赤嶺の真意は何なのか、楽しんで読んでいただけると幸いです。
徳島での最後の戦いにも勝利した勇者部はいよいよ最後の県となる高知へと足を踏み入れていた。
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高知--
日菜「氷河家が今、高知の大地に立ったよ!これは大いなる1歩だよ!紗夜ちゃん、高知シスターズとして頑張っていこう!」
紗夜「変なあだ名を付けないでください、氷河さん。」
中沙綾「とうとう高知だよ、夏希。」
夏希「こっちの沙綾は積極的だなぁ。」
中たえ「こっちのたえも積極的だよ。どうせなら隠れた名産品が良いよね。」
あこ「沙綾ちゃんやおたえはホント夏希にべったりだよね。」
燐子「しょうがないよ…もうすぐ全地域解放だから…。私とあこちゃんはいつでも会えるけど……。」
あこ「そっか、違う時代の人達はもう会えなくなっちゃうのか。」
御役目が完了するという事は別れが来るという事である。沙綾達は残り僅かかもしれない期間、後悔がないように精一杯過ごしている。
あこ「よし!今日はあこも夏希達と遊んでくる!寂しがらないでね、りんりん。」
燐子「うん…。私はりみちゃんと遊んでくるね…。」
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同時刻、花咲川中学教室--
千聖「全地域解放も近い…のね。来たばかりなのにもう帰りの話が出てくるのは少し複雑ね。」
友希那「貴重な戦力になっているわ。で…さっきからどうしたの白鷺さん。私の顔を見つめて。」
千聖は話しながら友希那の顔をまじまじと見つめていた。
千聖「…伝説の勇者…ね。この人も香澄ちゃんや沙綾ちゃんと同じ、そこまで私と変わらない。でもオーラというか存在感はあるわ。」
千聖は顔を更に友希那に近付けた。
友希那「ち、ちょっと顔が近すぎるわよ、白鷺さん。」
千聖「あっ、ついじっと見つめてしまって。ごめんなさい。それよりどう、体を動かさない友希那ちゃん?」
友希那「鍛錬ね。是非一緒にやりましょう。市ヶ谷さんも誘ってね。」
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次の日、勇者部部室--
友希那「………。」
こんどは友希那が千聖をまじまじと見つめていた。
リサ「どうしたの?ここ最近友希那は千聖の事を見つめてる事が多くなってきたけど。」
友希那「ええ。おそらくだけど白鷺さんは私を初代勇者として一目置いてくれているわ。だから、少しでも模範になればと思っているのだけれど、出来ているのかつい気になってしまって。」
リサ「そんな事か。自然体で良いんだよ。」
友希那「…そうね。だけどリサ、よく私の視線の動きが分かったわね。」
リサ「そりゃもちろん分かるよ。友希那の事は何でもね。」
友希那「?」
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次の日、高知--
小たえ「エンジョーーーイ、コウチラーーイフ!!!」
日菜「イエーーーイ、高知イエーーイ!!」
有咲「やべっ!!テンション高い奴らに着いてきてしまった…。」
小たえ「やあやあ!!高知の蟻は大きいね!!」
日菜「そうだよそうだよ。高知の蟻はひと味違うんだよ。」
有咲「じ、自由すぎる…。」
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高知、浜辺--
薫「…ああ、波の音、儚い……。高知の海も良いものだとは思わないかい?」
イヴ「水を見てると心が落ち着きますね。」
モカ「そうだねー。みんなも仲良くなってるし、良い事尽くめだねー。」
薫「ああ。仲良くなる事は良い事だ。海もそう思うだろ?」
海は静かな音をたてながら波を揺らめかせている。まるで薫と会話しているかの様に。
薫「…母なる海もそうだと言っているよ。」
イヴ「こいつ結構面白い奴だな…。」
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その日の夕方、瀬戸大橋--
