戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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石紡ぎの章最終回、ここまで本当にありがとうございました!

次回から最終章"きらめきの章"へと進んでいきます。




夢の架け橋ーBanD Dream!!-〈後編〉

 

 

狭間の世界--

 

りみ「この光の道を進んで行けば元の時代に戻れるんだよね?」

 

ゆり「その筈だよ。はぁ…元の世界に戻ったら受験勉強が始まるよぉ……。」

 

中たえ「私が家庭教師をしてあげますよ。」

 

ゆり「本当!?さすが先代勇者様様。」

 

有咲「後輩に頭下げて恥ずかしく無いのかよ……。」

 

ゆり「全然!私は合格する為なら手段は選ばないよ!」

 

有咲「威張って言う事かぁ!」

 

 

--

 

 

香澄「楽しかったなぁ……。」

 

中沙綾「そうだね。千聖さん達があんな短期間であそこまで上手くなるなんて。

 

香澄「友希那さん達も力強い演奏でキラキラドキドキが止まらなかったよ。」

 

中沙綾「でたっ!香澄のキラキラドキドキ。」

 

香澄「あはは!」

 

ゆり「確かにみんなの演奏は目を見張るものがあったよね。」

 

有咲「そうだな。決意って言うのかな。」

 

中たえ「みんなが未来の為に頑張ってる。私達も負けてられないね。」

 

 

---

 

 

勇者部部室--

 

千聖達は勇者部のメンバーにバンド名が決まった事を報告する。

 

香澄「"Pastel✽Palettes"!?」

 

千聖「ええ。みんなで考えて決めたのよ。」

 

彩「大部分は千聖ちゃんが考えたんだけどね。」

 

花音「間のマークは彩ちゃんが考えたんだよ。」

 

高嶋「可愛い!花びらが6つあるのにも何か理由があるの?」

 

イヴ「千聖さんに花音さん、彩さん、日菜さん、私。……そしてもう1人の私です。」

 

日菜「曲も一曲作れたからこっちは準備オッケーだよ。」

 

友希那「私達も当日に演奏する曲の準備は出来ているわ。」

 

リサ「衣装もバッチリだよ!ね、燐子!」

 

燐子「はい……。奥沢さんから教えてもらった事を最大限に活かせました…。」

 

香澄「ほぇ〜〜……。」

 

中沙綾「私達も負けてられないね、有咲。」

 

有咲「おう、当たり前だ。」

 

そして千聖達"Pastel✽Palettes"と友希那達"Roselia"は練習の為に部室を後にした。

 

 

---

 

 

音楽室--

 

香澄「〜〜♪」

 

香澄達はこの世界で出会った仲間達、過ごしてきた時間を思い返し新曲作成に取り組んでいた。

 

 

--

 

 

?「知らない人達が沢山…?あれ?おたえのお姉さん……?」

 

?「私お姉さんはいなかったと思うけど…でも似てる。お姉さんなのかな?」

 

有咲「こ、これは同一人物…だな……。小学生の頃のたえだろ……。」

 

香澄「じゃあ、もう1人の子は小学生のさーや!?」

 

?「うわっ、何だここ!?瞬間移動なんて…。」

 

中沙綾「あ…あぁ……あ…。お、おたえ……。」

 

中たえ「うん……夏希………だぁ。」

 

 

--

 

 

香澄「あの時のさーやとおたえは本当に驚いてたもんね。」

 

中沙綾「驚いたってもんじゃないよ。」

 

中たえ「ずっと会いたかった人に会えたんだから。」

 

 

--

 

 

夏希(あれ?私、生きてる……。)

 

中たえ「全く、夏希は無茶し過ぎだよ。」

 

中沙綾「今度は……間に合ったよ、夏希。」

 

 

--

 

 

小沙綾「これが…勇者部の全力……。」

 

小たえ「カッコいい……未来の私。」

 

 

--

 

 

夏希「沙綾さん、たえさん。さっきは本当にありがとうございました。2人がいなかったらどうなってた……。」

 

中沙綾「………いいえ。こっちこそ、小学生の私達を守ってくれてありがとうね。」

 

中たえ「私達は……当たり前の事をしただけだから。」

 

中沙綾(これで、私達を助けてくれたのは2回目だね……。)

 

中たえ(夏希は本当に私達のヒーローだよ……。)

