愛媛奪還最終決戦。赤嶺香澄の猛攻に勇者達は勝つ事が出来るのか!?
勝利のカギは…りみりん。
"超超大型"バーテックスへ奇襲をかけてから数日後--
あこ「じゃじゃーん!あこ完全復活だよ!!これもりんりんの看病のお陰だね。」
ゆり「全快おめでとう、あこちゃん。」
蘭「さっ、もう一体の"超超大型"を倒す為、トレーニングを再開しよう。」
前回の戦いで、唯一"超超大型"バーテックスに対抗出来ていた高嶋が戦えない今、勇者達は個々の力を上げるべく、訓練を再開する。
香澄「高嶋ちゃんの分まで頑張るぞー!あの敵を倒せば愛媛解放だもんね。」
リサ「愛媛の次は徳島だよ。この勢いのまま最後の高知にまで攻め込みたいね。」
みんなが鍛錬をしている中、中々自信を持てない人物が1人いた。
りみ「うぅぅ…はぁ…はぁ…はぁ…。小学生のみんなは息も切らしてないよ…。本当に凄いなぁ…。」
香澄「大丈夫?りみりん。無理しすぎないでね。」
りみ「うん、大丈夫だよ…はぁ…はぁ…。」
りみは大丈夫だと取り繕いながら、鍛錬している周りのみんなを見回した。
りみ「薫さん達は当然の様にピンピンしてるし、西暦組はやっぱり鍛えられてる。」
香澄「よっ!はっ!とりゃー!!」
りみ「同じ時期に勇者になった香澄ちゃんも基礎体力が全然違う…。前々から分かっていた事だけど、私……頑張らないとな。でも、頑張ったところで……みんなが凄すぎるような。」
りみは自分が他のみんなより随分と劣っていると感じ、自信が持てていないのだった。
中たえ「自分の可能性を下に見たらダメだよ、りみ。」
りみ「わっ!?おたえちゃん…。」
落ち込んでるりみに向け、たえは言葉をかけてあげる。
中たえ「基礎体力は大事だから、それをつけながらも、りみは特技を磨いてけば良いんだよ。」
りみ「特技……。」
中たえ「樹海でのりみにだって持ち味はあるんだよ。それは少し私に似てるかも。考え方次第で色々な事が出来る。」
りみ「えっと………あっ、もしかして武器、かな?」
中たえ「そうそう。ワイヤーの戦法って無限だと思うんだよね。そこを磨けば、きっとりみの力になる筈だよ。」
りみ「でも、戦法って言っても…何をすれば良いのかな?」
中たえ「りみの周りには動きを参考に出来る人達が沢山いるよ。一緒に鍛錬すると、何かが見えてくるかもね。」
そう言われたりみは周りのみんなを再び見回した。
りみ「そ、そっか!ありがとう、おたえちゃん。何をするべきか分かった気がするよ。」
中たえ「色んな人に話しかけてごらん?可能性を見せてよ。」
りみ「よし、頑張ろう!」
りみは早速走り出していった。
ゆり「何だかりみが張り切ってるね。りみ頑張れ。応援してるよ。」
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りみは初めに香澄の元へとやって来る。
香澄「連続、勇者パーーーンチ!!だだだだだっ!!」
りみ「改めて見ると、香澄ちゃんのパンチって力強いなぁ。香澄ちゃん、もっと近くで見て研究しても良いかな?」
香澄「研究!?りみりんも勇者パンチをするの?」
りみ「うん。私の場合はちょっと違うけど…。」
そう言うと、りみはワイヤーを上手く使って拳の形に編み出した。
香澄「わぁ!凄いよ!そんな事が出来るんだね。」
りみ「今までの戦い方でも通じてはいたんだけど、更なるステップアップの為にね。」
香澄「りみりんは沢山考えてるんだね。偉いなぁ。」
りみ「みんなの動きを戦いの参考にしようかと思って。最初に香澄ちゃんの所に来たんだ。」
香澄「まず私から?あははぁー、照れるなぁ。何で最初に私なの?」
りみ「そう言われると何でだろう…。毎日香澄ちゃんの背中を見てきたからかな。だから、こういう時香澄ちゃんならって自然と足が動いたんだと思うよ。」
香澄「なるほどぉ…。あっ、これって!」
りみの言葉で香澄はある事を思い出す。
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友希那「後輩は常に先輩の背中を見てると言うわ。勇者としての模範を示さないといけないわね。」
リサ「普段通りで良いんじゃない?みんなりっぱに勇者をしてるんだから。」
友希那「そう言ってくれると嬉しいわ。」
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香澄「って言う事なのかな……。よーし!近くで見ていってね、りみりん!参考になると嬉しいけど。」
りみ「うん!沢山勉強させてもらうね、香澄ちゃん。」
そんなりみの姿を遠巻きから美咲と沙綾が見ている。
美咲「…お。あれは中々面白い光景だよ。山吹さんも見てよ。」
中沙綾「香澄の動きに合わせて、りみりんのワイヤーが変化していく…。器用だね。」
美咲「可愛い外見に反して、りみの武器は中々エグいからねー。頼もしいよ。」
