最終決戦前編です。
原作も面白いので、見たこと無い方もオススメですよ。
樹海--
樹海化した世界で大量の幼生バーテックスが迫ってきている。
香澄「えっ?」
有咲「どうした?」
香澄「壁の上にさーやがいる…。」
有咲「何!?あっ、待て香澄!」
香澄は沙綾の元へ走り出した。
香澄(さーや、どうして…?)
一方で壁の上にいる沙綾は、近づいて来る幼生バーテックスを"川蛍"の力でファンネル状の武器を呼び出し迎撃していた。そこへ香澄が到着する。
香澄「さーや、何してるの?」
沙綾は答えない。
香澄「さーや!」
沙綾「壁を壊したのは…私だよ。」
香澄「えっ?」
沙綾「香澄、私…もうこれ以上香澄を傷付けさせないから。」
2人の元に幼生バーテックスが近づいて来るが、そこへ有咲も到着し、バーテックスを一閃した。
有咲「どういう事だ、沙綾。壁を壊したって…自分が何やったのか分かってんのか?」
沙綾「分かってる…。分かってるからやらなきゃいけないんだよ!」
沙綾は2人に背を向け結界の方へ飛んで行った。そして、2人も沙綾の後を追いかける。
2人とも結界を抜け、この世界の真相を知ってしまう。
香澄「えっ!?」
有咲「何だよ、これ。」
幼生バーテックスが何集まり、12星座のバーテックスが再生していく。
沙綾「これが、世界の真実の姿。壁の中以外、全て滅んでいる。そしてバーテックスは12体で終わりなんかじゃなく、無数に襲来し続ける。この世界にも、私達にも、未来はない。私達は満開を繰り返して、身体の機能を失いながら戦い続けて…いつか大切な友達や、楽しかった日々の記憶も失って…ボロボロになって…それでも戦い続けて…。もうこれ以上、大切な友達を犠牲にさせない!勇者という生贄から逃れるには…これしか方法がないの!」
壁を再び破壊しようとする沙綾の前に有咲が立ち塞がる。
有咲「ま、待てよ。」
沙綾「有咲、何で止めるの?」
有咲「何でって、私は大赦の勇者だから…。」
沙綾「大赦は真実を隠して、有咲を道具として使ったのに?」
有咲「っ、道具…?」
香澄「待ってよ、さーや!」
香澄も沙綾を止めようとするが、
沙綾「分かって、香澄。香澄や勇者部のみんなが傷付く姿を…もう、これ以上見たくない…。友達が傷ついていくのも、私はもう耐えられないよ…。」
その時香澄の後ろから復活した"乙女型"が接近し、香澄と有咲を攻撃してきた。有咲は香澄を抱えて回避する。
香澄「有咲、さーやを置いていけないよ!」
有咲「無理だ、一旦退け!」
そこへ壁を越えてきた"乙女型"が爆弾を発射、2人は爆発に巻き込まれ落ちていった。
香澄「きゃあ!?」
有咲「くそっ!」
2人の変身が解ける--
一方で牛込姉妹は、りみは幼生バーテックスを長いリーチを生かして次々倒していたが、ゆりはその場で動く事はなかった。あらかた倒し、りみはゆりの元へ行きゆりを揺する。
りみ「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
何度も揺するが、ゆりからは反応が返ってこない。そこへ、また次々と幼生バーテックスが迫ってきていた。
一足先に目を開ける香澄。2人は精霊のバリアで無事だった。
香澄「有咲!有咲、しっかりして!有咲!」
必死で有咲を呼ぶも目を覚まさない。香澄はさっきの事を思い出す。
香澄(さーや泣いてた。あんなに悩んで、苦しんでたさーやを、私ずっと見てきたのに…。きっと私、何か出来る事があったはずなのに、一番の友達なのに…。どうしてこんな事に。)
しかし、空を埋め尽くすバーテックスを見て香澄は再起し、勇者アプリを起動するが、変身出来ない。
香澄「何で、変身出来ないの……。」
もう一度押すも反応がない。その時、
-警告。勇者の精神状態が安定しない為、神樹との霊的経路を生成出来ません。-
戸山香澄は勇者ではなくなってしまったのである--
りみはゆりを守りながら必死で戦うが、ゆりは体育座りで動かない。孤軍奮闘のりみ。バーテックスの体当たりを受け吹き飛ばされるも、すぐに立ち上がり倒していく。ただゆりはそれを見ているだけ。
ゆり(どうして…?どうして、そこまで……。)
ゆりはりみの言葉を思い出す。
ーーー
ーー
ー
りみ(ありがとう。何となく言いたくなったの。この家の事とか勇者部の事とか、お姉ちゃんばっかり大変な事させて…。)
ー
ーー
ーーー
ゆり「りみ……。」
ーーー
ーー
ー
りみ(反対に私は臆病で弱くて、いつもお姉ちゃんの後ろを歩いてばかりでした。でも、本当はお姉ちゃんの隣を歩いて行けるようになりたかった。)
ー
ーー
ーーー
ゆり「隣どころか…。いつの間にか私の前に立っているじゃない。」
りみは必死で戦うが、数が多すぎる為捌ききれず、突進してきたバーテックスに吹き飛ばされる。それでも立ち上がろうとするりみ。バーテックスがりみに襲い掛かろうと突進してくるが、
ゆり「はあぁ!」
立ち上がったゆりがバーテックスを切り伏せる。
ゆり「姉として、流石に妹に頼り切ってる訳にはいかないね!もう大丈夫だよ、りみ。本当に私の自慢の妹だよ。」
りみ「えへへ。お姉ちゃん、ありがとうね。」
ゆり「さぁ、掛かってらっしゃい!牛込姉妹の力、見せてあげる!」
香澄は未だに変身出来ないでいた。
香澄「何で?何で?何で変身出来ないの!?あっ……。」
スマホを落としてしまう。拾おうとするが、途中で手が止まる。
香澄「私、私…勇者失格だ……。」
泣き崩れる香澄に向かってバーテックスが迫ろうとしていた。そこへ、目を覚ました有咲が再び変身してバーテックスを撃退する。
香澄「有咲…。」
有咲「ったく、友達に失格も降格も無いってーの。お前、沙綾の事で自分を責めてるんだろ?」
香澄「っ!?」
有咲「全く、香澄らしいというか…。なぁ、香澄は沙綾の事どうしたい?」
香澄「止めたい、さーやを止めたいよ。この世界が壊れたらみんなと一緒にいられなくなる。でも、今の私じゃ…。」
有咲は香澄に背を向ける。
有咲「私、もう大赦の勇者として戦うの止めるわ。」
香澄「えっ!?」
有咲「これからは、勇者部の一員として戦う。私たちの勇者部を壊させたりしない!香澄の泣き顔、見たくねーから。」
香澄「有咲!」
有咲は飛び出し、樹の上に立って海の向こうを見据える。奥から5体のバーテックス"乙女型""射手型""蟹型""蠍型"そして"魚型"が迫ってきている。
有咲「再生した奴らが溢れてきたな。まずはアレを殲滅して、その後沙綾を探して……。」
そう言いながら有咲は、自分の左肩の刻印を見る。
有咲「さすがに犠牲なしってー訳にはいかねーだろうな。」
有咲「さあ、さあ!ここからが大見せ場!遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見ろ!」
有咲「これが花咲川中学2年、勇者部部員、市ヶ谷有咲の実力だ!!!」