戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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これを別サイトで載せた時は7/3日、あこの誕生日でした。


あこと燐子、球子と杏。何処となく似てますよね?





神樹の記憶〜幸せ鳴らすドーンとバーン〜

 

 

勇者部部室--

 

季節は7月、日の入りが遅くなり蒸し暑さが体に纏わり付く今日この頃、まもなく誕生日を迎える勇者が1人。

 

高嶋「もうすぐあこちゃんの誕生日だね!」

 

りみ「そうだね!プレゼントは何にしようか?」

 

みんながあれこれ意見を出す中、燐子がある提案を出す。

 

燐子「あの…。それなんですけど、みんなでキャンプというのはどうでしょうか…?」

 

あこ「それすっごく楽しそう!やろうやろう!」

 

有咲「まぁ、誕生日の当人がそれで良いなら構わないぞ。」

 

友希那「そうね。主役はあこだもの。」

 

あこ「やったぁ!ありがとう、りんりん!」

 

燐子「うん…。あこちゃんが喜んでくれて何よりだよ…。」

 

燐子の提案により、勇者部みんなでキャンプを行う事となり、あこは飛び跳ねるように喜びを表現していた。

 

薫「キャンプ…。とても儚くなりそうだね。」

 

中沙綾「そうと決まれば、キャンプ料理調べとかないと。」

 

紗夜「要するに…外でご飯を食べるだけ…ですよね。」

 

小たえ「でも外で食べると美味しいですよ。」

 

あこ「そうですよ、紗夜さん。外で食べるご飯は一味違うんですよ!」

 

中たえ「準備は任せて。」

 

リサ「後大事なのは当日の天気だよね。雨よけの祝詞唱えとかないと。」

 

ゆり「結構スムーズに決まって良かった良かった。」

 

すんなりと事が進んで安堵していたゆりの元に燐子がやって来る。

 

燐子「あの…ゆりさん。1つアイデアがあるんですが……。はい、当日までの秘密でお願いします……。」

 

小沙綾「あこさんにも内緒ですか?でしたら、私達にも協力させてください。」

 

あこには内緒という事で、ゆりたちは隣の家庭科室へと移動した。

 

 

---

 

 

家庭科室--

 

ゆり「さて、その秘密のプランって何かな?」

 

燐子「はい…。キャンプやバーベキューは元の世界で、割と普段からやっている事なので……誕生日には、少しでも何か特別な要素を加えてあげたいんです……。」

 

香澄「うんうん、その気持ち分かります。やっぱりあこちゃんの驚く顔見たいですから!」

 

小たえ「どうしたら、ビックリするかなぁ?あこ先輩。」

 

夏希「巨大なクマが襲って来るとか!」

 

りみ「それじゃあ私達もビックリしちゃうよ…。」

 

薫「燐子に何か考えがあるんじゃないかな?」

 

燐子「あの…これだけ人数がいますし、密かにキャンプファイヤーの準備は出来ないかな……と。」

 

有咲「成る程、良いんじゃねーか?」

 

蘭「キャンプファイヤーでパーティか。良い思い出になるね。」

 

ゆり「じゃあ当日は準備をする人達と、あこちゃんを引きつける組に分かれないとね。」

 

夏希「引きつけるのは任せてください!遊んでいれば良いんですもんねっ!」

 

小沙綾「夏希。そんな事言って、川に落ちたりしないでね?」

 

燐子の提案により、当日のサプライズとしてキャンプファイヤーに決まり、誕生日当日を迎えるのだった。

 

 

---

 

 

キャンプ場--

 

あこ「すっごい!!てっきりテントだと思ったのに、コテージに泊まれるんだ!」

 

天気は快晴、絶好のキャンプ日和に恵まれている。

 

ゆり「そうだよ!コテージの提供は大赦と、大赦と、大赦にお願いしたよー!」

 

友希那「いつもながら、勇者部部長の権力と大赦の助力には感謝ね……。」

 

紗夜「身体を張って戦っているのですから、それくらいやってもらってもバチは当たらないでしょう。」

 

あこ「これで遊ぶ時間が増えたね!」

 

あこは早速川の方へと走り出そうとする。

 

燐子「行ってらっしゃい…あこちゃん。」

 

あこ「りんりんは行かないの?」

 

燐子「うん…。あこちゃんのために美味しいご飯作るからね…。」

 

あこ「そっかぁ、楽しみにしてるね!じゃあ行こうか、夏希。」

 

夏希「目一杯楽しみましょう!魚いっぱい釣るぞぉ!」

 

そうしてあこと夏希は川へと走っていった。セミはまだ鳴いていないが、夏の日差しがキャンプ場を明るく照らしていた。

 

薫「さて…。ここからが本番だね。」

 

残った人達は早速以前話したキャンプファイヤーの準備に取り掛かる。

 

香澄「さーや、キャンプファイヤーってどうやって作るの?」

 

中沙綾「わ、私!?うーん、キャンプファイヤーの経験無いからなぁ…。おたえはある?」

 

中たえ「私も知らないよ。」

 