中沙綾「元々りみりんの素質は凄いんだから。私も負けてられないな。」
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そうしてりみは次々に色んな人の所に行っては、その人の戦い方を研究し吸収していった--
りみ「こうしてワイヤーを繋ぎ合わせると、大きな盾にもなるよ。」
あこ「おーなるほど!それであこにガードする時のコツを聞きに来たんだね。」
りみ「宜しくお願いします、あこちゃん。」
あこ「まっかせて、りみ!何だろう、りみにお願いされると嬉しいよ。」
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蘭「ワイヤーを束ねれば鞭の様に使えるか…。うん、りみ賢いよ。私の鞭で良かったら、いくらでも学び取って。」
りみ「…うん、ありがとう蘭ちゃん。」
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薫「気の練り方は、そう簡単に修得は出来ない。まずは呼吸から始めよう。」
りみ「分かりました。お願いします、薫さん。」
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美咲「投槍のコツ?そっか。ワイヤーを束ねて有線式の槍を作れるんだ。便利ー。分かった。教えられるだけ教えるよ。」
りみ「ありがとう、美咲ちゃん。」
モカ「りみが色んな人から色んな事を学び取ってるねー。」
リサ「この合同訓練で1番伸びてるかもね。」
そこに敵襲のアラームが鳴り出した。愛媛奪還最終戦のゴングである。
友希那「とうとうこの時が来たわね。」
紗夜「やれるだけの事はやってきました。高嶋さんの分も、この戦いは負ける訳にはいきません!」
りみ「……よし。みんなのお陰で大分戦い方が広がった気がする。」
リサ「みんな、頑張って!無事で戻れるよう祈ってるよ。」
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樹海--
赤嶺「みんな、愛媛の命運をかけて戦いに来たよ。」
あこ「"超超大型"の前に赤嶺が相手って事だね!」
赤嶺「…あれ?怪我治ってたの?それはおめでとう。困ったなぁ。念の為に予備も持ってきたけど、1個足りなくなっちゃったよ。」
赤嶺は何やらぶつぶつと呟いている。
友希那「また精神攻撃でも企んでいるのかしら?」
赤嶺「いいや、今度は肉体的な攻撃だよ。それ!!行け、新たな改造精霊!!」
赤嶺が叫ぶと白い光を纏った精霊が勇者達の元へと迫ってきた。
燐子「な、何ですか……!?」
友希那「追尾形式…!はっ!」
友希那は生大刀で精霊を斬ると、白いものが纏わり付いてきたのだ。
香澄「何だかベタベタするよ!?」
赤嶺「勇者捕獲用のトリモチだよ。みんなを捕獲出来たみたいだね。」
夏希「こんなものすぐに引き千切ってやる!!」
赤嶺「だろうね。しかも奇襲用の精霊だ。2度目の捕獲はまず不可能。…でも、今ほんのちょっとでもみんなの動きを止められれば、それで十分なんだよ。」
あこ「っ!?まずいよ!赤嶺の攻撃が来るよ!」
赤嶺「行くよ、勇者…!!」
その時だった--
りみ「させない!!」
赤嶺「っ!?」
りみがワイヤー攻撃で赤嶺を怯ませる。
ゆり「りみ!!りみだけ…攻撃を受けてない!?」
りみ「みんなに手出しはさせない!!」
赤嶺「牛込りみ…ちゃんか。私と正面から戦う気なのかな?」
りみ「みんなに手出しをするなら…私は!!」
夏希「何でりみさんだけ攻撃を受けてないの!?」
赤嶺「簡単な話だよ。この勇者用トラップ精霊。ご覧のように極めて強力だけど、作るのに時間がかかってね。予備も含めて万全かと思ったのに、宇田川あこが退院してくるんだもん。1つ足りなくなったよ。」
つまりりみは意図的に外された、即ち勇者の中で一番戦闘力が低いと赤嶺に断定されたという事だった。
りみ「…!」
赤嶺「こうして直接、制圧すれば良いんだから!勇者パーンチ。」
真正面から赤嶺のパンチが飛んでくる。
りみ「……なら、あこちゃんの教えを!!」
りみはワイヤーをネット状にして赤嶺のパンチを受け止める。
赤嶺「なっ!?ワイヤーをネット状にして防いだ!?」
あこ「良いよ、りみ!!ナイスガード!」
中沙綾「勇者部期待の若手を侮りすぎだよ。」
りみ「ええええーーーーい!!!」
すかさずりみはワイヤーを鞭、投槍、拳に変化させ赤嶺に反撃をする。
赤嶺「くっ、ワイヤーが…変幻自在に!?こんなに強かったっけ!?」
香澄「私の拳に蘭ちゃんの鞭…そして美咲ちゃんの投槍。凄い…凄いよ、りみりん!」
赤嶺「だけど、もう…見切っちゃったよ!!覚悟して!」
赤嶺が再び攻撃をしようとしたその時、
薫「りみちゃんはやらせないよ。これだけ時間を稼いでくれたら十分だ。」
