戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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遂に赤嶺の口から赤嶺家の事が語られます。

そして待ち受ける悲しき現実--




無慈悲の理

 

 

勇者部部室--

 

いよいよ赤嶺との決戦の日となり勇者部に緊張が走る。

 

彩「いよいよ赤嶺さんとの決戦だね。」

 

友希那「そうね。だけど取り戻さないといけない高知の土地はまだ残ってる。赤嶺との決着をつけても造反神との戦いは続くという事ね?」

 

モカ「ただもう大兵力で攻めてくる事は無いだろうって。小規模な襲来はあるだろうけど。」

 

薫「赤嶺自身もそんな感じの事を言っていたね。後は粛々と取り戻していくだけだよ。」

 

中沙綾「追い詰められたら力が増す造反神。でもそれすら使い果たしたって事?」

 

紗夜「最後に待ち受ける敵…つまりラスボスは造反神って事でしょうか。」

 

花音「か、神様そのものと戦うなんて無茶ぶりだよぉ…。」

 

高嶋「それこそ赤嶺ちゃんに色々と聞いてみよう。」

 

みんなが思い思いの考察を考えている中、美咲が話し出す。

 

美咲「赤嶺香澄を倒した後、みんなに大事な話があるんだけど、良い?」

 

リサ「うん。全部が終わった後の話だね。そろそろ頃合いだと思うよ。」

 

美咲「話し合うのには赤嶺の情報も必要になると思うから、ここはまず倒す事に集中するけどね。」

 

有咲「しかしあいつ"神花解放"とか叫んでたな。前より格段に強くなってる。しっかり準備して行かないと。」

 

燐子「この一体感なら絶対行けますよね、白鷺さん…。」

 

千聖「そうね、力を合わせれば大丈夫よ!」

 

この世界を救う御役目を通して、勇者部24人の絆は確かなものとなっていた。しかし、みんなの力が合わなかったらどうなるだろうか--

 

 

すぐそこまで忍び寄る影に気付くものは誰一人としていなかった。

 

 

---

 

 

樹海--

 

あこ「樹海に来たものの、赤嶺香澄は出てくるのかな?」

 

夏希「ここに来て焦らしは無いと思いますけど……。」

 

するとそこに1匹の星屑が現れる。

 

勇者達は身構えるが、何故だか襲ってくる気配がしなかった。

 

りみ「この星屑、攻撃してこない?」

 

そしてその星屑は背中を向け、元来た道を戻り始め、少し進んだ所で動きを止め、またこちらを振り返ったのだ。まるでついて来いと言わんばかりに。

 

ゆり「かなり怪しいけど……警戒しつつ進んでいこうか。」

 

勇者達は星屑の後をついて行く。

 

有咲「……こうしてまじまじ見れば見る程よく分からない造形してるよなコイツら。」

 

薫「やはりこの世界に来てから始めて見るバーテックスは海の香りがするよ…。現世のものからはその様な香りはしないのだけれどね。」

 

中たえ「造反神の性質なんじゃないかな。」

 

小たえ「前に高嶋先輩が言っていた、この世界のバーテックスには拳が効きにくいっていう事と同じなのかも。」

 

その時、

 

赤嶺「そりゃあ高嶋先輩や私ら香澄の拳には、天の神に対する呪詛……キラーが付いてるからね。」

 

香澄「赤嶺ちゃん……。」

 

赤嶺香澄が姿を現した。

 

赤嶺「元・天の神とは言え土地神に味方してる造反神が神樹内で作ったバーテックスにキラーは乗らない。」

 

紗夜「出ましたね、赤嶺香澄。……今の説明の仕方、あなたは少しゲームをするのかしら。」

 

赤嶺「暇つぶし程度には。そしてようこそ。」

 

赤嶺は自然体で佇んでいるが、勇者達は肌を刺すような威圧感を感じ取っていた。

 

赤嶺「ピリピリしてて、良い空気だね。戸山ちゃんとのタイマン以来の緊張感。」

 

友希那「今日こそあなたに敗北を認めさせる。構えなさい。」

 

だが友希那の言葉に従わず、赤嶺は話し続ける。

 