大橋の社で勇者部達が集まってミーティングをしていた。
リサ「たまには外でミーティングも良いものだね。部室ばっかだと息が詰まっちゃうし。」
有咲「この場所だと気合も入るしな。まっ、話し合いの内容はいつもの通りだったけど。」
燐子「戻ればいよいよ本格的な高知奪還戦ですね…。」
彩「ここで祈願していかない?せっかく全員揃ってるんだし。」
薫「やれる事を全てやっておくのは良いと思うよ。戦いは大詰めだしね。」
祈願の為にリサ、モカ、彩の3人は巫女装束に着替えた。
蘭「これは本格的なお祈りだね。」
あこ「そういえば神世紀の人達は祈りの作法とか知ってるの?」
香澄「うん。ある程度は授業で習うからね。」
イヴ「神樹館では、割としっかりやりました。」
美咲「諏訪の巫女様ー。正式な手順が分かりません。」
モカ「まー大事なのは気持ちだから。とにかく祈って。それで大丈夫。」
燐子「いっぱい祈ろう…。」
薫「そうだね。」
そうして勇者部全員は高知奪還の為の祈願を大橋の社で行った--
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祈願は思いのほか長い時間行った為、辺りはすっかり暗くなってきていた。
あこ「ここまで祈ったんだから神樹様に想いが染み込んだ筈だよ!」
彩「そうだね。この世界が神樹様に造られた空間だろうと…。確かに、想いは在った。そうなると思うよ。」
千聖「これで心置きなく出陣ね。準備が整い次第、行きましょう。」
高知での戦いが始まろうとしていた。
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勇者部部室--
友希那「それじゃあこれから私達は樹海へと向かうわ。話し合いの通り、基本に忠実に。」
日菜「絶対に高知を取り戻すよ!!」
燐子「相手が何を考えていてもすぐに対応しなくちゃ…。最終局面だからいつもより緊張するな…。」
そんな燐子の元にりみがやって来て、燐子の手を取った。
りみ「一緒に頑張りましょう、燐子さん。」
燐子「はい…ありがとうございます……。」
燐子(そうだ…変に緊張しすぎる事も無いんだね…。)
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樹海--
樹海にたどり着く勇者部一同。そこでは赤嶺が待っていた。
有咲「赤嶺香澄!なんかやたらと笑顔で立ってるな。」
赤嶺「うぇるかむ!決戦の地・高知へ!歓迎会の準備をして待ってたよ。」
日菜「じゃあ私の相手をしてもらおうかな。赤嶺だって…。いや、赤嶺だからこそ容赦はしないよ。盟友として!」
赤嶺「歓迎会だから樹海を飾って疑似バーテックスもお洒落させたいけど…今回は決戦だし空気読むよ。という訳で手荒く歓迎しちゃうよ!!みーんなー!だんしーんぐ!!」
赤嶺の合図で"進化型""大型""超大型"バーテックスが出現する。
蘭「でかいのばっかり。呼ばれて飛び出てきたって事だね。」
夏希「こういうダンスなら私は得意だよ!熱く舞ってやる!!」
紗夜「海野さん落ち着いて。行くわよ山吹さん。」
小沙綾「はいっ、紗夜さん!」
小たえ「沙綾も紗夜先輩と凄く仲良くなったみたいだねー。」
紗夜「花園さんも行きますよ。」
小たえ「!分かりました!!」
小学生組と一致団結している紗夜を見て友希那は思わず微笑んだ。
紗夜「友希那さん、どうしてこっちを見て笑ってるんですか。」
香澄「最後の一県だろうと、最初の一県だろうと、やる事は同じ!私は、勇者パンチで行くよ!!」
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中たえ「これで最後だよ!よいしょーーーーー!!」
たえのトドメによって最後の"超大型"バーテックスが消滅する。
夏希「はぁはぁはぁ……確かに敵も強くなってはいるけど、勇者部には及ばないよ!」
あこ「だけど敵の力も随分上がってるよ……。徳島で戦った時よりもかなり強くなってる…。」
高嶋「はぁ…はぁ…。さぁ赤嶺ちゃんはどこかな?」