赤嶺「お姉様!?」
りみが時間を稼いだお陰でトリモチを取り除く事が出来たのである。
赤嶺「…くっ、もう復活してきたか。」
ゆり「中々の奇襲だったけど、あなたは私の妹を侮った。詰めを誤ったわね。」
有咲「凄いぞ、りみ…。成長したな!!」
りみ「はぁはぁ…。す、少しの足止めが精一杯だったけど…よ、良かったぁ…。」
赤嶺「一番弱いと思った彼女でさえこれか…。全員が全員成長してるって事だね。それなら…。」
樹海全体が大きく揺れ出す。
薫「この地鳴り……遂に来たね。」
地鳴りと共に、彼方から"超超大型"バーテックスが姿を現した。
友希那「これが最後の戦いよ!みんな、行くわよ!!」
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友希那「みんな、行くわよ!」
あこ「来たれ!"輪入道"!」
燐子「お願い!"雪女郎"!」
紗夜「来なさい!"七人御先"!」
友希那「来い!"義経"!」
薫「行くよ!"水虎"!」
夏希「行っけー!"鈴鹿御前"!」
小たえ「おいで!"鉄鼠"!」
小沙綾「来て!"刑部狸"!」
西暦組と小学生組は一斉に精霊を憑依させ"超超大型"へと突っ込んで行く。
蘭「私達の精霊はここじゃ不向きだからね。」
美咲「援護に徹するよ!!」
2人は擬似バーテックスを殲滅していく。全員もはや言葉を交わさなくとも、アイコンタクトで十全なチームワークを発揮していた。
香澄「みんな凄いね!」
中沙綾「仲間が大勢いるとこんなに心強いんだ。」
中たえ「私達も負けてられないよ。」
有咲「当たり前だ!バシッと決めてやる。」
ゆり「さぁ、今日の主役はりみだよ。一思いに行っちゃって!!」
りみ「お姉ちゃん……。うん!!みんな、行くよ!!」
6人「「「満開!!」」」
神世紀組の6人は満開し、一気に"超超大型"へトドメを仕掛ける。
あこ「あと一息だよ!!」
ゆり「最後のトドメはりみ、お願いね!!」
りみ「うん!!そぉりゃあぁぁぁぁ!!!」
りみは無数のワイヤーで拳を作り出し、パンチの連打を"超超大型"へと叩きつける。そのパンチの余波で辺りは煙で包まれた。
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煙が晴れると、"超超大型"は跡形も残らず消滅していた。
りみ「やった……。やったよ、お姉ちゃん!!」
赤嶺「まだだよ……まだまだ!!」
だが、赤嶺はまだ諦めてはいなかった。
赤嶺「四国の半分を…天下の半分を取るかの戦い……こんなんじゃ終われない!!」
赤嶺は残った擬似バーテックスをありったけ出現させ、それが集まり"大型"を何体も生み出していった。
友希那「受けて立つわ…正面から。行くわよ!!」
赤嶺「まだだよ、どんどん来て。惜しみなく投入していかないとね…。」
小たえ「もうお腹いっぱいだよー。」
赤嶺「これぐらいで泣き言を言っているようじゃあれだよ。壁の外は踏破出来ないよ!」
香澄「勇者パーンチ!!」
赤嶺「おわっとお!後輩ちゃん!!」
香澄「そろそろ目的や正体を教えてくれても良いんじゃないかな。」
赤嶺「正体はともかく、目的の方は察しの良い人なら気が付いてるんじゃないかな?」
香澄「そう言うちょっとぼかした言い方は無しで!」
赤嶺「…神樹は四国全土に対して生きていけるよう恵みをもたらしているんだ。生態系…生命のサイクルに…因子の様なものを入れる事だって出来るんだよ。」
香澄「えっ!?どう言う事?もう一回…うわっ!?」
赤嶺の後方からかつてない程のバーテックスが押し寄せてくる。
赤嶺「これが正真正銘、愛媛の最終戦だよ。防ぎきれるかな?」
あこ「出来る!!生まれ故郷を返してもらうよ!!」
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迫り来るバーテックスの大群。だが、勢いが乗っている勇者達の猛攻を止める事は出来なかった。
中沙綾「全砲門、一斉発射!!」
りみ「ワイヤーの雨をくらえーー!!」
特に満開の威力は眼を見張るものがあり、圧倒的な物量をものの数分で消し去ってしまった。
りみ「はぁ……はぁ……。私達の、勝ちです!!」
赤嶺「はぁ、はぁ、くっ……分かった…愛媛はあなた達に返してあげるよ。だけど、次はこうは行かないからね…。」
負けを認めた赤嶺は突風を巻き上げ消えてしまった。
あこ「やった…やったよ、りんりん!!故郷を取り返したよ!!」
燐子「そうだね…あこちゃん!やったね…!」
疲れも忘れて2人は抱き合った。
友希那「良かったわね…あこ、燐子。」
ゆり「さすがは私の妹!良く頑張ったね。」
ゆりはりみの頭を撫でる。
りみ「うん…私でもみんなの役に立てたよ。」
りみの活躍により愛媛を取り戻した勇者部。だが、これで終わった訳では無い。愛媛での最後の仕事がまだ残っているのだった--