200話くらいを目処の予定で特別章へ移ろうと思っていますので、引き続きよろしくお願い致します。
勇者部部室--
夏の暑さも過ぎ去り、すっかり秋めいてきた今日この頃、夏希が沙綾、たえ、そしてりみに招集をかける。
夏希「諸君、よくぞ集まってくれた!」
小たえ「夏希に呼ばれたらすぐさま駆けつけるよ。」
小沙綾「そうだね。」
りみ「あ、あの…一応確認なんだけど、私も夏希ちゃんに呼ばれたんだよね?」
夏希「その通りです!」
りみ「良かった…。でも、何で私だけ?お姉ちゃんや香澄ちゃんとかは?」
小学生達に混じって1人中学生のりみは困惑していた。
夏希「りみさんに来て頂いたのは他でもありません!我々に歳が近いからです!」
りみ「え?あっ、うん……。そ、そうなんだね…。」
何故か落ち込んでしまうりみ。
小沙綾「それだけじゃ分からないよ、夏希。もうちょっと詳しく説明して。」
夏希「えっとですね、もうすぐハロウィンじゃないですか。」
小たえ「知ってるよ。トリック・オア・トリートでしょ?」
りみ「外国にあったお祭りだよね。カボチャでランタンを作ったり、仮装してお菓子を貰ったり。」
夏希「そうです!特に注目すべきは"仮装をしてお菓子を貰う"事!」
いつにも増して夏希のテンションは高かった。
小たえ「トリック・オア・トリート!」
りみ「お菓子をくれなきゃイタズラするぞってやつだね。」
夏希「イエス!これは勇者達の中でも、我々年下組がやっても許される事だと思われるのです!」
りみ「そっか……。私も年下組なんだね…。何となく年上組な気でいたよ……。」
りみは再び落ち込んでしまう。
小沙綾「……!夏希!」
小たえ「あらら…。」
夏希「あ、ああ!違うんです!りみさんも私達にとっては先輩ですよ!だから、協力して欲しいんです!」
りみ「協力…?」
夏希「私達のリーダーとして、年上の皆さんからお菓子をせしむる作戦の指揮を執って頂きたく!」
りみ「リーダー……?先輩として……?」
夏希に囃され段々とりみが元気になっていく。
夏希「名付けて、ハッピーハロウィン大作戦です!」
りみ「…そうだね!私が1番3人と歳が近いもんね!うん!ハッピーハロウィン大作戦、協力するよ!!」
3人「「「ほっ………。」」」
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夏希「では、ここにハッピーハロウィン大作戦発動を宣言します!」
小たえ「わー!パチパチパチー。」
小沙綾「夏希は勢いだけは良いからね。」
りみ「取り敢えず、先ずは何を準備するかだね。」
夏希「それはもう、アレですよ!コスプレです!」
小沙綾「魔女とかお化けとかだね。」
夏希「魔女は凝りたいところだけど、お化けは簡単だよね。白い布を被って毛を3本付けてタラコ唇にすれば………。」
りみ「それは色々とマズイよ、夏希ちゃん……。」
小沙綾「日本より外国のお化けの方が良いんじゃない?」
小たえ「悪魔とかドラキュラとかだね。」
りみ「たえちゃん詳しいね!」
4人はコスプレ談義で盛り上がっていた。
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りみ「っと、大事な物忘れてたよ。ランタンも大切だよ?」
夏希「忘れるところでした…。コスプレの話が思いの外盛り上がっちゃったから。」
小沙綾「ランタンはどうやって作るんですか?」
りみ「大きなカボチャの中をくり抜くんだよ。」
小沙綾「でも、そんなに大きなカボチャあるんでしょうか?」
りみ「そうだよね……。あっ、蘭ちゃんなら作ってるかも!」
夏希「早速行ってみましょう!」
そんなこんなで4人は蘭の畑へと出発するのだった。
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美竹農園--
モカ「おぉ…。蕎麦の実が出来てきたねぇ。」
蘭「だね。四国の土も中々やるね。これなら収穫に期待出来そうだよ。」
モカ「諏訪の時みたいに?」