 

夏希「あっ、そうだ今度お礼しますから。」

 

中沙綾「気にしないで。またこうして隣同士歩ける事が、とっても嬉しいんだからね…。」

 

中たえ「そうだね……。」

 

 

---

 

 

中たえ「この世界でも夏希は相変わらずそのままだったね。」

 

中沙綾「優しくて、カッコよくて、強くて……夏希は私達の目標だったよ。」

 

香澄「有咲は何が思い出に残ってる?」

 

有咲「そうだな……やっぱり防人の奴らに会えた事だな。」

 

 

--

 

 

有咲「ちょっと待て!!」

 

千聖「やはり彼女達は人間よ。とても敵とは思えない。みんな、戦闘態勢を解いて。」

 

花音「良かったぁ…。」

 

千聖「と言うより知った顔がいるのよ。」

 

有咲「やっと気付いたか、白鷺千聖…。」

 

千聖「市ヶ谷有咲…。」

 

 

--

 

 

ゆり「懐かしい友達に会えてどうだった?」

 

有咲「どうも思わねーよ。ただ……。」

 

ゆり「ただ?」

 

有咲「一緒に肩を並べて戦えたのは…嬉しかったかな。」

 

 

--

 

 

有咲「千聖!私と一緒に倒すよ!!」

 

千聖「……ええ。」

 

有咲「ふぅ、やっぱりあんたと一緒だとめちゃくちゃ心強いな。勇者部も大幅に戦力増強だ!」

 

千聖「有咲ちゃんも腕をより磨いてるわね。ここまで敵を圧倒出来るとは思ってなかったわ。」

 

有咲「さぁ、どんどん来い!勇者部の太刀で迎撃してやるよ!!」

 

高嶋「千聖ちゃん、私も力を貸すよ。一緒にやろう!」

 

千聖「…………。ええ、一緒にやりましょう、高嶋さん!そして、有咲ちゃん!」

 

 

--

 

 

りみ「千聖さんと有咲ちゃん息ぴったりだったもんね。」

 

有咲「長年の勘ってやつだよ。それよりりみは何が思い出に残ってるんだ?」

 

りみ「私はね--」

 

 

--

 

 

りみ「させない!!」

 

赤嶺「っ!?」

 

りみ「みんなに手出しはさせない!!みんなに手出しをするなら…私は!!」

 

赤嶺「なっ!?ワイヤーをネット状にして防いだ!?」

 

りみ「ええええーーーーい!!!」

 

赤嶺「くっ、ワイヤーが…変幻自在に!?こんなに強かったっけ!?」

 

香澄「私の拳に蘭ちゃんの鞭…そして美咲ちゃんの投槍。凄い…凄いよ、りみりん!」

 

 

--

 

 

りみ「みんなを私の力で守れた事かな。」

 

中沙綾「りみりんがこの世界で1番強くなったんじゃないかな。」

 

ゆり「うん。りみも後輩が出来た事でお姉ちゃんになったんだねぇ……。」

 

りみ「特に燐子さんは何だか他人に思えないんだよね。」

 

ゆり「解る!私もあこちゃんはまるで自分を見てるかの様になるよ。」

 

有咲「ぜってーありえねぇ……。」

 

 

---

 

 

香澄達はこの世界での思い出話に花を咲かせ、曲作りをすっかり忘れてしまう。

 

有咲「ところで香澄、曲作りは捗ってんのか?」

 

香澄「あっ……あはは……。」

 

中沙綾「全くの手付かずだね。」

 

中たえ「まぁまぁこの世界の思い出を参考にして曲を作るのも良いんじゃない?」

 

香澄「お〜た〜え〜!そう、そのつもりだったんだよ!」

 

有咲「ぜってー今考えただろ……。」

 

中たえ「じゃあ次はゆり先輩の番ですね。」

 

ゆり「そうだなぁ……。」

 

 

--

 

 

薫「幽霊になって……300年の間………ゆりが生まれて来るのを待ちたい。」

 

ゆり「えっ…………?」

 

薫「私の幽霊でも……怖いかい?気絶してしまうだろうか……。」

 

ゆり「ど、どうだろうね………。」

 

薫「だから、出来れば私がここにいる間に、気絶癖を治して欲しい……。でないと死んでも死にき………。」

 

