タイトルには少し一貫性を持たせています。
気付いた方もいるのではないでしょうか?
"獅子型"がゆっくりと近付いてくる中、香澄は沙綾を見据えていた。
香澄「さーや。」
沙綾「香澄……。」
その時"獅子型"が2つに割れ、そこから炎を纏った幼生バーテックスが飛んでくる。香澄はバーテックスの突進を防ぎながら"獅子型"に接近するが、
香澄「っ!!」
沙綾はビーム砲で幼生バーテックスを撃墜。悲しそうに香澄を見つめていた。
香澄「止まれえええ!!」
香澄が"獅子型"を攻撃しようとするが、
香澄「あっ!?」
沙綾からの攻撃で迎撃される。
沙綾「香澄、ダメだよ!」
香澄「そいつが辿り着いたら私達の世界が無くなっちゃう!」
香澄は沙綾のファンネル型の武器を破壊しながら叫んだ。
沙綾「それで良いんだよ…。一緒に消えようよ。」
香澄「そんなの、良くない!!」
香澄の右手の刻印が光を放ち、
香澄「満開!」
幼生バーテックスを蹴散らしながら、"獅子型"に接近し、思い切り殴った。
沙綾「ダメ!」
沙綾と香澄が対峙する。
香澄「さーや。何も知らずに暮らしている人達もいるんだよ。私達が諦めたらダメだよ!だってそれが……。」
沙綾「勇者だっていうの!?他の人なんて関係ない!」
沙綾が香澄に叫ぶ。
沙綾「1番大切な友達を守れないなら……。勇者になる意味なんかない!頑張れないよ……。」
その時、樹海に散っていた幼生バーテックスが"獅子型"に向かって集まってきた。
香澄「あっ!!」
沙綾「香澄…。あのままじっとしていれば良かったのに…。眠っていれば、それで何もかも済んだのに……。もう手遅れだよ。」
沙綾はビームを連射するが、香澄は両肩の巨大な腕で防ぐ。
沙綾「戦いは終わらない…。私たちの生き地獄は終わらないの。」
香澄「さーや!」
沙綾「えっ!?」
香澄「地獄じゃないよ!だって、さーやと一緒だもん!どんなに辛くても、さーやは私が守る!」
沙綾のビームを防ぎ切った香澄が近付いてくる。
沙綾「大切な想いや気持ちを忘れてしまうんだよ!?大丈夫な訳ない!」
今度は沙綾はビームを一点に集中させた。
香澄「うっ!」
吹き飛ばされる香澄。さらに沙綾は続けて言う。
沙綾「香澄やみんなの事だって忘れてしまう。それを仕方がないなんてで割り切れない!1番大切な者を無くしてしまうくらいなら…。」
香澄「忘れないよ!!」
香澄が叫ぶ。
沙綾「どうしてそう言えるの!?」
香澄「私がそう思っているから!メチャクチャ強く思っているから!!」
沙綾「っ……私達も…きっと、そう思ってた……。」
沙綾は今まで忘れてしまっていたたえの姿を思い出す。
沙綾「今はまだ悲しかったという事しか覚えていない。自分の涙の意味が分からないの!!」
沙綾はビームを無差別に打ち始めた。
沙綾「イヤ!怖いよ!きっと香澄も私の事を忘れちゃう!だからっ…。」
香澄が沙綾のビーム砲を掴んで止め、巨大な腕を分離し沙綾に突っ込む。
香澄「さーや!」
沙綾「っ!!」
沙綾はファンネル型の武器を香澄に向けて飛ばすが、香澄は躱して懐に滑り込み、
香澄「ごめんね……。」
沙綾を思いっ切り殴った。歯を食いしばって、悲しそうな顔をしながら。そして、香澄は倒れた沙綾を優しく包み込む様に抱き起す。
香澄「忘れない。」
沙綾「ウソ…。」
香澄「ウソじゃない。」
沙綾「ウソ……。」
香澄「ウソじゃない!!」
沙綾「っ…………本当?」
香澄「うん。私はずっと一緒にいるよ。そうすれば忘れない。」
沙綾「うぅっ…香澄ぃ……!忘れたくないよ!私を1人にしないで…!うああああん………!」