赤嶺「ん。でも1つだけ頭に入れておいてよ。そもそも赤嶺家って何なのかをね。」

 

中沙綾「それは戦いが終わってからで大丈夫だよ。」

 

赤嶺「やー、知っておいてもらわないとフェアじゃないと思ってね。」

 

赤嶺は不敵な笑みを浮かべた。

 

赤嶺「すぐ終わるから聞いてよ。一部関係のある人もいるからさ。」

 

 

そして赤嶺は語り始める--

 

 

赤嶺「何処から話そうかな?うーん。そう、まずは神世紀の入りからだね。」

 

薫「説明は苦手と言っていたが、大丈夫なのか?」

 

赤嶺「擬似バーテックスの前で練習してましたよ、お姉様。だからいけます。」

 

赤嶺「西暦の風雲児、湊友希那ら初代勇者達の活躍で四国は長い平穏を得た。」

 

あこ「そこをもっと詳しく!あこはどうなったの!?」

 

赤嶺「…………。」

 

赤嶺は何も言わずあこを見つめるだけだった。

 

あこ「……な、何か言ってよ。」

 

赤嶺「…ふふ。なんてね。個々の結末を詳しくは知らないよ。私の世代はあなた達の後だから。」

 

あこ「くぅぅっ、からかってー!」

 

千聖「取り敢えず好きに喋ってもらいましょう。途中で口を挟むとお茶を濁されそうだし。」

 

赤嶺は話を続ける。

 

赤嶺「初めて星屑が人類を襲ってから、人は天を恐れ始めた。湊さんチームなら知ってるでしょ。"天空恐怖症候群"。」

 

紗夜「……ええ。」

 

 

"天空恐怖症候群"--

 

 

"天恐"とも呼ばれる精神疾患で、星屑が初めて現れた"7.30天災"をキッカケに起こるようになった。空を見る事に恐怖を覚える精神的な病であり、症状は4段階のステージがある。最終段階のステージ4では発狂、自我の崩壊にまで至るおそれがあり、紗夜の母親が罹っていた病である。

 

赤嶺「"恐れ"は"畏れ"でもある。それは神世紀72年……。」

 

千聖「神世紀72年って確か、カルト教団による集団自殺があった年な筈よね、日菜ちゃん。」

 

日菜「そうだね。ジョギング中に話したやつだよ。」

 

赤嶺「へー。今はそんな風に教わってるんだね、大赦も情報操作が上手いんだから。」

 

中たえ「大赦……?じゃあその事件の真相は違うの?」

 

赤嶺「違うよ。その時代では、事もあろうに天の神を信奉する人達が四国内に出てきたんだよ。だからお仕置きする人が必要だった。それが私だよ。後は"氷河つぐみ"って子が相棒。」

 

日菜「氷河家の………偉大なご先祖様だよ。私とはあまり容姿が似てないって聞いたけど。」

 

赤嶺「そうだね……どっちかって言うと、茶髪が似合う清楚なタイプというか……ふふふ。」

 

日菜「何か可笑しな事言った?」

 

赤嶺「いや、思い出したんだよ。あなたに最初に会った時、苗字は同じ氷河でも容姿が全然似てなかったから何でかなって。氷河つぐみは正式には"氷河家"の子じゃ無かったんだよ。」

 

日菜「……どういう事?」

 

赤嶺「"氷河家"は子宝に恵まれなかったらしくてね。身寄りの無かった子供を里親として引き取ったらしいんだよ。氷河家になる前のつぐちんの名前は"羽沢つぐみ"。だから似てないのは当たり前だね。」

 

日菜「そうだったんだ……。」

 

赤嶺「そして偶然にもここにはもう1人"氷河家"と関係のある人物がいるんだよ。」

 

日菜「えっ!?」

 

赤嶺「それはね………"氷川紗夜"だよ。」

 

高嶋「紗夜ちゃんが!?」

 

紗夜「確かに苗字の音は一緒ですが……。」

 

赤嶺「さっきも言ったように、氷河家は子宝に恵まれず、つぐちんを引き取った。つぐちんを引き取る前に氷河家は思ったんだよ。"何故子宝に恵まれなかったのか"って。そしてある1つの考えに至った、苗字に原因があるんじゃないかってね。」