ゆり「やめてって言ってるでしょ!?寿命でも何でも死ぬ話なんて、仲間の口から聞きたくない!!!お願いだから……そんな話を、私にしないで………。」

 

薫「ゆり………。」

 

ゆり「勇者になってから………いつも隣には死があった。私にも……みんなにも……。だからいつもそれを意識しないよう、楽しくやって……どうして今、死んだ後の話なんて……。誰にも死んで欲しくない…。そんなの想像するのも……話すのも嫌なの!!」

 

薫「すまない……ゆり。しかし……そういう訳にもいかない……。私が帰らないと…未来が変わる。四国の……ゆり達の未来も変わってしまうんだ。だから……。だから、私は帰って……君達の過去を………ちゃんと作るよ。」

 

ゆり「やめて……。言わないで……。」

 

薫「ふふ……。こんな気持ち、以前には無かった……。自分が逝った後の未来の事など、頭の隅にも…。でも、未来がこうなるのだと解って……それが私を強くしてくれたんだ。」

 

ゆり「え………?」

 

薫「神世紀がこんなに素晴らしいなら……私の戦いは無駄ではない。帰ったら、一層勇敢に戦えるだろう。」

 

ゆり「そんな事望んでない…。勇敢に戦って散るのが私達の為……?冗談じゃないよ…。」

 

薫「重いかい?でも、それを今度は…ゆり達が背負って次の世代へと引き継ぐんだ……勇者として。それが……勇気のバトンだ。」

 

ゆり「うぅ……っ。うぅぅ………!」

 

薫「そんなに泣かないでくれ……。」

 

ゆり「誰が泣かせてるのよ………。」

 

薫「私は戻って来るよ……。300年、ゆりの誕生を待って…待って…待って……そうしたら………また…逢おう。」

 

ゆり「…………薫。」

 

薫「安心してくれ。ゆりの背中は私が守る……。いつも………傍にいるから……。」

 

ゆり「…………約束…だよ。」

 

薫「あぁ……。」

 

 

--

 

 

ゆり「うわあぁぁぁあっ!!!」

 

突如ゆりが赤面して奇声をあげる。

 

香澄「何想像してたんだろう。」

 

有咲「十中八九薫絡みだろ。」

 

ゆり「はぁ…はぁ……ちょっとあの時を思い出しちゃってね…。」

 

ふと香澄が窓の外を見ると外はすっかり茜色になっていた。

 

ゆり「今日はここまでだね。また明日集まろうか。」

 

香澄達は音楽室を後にするのだった。

 

 

---

 

 

牛込宅--

 

ゆりは夕食の後片付けをしている。りみは一足先にベッドで寝ていた。

 

ゆり「はぁ…1番先に浮かんできた思い出があれだなんてね…。」

 

するとゆりの端末が光だし"犬神"が現れる。

 

ゆり「ん?どーしたの、"犬神"。」

 

"犬神"は何も言わずゆりにすり寄ってくる。

 

ゆり「今日はやけに人懐っこいね。………。」

 

"犬神"を撫でている手が突如止まる。

 

ゆり「もしかして、あなたが薫の生まれ変わり…………。」

 

犬神「…………。」

 

ゆり「そんな訳ないか。」

 

 

---

 

 

みんなと解散した後、香澄は沙綾の家に泊まりに来ていた。途中だった新曲の歌詞を完成させる為だ。

 

 

山吹宅--

 

香澄「さぁ、完成させるぞー!」

 

中沙綾「頑張って、香澄!はい、これ。」

 

沙綾は香澄にカフェオレを手渡す。

 

香澄「ありがとう、さーや!」

 

中沙綾「私にはこれくらいしか出来ないから。」

 

香澄「ううん、さーやにはいつも助けられてるよ。」

 

 

--

 

 

中沙綾「あの大型2体をほぼタイムラグ無く同時に倒すには現時点で出せる最高の攻撃力で叩くしか無いと思います。」

 

あこ「現時点で1番強い攻撃が出来るのは…友希那さんと薫?」

 

中沙綾「友希那さんと薫さんの力を合わせても、どちらか片方を倒すので精一杯です。」

 

あこ「それならどうやって…。」

 

中沙綾「"満開"です。幸い私たち全員星屑たちとの戦闘でゲージは溜まってます。攻撃の手数が多い私とりみりんは分かれて、私と香澄が奥、ゆり先輩、りみりん、有咲が手前の敵を同時に攻撃します。皆さんは援護を。」