蘭「……そうだね。」
畑では蘭が畑を耕しながら、モカがそれを見ていた。そこに夏希達がやって来る。
夏希「こんにちは、蘭さんにモカさん。」
蘭「みんなどうしたの?」
夏希「ちょっとですね…かくかくしかじか。」
夏希は事の説明を蘭に話す。
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夏希「という事で、蘭さんの畑になら大きいカボチャあるかなって。」
蘭「カボチャかぁ…。それなら今が収穫時だから持って行って良いよ。」
りみ「あ、ありがとう!」
4人は早速カボチャの場所へと向かった。
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小沙綾「凄い…立派なカボチャだよ…。」
4人はなっている大きなカボチャに目を奪われていた。そんな時だった--
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樹海--
夏希「いきなり樹海化した⁉︎」
警報も無しにいきなり周りが樹海になったのである。
りみ「あれ?でも、いつもの樹海化とは違うような……。」
周りを見回すも、確かにいつもの樹海とは違い、紫色の風景に加え、カボチャの様な実がいくつもなっている。
夏希「何でまたこんな所にカボチャ?」
小たえ「神樹様もカボチャ好きなのかな?」
するとモカが口を開いた。
モカ「……ここは神樹様が創り出した樹海じゃ無い。」
蘭「どういう事、モカ?」
モカ「多分バーテックスが創り出した空間だよ。この土地を奪う為に来たんだと思う。」
蘭「っ⁉︎」
小沙綾「私達が前に結界の外に出ちゃった時みたいな事なのかな?」
りみ「バーテックスの方から土地を奪いに来るなんて…。」
小たえ「バーテックスもカボチャ好きなのかな?」
モカ「蘭の畑を取り込んだから、カボチャも変な事になったんだと思うよ。」
蘭「そんな⁉︎じゃあ蕎麦は⁉︎」
蘭が樹海を見回すも、蕎麦の様な物は無く、カボチャしか無かった。
モカ「今は完全に同化しちゃってるのかも。」
夏希「くっそぉ!バーテックスめ、ドウカしてるよ!!」
5人「「「……………。」」」
樹海を静寂が包み込んだ。
夏希「……ごめんなさい、言ってみたかったんです…。」
りみ「ともかく、早くなんとかしないと!」
モカ「この異常に気付いて、他のみんなも向かってるみたいだよ。」
小沙綾「それまでは私達でなんとか食い止めましょう!」
モカ「蘭の畑を奪おうとするなんて、バーテックスも良い度胸だよね。」
蘭「本当だよ。バーテックスにどうなるか思い知らせてやらないと。」
りみ「じゃあ蘭ちゃん。臨時のリーダーとして何か掛け声を頂戴!」
蘭「急にそんな事言われても!ど、どういうのが良いのかな…?」
モカ「蘭、頑張って。モカちゃんは戦えないけど、ずっと側で見守ってるから。」
蘭「モカ……。よし!じゃあ、畑の為にみんな行くよ!」
4人「「「おーっ!!」」」
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樹海?--
蘭の力もあり、星屑の一群を退けた勇者達。だが、疲労は確実に溜まってきている。
蘭「はぁ……はぁ………。取り敢えず一時は凌いだみたいだね……。」
そこへ、
有咲「よっと!待たせたな、完成型勇者の到着だ!」
ゆり「急いで駆けつけたけど、粗方片付いたみたいだね。」
有咲「んなっ⁉︎」
ゆり達援軍が到着する。
中沙綾「ですがゆり先輩、現れたのは星屑だけで、バーテックスはまだみたいです。」
友希那「リサに言われて大急ぎで駆けつけたのだけれど、無事で良かったわ。」
紗夜「取り越し苦労のようですね。」
ゆり「でも、リサちゃんが言ってたように、本当に樹海みたいだね……。」
小沙綾「っ⁉︎前方に敵影!"大型"です!」
遂に畑を取り込んだバーテックスが姿を現わした。のだが、
ゆり「やっと来たね!バーテックス……が………?」
