戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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戸山香澄vs赤嶺香澄の一騎打ち、勝つのはどっちの香澄か?

次回、遂にあの4人がやって来ます。




拳と拳のぶつかり合い

 

 

樹海--

 

あこ「とりゃあーー!!徳島返せーー!」

 

りみ「えいえいえいえーーーーい!!」

 

ゆり「りみも随分腕が上がったのは喜ばしいけど、キリがないよ。」

 

徳島に入ってから敵が次々と湧いてくるので、勇者達は中々土地を取り返せなくなってきていたのである。

 

あこ「んもーーー!!キリが無いよ!!りんりん、何か策は無い!?」

 

燐子「焦っても仕方ないよ…。堅実に行こう…。」

 

あこ「むーっ、やっぱり無いかぁー!よーし、夏希!掛け声だよ!勇者はー!」

 

夏希「根性ーーっ!!」

 

そこへいつものように赤嶺が姿を現した。

 

赤嶺「今日も闘魂燃えたぎってるね。こんにちは、お姉様。みんなも御機嫌よう。」

 

紗夜「遂にボスが現れましたか。」

 

赤嶺「残念ながらそうじゃないんだな。」

 

紗夜「では下がってなさい。」

 

赤嶺「まぁまぁ会話イベントだと思って聞いてよ。」

 

紗夜「それなら仕方ないですね…。」

 

赤嶺「勇者のみんな。中々徳島を奪還出来なくてそろそろ、もどかしく思ってきたでしょ。」

 

有咲「それで私達の根負けを狙うのがあんたの狙いなんじゃないの?」

 

赤嶺「勇者は根性って言うしね、それは効果が薄いと思ってるよ。実際今もそんな感じだったし。こっち側としても、また土地を奪っていきたいんだけど、戦線が膠着しちゃってさ。」

 

小沙綾「何が言いたいんですか?」

 

赤嶺「そこで私がある提案を持ってきたという訳。この停滞状況を打破する提案をね。」

 

小たえ「提案?何だか危険な香りがしてきた。」

 

そして赤嶺は驚くべき提案をしてきた。

 

赤嶺「私からの提案はね、一騎打ちだよ。互いの陣営から代表を1名ずつ出し合って戦う。こっちが勝てば、徳島をまた全部貰う。こっちが負ければ、徳島の多くを渡す。どうかな?この行き詰まった感じを一気に全部解決出来ると思うんだけど。」

 

美咲「こっちが勝ったとして、そっちが素直に土地を返してくれる保証がゼロなんだけど。」

 

赤嶺「まぁ確かにね。じゃどうする逃げる?」

 

あこ「逃げないよ!!受けて…!!」

 

すかさず燐子があこの口を塞ぐ。

 

燐子「待って、あこちゃん……!あからさまな挑発だよ…。」

 

香澄「ちょっとタイム良いー?」

 

赤嶺「良いよ。よく話し合ってね。」

 

勇者達は赤嶺から距離をとって話し合いを始める。

 

 

--

 

 

中沙綾「相手は対人戦に特化してるって情報がある。そんな相手と一騎打ちなんて危険じゃないかな?」

 

友希那「確かに。でもここは敢えて一騎打ちを挑むべきだと私は思うわ。赤嶺香澄は物理的に捕らえても逃げる。決着をつけるには徹底的に負かして、心を摘むしかないんじゃないかしら?」

 

薫「なるほどね、その為には挑戦を受ける必要がある、か。心理攻撃を破った時のように。」

 

友希那「戦いましょう。あいつは私が倒すわ。運命を切り開く!!」

 

そうして友希那が赤嶺の前に出るのだった。

 

 

--

 

 

友希那「赤嶺香澄。私が相手になるわ!」

 

だが、そこで赤嶺から追加で条件が入る。

 

赤嶺「あ!ごめんごめん。言い忘れてた事があったよ。私が戦う相手は戸山香澄か山吹沙綾ね。」

 

友希那「私との戦いから逃げるのかしら?」

 