 

 

--

 

 

中沙綾「みんな、準備は良い?」

 

香澄「オッケーだよ!」

 

りみ「頑張るよ。」

 

ゆり「任せて。」

 

有咲「完成型勇者の力を見せてやる。」

 

中沙綾「いくよ!」

 

5人「「「満開!!」」」

 

 

--

 

 

香澄「現状を打破してくれる作戦を思い付くのはいつもさーやだったもん!」

 

中沙綾「それは打破してくれる力がある香澄達がいてくれたお陰だよ。」

 

香澄「……みんなの力があってここまで来れたんだよね…。」

 

中沙綾「そうだね……。」

 

香澄「……さーやはこの世界に残りたい?」

 

中沙綾「………。」

 

 

--

 

 

赤嶺「じゃあ嘘だと思ってそのまま聞いてよ…………海野夏希ちゃん!!」

 

夏希「え?」

 

赤嶺「中学生になったあなたがここに1人、何故いないのか。それは………。」

 

中沙綾「止めてっ!!!!!」

 

赤嶺「……ふふ。それ答え言っちゃってるから。」

 

中沙綾「はっ……!?」

 

 

--

 

 

沙綾は涙を一筋流した。

 

香澄「ご、ごめん、さーや……。そんなつもりじゃ…。」

 

中沙綾「ううん、大丈夫、分かってるよ。……本音を言えば今でも帰りたくないって思う。でも--」

 

 

--

 

 

夏希「私を心配してくれる沙綾さんやたえさんの心遣いは本当に嬉しいです。でも私は運命を跳ね除けてみせる!!!死ぬだって!?私を舐めるんじゃないぞ!!」

 

中沙綾「そんな気持ちも、戻れば覚えてないんだよ夏希…。」

 

夏希「なら私の力を見せてやる!運命を切り開く勇者のパワーを!!」

 

小たえ「え!?夏希、それってつまり、私たちと……?」

 

夏希「試合だ試合!!で、みんなを安心させてやる。私がメガ強いってね!!」

 

 

--

 

 

中沙綾「元の世界に帰れば、ここでの思い出はなくなっちゃう!!もう……思い出せなくなるのは嫌だよ!!!」

 

夏希「例え頭が覚えてなくたって……心が覚えてる!!確かに私だって2人と離れたくはない!だけど、2人には笑ってこれから生きて行って欲しい!!未来はどうなるか分からない。私は最後まで抗ってみせるよ!!来い"鈴鹿御前"!!」

 

中沙綾「はっ!?」

 

夏希「どうよ!」

 

中沙綾「頭で覚えてなくても、心が覚えてる……か。」

 

夏希「2人も私を信じて!!笑って現実に送り出せってね!運命変えてみせるから!」

 

小沙綾「夏希なら、それが出来るかもって思える……。」

 

 

--

 

 

中沙綾「でも、夏希は約束してくれたんだ。運命なんか変えてみせるって。例えそれがパラレルワールドだとしても構わない。何処かの世界で夏希が運命を跳ね除けて生きていてくれるのなら、私はそれだけで嬉しい。」

 

香澄「うん……夏希ちゃんなら出来るよ!」

 

中沙綾「ありがとう、香澄。」

 

香澄「どういたしまして。あっ、何か良い歌詞が降りてきそうだよ!」

 

香澄の作詞は夜遅くまで続き、沙綾は最後まで香澄に付き合うのであった。

 

 

---

 

 

今、花咲川中学校内には勇者部しかいない。大赦が働きかけてくれたお陰だ。いよいよ香澄達"Glitter*Party"、友希那達"Roselia"、そして千聖達"Pastel✽Palettes"の小さな対バンが始まろうとしていた。

 

 

対バン直前、音楽準備室--

 

あこ「遂に始まるね!」

 

燐子「緊張…してきました。」

 

リサ「リラックスリラックス。肩の力抜いて気楽にやろうよ。」

 

紗夜「やる事は全てやってきました。練習は本番の様に、本番は練習の様にやっていけば大丈夫です。」

 

高嶋「紗夜ちゃんカッコいい!よーし、私も頑張るよ!友希那ちゃん号令お願い。」

 

友希那「ええ。あこ…。」

 

