戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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着々と話は終わりへと近付いています。

ここから徳島奪還編が始まり、その後は高知奪還編へと続きます。





不透明の心情

 

徳島での初戦を白星で飾った勇者たちは徳島に上陸していた。

 

 

徳島--

 

小たえ「エンジョーーイ、トクッシマラーーイフ!!とっくしま、とっくしま♪」

 

彩「とっくしま、とっくしま♪」

 

夏希「おたえのテンションに乗れるぐらい馴染んだなぁ、彩さん。」

 

中沙綾「良い事だね。夏希、次はあっちに行ってみようか。」

 

みんな思うがままに徳島を満喫しているが、リサは浮かない顔をしていた。

 

友希那「どうしたの、リサ?」

 

リサ「何とか徳島に食い込む事は出来たんだけど、思ってたより解放地域が少ないんだよ。愛媛を取れば一気に展開が楽になるって言ったんだけど、これじゃぁまだまだかも。」

 

美咲「全然問題無し。いやーまだまだ解決する事が多くて嫌になっちゃいますよ。」

 

薫「美咲は上機嫌だね…。リサ、気にする事は無いよ。」

 

友希那「そうよ。前進はしている。勝ちを少しづつ積み上げていけばいいのよ。」

 

蘭「当面の目的は、粘り強く戦って解放地域を増やして、更なる援軍を呼び込めば良いって事だね。」

 

モカ「コツコツとだね。」

 

美咲「大いに結構。コツコツ堅実派の私にとっては問題無し。」

 

 

--

 

 

小たえ「蟻さん、元気?たえだよ。」

 

蟻と戯れているたえの元に沙綾がやって来る。

 

小沙綾「あれ?おたえ彩さんは?一緒じゃなかったっけ。」

 

確かに徳島に着いてから彩はたえと行動していたが、今たえの近くに彩の姿は無かった。

 

小たえ「あれ?いない。ごめん蟻との対話に夢中だったよ。」

 

小沙綾「別に謝る事じゃ無いよ。しっかりしてる彩さんの事だから、端末に伝言とかない?」

 

たえは端末を確認すると、彩からの伝言が入っていた。

 

小たえ「あっ、本当だ。さすが沙綾、端末にメッセージが入ってたよ。」

 

彩『良い掃除用具があったので見てみるね。』

 

小たえ「彩さん掃除好きだもんね。」

 

小沙綾「何事も無いと良いんだけど…。」

 

 

---

 

 

徳島、商店街--

 

たえと別れた彩は1人、商店街に来ていた。

 

彩「おー。色んな掃除用具があって目移りしちゃうよ。」

 

 

そこに--

 

 

赤嶺「うわ、うわー可愛い新人さんだ。」

 

赤嶺がやって来たのである。

 

彩「っ!あなたはまさか。」

 

赤嶺「ふふふ、私の事は聞いてるみたいだね。そう、赤嶺香澄だよ。」

 

彩「丸山彩です、宜しくお願いします。」

 

赤嶺「彩ちゃん、ちょっと向こうでお話ししない?話で解決出来る事もあるかもしれないから。」

 

彩「素晴らしい提案だね。分かったよ、今行くね。」

 

赤嶺「……もうちょっと警戒してくれないかな。」

 

 

--

 

 

一方その頃、たえと沙綾は端末に残ってたメッセージを頼りに商店街へと彩を探しに来ていた。

 

小たえ「確かこの辺りのお店だった筈…。あっ!赤嶺さんがいるよ!?」

 

小沙綾「彩さんを狙ってきたって事!?」

 

2人の姿に赤嶺も気付く。

 

赤嶺「そうそう。今のが平常な反応。丸山彩ちゃん、最低限あれくらい警戒心がないと危ないよ。」

 

だが彩は意外な言葉を赤嶺にかける。

 

彩「でも、会ってみて分かったけど赤嶺ちゃんは全然悪い人じゃないと思うんだ。」

 

赤嶺「それは彩ちゃんが悪い人を見ていないからだよ。…って何言ってるんだろ。調子狂っちゃうな。」

 

そう言って赤嶺は何もせず去って行ってしまう。

 

小沙綾「消えた!?…何だったんだろう一体?」

 

 

---

 

 

勇者部部室--

 

部室に戻ったたえと沙綾は他のみんなに商店街で起こった事を伝えた。

 

有咲「彩が赤嶺に攫われそうになった!?巫女を狙うなんて、香澄の名が泣くな全く。」

 

美咲「確かに可愛いからねー。それにしても油断も隙もない。」

 

彩「赤嶺ちゃん、全然怖いイメージが無かったんだ。だから話し合いで解決出来るならって。」

 

ゆり「確かに敵だけど、どこか憎めないところもあるよね。」

 

彩「ごめんなさい。みんなの力になればと思ったけど心配かけちゃったみたいだね…。」

 

