そして赤嶺の口から出てきた氷河日菜の先祖とは--
勇者部部室--
赤嶺との一騎打ちに勝利し、徳島の多くを勝ち取った勇者部。そして今、新たな仲間がここに召喚されようとしていた。
高嶋「戸山ちゃんの頑張りで、来るよ来るよ!彩ちゃんの友達が…新しい仲間が来るよー!!」
燐子「徳島の土地を沢山取り返して、神樹様にまた力が戻って…良かったですね、丸山さん…。」
彩「うん、燐子ちゃん。千聖ちゃんに花音ちゃん、イヴちゃん、日菜ちゃん。会えるのが楽しみだよ。」
有咲「ん?なんだか気になる名前が2つ程…千聖に日菜?」
有咲はどうやら2人の事に聞き覚えがあるようだった。
香澄「ワクワクする瞬間だよね、さーや!」
中沙綾「そうだね。でも体調は大丈夫?」
香澄「時々痛むけど大丈夫だよ。さぁ、ようこそ勇者部へ!」
彩「わくわくわくわく………………わく?」
しかし彩の仲間たちはなかなか召喚されてこなかった。
ゆり「あれ?また夏希ちゃんみたいにどこかに引っかかってるとか?」
その時樹海化警報のアラームが鳴る。
夏希「あ!このパターンは私じゃなくて友希那さん達のパターンじゃないですか?」
中たえ「樹海に召喚されて敵と遭遇してるんだね。早く助けに行かないと。」
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樹海--
紗夜「人影を発見、2人程いるようです。あれは……1人は赤嶺香澄じゃないでしょうか?」
友希那「いきなり赤嶺に襲われるのはマズイけど、そんな感じでも無いようね。」
赤嶺は誰かと話をしてるようだ。
赤嶺「…あれが私の戦ってる相手だよ、つぐちん。……じゃ無かった。つぐみじゃなくて子孫の日菜だね。」
日菜「ありゃ!人の格好をしてるけどバーテックスなんだね、赤嶺ちゃん。」
赤嶺「うん。そしてこっちのバーテックスは味方なんだ。という訳で助けてくれないかな?」
日菜「分かったよ!赤嶺家と氷河家は盟友だもんね!そこのみんな!今から倒しちゃうよー!!」
そう言い放ち、日菜は勇者部に攻撃を仕掛けてくる。
小沙綾「っ!襲ってくる?もしかして騙されてるんじゃ!?私たちが味方でそっちが敵です!!」
有咲「ちょっと、日菜さんじゃないですか?私です、市ヶ谷有咲です!」
日菜の事を知っている有咲が必死で説得するも、日菜は聞く耳を持たなかった。
日菜「問答無用!私の目は欺けないよ!」
有咲「仕方ねぇ、りみ!!」
りみ「分かった!えーーーいっ!!」
りみはワイヤーで日菜の身動きを封じた。
日菜「あれあれあれ!?う、動けないー!!」
日菜はジタバタもがくもワイヤーはビクともしなかった。
美咲「やれやれ…ちょっと話聞いてよ…ってマズイ、お仲間も召喚されてきたよ。」
?「っ!?何故樹海の中に?私達は壁の外を探索中だったのに…。」
?「ど、どうなってるの千聖ちゃん!?私達3人しかいないよ?他のみんなは何処!?」
?「千聖さん、花音さん、あそこを見てください。」
イヴが指した先には人に囲まれ、ワイヤーでぐるぐる巻きにされている日菜の姿が。
千聖「あれは、日菜ちゃん!?何が起きてるか分からないけど、とにかく行きましょう!」
イヴ「了解です。」
花音「ふぇぇ!?まさか戦闘するの!?私聞いてないよー!!」
千聖「とにかく状況を見極めないと。」
千聖達が日菜の所へ向かっているのに友希那達は気付く。
友希那「マズイわね…。また戦闘になってしまうわ。」
薫「一旦落ち着いてもらうしかないようだね。」
千聖は勇者達の前に辿り着き、銃剣でワイヤーを狙い打った。
有咲「ちょっと待て!!」
だが有咲が弾を全て弾き落とす。そして今の行動で千聖も何かに気付いたようだった。
千聖「やはり彼女達は人間よ。とても敵とは思えない。みんな、戦闘態勢を解いて。」
花音「良かったぁ…。」
千聖「と言うより知った顔がいるのよ。」
有咲「やっと気付いたか、白鷺千聖…。」
千聖「市ヶ谷有咲…。」
日菜「え!?本物の有咲ちゃんなの!?」
有咲「だからさっきからそう言ってるだろ。突撃思考は相変わらずだな、氷河日菜。」