あこ「はいっ!」

 

 

友希那「燐子…。」

 

燐子「はい…!」

 

 

友希那「紗夜…。」

 

紗夜「はい。」

 

 

友希那「香澄…。」

 

高嶋「うんっ!」

 

 

友希那「リサ…。」

 

リサ「オッケー。」

 

 

友希那「"Roselia"行くわよっ!!」

 

5人「「「おーっ!!」」」

 

 

---

 

 

音楽室--

 

トップバッター"Roselia"の演奏が始まる。

 

友希那「みんな、今日はこの場に集まってくれてありがとう。一曲と短いけれど、私達は全力で演奏するわ。"Re:birth day"」

 

 

〜〜〜♪

 

 

"Roselia"のどっしりとした重低音のリズムが音楽室を一瞬で包み込む。

 

 

--

 

 

友希那「ここは…樹海?何故いきなり私達はこんな所に…?」

 

あこ「突然瞬間移動しましたよね!?あこが寝ぼけてる訳じゃないよね!?」

 

燐子「ま、丸亀城の近く…じゃないみたいです…樹海も何だか…変です。」

 

紗夜「夢なら楽なのですが…。いつの間にか変身済みですし、どうなってるのかしら?」

 

高嶋「何だか敵の気配もするよ…。」

 

友希那「リサがいない…いえ、樹海だから当然ね。」

 

 

--

 

 

友希那「私は…今を生きている人々を守る為に戦う…そう決めたのよ!」

 

友希那?「それがあなたの主張ね。嘘よ。何事にも報いを、が湊の標語の筈でしょう?綺麗事を並べても結局あなたの戦う理由は復讐心よ。」

 

友希那「それは違うわ。」

 

友希那?「では死んだ人は忘れてしまうというの?薄情な奴ね。」

 

友希那「忘れはしない…1度だって忘れた事は無い。その上で私は未来の為に戦う。丸め込もうとしても無駄よ!自分との決着は既につけたのだから!!」

 

 

--

 

 

中たえ「あの……友希那さん。」

 

友希那「?何かしら?」

 

中たえ「…………心配してくれてありがとう。でも……私、ちゃんと………幸せに生きてるよっ!」

 

友希那「……………そう。……………そうなのね。それで、今日は何を作るのかしら?」

 

中たえ「ソース焼きそば!!さっ、厨房へ移動しましょう!!」

 

 

--

 

 

友希那「私達もここを守り抜くわよ。……こうして西暦組だけでのお役目は久しぶりね。」

 

高嶋「いつも通りやって行けば大丈夫。絶対出来るよ!」

 

あこ「しかもあこ達も成長してるんだから!もちろん紗夜さんもね。」

 

紗夜「調子に乗って怪我しない事です。白金さんは会議の疲れは取れましたか?」

 

燐子「はい、高嶋さんがマッサージをしてくれて…良く眠れました…。」

 

紗夜「それは良かったです。」

 

友希那「っ!樹海化が始まるわ。みんな備えて!」

 

リサ「友希那!」

 

友希那「必ず戻るわ、みんなでね。」

 

 

---

 

 

あこ(最初は知らない所に飛ばされて戸惑ったけど…。)

 

 

燐子(私達と同じ勇者に出逢えて……同じ志を持って戦って……。)

 

 

高嶋(私達は強くなったんだ!離れ離れになるのは寂しいけど……。)

 

 

紗夜(皆さんとの思い出は心に強く残っていく事でしょう。私ももう前を向いて歩けるはず……。)

 

 

リサ(私は全力で友希那達みんなを支えていく。私が前を向いていないとね。みんなの道標として……。)

 

 

友希那(私はあの時誓った…今を生きている人の為に戦っていくと。私達が守ってきた世界が未来に続いていく。未来を守る為に、私達は今を戦っていくのよ!)

