 

 

--

 

 

香澄「ふーっ。案外簡単だったけど、何だかまだ敵の気配が残っているような…。」

 

中沙綾「っ!?香澄、またあっちから敵が!」

 

沙綾が指差した方向を見ると、向こうからぞろぞろと小型バーテックスの集団が近付いて来ていた。

 

香澄「よーし、高嶋ちゃん行こう!」

 

高嶋「うん!敵が集団でもずらっと並んでいればぁ…いくぞ!」

 

高嶋「勇者……ラッシューーー!!」

 

高嶋の切れ目の無い連続攻撃が、小型バーテックスを次々に倒していく。

 

紗夜「嵐の様な攻撃…。さすが高嶋さん。」

 

香澄「じゃあ、空飛んでる敵は私が!勇者……アッパーーー!!」

 

中沙綾「飛んでる敵に攻撃した…。さすが香澄だね。」

 

美咲「お見事!敵さん完全にいなくなったよ。」

 

高嶋「ふぃーーっ、動きが早くて大変だったね。紗夜ちゃん平気?」

 

紗夜「こちらは大丈夫です。高嶋さんも無事で良かった。」

 

中沙綾「私達はそれなりに人数がいたけど…他は大丈夫かな?友希那さん達は平気だと思うけど。」

 

香澄「ゆり先輩達の所は人数少ないんだよね。すぐ助けに行こうよ。」

 

中沙綾「…そうだね。おたえは戦えないから、助けに行かないと。」

 

沙綾と香澄は行こうとするが、薫が待ったをかけた。

 

薫「すぐ駆けつける事には同意するが…なに、大丈夫だよ。」

 

美咲「ん?どうしてですか?」

 

薫「ゆりやりみちゃんは強いよ。それに蘭ちゃんだっている。心配は無いさ。」

 

そう話す薫はとても落ち着いていた。

 

美咲「それはそうですけど、でも戦いは数ですよ数。って事で早く助けに行きましょう。」

 

薫「ふふっ……。」

 

そんな美咲の姿を見て、薫は笑った。

 

美咲「何ですか、急に?」

 

薫「いや…美咲からそんな言葉を聞けて嬉しいよ。」

 

美咲「元が冷たい人間だったみたいに言うのはやめて下さい。まぁでも、そうですね…。美竹さん達の危機だって思うと、かなり焦る自分がいますよ。焦りは禁物だけど……焦っちゃう。……弱くなっちゃったかな、私。」

 

そんな美咲の肩に薫は手をおいて話す。

 

薫「…そんな事は無いさ。それは、強くなった証拠だよ。」

 

美咲「え?」

 

薫「その気持ちを大切にしつつ、戦いに影響しないようにコントロールする事だよ。美咲なら出来る筈さ。」

 

美咲「………分かった。強くなったんなら問題無しです!さぁ、助けに行きましょうか。」

 

6人は蘭達の元へと急いだ。

 

 

---

 

 

牛込姉妹、蘭サイド--

 

ゆり「はぁ、はぁ、ひとまず片付いたかな。」

 

りみ「はぁ、ふぅ、どうなんだろう。もう無我夢中だったから。」

 

蘭「…遠くの方に敵が見えます。すぐ来ますけど、一息ならつけそうですよ。」

 

ゆり「だってさ。ちょっと休めるよ。」

 

りみ「良かったぁー。」

 

2人は地面にへたり込んだ。

 

蘭「ここのところ、みんなで戦ってたから3人だともの寂しい感じですね。」

 

ゆり「あはは…蘭ちゃんは余裕だね。本当に頼もしいよ。りみ、大丈夫?」

 

りみ「うん。体は平気だけど、1体も討ち漏らせないからプレッシャーが凄いよ。みんながいる時はフォローし合えたけど。」

 

緊張感は思っているより疲労を蓄積させるものである。

 

りみ「やっぱり1人で戦ってきた蘭ちゃんを見てると心強いなって思うよ。」

 

ゆり「そうだね。」

 

蘭「…今から不謹慎な事言いますね。」

 

蘭が唐突に話し出した。

 

蘭「今、キツい状況にあるけどある意味良かったって思ってます。」

 

ゆり「どうして?」

 

蘭「ここが大変な分、他の人達の危険が減るって事だから。」

 

りみ「っ!」

 

蘭「自分の所は自分が頑張れば良いだけだけど、他がキツくて助けに行けない時は辛いから…。」

 

ゆり「そういう考え方か。なるほどね。」

 

りみ「やっぱ蘭ちゃんは凄いよ。私も頑張る!」

 

蘭「だけど、この考え方でいくと戦える筈なのにまだ神樹様に温存されてるたえとかは、凄く辛い筈だよね。」

 

ゆり「そうだね…。あの時以来端末が現れないって言ってたし、巫女の2人も…。」

 

蘭「私達が大怪我して戻って来た日には気持ちが沈むと思うよ。何にも出来ない自分が歯痒いって。だから何が言いたいかって言うと、勝つだけじゃなくて大怪我もやめようって事かな。」

 

りみ「うん!」

 

ゆり「そうだね。みんなの為にも怪我なんて出来ないよ。」

 

そして敵が動き出した。

 

ゆり「っ!よし、休憩終わり。もう一踏ん張りだよ!」

 

りみ「頑張ります!!」

 

蘭「ここは通さないから!」

 

 

--

 

 

3人は敵の数を減らしていくが、物量に押され対処が難しくなってきていた。

 

ゆり「くっ!数が多過ぎる…。」

 

りみ「カバーしきれないよ…。」

 

だが、こんな時でも蘭は冷静だった。

 

蘭「ゆりさん、りみ、2人は少し下がっててください。」

 

ゆり「急にどうしたの!?」

 