香澄「うん………うん!」
泣き叫ぶ沙綾を香澄は強く抱きしめた。直後、轟音が樹海を包み込む。
香澄・沙綾「「何!?」」
"獅子型"が巨大な炎の塊になり、神樹の方向へ動き出したのである。
沙綾「私、大変な事を…。」
香澄「さーやのせいじゃない!あいつを止めよう!」
2人は"獅子型"を追いかけ、前に回り込み押し止めようとする。
香澄・沙綾「「止まれぇぇぇぇ!!」」
しかし"獅子型"は止まる気配がない。少しずつ神樹に近付いていた。
香澄「絶対に諦めな、い……。」
香澄の散華が始まった。香澄は地面に落ちていき、変身も解けてしまう。
香澄「くっ…はあ、はあ。こんな…ところで……。っ!?足が…。」
香澄は散華で両足の身体機能を捧げてしまったのだ。一方で"獅子型"は未だに止まる気配がない、沙綾1人が頑張っているが、
沙綾「もう……ダメ………。」
その時だった--
ゆり「おおおおおおお!」
りみ「はああああああ!」
ゆりとりみが満開して駆けつけたのだ。
沙綾「りみりん!」
りみ「大丈夫、沙綾ちゃん。私も頑張るから。」
沙綾「ゆり先輩…私……。」
ゆり「おかえりなさい。沙綾ちゃん。いくよ!押し返せ!」
3人は必死に受け止めるが、それでも少しづつ"獅子型"は神樹に近付いていく。
ゆり「この……3人でもダメなの……。」
そこへ、
有咲「そこかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
5度目の満開をした有咲が駆けつけたのだった。
有咲「勇者部を、なめるなぁぁぁぁぁ!!」
ゆりが3人に発破をかける。
ゆり「勇者部ーーー!」
沙綾・りみ・有咲「「「ファイトーーーーーー!!!」」」
4つの力が1つになって、虹色の大きな花となり、ついに"獅子型"を止めた。
その頃、香澄は--
香澄「くっ……!」
手を使って、動かない足を必死に動かしていた。
香澄「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
そして生身で満開し、巨大な腕で地面を叩いてその反動で飛び上がる。
香澄「私はっ!」
空中で香澄は勇者に変身--
香澄「花咲川中学勇者部!!」
ゆり「香澄ちゃん!」
ゆりが叫ぶ。
りみ「香澄ちゃん!」
りみが叫ぶ。
有咲「香澄!」
有咲が叫ぶ。
沙綾「香澄ぃ!!」
そして、沙綾が叫ぶ。
香澄「勇者、戸山香澄ぃぃぃぃ!!」
香澄は"獅子型"に向かって思いっ切り突撃する。
香澄「おおおおおおおおおっ!」
巨大な右腕が砕け、勇者装束も砕けていくが、香澄はそれでも御霊に向かって手を伸ばす。
香澄「届けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
香澄は最後まで諦めずに手を伸ばし、指が御霊に触れる--
次の瞬間御霊が爆発、香澄は爆発に巻き込まれ、そして4人も飲み込んでいく--
沙綾「…………?」
暫くして沙綾が樹海で目を覚ました。沙綾が首を動かすとみんなが頭を内側にして輪になって倒れていた。精霊が消え、花びらになる。
有咲「ぁ……?」
ゆり「終わった、の?」
りみ「みたいだね、お姉ちゃん。」
3人が次々と目を覚ます。沙綾は左に倒れている香澄を見た。
沙綾「香澄…、香澄?」
香澄からは返事がない。
沙綾「香澄!香澄!香澄!!」
沙綾「香澄ぃぃぃぃ!!」
香澄が目を覚ますことは無かった。
そして樹海が崩壊しはじめる--
次回、第1章最終回です。