 

 

---

 

 

音楽準備室--

 

控え室では防人組が出番に備えて待機していた。

 

花音「……みんな全力で演奏してるね。気持ちがこっちにも伝わってくるよ。」

 

彩「そうだね。私達も頑張らないと!」

 

千聖「勿論よ。やるからには全力よ。」

 

イヴ「私も2人で…。」

 

イヴ「いっちょやってやるぜ!」

 

日菜「あっ、そろそろ友希那ちゃん達の演奏が終わるよ。千聖ちゃん、円陣やろ!」

 

6人が輪になって手を伸ばす。

 

千聖「防人組!………いいえ、"Pastel✽Palettes"行くわよっ!」

 

4人「「「おーーっ!!」」」

 

 

---

 

 

音楽室--

 

友希那「聞いてくれてありがとう。次は白鷺さん達"Pastel✽Palettes"よ。」

 

友希那の呼びかけで千聖達が袖から登場する。

 

燐子「頑張ってください…。」

 

イヴ「任されます。」

 

 

あこ「ドーンバーンだよ!」

 

花音「ふぇええ!?」

 

 

紗夜「お願いします。」

 

高嶋「頑張って、日菜ちゃん!」

 

日菜「勿論!みんな魅了しちゃうよ。」

 

 

リサ「会場あっためといたからね。」

 

彩「ありがとう、リサちゃん!」

 

 

友希那「あなた達の気持ち、聴かせて頂戴。」

 

千聖「ええ。響かせてあげるわ!」

 

それぞれがハイタッチを交わし、"Pastel✽Palettes"が壇上へ上がる。

 

彩「皆さん!私達……。」

 

5人「「「"Pastel✽Palettes"です!」」」

 

彩「友希那ちゃん達に負けない様に精一杯やるので宜しくお願いします!では聴いてください……。」

 

5人「「「"もう一度ルミナス"!!」」」

 

 

〜〜〜♪

 

 

先程の"Roselia"とは真逆の明るくポップなメロディが音楽室を支配していく。楽曲の完成度の高さに勇者達は驚きを隠せない。

 

 

--

 

 

千聖「私は"防人"の白鷺千聖よ。"防人"のリーダーとして謝るわ。」

 

友希那「取り敢えず、部室に来てくれるかしら?丸山さん…丸山彩さんから詳しく話を聞いてちょうだい。」

 

千聖「っ!彩ちゃんが来てるのね。」

 

リサ「この特殊な世界の中では、防人の戦衣も性能は勇者と遜色無いものまで引き上げられてるよ。神樹様も防人全員を呼ぶ力は無かったみたいだけど、4人も来てくれて本当に助かるよ。」

 

花音「こんな素敵な勇者様軍団の中に加えられたって事は、私たちいよいよ認められたって事だよね、千聖ちゃん。」

 

千聖「どうかしら。使えるものは何でも使うって精神かもしれないし。」

 

イヴ「それでも選ばれたという事ですから。」

 

千聖「心理を解析するようになってきたわね、イヴちゃん。」

 

香澄「千聖さんは、有咲と一緒に特訓してたんですよね?頼もしいです。」

 

日菜「私も同じ環境だったよ。頼りにしてね。」

 

夏希「おーなんか強いオーラ出てますもん。海野夏希です。宜しくお願いします。」

 

千聖「宜しくね、夏希ちゃん。」

 

日菜「この子達が、私達の先輩かぁー。宜しくね、みんな。」

 

友希那「神世紀も時代が進むと勇者になる人達も増えてくるのね。」

 

香澄「でも私達千聖さん達が頑張ってる事は全然知らなかったんです。」

 

ゆり「現実世界での私達の御役目は終わったものだと思ってたけど…。そういう訳じゃないのかも。」

 

りみ「でも今回みたいに、ちゃんと事情も話してもらってみんなと一緒に戦えるなら、私は…。」

 

ゆり「私の妹ながら勇者だね。まぁそれは戻ってから考えましょうか。」

 

香澄「やー、部室がよりみっちりになったねー。わいわいで楽しいよ!」

 

 

--

 

 

千聖「ここが私達の受け持ち、最前線よ。人数が多いから当然ね。」

 

日菜「高知は氷河家の聖地。2度と敵に渡したりしないよ!」

 

彩「他のみんなは、無事に防衛の務めを果たしてるよ。」

 

千聖「防人組も遅れはとらないわ。御役目は果たす。もちろん"犠牲ゼロ"でね。」

 

彩「うん、無事を祈ってるよ。神樹様のご加護がありますように。」

 

花音「頑張って。私も応援してるからね!」

 

千聖「何しれっと離脱しようとしてるの。花音はこっちで私達と戦うの。ほら!」

 

花音「ふえぇぇぇっ!!私は巫女枠が良いよぉ千聖ちゃん!」

 