蘭「このままだと2人の身が持ちません!私が何とかします!」

 

りみ「蘭ちゃん1人で大丈夫なの!?」

 

蘭「任せて、アレを使うから。2人を巻き込みたくない。」

 

2人に訴えかける蘭の目は真剣だった。その思いを汲んだ2人は蘭に任せ、後方へと下がる。

 

蘭(ありがとうございます、ゆりさん。)

 

蘭「行くよ……"(さとり)"!」

 

蘭が叫ぶと黄色い猿が現れた。

 

"覚"--

 

 

"悟り"とも言われる妖怪の一種であり、人の心を読む事が出来る。所構わず人の心を読んでしまうので、周りに仲間がいると、仲間の心も読んでしまう。その為連携には不向きな精霊である。そして蘭は外界からの情報を断つ為に目を瞑って鞭を振り回した。

 

りみ「凄い…。まるで相手が何処にいるか分かってるみたい…。」

 

ゆり「さすが1対多で戦い抜いてきただけはあるね…。私達がいたら邪魔になっちゃうよ。」

 

蘭は目を瞑ったまま、敵の攻撃を避けつつ攻撃を加え、隙を見て通り抜けそうな敵から殲滅していった。

 

蘭(……これは…?)

 

蘭は"覚"の能力をフルに活用して全ての敵を殲滅したのだった。

 

 

--

 

 

りみ「凄い…あっという間に全部倒しちゃった。」

 

ゆり「そうだね…。」

 

2人は蘭の戦いを呆気に取られながら眺めていた。

 

蘭「はぁ、はぁ……ふぅ。さすがにこれで打ち止めかな…。」

 

だが、そこへ更に大型バーテックスが3体出現したのである。

 

ゆり「ここに来て大型が3体…キツイね……。だけどこんな所で諦める訳にはいかないよ!」

 

りみ「そうだよ…挫けるもんか!」

 

蘭「そうだね、りみ……ゆりさん。勇者は……挫けない!」

 

バーテックスが3人に襲いかかろうとしたその時だった--

 

 

 

?「勇者パーーーーーンチ!!!!」

 

突然の攻撃で大型バーテックスは仰け反ってしまう。

 

ゆり「あれは…。」

 

りみ「香澄ちゃん…!」

 

香澄達海岸で戦ってた組が間に合ったのだった。

 

香澄「ゆり先輩、りみりん、蘭ちゃん、大丈夫!?」

 

ゆり「香澄ちゃん…ナイスタイミングだよ。」

 

そして、

 

友希那「覚悟しなさい、バーテックス!」

 

友希那達の組も合流したのだった。

 

友希那「美竹さん達大丈夫?」

 

蘭「……遅いですよ。」

 

友希那「これでも急いで駆けつけたのだけれど。」

 

蘭「でも、助かりました。ありがとうございます。」

 

2体の大型が仰け反るも、もう1体がりみへと迫っていた。

 

りみ「…来るっ!」

 

そこへりみを守る勇者が1人、

 

あこ「あこが守るっ!!安心して、りみ!」

 

りみ「あこちゃん…ありがとう。」

 

そして次々に勇者達が大型へと攻撃を開始した。

 

有咲「邪魔だぁ!!」

 

薫「吹き飛べっ!!」

 

りみ「有咲ちゃんも、薫さんもありがとう。」

 

有咲「りみ、大丈夫だったか!?良く頑張ったな。……よくもやってくれたな、覚悟しろ!!」

 

すると、敵は勝てないと悟ったのか融合を開始したのである。

 

美咲「大きくなったからって負ける気はしないよ!」

 

薫「三方向からの奇襲…中々考えた様だが、これで終わりだよ。バーテックス……儚く散るがいい!!」

 

勇者達の一斉攻撃により"融合型"は瞬く間に殲滅されたのだった。

 

 

---

 

 

畑--

 

香澄「3人とも大丈夫だった?怪我とかは無い?」

 

ゆり「大分疲れたけど、平気だよ。ね、りみ。」

 

りみ「うん!みんなが駆けつけてくれたしね。」

 

香澄「良かったぁー。ホッとしたよ。」

 

香澄は胸を撫で下ろした。

 

りみ「私、今回の戦いで、また少し自分に自信が持てた気がするよ。」

 

そこにたえとモカもやって来た。

 

中たえ「それを修羅場をくぐったって言うんだよ。」

 

りみ「おたえちゃんにモカちゃん。」

 

モカ「蘭結構怪我してるねー。ココとか。」

 

蘭「平気だよこれくらい。」

 

モカ「本当に?」

 

蘭「本当だよ。さて、と。」

 

美咲「帰って寝る?」

 

蘭「いや、耕すよ。」

 

そう言って蘭は鍬を手に持った。

 

美咲「今から!?」

 

蘭「目の前に畑があるからね。」

 

モカ「本当…蘭はブレないなー。」

 

美咲「確かに。それじゃあ手伝うよ。」

 

高嶋「せっかくだし私も手伝っちゃうよ!」

 

夏希「私も!」

 

ゆり「私は寝る……って言いたいところだけど、まだ体が動きそうだから手伝うとしますか。」

 

りみ「私も手伝うよ。」

 

小沙綾「美竹さん、青葉さんに心配かけない様に強く振舞って…。」

 

有咲「勿論それもあると思う。だけど、あれは素の様な気もするけどな。」

 

友希那「牛込さん姉妹の底力は凄いという事が改めて分かったわね。そして美竹さん…。」

 

友希那(さすが諏訪を1人で守ってきた勇者だわ…。あなたと肩を並べて戦える事を誇りに思う。)

 

友希那「どんな作物が育つか楽しみだわ。」

 

3人の凄さを改めて知った勇者達は蘭の畑を一生懸命に耕すのであった。

 

 

 

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