赤嶺「逃げるっていうか、あなたじゃ今回の趣旨とは外れるんだよ。」

 

中沙綾「何で私か香澄なの?」

 

赤嶺「勇者達には団結が必要だけど、それにしても個人の力だって必要。2人には可能性を見せてもらわないと。その為に私はここに来たんだから。」

 

赤嶺の意味深な発言に沙綾も戸惑いを隠せない。

 

中沙綾「?一体どういう事?おたえ、今の赤嶺の発言はどう見てる?」

 

中たえ「香澄か沙綾のお手並み拝見って言ってるんだと思う。」

 

小たえ「この状況そのものが、一騎打ちの土台として用意されてたんじゃないかな。」

 

中沙綾「香澄か私が一騎打ちするしかない状況を作る為にわざわざ戦況を膠着させたって事?」

 

美咲「やっぱり巫女狙いなんじゃないの?山吹さんを一騎打ちに引きずり出して倒すって魂胆じゃ。」

 

紗夜「戸山さんが指名に入ってるのは、戸山さんを倒した場合でも、山吹さんを無力化出来るからかしら?」

 

中たえ「でもさっきまでの言葉を考えると、その線はちょっと薄い気がする。」

 

どちらが行くか決まらない状況で、香澄が口を開いた。

 

香澄「あの…私行ってこようかと思うんだけど。組み合ってみる事で、赤嶺ちゃんの考えている事が分かるかも。」

 

中沙綾「でも相手は対人に強いんだよ、危険だよ。それなら私が……。」

 

心配する沙綾の手を取って香澄は言う。

 

香澄「ありがとう、さーや。でも相手は香澄だから。こっちも香澄で丁度いい気がするんだ。」

 

蘭「確かに。香澄同士の謎を解き明かすチャンスかもしれない。」

 

香澄「うん、戸山香澄、行ってきます!!」

 

そう言って、香澄は赤嶺の元へと走っていった。

 

赤嶺「お、話がまとまったのかな?一騎打ち、やる流れみたいだね。嬉しいよ。どうせだから高嶋先輩。レフリーとして勝負の判定、お願いしていい?」

 

高嶋「分かったよ。責任持ってレフリーするね。」

 

香澄「みんなー、私やってくるね!!」

 

香澄は後ろを向いてみんなに手を振った。

 

有咲「全く…他の人だと心配するくせに自分の時は率先して……。本当に香澄は…分かった、ぶっ倒して来い!」

 

友希那「相手は強いけれど、戸山さんの底力を私は知っている。頼んだわよ。」

 

紗夜「戸山さんなら、あの相手とも仲良くなれてしまうかもしれません。頑張ってください。」

 

あこ「香澄は元が強い上に、あこが応援するから絶対勝てるよ!」

 

燐子「この流れなら、相手は正攻法で来ると思います…。戸山さん、応援してます…。」

 

小沙綾「大変なプレッシャーだと思いますけど、香澄さんならきっと…。」

 

小たえ「頑張れ、頑張れ香澄先輩!!」

 

夏希「出来るだけ大きな声で応援します!!」

 

蘭「私の野菜を食べてるから大丈夫。頑張れ、香澄。」

 

美咲「遠くで見ていて何か気付いた事があればアドバイス送るからね。」

 

薫「大丈夫。みんなが、海が、香澄ちゃんを見守っているよ。」

 

りみ「香澄ちゃんなら出来るよ。だって香澄ちゃんだから!」

 

ゆり「頑張って、香澄ちゃん。部長として応援してるよ。」

 

 

みんなの応援が香澄の心に響く--

 

 

香澄「みんな、ありがとう!!さーや、見ててね!」

 

中沙綾「いつも見てるよ。」

 

 

--

 

 

香澄「お待たせ、赤嶺ちゃん。」

 

赤嶺「提案に乗ってくれてありがとう。そうこなくっちゃね。」

 

高嶋「これから香澄と香澄の戦いを始めます!レフリーは私、香澄です!」

 

有咲「改めて見ると、相当カオスな光景だな。高嶋も開き直ってるよ。」

 

友希那「あれだけ私が戦うと宣言したのに、戸山さんに任せてしまうのは恥ずかしいわね。」

 

紗夜「あの流れでは仕方ないでしょう。別に格好悪いとは思ってません。」

 

友希那「紗夜…。」

 

紗夜「さぁ、応援しましょう、戸山さんを。そしてレフリーの高嶋さんも。」

 

燐子「この戦いに勝って、土地を取り戻せれば…更なる援軍が呼び込める筈です…。」

 

中沙綾(香澄……頑張って!)