 

燐子「苗字って、まさか……。」

 

赤嶺「そう、"氷河家"は元々は"氷川家"だったんだよ。つぐちんを養子として引き取る少し前に"氷川家"は子宝に恵まれない理由を探した。そして知ったんだ。西暦のとある事がキッカケで"氷川家"が地に落ちた事を。それを呪いと考えた当時の人達が"氷川家"から"氷河家"に名前を変えたんだよ。」

 

紗夜「じゃあ、私と氷川さんは……。」

 

日菜「先祖と子孫の関係って事!?」

 

赤嶺「そうなるね。」

 

友希那「確かに、髪の色とかは氷河さんは紗夜と似てるところがあるけれど……。」

 

高嶋「まさかそんな繋がりがあったなんて……。」

 

赤嶺「結構脱線しちゃったね。話を元に戻そうか。神世紀72年に起こった事件の際、私は勇者には変身しなかったけど神樹様から力はもらって、御役目についていた。」

 

友希那「私達が島根から四国に辿り着いた時と同じね……。だけどそれは前にも聞いたわ。」

 

赤嶺「勇者服を着ていなくても、そこそこ力は出せるから、バーテックスは無理でも人なら制圧出来る。以後、赤嶺家は大赦で対人用の御役目をする家になった。"人目につかないように山中の洞窟で戦闘用の精霊を相手に訓練したりして"、ね。」

 

有咲「勝手に色々喋ってくれるのは助かるけど、何だか調子狂うな。」

 

千聖「でも刺々しい威圧感は消えてないわ。備えておきましょう。」

 

赤嶺「話を続けるよ。で、赤嶺家はそんな感じで活躍したから大赦の中でもまぁまぁの地位を持ってるんだ。氷河家も苗字を変え、つぐちんの尽力もあって地位を盛り返してきたけど、ここ1番の大事な御役目に私情が混ざって失敗しちゃってね。段々と赤嶺家との地位が開いてしまった。」

 

中沙綾「だから知らなかったんだね…。」

 

赤嶺「でも、人間としては氷河家の方が正しいよ。私は氷河つぐみを友人として誇りに思う。ただちょっとダーティな事も黙々とこなす赤嶺家の様な人間も必要ってだけで。所謂スパイってやつだね。」

 

こうして赤嶺は一通りの事を話し終える。

 

イヴ「色々と説明が足りない部分はありましたが、ある程度の流れは把握しました。」

 

花音「つ、つまり対人戦のプロって事だよね……。」

 

赤嶺「そう!それを言いたかったんだよ。私の様な人間が"神花解放"までした。だから気をつけてねって事。さて、説明終わり。」

 

赤嶺「--火色舞うよ。」

 

赤嶺の雰囲気が変わる。

 

日菜「っ!?みんな気を付けて!あれは赤嶺家に伝わる御役目を行う時に口にするルーティン……。」

 

薫「本気を出してきたようだね…。」

 

友希那「みんな、話は聞いていたわね。気を引き締めて!」

 

勇者達は距離を取り、武器を構える。

 

香澄「……来るよっ!!」

 

 

--

 

 

赤嶺「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

赤嶺は気を解放し、勇者達に突っ込んでくる。

 

あこ「ここはあこがっ!!」

 

あこが赤嶺の前に立ちはだかり旋刃盤を構える。

 

赤嶺「そんなものじゃ私の全力は防げないよ!!勇者パンチ!」

 

あこ「ぐぬぬぬぬっ!!うわぁぁ!!!」

 

あこは赤嶺のパンチを防ぎきれず吹き飛ばされてしまう。

 

燐子「あこちゃんっ……!」

 

夏希「こんにゃろうっ!!」

 

イヴ「やってやるぜぇ!!」

 

すかさず夏希とイヴが突貫するが、

 

赤嶺「ただ真っ直ぐ突っ込んでくる相手ほど容易いものはないよ。」

 

そう言いながら赤嶺は2人を躱し、

 

赤嶺「勇者パンチ…。」

 

夏希「うわっ!!」

 

イヴ「ぐあっ!!」

 

2人も吹き飛ばされてしまう。

 

