戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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りみが主役の秋のお話。

番外編が本編を上回りました。ここまで来れたのは皆様のお陰です。




神樹の記憶〜紅葉艶やか秋日和〜

 

 

秋が深まる今日この頃、何やら彩がりみに質問をしていた。

 

 

勇者部部室--

 

りみ「秋らしい楽しみかぁ……。」

 

彩「うん!この前の文化祭が本当に楽しかったから、他にはどんな楽しみがあるのかなって♪」

 

薫「私は海に潜っているよ。」

 

彩「成る程…。秋は海に潜る季節っと…。」

 

千聖「余計な事を教えないでちょうだい薫。彩ちゃんもメモしなくていいのよ。」

 

どうやら彩は勇者部のみんなに秋の楽しい事について聞いているようだった。

 

彩「そうなの?でも秋の海水浴も、風情があって楽しそうだよね。」

 

屈託のない笑顔で彩は微笑んだ。

 

千聖「秋といったら……。」

 

千聖が話そうとしたその時、部室のドアが勢い良く開いた。

 

ゆり「秋といったら、何は無くとも落ち葉掃きだよ!」

 

りみ「お、お姉ちゃん!?」

 

千聖「と、突然ですねゆりさん…。いきなり落ち葉掃きだなんてどうしたんですか?」

 

ゆり「実はね、神社から落ち葉掃きの依頼が来たんだよ。」

 

彩「掃除!掃除なら私も得意だよ!」

 

千聖「そうね。掃除に関しては彩ちゃんの右に出る者はいないものね。」

 

ゆり「……って、今日は何だか人数が少ないね。みんなは?」

 

彩「有咲ちゃんと日菜ちゃんは屋上で鍛錬中だよ。」

 

香澄「モカちゃんと友希那さんとリサさんは蘭ちゃんの畑を手伝ってます。」

 

千聖「高嶋ちゃんと紗夜ちゃんも行くって言ってたわ。」

 

そうして、ゆりはゆっくりと部室にいる部員を見回し、

 

ゆり「それじゃあ取り敢えず、ここにいるメンバーで先に行こうか!」

 

ゆり達は神社へと向かうのだった。

 

 

---

 

 

神社--

 

薫「おぉ……。空が燃えるような赤で覆われているよ。……儚い。」

 

りみ「本当に綺麗な紅葉ですねぇ。」

 

香澄「見て見て!あっちはイチョウの葉っぱで地面が黄色い絨毯みたいだよ!」

 

りみ「確かに凄く綺麗だけど……。」

 

広い神社の境内には積もり積もった落ち葉の山が。

 

りみ「これを全部掃くのは、大変そうだよ…。」

 

彩「そうだね。やり甲斐がありそうで楽しみだよ!」

 

ゆり「頼もしいね!それじゃあみんなで頑張って、ちゃちゃっと片付けちゃおう!」

 

香澄達「「「おー!」」」

 

勇者部は早速掃除に取り掛かった。

 

 

--

 

 

小沙綾「それにしても凄い量ですねぇ。」

 

小たえ「掃いても掃いても降ってくるよ。」

 

夏希「確か昔話にタヌキが落ち葉をお金に変えるっていう話があったよなぁ…。」

 

薫「タヌキにそんな能力があるんだねぇ…。」

 

ゆり「はいはい!手が止まってるよ!早くやらないと日が暮れちゃうよ!」

 

夏希「すみません。けどこんなに沢山あるのに、日暮れまでに終わりますかねぇ…。」

 

ゆり「勇者部5箇条!"成せば大抵なんとかなる!"だよ!」

 

小沙綾「ゆりさん、集めた落ち葉はどうやって処分するんですか?」

 

ゆり「そうだなぁ……。」

 

ゆりが考えている中、美咲がとある提案を出した。

 

美咲「これだけあるなら焼き芋が出来るんじゃないですか?」

 

りみ「焼き芋!めっちゃ美味しそう!」

 