イヴ「盾が無かったら私たちが怪我するかもしれません。もしそうなれば誰が花音さんを守るんですか?」

 

花音「そ、そっかぁ…。よし、私を守ってもらう為に、私が守らなきゃ!」

 

千聖「っ!樹海化が始まるわよ!日菜ちゃん、イヴちゃん、花音。行くわよ!!」

 

日菜「バーテックスのお出ましだね!片付けるよ!!」

 

 

--

 

 

花音(戦いは怖いけど……みんなと一緒なら頑張れる気がする。だってみんなが私を必要としてくれてるんだもん。)

 

 

イヴ(ここまでの道のりは長く、険しかったですけれども…これも夏希さん達が紡いできた結果なんですね。)

 

 

イヴ(そうだな。勇者はみんなつえー奴らだった。身体も、心も…。俺達もそんな風になれたら良いな。)

 

 

日菜(この世界に来て嬉しかった事は"氷河家"のルーツを知る事が出来た事かな。今のあの人を見てると、あんな事になるとは思えない感じがするよ。)

 

 

彩(私はまだまだ未熟だけど、これからも精一杯千聖ちゃん達をサポートしていくんだ!私にしか出来ない事を全力で!)

 

 

千聖(この世界に連れてこられて最初は怒りを覚えたけれど、ここで得る事が出来た経験は悪いものではなかったわね。絆…ふふっ……これが勇者の資質、強さの秘密なのね。今なら解るわ……。絆が何なのかが。)

 

 

---

 

 

音楽準備室--

 

大トリである香澄達"Glitter*Party"が出番の準備をしている。

 

有咲「ははっ……。」

 

香澄「どうしたの?有咲。」

 

有咲「あいつが……千聖があんな風に笑うなんてな。」

 

中たえ「あれが本来の千聖さんの姿なんじゃないかな。」

 

有咲「……よし、千聖達の演奏に負けてらんないぞ!」

 

中沙綾「おっ、有咲やる気だね!」

 

りみ「じゃあ、本番前にみんなで円陣組まない?」

 

ゆり「良いね!さ、みんな並んで並んで。」

 

6人は輪になって並ぶ。

 

ゆり「号令は香澄ちゃん、お願いね。」

 

香澄「はい!みんな……今日は精一杯楽しもうね!!」

 

5人「「「おーーっ!!!」」」

 

 

---

 

 

音楽室--

 

彩「聞いてくれてありがとうございます!」

 

千聖「最後はゆりさん達"Glitter*Party"の登場です!」

 

千聖の呼びかけで"Glitter*Party"が壇上へ駆け上がる。

 

香澄「皆さーーん!盛り上がってますかー!私達…。」

 

6人「「「"Glitter*Party"でーす!」」」

 

香澄「前2つのバンドも凄かったですけど、私達も負けませんよー!!それでは聴いてください!」

 

6人「「「"Dreamers Go!"!!」」」

 

 

〜〜〜♪

 

 

大トリを飾るに相応しい明るくリズムに乗れるメロディが響き渡り、観客席の勇者達も思わず身体が動いてしまう。

 

 

--

 

 

ゆり「見知った眺めだよね。ここが防衛地点っていうのは気合が入るよ。」

 

中沙綾「他の4組は順調に御役目をこなしてるみたいです。」

 

りみ「皆さん頼もしい人達だからね。」

 

有咲「いよいよ元の世界に戻る時なんだな…。千聖とかはこっちに来たばっかりなのに。」

 

中たえ「防人達とは戻ってもまた会えるよ。同じ時代を生きているから。」

 

中沙綾「でも、絶対に会えなくなる友達もいる……。今まで議論は避けてきたけど、そろそろ話し合わなくちゃ。」

 

有咲「今回の出撃も大変な役目だけど、終わった後の事ばっかり考えるよ。」

 

中たえ「さあ、樹海化が始まるよ。ズガーンと行っちゃおう!」

 

有咲「ああ。私達がここをきっちり守り抜けば、今回の御役目も完了だしな!」

 

香澄「リレーで言えばアンカーだ!みんなの思いを繋いでゴールするよ!」

 

 

--

 

 

香澄「有咲可愛いー!」

 

有咲「だーっ!抱きつくなぁ!!」

 