有咲と千聖と日菜の3人はかつて勇者候補生として同じ屋根の元で訓練してきた間柄である。中でも有咲と千聖は勇者の座を最後まで争ってきたライバル関係でもある。
イヴ「あっ、あれは夏希さん。」
イヴも見知った顔を見つける。
夏希「あっ、もしかしてイヴ!?…が中学生になったのかな!?」
イヴと夏希達小学生組は神樹館小学校の生徒であり、その時イヴは夏希達の隣のクラスだった。つまり夏希に何が起こるのかを知っている人物でもある--
花音「あっ、勇者の皆さん!?」
香澄「あれ!?花音ちゃんだ!」
そして花音も会った事のある人達、勇者部の面々と再び邂逅するのだった。花音は自分の部活が勇者として選ばれなかった際、勇者に選ばれた人物を探ろうとして花咲川中学へと忍び込んだ時、勇者部の人達と出会ったのである。
あこ「あれあれ?なんだか知り合いが多いみたいだね!あこも混ぜて。」
日菜「赤嶺ちゃん!?これは一体どういう事?」
赤嶺「あははっ!私こそが敵だったんだよ。ごめんね、嘘ついて。つぐちんの…"氷河つぐみ"の子孫をどうしても見ておきたかったんだ。」
日菜「なっ……。」
香澄「赤嶺ちゃん!」
赤嶺「1対1の決闘も終わって、いよいよ私との攻防戦もクライマックスだね。高知で待ってるよ。そこで決着を付けよう。来る事が出来たらね…。」
いつも通りに赤嶺は消えてしまう。
中沙綾「また消えた…。私達の同士討ちが狙いだったのかな。」
香澄「…赤嶺ちゃんは、私との戦いでもっと技術に頼る事も出来たと思うんだ。でも正面から勇者パンチの……気持ちのぶつかり合いで勝負してきた。赤嶺ちゃんはそんな人だから。今のはただ、本当にからかっただけの気がするよ。」
拳をぶつけ合った香澄には赤嶺の気持ちが何となく分かるようだった。
高嶋「高知に行けば分かるって事だね、戸山ちゃん。」
香澄「うん。」
香澄(今度で決着か…。その後はお友達になろうね、赤嶺ちゃん。)
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誤解を解く事が出来た千聖達は気を取り直して勇者部に挨拶をする。
千聖「…先程はごめんなさい。私は"防人"の白鷺千聖よ。"防人"のリーダーとして謝るわ。」
ゆり「良いよ、千聖ちゃん。この世界に召喚された直後なんだから訳が分からなくて当然だよ。」
友希那「取り敢えず、部室に来てくれるかしら?丸山さん…丸山彩さんから詳しく話を聞いてちょうだい。」
友希那の言葉を聞いて、千聖に笑顔が戻る。
千聖「っ!彩ちゃんが来てるのね。」
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勇者部部室--
防人組は彩から話を聞いてこの世界の現状を知った。
日菜「彩ちゃんから全部話は聞いたよ。みんな、勘違いしちゃってごめんね。」
蘭「別に気にしてないですよ。」
リサ「この特殊な世界の中では、防人の戦衣も性能は勇者と遜色無いものまで引き上げられてるよ。神樹様も防人全員を呼ぶ力は無かったみたいだけど、4人も来てくれて本当に助かるよ。」
花音「こんな素敵な勇者様軍団の中に加えられたって事は、私たちいよいよ認められたって事だよね、千聖ちゃん。」
千聖「どうかしら。使えるものは何でも使うって精神かもしれないし。
イヴ「それでも選ばれたという事ですから。」
千聖「心理を解析するようになってきたわね、イヴちゃん。」
香澄「千聖さんは、有咲と一緒に特訓してたんですよね?頼もしいです。」
日菜「私も同じ環境だったよ。頼りにしてね。」
夏希「おーなんか強いオーラ出てますもん。海野夏希です。宜しくお願いします。」
千聖「宜しくね、夏希ちゃん。」
日菜「この子達が、私達の先輩かぁー。宜しくね、みんな。」
友希那「神世紀も時代が進むと勇者になる人達も増えてくるのね。」
香澄「でも私達、千聖さん達が頑張ってる事は全然知らなかったんです。」
ゆり「現実世界での私達の御役目は終わったものだと思ってたけど…。そういう訳じゃないのかも。」