香澄「落ち葉も一気に片付くし、良い考えだよ!」

 

りみは子供の様に飛び上がった。

 

夏希「もしかしてりみさん、焼き芋やった事ありませんか?」

 

ゆり「焼き芋って言ったら、自動車販売してるのしか買ったことなかったからね。」

 

小沙綾「売っている焼き芋も手軽で美味しいですけど、自分で焼くのも格別ですよ。」

 

あこ「そうそう!時間はかかるけど、その分甘い焼き芋が出来るよ!」

 

りみ「そうなんだぁ!食べてみたい!」

 

ゆり「じゃあ、神主さんに焼き芋作っても大丈夫か聞いてくるね。」

 

りみの願いを叶える為に、ゆりは神主を探しに向かった。

 

 

--

 

 

数分後--

 

りみ「お姉ちゃん、どうだった?」

 

ゆり「大丈夫だって!神社から許可をもらったから堂々と出来るよ。」

 

夏希「よし!そうと決まれば落ち葉掃き、スピードアップで頑張るぞ!」

 

勇者部は焼き芋パワーで落ち葉掃きを続けていった。

 

 

--

 

 

20分後--

 

あこ「やっと終わりが見えてきたけど、肝心の芋はどうするの?」

 

香澄「蘭ちゃんに聞いてみたらどうかな?」

 

ゆり「じゃあ早速聞いてみよう。」

 

ゆりは蘭に電話をして事情を説明する。

 

ゆり「うん、交渉成立!それじゃあ、畑に行く班と準備する班に分かれようか。」

 

あこ「お芋ならあこに任せて!とびっきり良い物を選んで持ってくるよ!」

 

薫「私も行こう。」

 

美咲「それじゃ、私と香澄とあこ、薫さんの4人で行ってくるねー。」

 

4人は足並み軽く美竹農園へと向かうのだった。

 

 

---

 

 

美竹農園--

 

畑では既にゆりからの連絡を受け、既に畑に来ていた高嶋達が芋掘りを始めていた。

 

蘭「芋は結構繊細だから、スコップで傷つけないように気をつけて。」

 

モカ「周りの土を柔らかくしたら、一気に引っ張るのがコツなんだよー。」

 

高嶋「うーん……中々抜けないよ〜。」

 

紗夜「高嶋さん、手伝います!」

 

高嶋「ありがとう、紗夜ちゃん!じゃあせーので引っ張ろう!」

 

紗夜が高嶋の後ろに来て一緒の芋の蔓を握る。その時、高嶋の手に少し触れてしまい、紗夜の頬が赤くなった。

 

高嶋・紗夜「「せーのっ!!」」

 

2人力合わせ引っ張りあげ引っこ抜けたのは良かったが、その反動で2人は尻餅をついた。

 

高嶋「いてて…。うわぁ!おっきなお芋が沢山!やったね、紗夜ちゃん!」

 

高嶋は尻餅の痛みを忘れて喜んだ。

 

紗夜「高嶋さんの見る目があったお陰です。」

 

 

--

 

 

一方では--

 

友希那「……どうして掘っても掘っても小さい芋しか取れないのかしら…。」

 

蘭「友希那さん。小さくても味は一緒です。」

 

友希那「そうは言っても……きゃっ!?」

 

次の場所を掘ろうとしたその時、足に蔓が引っかかってしまい、盛大に転んでしまう。そしてナイスタイミングでリサのカメラが光った。

 

リサ「よしっ!これでまた一つ友希那の思い出が増えたよ♪」

 

友希那「………はぁ。」

 

そんな時、神社から香澄達4人が美竹農園へやって来る。

 

香澄「おーい、蘭ちゃーん!みんなー!」

 

あこ「芋掘りの手伝いに来たよ!」

 

モカ「あー。芋掘りならちょうど人数分掘り終わったよ。」

 

モカはそう言って、みんなを芋の所へ案内する。

 