ゆり「このメンバーでこうして歩けるなんて夢の様だよ。」

 

中沙綾「そうですね。それに……。」

 

中たえ「?」

 

中沙綾「今度はおたえも一緒。」

 

りみ「そうだね。おたえちゃんも勇者部の一員だもんね。」

 

ゆり「頼りにしてるよ?先代勇者様。」

 

中たえ「はい!」

 

香澄「………もうすぐお別れなんだね…。」

 

中沙綾「……そうだね。」

 

香澄「そうだ!!」

 

りみ「何か思い付いたの、香澄ちゃん?」

 

有咲「こういう時は本当に頭が良く働くよなー。」

 

ゆり「凄い才能だよ、それは。で、どんな事?」

 

香澄「あのですね………。」

 

ゆり「うん、ナイスアイデアだよ!」

 

有咲「確かに、香澄らしいな。」

 

中たえ「絶対に忘れられない出来事になるね!」

 

香澄「でしょー!」

 

 

--

 

 

ゆり(ここで会えた勇者達はみんな凄い心を持つ人達ばかりだった…。)

 

 

りみ(覚悟も…決意も…。私も見習わないとダメだよね!)

 

 

中たえ(御先祖様はやっぱり偉大だったな…。流石は初代勇者様だよ。私もいつか……。)

 

 

有咲(千聖…改めて凄いと思ったよ。だけど私も負けてらんねー!何たって私は完成型勇者だからな!)

 

 

中沙綾(夏希……。また会えて本当に嬉しかったよ。もうすぐ別れの時だけど、私の気持ち、このメロディに乗せて伝わると良いな。)

 

 

香澄(友希那さんに蘭ちゃん…夏希ちゃん、みんなが頑張ってくれたお陰で今の私がある……。だから私もいつか誰かの為に…だって私は……戸山香澄は勇者だから!!)

 

 

---

 

 

狭間の空間--

 

リサ「千聖達も香澄達も凄い演奏だったよね。」

 

高嶋「ホントだよねぇ!」

 

燐子「ビリビリと…気持ちが伝わってきました。」

 

あこ「あこ達も頑張らないと!あっ!」

 

あこが指し示した方向には出口が。

 

紗夜「この先が私達の時代ですか…。」

 

友希那「そうね。私達が未来を作って行くのよ……明るい未来を。」

 

 

友希那達はただ前を見て光の先へと進んで行った--

 

 

--

 

 

中たえ「出口が見えてきたよ。」

 

ゆり「みんな、覚悟は良い?この先天の神との本格的な戦いが始まる…。」

 

りみ「怖いけど…みんなと一緒なら大丈夫だよ。」

 

有咲「ああ。あいつらも戦ってくれるからな。」

 

 

6人は光の出口を抜ける--

 

 

中沙綾「っ!?」

 

香澄「こ、これって……!?」

 

 

--

 

 

花音「本番失敗しちゃうんじゃないかと思ってホント緊張したよぉ……。」

 

イヴ「でも花音さんはミス無く出来ていましたよ。」

 

日菜「元の世界に戻ってもまたやりたいね。」

 

彩「そうだね。防人のみんなにも見てもらおうよ。あっ、出口が近付いてきたよ。」

 

千聖「みんな、覚悟は良い?これからまた防人としての任務が始まるわ。これからも"犠牲ゼロ"を目標に大赦を見返してやるわよ!」

 

4人「「「おーーっ!!」」」

 

 

そして5人は元の世界に戻る--

 

 

筈だったのだ--

 

 

---

 

 

樹海?--

 

千聖「ここは……樹海………なの…!?」

 

 

千聖が立っていた場所はゴールドタワーなどでは無く、今までとは様子の違う樹海--

 

 

夜の樹海にたった1人で立っていたのである--

 

 

 




これにて

戸山香澄は勇者である〜第7章 石紡ぎの章〜

は終了となります。


次なる謎を残しつつ物語は

戸山香澄は勇者である〜最終章 きらめきの章〜

へと続きます。



一応最終章で一旦このシリーズは最後にしようかと思っております。思い付きでここまで来れたのは皆様が最後まで読んでくださったお陰です。


もしかしたらひょっこり続きを書き始めるかもしれませんが、その時はまた読んでいただけると幸いです。


ここまで通算197話。次回198話から最後の章の幕が開きます。



それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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