実際のところ勝ててはいるが、勇者たちもかなりの体力を持っていかれてしまっている。まだ戦いの行方はどちらに転ぶかは分からなかった。最後の最後で逆転される可能性も十分にある。
中沙綾「………あれは、樹海に黒い雲?」
沙綾は樹海の遠くに黒い雲のようなものが発生しているのに気が付いた。そしてその雲は少しずつ大きくなっている。
千聖「何かしら。急に空を覆って……、まさかあれは!?」
その黒い雲の正体は、見た事も無いくらい大群のバーテックスだったのである。
赤嶺「あはは、派手なデモンストレーションでしょ。」
美咲「……こんな大群隠し持ってたって訳!?」
赤嶺「別に隠してた訳じゃないよ。数が揃うのに時間がかかっただけ。これでもまだ集結の最中なんだけど…もうちょい数集めたいよね。」
赤嶺が話している最中にも黒い雲はどんどん大きくなっている。勇者部がこの世界に来てから今までで見た事も無い程の数の大群である。
赤嶺「集まり切ったら、正真正銘最後の大掛かりな攻撃行くから。全員の力見せてもらうよ。」
赤嶺は意味深に呟いた。
ゆり「全員の力を見る?また訳の分からない事言って。まどろっこしいよ。」
赤嶺「確かにまどろっこしいよねぇ。でもそういうのが好きみたいなんだよ。造反神は。それじゃあ襲来の日時は神託で確認してねー。」
そう言い残し赤嶺は嵐の様に去っていった。同時に黒い雲も消えていく。
花音「はーっ。良かった去っていった。怖かったよ千聖ちゃん。」
千聖「戦う時が今じゃなくて後になっただけよ。」
中沙綾「あれだけの数が攻めてくる……。樹海に来て以来、史上最大の侵略だね。」
美咲「大掛かりな攻撃もこれで最後……か。」
薫「決着の時は近いよ。この一連の戦いもね。」
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勇者部部室--
あこ「ねえイヴ、そこもうちょっと詰めてよ。」
イヴ「なかなかにぎっしりです…。有咲さん。暑いかもしれませんが…。」
有咲「狭いから仕方ない。良いぞもっとくっついても。」
家庭科準備室の部室に24人の人間が集まっている。狭いのも仕方がなかった。
高嶋「なんか私、当然の様に紗夜ちゃんの膝に座ってるけど迷惑じゃない?」
紗夜「そんな事ないですよ。はい、お茶をどうぞ高嶋さん。」
高嶋「座り心地は最高だし、お菓子や飲み物も出てくるしクセになっちゃうなー。…なんてリラックスしてると会議頑張った燐子ちゃん達に悪いかな?大丈夫?」
燐子「大丈夫です…少し寝不足ですがこの後に休む時間はありますから……。」
リサ「みんな聞いて。赤嶺香澄の言葉通り神託があったよ。明日、敵は大群で5カ所に同時に攻め込んで来る。」
とうとうこの時が来た。勇者達の顔つきもリラックスモードから一気に変わる。
モカ「敵の本気を感じるよ。いよいよ最後だね。」
友希那「だからゆりさん達と話し合ったわ。こちらも5組に分かれて迎撃する。」
燐子「敵戦力を予測しつつ……いくつもの組み合わせを考えた所…。今回最適な組み合わせは…。」
小たえ「元々のチームで別れるって結論だよ。」
今まで一緒に戦ってきたもの同士で立ち向かう事が一番勝率が高いと会議で結論付いた。
花音「じゃあ私は防人組って事だね。よろしくね。」
蘭「美咲と薫さんは私のチームって事になります。」
美咲「りょーかい。沖縄と北海道と長野が組むなんて夢がありすぎるね。」
彩「1人1人にかかる負担が大きくなるね。神樹様、どうかご加護を。」
遂に始まる5カ所での最大最後の決戦--
勇者達も"勇者部"・"小学生組"・"西暦組"・"防人組"・"地方組"の5つの組に分かれて同時に迎撃する事となる。
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赤嶺「うーん。"爆発型"はそんなに数いらないかな。かわりに"防御特化型"を増やしてっと。んで、今回の大将はキミしかいないよね!これはアレなんだから、手持ちの中じゃ良いセッティング!!よーし!数は整った。第1陣からしゅっぱーつ!」
赤嶺「…………本当は更に広域で攻めたかったけど、浄化の儀で守りを固めてるのは抜け目ないね。さてさていざ勝負ー!バキーンと行くよ。」