美咲「ねぇ、あれって……バーテックスっていうより……。」
りみ「そ、そうだね……。何ていうか…。」
小たえ「わぁー!大っきなカボチャだぁ!」
何故か"大型"の頭部がカボチャ状、しかもジャック・オー・ランタン型になっているのだ。
薫「……これは確かにカボチャだね…。」
友希那「これは倒したら食べるべきなのかしら?」
高嶋「後で勇者が美味しく頂きましたってやつだね!」
中沙綾「うーん……煮物にすれば或いは…。」
あこ「みんな落ち着いて!!バーテックスだからね!」
友希那「そうは言われてもね…。ああもカボチャだと…。」
香澄「きっとさーやの作る煮物なら美味しいよ!」
夏希「幾ら何でもバーテックス食べたらお腹壊しそうですよ?」
小沙綾「バーテックスを一気飲みした夏希の言う事とは思えないよ…。」
夏希「いやいやいや!アレは仕方無くだよ…。」
中沙綾「そんな事もあったよね。夏希は食いしん坊だったから。パン食べる?」
夏希「い、いや…今は良いです……って持って来てるんですか⁉︎」
紗夜「皆さん食い意地張りすぎですね……。」
ゆり「本当だよね、有咲ちゃん。」
有咲「カボチャってビタミンとかカリウムとか豊富なんだよな…。あれだけの量なら、フリーズドライで保存すれば……。」
ゆり「……はぁ。」
夏希「あっ、閃いた!食べる以外の再利用方法があったよ!」
小たえ「あっ、私も何となく分かったよ。」
りみ「夏希ちゃん、まさか…。でも、大きすぎないかな?」
年下組には夏希が考えている事が分かったようだ。
ゆり「ん?何の事?」
小沙綾「ご、ごめんなさい。まだ内緒なんです。」
夏希「よーし!ハッピーハロウィン大作戦第1段階、発動だぁー!行くよ沙綾、おたえ、りみさん!」
りみ・小沙綾「「言っちゃうんだ……。」」
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美竹農園--
蘭「元に戻った…。」
りみ「カボチャのバーテックス、倒したら消えちゃったね。」
"大型"を倒した直後、勇者達は蘭の畑へと戻ってきたが、肝心のカボチャのバーテックスは消えてしまったのだ。
夏希「そんなぁ!あのカボチャでジャック・オー・ランタン作れると思ったのに…。」
友希那「食べられなくてホッとした様な、何だか残念な様な……複雑な気持ちね。」
ゆり「なるほどねぇ。もうすぐハロウィンだもんね。」
夏希がバラした所為で、大作戦が勇者部全員に伝わってしまう。
小沙綾「そうなんです…。りみさんにも準備を手伝ってもらってました。」
小たえ「りみさんはこの大作戦の指揮官なんです。」
ゆり「………ぶわっ!」
ゆりは声も発せず、大量の涙を流す。
中沙綾「りみりんが頼られてるのが本当に嬉しいんですね。」
香澄「うんうん!凄いよりみりん!」
りみ「香澄ちゃん……。お姉ちゃんも大袈裟だよぉ!」
蘭「ん?み、みんな!アレ見て!」
蘭が畑にとある物を見つけ驚いた。
友希那「どうしたの、美竹さん?」
蘭「カ、カボチャが……カボチャが大きく……。」
指差した方向にあったのは、見るも大きなカボチャが1つ。
ゆり「大きい⁉︎」
友希那「これは……食べられるのかしら?」
あこ「そこですか⁉︎」
蘭「湊さんが言うのも分かります…。どう思う?モカ。」
モカ「……食べられるかは分からないけど、多分樹海化の所為でカボチャに突然変異が起こったのかも。」
有咲「突然変異……食べたくなくなる響きだな…。」
友希那「やはり食べられないのね……。」
何故か落ち込んでしまう友希那。
あこ「あこ、もう突っ込みません…。」
夏希「食べられないなら、私達が貰っても良いですか?」
りみ「このカボチャをジャック・オー・ランタンにするんだね?」
夏希「はい!立派なのが作れますよ!」
蘭「よく分からないけど、役立てるのなら持ってって良いよ。」
夏希「やったぁー!!これでハッピーハロウィン大作戦成功に一歩近付いたよ!」
念願の巨大なカボチャを手に入れた夏希達。果たしてハッピーハロウィン大作戦は成功するのだろうか?