燐子「た…多分木を均等な大きさに切って……それを組み上げていくんだと思います。」

 

りみ「力仕事ですね…。モカちゃん、私達は小枝を拾い集めようか。」

 

モカ「そだねー。枯葉もあった方が良いよね。燐子さんも行きますか?」

 

燐子「いえ…私は木を切る方を頑張ってみます…。」

 

紗夜「大丈夫ですか?」

 

燐子「はい…。私もちゃんと、あこちゃんの為に自分の力を使いたいですから…。やらせてください…。」

 

いつになく真剣な眼差しで燐子は訴えた。

 

蘭「さすが燐子さん。じゃあ、この斧でお願いします。」

 

燐子は蘭から手渡された斧を振るう。

 

燐子「ありがとうございます…。行きます…!」

 

だが、斧は燐子の手からすっぽ抜けあらぬ方向へと飛んでしまう。

 

香澄「うひゃーー!」

 

小たえ「おぉ〜。サプライズだ。」

 

燐子「ご…ごめんなさい…!」

 

ゆり「びっくりしたぁ……。ゆっくりやっていこうね、燐子ちゃん。」

 

燐子「はい…。」

 

 

---

 

 

河原--

 

一方その頃、河原に行ったあこ達は--

 

夏希「やった!ザリガニ8匹目ゲット!」

 

はしゃいでいる夏希とは対照的に、

 

あこ「……………。」

 

あこは何やら浮かない顔をしていた。

 

夏希「どうしたんですか、あこさん?」

 

あこ「どうしてりんりんは一緒に遊ばなかったんだろう…いつもなら一緒に遊ぶのに。」

 

夏希「あ、えっと……それはその…そういうお年頃……とかですかね?」

 

夏希は必死でサプライズについてはぐらかしていた。

 

あこ「りんりんはやっぱりキャンプとか苦手だったかな…?」

 

夏希「えと…えと……っ、そ、そうじゃなくて……。」

 

あこは燐子が気になり戻ろうとする。が、

 

夏希(こうなったら……一か八かだ…!)

 

夏希「くおぉぉぉっ!ザ、ザリガニが鼻にっ…!助けてあこさんっ!」

 

夏希は苦肉の策で自らの鼻にザリガニを挟ませたのだった。

 

あこ「っ!?あぁ!な、何やってるの!?わわっ!ハサミががっちり食い込んでるよ!」

 

夏希「ぅぇぁあああーーーーい!」

 

夏希(……みんなっ頑張れ…頑張ってくれぇ……!)

 

 

---

 

 

キャンプ場--

 

夏希が身を呈して時間稼ぎをしていた頃、残った組はキャンプファイヤー用の薪を組み立てていた。

 

中沙綾「うーん…中々組みあがらないね…。木の大きさがまちまちだからかな…。」

 

蘭「木を切るのには慣れてないから、これくらいが精一杯ってところだね。」

 

りみ「でも、完成まで後少しだよ。」

 

美咲「大分組み上がったけど、ここからはどうするんですか?脚立が無いと、高い所は無理じゃないですか?」

 

歪ながらも組み上がっていき、そろそろ完成に近づいていた。

 

香澄「じゃあ……投げる!」

 

高嶋「飛ぶ!」

 

紗夜「高嶋さんを飛ばすくらいなら私が…。」

 

リサ「せっかくだから、最後の仕上げは燐子に任せたら?」

 

薫「そうだね。では燐子、私の肩に乗るといいよ。」

 

燐子「えっ、そんなの悪いですよ…。」

 

ゆり「私達も支えるから大丈夫だよ。」

 

燐子「そ、そうですか…?じゃあ、失礼します……。」

 

燐子が最後の薪を乗せ、キャンプファイヤーの準備が完了した--と思いきや。

 

燐子「……きゃっ!」

 

手元が狂ってしまい、組み立てた薪が大きな音を立てて崩れてしまう。

 

あこ「今の音は何!?」

 

その後音は河原まで聞こえたのか、あこが全速力で戻って来た。

 

あこ「って……ええっ!?ど、どうしたの?」

 

 

--

 

 

あこ「ええっ!?あこを驚かせようとキャンプファイヤーの計画を!?」

 

こうなってしまっては隠す意味も無くなってしまった為、燐子はあこに正直に打ち明けたのだった。

 

燐子「うん……。でも、私が失敗したせいで台無しに…。」

 

あこ「……りんりんのばかぁ!!」

 

燐子「あ、あこちゃん……!?」

 

あこ「怪我したらどうするの!?」

 

燐子「どうしても……あこちゃんをびっくりさせたくて…。」

 

あこ「………よく聞いて、りんりん。あこはびっくりなんかより、りんりんと過ごす事の方が大事なんだよ?りんりんと一緒に遊んで、一緒に笑う。それが、あこの一番の望みなんだから。」

 

あこはそう言いながら、燐子の頭を優しく撫でた。

 

燐子「あこちゃん……。」

 

あこ「だから、今からコレ作り直そう!」

 