 

高嶋「それでは2人とも、見合って見合ってー。始めっ!!」

 

戦いのゴングが鳴り、2人の香澄が激突する。

 

 

 

香澄「はぁぁぁぁぁっ!!!」

 

赤嶺「ふぅぅぅぅぅっ!!!」

 

香澄「勇者パーーーンチ!!!」

 

赤嶺「勇者パンチ…!!」

 

2人の勇者パンチがぶつかり合う。

 

高嶋「わっ!す、凄いぶつかり合い。」

 

友希那「互角だわ!これは気持ちのぶつかり合いね。」

 

両者は体制を立て直し、2撃目に入る--

 

 

 

香澄「勇者ぁーーーキーーーーック!!」

 

赤嶺「勇者キック…!!」

 

両者の力はほぼ互角だった。

 

高嶋「こっ、これも同じくらいの強さ!ぶつかり合う風圧が、凄くて…!」

 

中沙綾「香澄、頑張れ!!」

 

2人とも一歩も引かず勝負は続くと思っていたが、

 

赤嶺「勇者パンチ!!」

 

香澄「勇者パンチ!う、うぁぁぁぁっ!!」

 

赤嶺の勇者パンチを受け止め切れずに飛ばされてしまう。

 

赤嶺「吹き飛んだね。相殺しきれてないよ。私の勝ちかな。」

 

その時だった。

 

有咲「勇者部五箇条!!!」

 

樹海に勇者部の声が響き渡る。

 

中たえ「なるべく〜?」

 

香澄「諦めない!!!」

 

香澄は立ち上がる--

 

 

赤嶺「立ったか……。」

 

香澄「ごめんね赤嶺ちゃん。私1人の力を見てみたいって言ってた気がするけど…。」

 

あこ、蘭「「フレー!!フレーー!!香澄!!」」

 

中たえ、ゆり「「ファ・イ・トーーー!!!」」

 

香澄「ここまでみんなの声援をもらってて、1人とは言えないかな。みんなの声を、想いを、この拳に乗せて……!!はぁぁぁぁっ……!!」

 

みんなの声援を受け、香澄の拳に力が溜まっていく--

 

 

赤嶺「…ふふ。こっちも限界を超えていくよ。勇者パンチ!!」

 

香澄「勇者パーーーーーンチ!!!!」

 

4度目のぶつかり合い、勝ったのは--

 

 

 

赤嶺「うわぁぁぁぁぁーーっ!!!」

 

戸山香澄だった--

 

 

赤嶺が物凄い勢いで吹き飛ばされていく。

 

美咲「おぉー!吹き飛ばした!」

 

赤嶺「うっ……。一騎打ちは完敗だね…!凄いよ…。」

 

ふらふらで起き上がった赤嶺を擬似バーテックスが連れ去っていった。

 

燐子「見てください…樹海化が解けていきます…。土地が戻ってきたんですよ…。」

 

高嶋「凄かったよ、戸山ちゃん!」

 

香澄「みんなのお陰だよ、高嶋ちゃん。そしてはっきり分かったよ。赤嶺ちゃんとも分かり合えるって。絶対、一緒に戦える時が来る。」

 

高嶋「……うん!そうだね、戸山ちゃん。」

 

拳と拳を交えた一騎打ちに勝利した香澄。その最中で、確かに赤嶺の思いを感じ取る事が出来たのである。そしてこの一騎打ちで徳島の土地の多くを取り戻し、更なる援軍が来る事となる--

 

 

 

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