薫「彩は既に十分過ぎるほど力になっているさ。彩からはゆりと近しいものを感じるよ。そう、母なる海の様な大らかさをね。」

 

彩「えっ、私そんなに背大っきくないけど…。」

 

薫「身長の問題では無いよ。私は彩は彩のままでいて欲しいんだ。そんな彩を攫おうとするなんて、赤嶺香澄…今回は許されないよ。」

 

薫は静かに怒りを燃やしていた。

 

美咲「今度会ったらビシッと言ってやってよ、お姉様。」

 

紗夜「母なる海の様な大らかさ……何となく今回は瀬田さんの言っている事が分かります。」

 

高嶋「彩ちゃん何て言うか、抱きしめてくれそうな雰囲気があるよね。」

 

紗夜「高嶋さんも…割とそんな感じですけどね。」

 

ゆり「ともかく、今後は単独行動は控えた方が良いね。特に巫女は。」

 

リサ「そうだね。土地の半分を取られて敵側の動きに何か変化があったのかも。」

 

蘭「モカ、離れないでよ。明日から農作業も一緒にやろう。」

 

モカ「こりゃ大変になりそう。」

 

ゆり「ま、まぁ1日中ずっとじゃ体力に限界があるから交代制が良いかもね。」

 

勇者部達の対策会議は続いていく。

 

 

--

 

 

中たえ「それじゃあ、巫女の素養がある沙綾には私と香澄が交代で警備につくね。」

 

中沙綾「私は勇者になれるから大丈夫だよ。彩さん達を守ってあげて。」

 

香澄「いやいや、私は離れないからね。」

 

中たえ「守らせて、沙綾。」

 

中沙綾「2人には……いつも守ってもらってばっかで。」

 

中たえ「沙綾はそんな性質があるんだよ。ほら、あれ見てよ。」

 

たえが指した方には小学生組--

 

 

と紗夜がいた。

 

 

夏希「安心して沙綾。私が近くにいるから。」

 

小たえ「私もいるよ。」

 

紗夜「私もです。連携しましょう、海野さん、花園さん。」

 

小沙綾「わ、私は巫女としての力は持ってないよ。」

 

夏希「なんて油断してる所に来るかもしれないからさ。ま、諦めて私達に守られる事だよ。」

 

 

--

 

 

中たえ「でしょ?」

 

中沙綾「…ありがとう。それじゃあよろしくね。」

 

香澄「任せて、さーや!!」

 

一方で彩には薫と燐子がついていた。

 

薫「彩、安心して良い。もしまた赤嶺が来ても私がいる、任せてくれ」

 

燐子「私も近くで守ります…。頼りないかもしれないけど、危機察知だけは…自信がありますから…。」

 

彩「とっても心強いよ。」

 

友希那「リサ、そんな訳で私が傍にいるわ。」

 

リサ「いつもと変わらないね。」

 

友希那「確かにね。」

 

高嶋「私もフォローするよ、友希那ちゃんにリサちゃん!」

 

リサ「ありがとね、香澄。」

 

 

---

 

 

樹海--

 

友希那「今日も敵の戦力を削って行きましょう。」

 

その時、友希那は何かの気配を感じ取った。

 

赤嶺「こんにちは、元気そうだねみんな。」

 

美咲「出たな、この誘拐未遂犯。」

 

薫「私は怒っているよ、赤嶺香澄。」

 

赤嶺「丸山彩ちゃんの事?信じてくれなくて良いけど、別に害意は無かったよ。四国の半分を取ったからって、あまり楽勝ムードになられても困るから、びっくりさせようかなって。人質にはしないで、すぐ返すつもりだったけど。あの子があまりに純粋で狂言する気も無くなったよ。まぁその様子を見るに私が丸山彩ちゃんに接触する姿を見ただけで、十分にびっくりはしたみたいだね。」

 

有咲「そりゃあな。戦闘外での不意打ちはしないとか言ってた奴が何の心変わりかと思うだろ。」

 

蘭「今日はそれを言いに出てきたの?」

 

赤嶺「ううん、別件。こっちも徳島での迎撃準備が整ったからね。改めてご挨拶をと思って。」

 

中沙綾「今度はどんな作戦で来るの?」

 

赤嶺「シンプルだよ。数にモノ言わせるだけ。造反神様、不利になった事で力が増したから。という訳で、今後は攻めても攻めても中々土地が取れないと思うよ?」

 

その言葉と共に、擬似バーテックスの大群が押し寄せてくる。

 

赤嶺「ね?ハッタリじゃないでしょ。それじゃあ頑張ってね。」

 

そう言い残し赤嶺は消えていった。

 

あこ「言いたい事だけ言って消えちゃったよ。」

 

友希那「何であろうと私達がやる事は1つよ!!どんな手で来ようとも私達は負けないわ!」

 

 

 

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