銀の代わりは沙綾と仲が良い夏希しか浮かびませんでした。
一応すんなり入った………かも?
夏希「よっしゃ、ここから反撃開始だ!」
沙綾「上手くいくか分からないけど、今はこれしかないか。」
たえ「よし、全員の力を合わせてやっつけるよ。」
沙綾達勇者3人は"水瓶型"へ反撃を開始する。
ゆっくりだが着実に"水瓶型"は神樹へと進行していき、樹海は枯れていく。その時、沙綾が放った矢が"水瓶型"に命中し、動きが止まる。
沙綾「気付いたみたい。」
たえ「こっち向いたよ。」
夏希「来るぞ!」
"水瓶型"は3人に向かって水の玉を飛ばしてくる。
たえ「展開!」
たえが槍を傘型に切り替えて、水の玉を防ぐ。
たえ「この槍盾になるんだ。」
夏希「うぉっ、おたえ便利!」
沙綾「このまま前進しよう。」
"水瓶型"は圧縮水鉄砲を発射し3人を近付けまいとしていた。
たえ「うぅ、冷たいー。」
沙綾「おたえ大丈夫?」
夏希「頑張れ、おたえ!勇者は根性だ。」
3人は少しづつだが押し返し、
たえ「沙綾、夏希。今だよ!」
沙綾・夏希「「よし!」」
3人は飛び上がるが、"水瓶型"は水の玉を放ち邪魔をしてくる。
沙綾「くっ、これじゃあ狙いづらい……。」
たえ「夏希、振り回すよ!」
夏希「どんと来い!」
たえは夏希を振り回し、遠心力を付け投げ飛ばした。
たえ「どっこいしょー。」
"水瓶型"は夏希に水の玉で攻撃するが、
沙綾「そうはさせない!」
沙綾が矢を放ち水の玉を全て割る。
沙綾「行って、夏希!」
夏希「うおぉぉぉ!!」
夏希の武器である斧の巴型の文様が赤く輝き、炎を纏った夏希が"水瓶型"の右側に命中し破壊に成功する。
夏希「どうだぁ!」
"水瓶型"は動きを止めた。
沙綾「やったの……?」
たえ「あっ、沙綾それフラグだよ。」
沙綾「えっ、フラグって?」
突然"水瓶型"が震え出し、無差別に水の玉を発射してきたのだ。
夏希「うぁぁぁぁ、そんな無茶苦茶な!?」
たえ「うわぁ、鼬の最後っ屁ってだね、うひょー。」
沙綾「くっ、これじゃあ樹海が…。」
樹海に何かがあると、現実世界にも影響が出てしまうのだ。
沙綾「何か、何か手は……。」
その時、沙綾は思い出す。
沙綾「そうだ、確か最初にアイツに放った矢は水の玉で止められたけど、さっきの矢は水の玉を割れてた……。」
放った矢の威力が1回目と2回目では異なっていた事に--
沙綾(その時は、咄嗟に夏希を守りたい気持ちで矢を放った…。気持ちの強さで矢の威力が変わるって事?)
沙綾は少し考え、2人に叫ぶ。
沙綾「夏希、おたえ!1分だけ、1分だけ時間を稼いで!!」
2人は微笑み、
夏希「よし、任せとけ!」
たえ「全力で時間稼ぐよ。」
"水瓶型"の水の玉を避け、沙綾に行きそうな攻撃はたえがガードしていた。沙綾が矢を構え集中する。すると花の文様が出現し、花弁が1枚づつ光りだす。
沙綾(これ以上は2人に負担をかけない…これで終わらせる!)