有咲「それならっ!」

 

千聖「私達が!」

 

蘭「相手になるよ!!」

 

有咲と千聖、蘭の3人が赤嶺と対峙する。

 

赤嶺「良いねぇ……かかっておいでよ。」

 

数の差など物ともせずに赤嶺は笑みを浮かべて襲いかかる。

 

 

--

 

 

20分後--

 

赤嶺「はぁ、はぁ、全くしぶとすぎだよ。」

 

有咲「あたり…前だろ…。」

 

千聖「有咲ちゃんより……先に倒れるなんて………ごめんだもの。」

 

蘭「はぁ、はぁ……そういう事。」

 

長時間戦っている4人の体力にも限界が来ていた。

 

赤嶺「本当にやるよね……プライドの高いあなた達が自ら囮になるなんてさっ!!」

 

有咲「なっ!?」

 

一瞬だった。有咲達のたった一瞬の隙を突いた赤嶺は3人をまとめて吹き飛ばしてしまう。

 

赤嶺「はぁ、はぁ…。」

 

そして次に赤嶺の前に立ったのは薫だった。

 

赤嶺「はぁ、次はお姉様が相手してくれるの?」

 

薫「……もういい。もう負けを認めるんだ。」

 

そう言って薫は赤嶺に手を差し出す。だが、赤嶺は薫の手を弾いた。

 

赤嶺「なんの……まだまだですよ。最後の抵抗っ!!」

 

赤嶺は最後の力を振り絞り暴れ始める。

 

ゆり「とんでもない暴れかたするね…!」

 

友希那「任せて!はぁっ!!」

 

友希那がみんなを下がらせ、赤嶺に斬りかかった。

 

赤嶺「ぐあっ!!!」

 

生大刀の一撃を受けた赤嶺は遂に片膝をつくのだった。

 

赤嶺「さ、流石は伝説の勇者……ゆ、友希那さんの全盛期がここまで強かったなんてね……。」

 

友希那「私1人の力では無いわ。ここにいる全員の力で掴み取ってきたものよ。ここまでだった1人で立ち向かったあなたも確かに凄かった。でもあなたは私達がこの世界で培ってきた絆の力に負けたのよ。」

 

赤嶺「絆………か……。」

 

赤嶺(つぐちん………。)

 

座り込んでしまった赤嶺に近付く2つの影。

 

香澄「赤嶺ちゃん…大丈夫?」

 

高嶋「もう終わりにしようよ。」

 

それは2人の香澄だった。香澄達は尚も赤嶺に手を差し出すのだった。

 

赤嶺「……ふふ。自分の怪我より先に心配されちゃうようじゃこれまでだね………。負けを認めるよー。」

 

赤嶺は遂に負けを宣言する。

 

花音「はぁぁぁぁっ。終わったよぉ…。」

 

中沙綾「それじゃあ部室に連れて行こうか。紗夜さん、反対側持ってもらっても良いですか?」

 

紗夜「ええ。」

 

赤嶺「…………。」

 

燐子「赤嶺さん…負けた筈なのに笑ってるような……。」

 

赤嶺との決戦が終わり、勇者たちは赤嶺を連れて部室へと戻る。だが赤嶺の最後の狙いが勇者達のすぐ後ろまで迫っていたのだった--

 

 

---

 

 

勇者部部室--

 

部室に戻ってきた勇者達、だが部室の雰囲気が少し変わっているのに気が付く。

 

りみ「あれ?部室がキラキラ光ってる?これは……?」

 

赤嶺「あー。土地の殆どをあなた達が奪還したからね。この世界のバランスが崩れたんだよ。あなた達にとってみれば、良い意味かな。終わりが近い……まぁその内安定するんじゃない?」

 

この光は戦いがもうすぐ終わる事を示しているのである。

 

彩「神託でも同じような事を確認してるよ。」

 

赤嶺「さてさて、何処から話そうか。まずは現状だね。もうだいぶ高知を取り戻した訳で、後は高知の残りを取り返して、最後に造反神を鎮めれば御役目終了だよ。」

 

赤嶺から語られるゴールまでの道しるべ。終わりは近い。

 

中沙綾「やっぱり神そのものと戦うんだね。」

 