美咲「さすが仕事が早いですねぇ。じゃあみんなも一緒に、焼きに行きましょうか。」

 

高嶋「私達も良いの?落ち葉掃き手伝ってないのに。」

 

香澄「もちろんだよ!みんなで焼いた方が楽しいし美味しいよ!」

 

紗夜「ですが、一度にそんな沢山焼けるものなのですか?」

 

あこ「問題無いですよ!いーーっぱい落ち葉あるんですから。」

 

落ち葉という言葉に蘭が反応する。

 

蘭「あ、なら余った落ち葉は私が貰うよ。」

 

美咲「え?そんなもの貰ってどうするの?」

 

薫「……蘭ちゃんは落ち葉をお金に変える力があるのかい?」

 

美咲「それは流石に無い無い。」

 

蘭「強ち間違いじゃないかも。私にとってはそのくらい大事だから。落ち葉は良い肥料になるし。」

 

香澄「そうなんだ!お芋も焼けて肥料にもなるなんて、落ち葉って案外役に立つんだね!」

 

蘭「うん。それじゃあ早く行こうか。みんな待ってるだろうし。」

 

10人は沢山の芋を持って神社へと戻って行く。

 

 

---

 

 

神社--

 

夏希「……海野夏希、いっきまーす!」

 

小沙綾「夏希、遊んでないで掃除!」

 

落ち葉の山へダイブしている夏希を沙綾が注意する。

 

夏希「ごめんごめん。ふかふかの落ち葉の山見てたらつい飛び込みたくなっちゃって。」

 

ゆり「………よし!これで完了だね!みんなお疲れ様。」

 

あれだけ広範囲に広がっていた落ち葉達は勇者部の手によって一箇所にまとまられ、大きな山となっていた。

 

燐子「本当に…沢山集まりましたね…。」

 

小沙綾「後はお芋の到着を待つだけですね。」

 

りみ「熱々の焼き芋、めっちゃ楽しみ!」

 

 

--

 

 

それから数分後、畑に行っていた香澄達が戻って来る。

 

香澄「うわぁー!落ち葉の山がこんなに!」

 

美咲「じゃあ早速焚き火の準備だね。誰か、ライターかマッチ持ってます?」

 

美咲が尋ねるが、もちろん勇者部に火が起こせる道具を持っている人などいなく。

 

燐子「せっかくここまで準備したんですけどね…。」

 

りみ「火がないと焼き芋、出来ないね……。」

 

そこへ、

 

薫「りみちゃん、私がなんとかしよう。」

 

りみ「薫さん!」

 

美咲「頼もしいですね、薫さん。どうするんですか?」

 

薫「なぁに、木の板と棒があれば、火は起こせるんだよ。」

 

そう言って、薫は適当な木の板と棒を探して持って来る。

 

ゆり「さっすが薫!お願いね。」

 

薫「ああ、少しだけ待っててくれ。」

 

 

--

 

 

10分後--

 

無事に落ち葉に火がついた所で、焼き芋作りを開始した勇者部一同。後は完成を待つのみ。

 

 

--

 

 

更に30分後--

 

香澄「みんなー!お芋が焼けたよー!」

 

りみ「うわぁ、良い匂い!」

 

香澄「はい、りみりん!それから美咲ちゃんも!熱いからヤケドしないように食べてね。」

 

2人は出来立ての焼き芋を半分に割って、神社の石段に腰を下ろして焼き芋を食べた。

 

りみ「はふっ……あつっ…、ふぅふぅ……、んー!めっちゃ甘いー!」

 

美咲「やっぱり目の前で焼いた焼き芋は格別だよ。毎日でも飽きないなぁ。」

 

りみ「そうだね!落ち葉掃き、今度は何処に行こうかな?」

 

美咲「うっ……。やっぱりそこからスタートだよね…。それだとハードル高いなぁ。」

 

街も綺麗に出来て、美味しい焼き芋も食べれる。まさにこれは一石二鳥だと考えるりみなのであった。

 

 

 

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