たえ「ちょっとキツくなってきたかも。」
夏希「沙綾まだか!?」
2人に限界が近づいて来た。
沙綾「お待たせ!これで…決める!」
沙綾が"水瓶型"に必殺の矢を放つ。"水瓶型"は矢に向かって水の玉を集中的に放射するが、矢は意に介さず真っ直ぐ"水瓶型"へと向かい、命中し砂埃を巻き上げた。
沙綾「これなら…。」
沙綾たち3人は息を飲む。砂埃が晴れ、動きを止めた"水瓶型"に光の玉が伸びてくる。
沙綾「っ!?これって……。」
辺りが光に包まれる。
たえ「鎮花の儀…。」
花弁が降り注ぎ、"水瓶型"を包み込んで消えていった。
沙綾「終わった…。」
沙綾は安堵の息を漏らす。
夏希「撃退…。」
たえ「出来た…。」
たえ・夏希「「やったー!」」
たえと夏希は顔を見合わせハイタッチする。直後、樹海が崩壊し3人は元の世界の大橋近くの祠へと戻される。
たえ「そっかー。学校に戻るわけじゃ無いんだね。」
夏希「やっベー、上履きだよ。」
沙綾「あっ、私もだ。」
夏希「そうだ、私樹海の写真撮ったんだ。」
たえ「見せて見せて。」
たえと夏希はスマホで確認するが、
夏希「あれ?樹海じゃなくなってる!?」
そこに写っていたのは、元の世界の写真だった。
たえ「樹海って写真に写らないんだね。」
2人がそんな話をしている中、沙綾は1人考え込んでいたのだった。
その日の夕方、沙綾は再び水垢離をしていながら考えていた。
沙綾(私1人じゃ勝てなかった…本当に辛勝だった。これからこれが続いていく、どうすれば……。)
次の日、学活の会--
安芸先生が、3人を前に来させクラスメイトに話し出した。
安芸「今お話した通り、3人には神樹様の大切な御役目があります。だから昨日の様に教室から突然いなくなる事もありますが、慌てたり騒いだりせずに、落ち着いて心の中で3人を応戦してあげて下さい。」
放課後--
クラスメイト「ねぇ、夏希ちゃん。御役目って大変なの?痛いの?」
クラスメイトが夏希に質問する。
夏希「いやー話したらダメなんだよねー。」
クラスメイト「えー、ケチー。」
勿論御役目の事を口外する事は出来ない為、そういう返しになってしまう。その時、沙綾がたえと夏希に向かって、
沙綾「あのさ、良かったらなんだけどこれから3人で祝勝会でもやらない?」
夏希「おっ、良いね。」
たえ「行こう行こうー。」
2人は承諾し、3人はイネスへと向かった。イネスとは大型ショッピングモールであり、ここに無いものはないとさえ言われている施設なのである。
イネス、ジェラート屋--
沙綾「ほ、本日はお日柄も良く…。」
夏希「沙綾硬いよ!はいっ、カンパーイ!」
たえ「カンパーイ!」
沙綾のお硬い音頭に痺れを切らした夏希が音頭を取ったのだった。その時、たえが沙綾に話し出す。
たえ「ありがとうね、沙綾。」
沙綾「?」
たえ「みんなの為を思って、こういう場を設けてくれたんだよね。私、凄く嬉しい。」
夏希「確かに、沙綾がこんな事言うのって何か珍しいよね、何かあったの?」
夏希が沙綾に尋ねる。
沙綾「一応、2人とは友達のつもりだった。けど、昨日の戦いは本当に辛勝だった。その時思ったんだ。私はまだ全然2人の事について詳しくなかったなって。だから、こういう場を設けたりして、もっとみんなと仲良くなって、みんなと一緒にこの御役目を果たして行きたい。そう思ったんだ。1人じゃ何も出来なかった…。みんながいたから…。これからも私と仲良くしてくれる?」
たえと夏希は目を合わせ、
たえ・夏希「「もちろん!!」」
夏希「沙綾にはこれからも頼りにしてるんだぜ。」
たえ「そうだよ。沙綾は私達の参謀なんだからね。」
沙綾「そんな参謀なんて大袈裟なー。」
全員「「「あはははっ!!!」」」
沙綾(この3人となら、何があっても頑張って行ける気がする。たえ、夏希、ありがとう。)
沙綾はそんな事を思っていた。
夏希「よーし、それじゃあ今日という日を祝ってここの絶品ジェラートを食べよう!」
3人はジェラートを買いに席を立ったのだった。
たえ「ん〜〜、幸せ。このほうじ茶&カルピス味大正解。」
たえがジェラートに舌鼓を打つ。
たえ「夏希のは何味?」
夏希「醤油豆ジェラート!」
たえ「何それ?でも美味しそうだね。」
たえと夏希が話している中、
沙綾「はむ。美味しい!この抹茶が織りなす絶妙なハーモニーが最高!」
沙綾も美味しそうに食べていた。その時、
たえ「あーん…。」
沙綾「何?おたえ。」
たえが口を開けて待っていた。
たえ「そんなに美味しいなら、あーん。」
沙綾「しょうがないなー。はい、あーん。」
たえ「はむ。ん〜〜!確かにこれも美味しいね。」
全員「「「あはははっ!!!」」」
3人は束の間のひと時を存分に楽しんでいたのだった。
神世紀298年--
これは3人の勇者の物語--
神に選ばれた少女達の御伽話--
いつだって、神に選ばれるのは無垢な少女達である--
そして、多くの場合その結末は--