赤嶺「そう。で、倒せば鎮めたって事で御役目終了。全員が元の世界に戻るんだよ--」

 

 

 

 

 

赤嶺「--"全ての記憶を失ってね"。現実世界に記憶を持って帰る事は出来ない。」

 

美咲「そうだよねぇ…。そうなるよねぇ…。」

 

この世界での出来事は全て忘れてしまう。ここで築いた思い出も、友情も。それが赤嶺最後の揺さぶりだった。

 

赤嶺「そっちでも色々と調べたら試したりしてたんじゃないかな?でしょ今井リサさん。」

 

リサ「……そうだね。私の結論も同じだよ。召喚された時に戻れば、全ては元のまま。記憶を持ち帰る事は出来ず、強くなった体験も全てリセットされると思う。」

 

赤嶺「プラスに考えれば、歳取ってないって事。」

 

モカ「もし記憶を持ち帰れたら、それは凄く力になるんだけど…。」

 

小沙綾「やっぱり無理なんだね。」

 

夏希「ノートに書いておくとか?それか肌に直接書いておくとか。」

 

赤嶺「勝手に消えてるだろうね。今はあくまで神樹の中だから何でもありなのであって、その理を現実に反映する事は出来ないんだよ。神様が意地悪してるとか、そういう訳じゃなく。」

 

あこ「そこは分かるよ。無理なんだよね。神様も精一杯やってるけど無理なものもある。」

 

紗夜「現実に干渉は出来ない……ですか。」

 

赤嶺「だから造反神を倒したらみんなは召喚された直後に戻る訳だね。そして各々の戦いが始まり--」

 

 

 

 

 

 

赤嶺「--この内の半分くらいは、過酷な運命を辿る事になる。」

 

赤嶺のこの一言で部室が静まりかえる。

 

高嶋「っ!?そ、そんな……。」

 

赤嶺「火色舞うよ……。」

 

蘭「また冗談言ってる訳?」

 

赤嶺「今度は本気で言ってる。というかあなたは死ぬよ、美竹蘭。諏訪と四国はやがて連絡が取れなくなる。」

 

モカ「なっ……!」

 

美咲「有り得る話だよ。普通に考えれば1人で守ってきた私達は敵の物量に押し潰されかねない。」

 

戻りたくない。それを願う美咲は赤嶺に質問する。

 

美咲「私はまた1人であんな所に戻るなんて嫌だよ。何か方法はないの?」

 

赤嶺「簡単だよ。"造反神を倒さなければ良いんだよ"。」

 

燐子「……そう来るんですね…。」

 

造反神を倒せば、勇者達は御役目を完了し、全員が記憶を失い元の世界に戻る。だが、その内の半分は過酷な運命を辿る。倒さなければ、勇者達は記憶を失わず、いつまでもこの世界で暮らしていける。2つに1つの選択を赤嶺は勇者達に迫るのだった。

 

赤嶺「この世界では歳も取らない。みんなでいつまでもここにいれば良いんだよ。」

 

友希那「そういう訳にはいかないわ。私たちを撹乱させようと……。」

 

美咲「ちょっと待って、湊さん!赤嶺の話を遮らないで!!」

 

友希那は赤嶺に迫るが、美咲がそれを阻んだ。

 

友希那「奥沢さん、あなた…。」

 

美咲「聞いてなかったんですか!?戻れば美竹さんは死んじゃうんですよ!」

 

千聖「赤嶺の嘘では無いの?」

 

千聖の問いかけに赤嶺はついに切り札を切る。

 

 

 

 

 

赤嶺「じゃあ嘘だと思ってそのまま聞いてよ…………海野夏希ちゃん!!」

 

夏希「え?」

 

赤嶺「中学生になったあなたがここに1人、何故いないのか。それは………。」

 

中沙綾「止めてっ!!!!!」

 

赤嶺「……ふふ。それ答え言っちゃってるから。」

 

中沙綾「はっ……!?」

 

沈黙がしばらく続き、赤嶺は再び勇者達に問いかける。

 

赤嶺「……もう一度言うよ。造反神を倒して帰るか、倒さないでここにいるか……どうする?」

 

 

 

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