中沙綾「あれ?夏希、鼻が赤いけどどうかしたの?」

 

夏希「名誉の負傷です……。」

 

あこ「良い、りんりん?井桁の下から3段目ぐらいの木は湿らせておくと安定度が増すんだよ。それから、上に行くほど狭く組まないと崩れちゃう危険があるから注意だよ。」

 

燐子「そんなコツがあったんだね……。」

 

あこはみるみるとキャンプファイヤーの土台を作り上げていく。

 

あこ「そして…小枝を枠の中に敷いて、太めのを対角線上に……。」

 

美咲「凄い…。全く曲がってないよ。」

 

燐子「やっぱり凄いね……あこちゃんは。とってもカッコいい…私のお姉さんだね…。」

 

あこ「フッフッフ!そうでしょー!褒めて褒めて!」

 

高嶋「凄いよ、あこちゃん!」

 

香澄「これでキャンプファイヤーが出来るね!」

 

美咲「マシュマロも買ってきたから、火で炙って食べようか。」

 

小沙綾「はい!食べたいです!」

 

キャンプファイヤーの準備は無事に整い、みんなは夕食の準備へと取り掛かるのだった。

 

 

--

 

 

夕食の準備も整い、辺りはすっかり暗くなる。しかし、キャンプファイヤーの灯りが辺りを優しく照らしていた。

 

燐子「炎の揺らめきがとっても綺麗…。」

 

あこ「りんりん!マシュマロが焼けたよ。ハフハフッ…!美味しい!」

 

燐子「ありがとう…。ホフホフ…ッ!本当だね…とっても甘くて美味しい。」

 

夏希「じゃじゃーん!あこさん、はい!」

 

夏希はあこに花火を手渡した。

 

あこ「花火だぁ!」

 

夏希「ロケットのやつとか、打ち上げのやつとか一緒にやりましょう!」

 

あこ「もちろん!あっ…でも、取り敢えず今はこれだけもらっておくね。」

 

そう言ってあこは手持ち花火をいくつか取った。

 

燐子「あこちゃん…それ手持ち花火だよ。物足りないんじゃない…?」

 

あこ「これで良いんだよ。……はい、りんりん。気をつけて持ってね。」

 

あこは手持ち花火を燐子に持たせて、火をつけた。2人の手持ち花火が綺麗な色で勢い良く火花を散らす。

 

燐子「わあ……とっても綺麗だね…。」

 

あこ「ド派手なのも良いけど……あこはりんりんと並んでやる花火が1番好きなんだ。」

 

燐子「凄く…嬉しいよ。キャンプファイヤーも…花火も…ずっと消えなければ良いのにな…。」

 

あこ「これから毎年やれば良いんだよ。来年も、再来年も。りんりんはあこの横で、ずっと笑っててね、約束だよ。」

 

燐子「うん………!約束するよ…。ずっと一緒に……。あこちゃんの横にいさせて…。」

 

2人がそんな事を言い合っている中、

 

有咲「ちょ……っ!それ手に持つ花火じゃねーぞ、花園たえーーー!!」

 

中たえ「あははっ!……あ。」

 

りみ「飛び出した……。」

 

キャンプ場の中をロケット花火の群れが乱舞する。

 

有咲「うわぁぁぁっ!!!」

 

りみ「弾けた……。」

 

小たえ「あははっ!面白い面白い!」

 

香澄「凄い凄い!さーやの銃撃みたい!」

 

中沙綾「香澄ったら…。私の銃撃はこんなのじゃなくて、もっとこう……。」

 

何故か沙綾もつられてロケット花火に点火し始めた。

 

ゆり「乱れ打ちはやめてーー!!点火したら責任持って鎮火もしてー!!」

 

美咲「はぁ……。やっぱり最後はカオスになっちゃうんだね…。」

 

高嶋「そんなにもじもじしてどうしたの、紗夜ちゃん。もしかして、紗夜ちゃんも乱射したい?」

 

紗夜「ち、違うんです…高嶋さん…。あの…良かったら一緒に……線香花火を……。」

 

薫「おや……これは何だい?」

 

りみ「あっ!薫さん、それは……ドラゴンコークスクリュースペシャル!」

 

あこと燐子の周りではみんなが狂喜乱舞しているのだった。

 

あこ・燐子「「あはははっ!!」」

 

小沙綾「ちょっと、夏希!この事態の収拾はどうするの!?」

 

夏希「えぇ!?私のせいなの!?あ、あこさーーーん、助けてぇーー!!!」

 

あこ「よし、そろそろあこも乱入するよ!……っと、その前に一言……りんりん!」

 

燐子「何、あこちゃん?」

 

あこ「こんな素敵な誕生日プレゼントありがとうね!!あこ、ずーーっと忘れないよ。」

 

燐子「あこちゃん………。誕生日おめでとう…!!」

 

あこ「うん!!ありがとう、りんりん!!」

 

2人は今日という日を決して忘れる事は無いだろう。それが例え、いつか消えてしまう記憶だったとしても--

 

 

心には刻まれている筈だから--

 

 

 

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