りみ「でも今回みたいに、ちゃんと事情も話してもらってみんなと一緒に戦えるなら、私は…。」
ゆり「私の妹ながら勇者だね。まぁそれは戻ってから考えようか。」
香澄「やー、部室がよりみっちりになったねー。わいわいで楽しいよ!」
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あこ「ちささんと有咲ちゃんが知り合いだって言うのは分かったけど、夏希とイヴも知り合いなの?」
イヴ「私は神樹館小学校でした。夏希さんとは同学年でちょっと話した事があるくらいです。クラスだって違うので、私の名前まで覚えてるとは思わなかったです。」
夏希「勉強は自信無いけど、そういうの覚えるのは自信があるんだ。いや、あるんです、か。」
小沙綾「そうだったんだ。私は全然覚えて無かったから。」
小たえ「同じくー。」
イヴ「3人が御役目で頑張っている事は聞いてたから…一緒に戦えるのは嬉しいです。」
あこ「それで、花音と香澄達が知り合いなんだね?」
花音「そうなんだよ。本当に恐悦至極で…。」
香澄「花音さんは防人だったんだね。」
ゆり「普通で良いよ普通で。」
花音「いやいや私は戦闘になれば皆さんに守ってもらう立場だから……。」
下から来る花音に、すかさず千聖は断りを入れておく。
千聖「こんな事を言ってるけど、彼女は立派な戦力よ。普通に扱って構わないわ。」
花音「ふえぇぇぇーー!!なんて殺生な事をー!」
花音は千聖に張り付いた。
美咲「面白い人達だね。これから宜しく。良い所だからゆるーくやりましょう。」
彩「様々な縁を持つ人達が集う。これも神樹様の導きだね。」
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千聖「大体の自己紹介は済んだけど、まだ知っておいて欲しい事があるの。」
そう言って千聖はイヴの肩を叩いた。
イヴ「分かりました。今代わります…。」
イヴは目を瞑り、再び開くと--
イヴ「はぁーーっ!!勇者様達宜しく!!若宮イヴだ!!」
イヴの性格が180度変わったのである。
燐子・りみ「「わぁっ!?」」
高嶋・紗夜「「ワイルド!?」」
あこ「何それ一発芸みたい!?本当に別人みたいだよ。」
日菜「イヴちゃんの別人格なんだ。すぐ慣れると思うよ。」
イヴの心には幼少期の件があり、もう1人別人格のイヴがいる。イヴを守る為、性格は正反対である。
イヴ「俺は白鷺のモノだからな。白鷺が勇者様達と戦えと言うんなら戦うぜ。」
中たえ「モノってどう言う事?」
イヴ「簡単な事だ。俺は俺より弱い奴には従わない。勝手にやるのが信条だ。」
千聖「だから私が勝負したの。戦って勝ち、私に従ってもらってるのよ。」
美咲「豪快な関係なんだね…。」
イヴ「まぁ、今は白鷺そのものを気に入ってるから、勝手にしろって言われてもついて行くだろうがな。」
花音「私も千聖ちゃんについて行くよ、何処までも。」
日菜「私もそんな感じかなー。なんだかんだで私と千聖ちゃんってコンビみたいなところがあるから。」
千聖「えっ?」
そう言いながら日菜はチラチラと横目で紗夜の事を見ていた。
日菜(あの人が、氷川紗夜……。実際見てみると、何処と無く似てる感じも………。)
同じく紗夜も何処か日菜の事が気になるようだった。
紗夜(氷河日菜………字は違うけれど、妙な雰囲気がするのは気のせいかしら……。)
高嶋「?紗夜ちゃん、どうしたの?」
紗夜「っ!?な、何でもありません…。」
友希那「白鷺さんは随分とみんなに慕われているのね。」
彩「それはもう!防人全員が千聖ちゃんの事が好きなんだから。もちろん私も!」
千聖達も加わり、総勢24名になった勇者部。残った徳島の土地も残り僅かとなり、勇者部達の戦いも終わりが見えてきた--
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樹海--
赤嶺「まさかここに来て氷河家が来るなんてね………。」
赤嶺「つぐちん……。私は…………。」