模擬戦、最終戦直前--
中沙綾「…いよいよおたえの出番だね。」
中たえ「そうだね。」
中沙綾「緊張してる?」
中たえ「凄く。」
中沙綾「してるように見えない。」
中たえ「隠すのは昔から得意だから。」
中沙綾・中たえ「「…………。」」
会話が続かない。勇者の御役目に就いてから紆余曲折あったものの1番傍にいた2人、それなのに言葉が途切れ途切れにしか出てこない。
中沙綾「………。本当にそれで良かったの?
中たえ「うん。心配してくれてありがとう。だけど、これは私の覚悟。前に言葉では伝えたんだ。だから今度は実力で御先祖様と語りたい。」
中沙綾「……そっか。頑張って!」
中たえ「うん!」
訓練場へと赴くたえ。その背中はいつもより少しだけ大きく感じた。
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一方--
リサ「まさか友希那を指名するなんてね。」
友希那「別に、予測出来た事よ。模擬戦が始まる前から花園さんの視線や気合いがひしひしと感じられていたわ。それに……。」
リサ「それに?」
友希那「私を安心して送り出す為でもあると思うわ。」
リサ「成る程ねぇ。負けないでよ、友希那。」
友希那「負けるつもりは毛頭無いわ。何事にも全身全霊で。例えそれが模擬戦だとしても。」
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訓練場--
友希那から了承を得た事でたえは槍を手に持ち友希那は生太刀を構える。試合開始の合図が宣誓されても2人は構えを崩さず互いが互いを見合ったまま動かない。
中たえ「………。」
友希那「………。」
1分程睨み合いが続き、先に仕掛けたのはたえだった。ジグザグに動き狙いを付けにくくしながら友希那へと接近し槍を乱れ突く。
友希那「ふぅ……はっ!」
対する友希那は必要最小限の動きで槍捌きを避け様子を伺いつつ煽る。
友希那「攻撃が単調じゃないかしら?」
中たえ「まだまだ、これからです。」
槍を軸に回転し回し蹴りが炸裂、しかし友希那はこれを鞘で受け止める。
友希那「今度はこちらから行くわよ。」
そう言った直後、友希那の姿が消え地面が擦れる音が響き渡る。凄まじい速度で移動しながら樹海を足場に縦横無尽に懸ける友希那。たえの虚をついて完璧に背後を取り切りかかった。
友希那「先ずは一本よ!」
中たえ「甘いですよ。」
友希那「っ!?」
通常なら完全に入った筈の友希那の一撃が何かに阻まれる。精霊バリアだった。一太刀をバリアで受け止めたたえは振り向きざまに回し蹴り、それが友希那の腹部へ命中。
友希那「くっ!」
最初に一撃を喰らわせたのは子孫の花園たえ。この一瞬の攻防に応援している勇者達は息を飲んでいた。
友希那「………成る程ね。武器が元に戻ったのだから当然よね。してやられたわ。」
中たえ「えへへ。御先祖様に褒められた。」
友希那「だけどまだまだよ。私の速さはこの程度では無いわ!」
一瞬で目の前から友希那が消える。直後現れた場所はたえの目の前。
友希那「はぁっ!」
中たえ「よっ!」
刃と柄がかち合う音が響き渡る。どちらも一歩も引かない。しかし高速で動き回る友希那に対し、たえはのらりくらりと槍を振り回して友希那の攻撃をいなしている。体力の差が開き始めるのも時間の問題だとこの場にいる誰もがそう感じていた。
友希那「………。」
中たえ「………ぐっ。」
事実たえも友希那の持久力が落ちるのを計算に入れてこの立ち回りをしていた。いくら勇者といえど、休まず動き続けていれば誰だって体力は僅かながらに落ちる。
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小沙綾「いくら友希那さんと言えどもあの速さをずっと保ち続けるなんて無理だよ…。」
赤嶺「確かに…。速攻で決め切るつもりでもたえちゃんは確実に攻撃を見切ってるよね。」
紗夜「ええ。自暴自棄にでもなったのでしょうか……。」
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そこから10分が経過しようとしていた--
赤嶺「………つぐちん。もうあれから10分くらい経ってるよね…。なのに…。」
つぐみ「うん。全然速度が落ちてない…。それどころか攻撃が少しづつ鋭く、重くなっていってる……。」
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全員が目を疑った。友希那は息切れ一つせず速度を保ち続けている。
中たえ「……うっ!……っ!」
そして逆にたえの方がリズムを乱され呼吸が激しくなっているのである。そして遂に--
友希那「はぁぁぁあっ!!」
中たえ「うわっ!?」
友希那の一撃がたえに届く。重い一撃に速さが加わり威力は凄まじくたえが叩きつけられた場所にクレーターが出来る程だ。
中たえ「うぅ………な、何で…。」
友希那「私は以前の戦いで思い知ったの。今のままでは大切な人を守る事が出来ないと……。だから私はそれから死に物狂いで自分を鍛え上げてきたわ!それに…--」
徐々に友希那の口調が強くなり、たえに向けて生太刀を突きつける。
友希那「花園さん……あなたは今まで何かに本気になった事はあるかしら?」
中たえ「え……。」
友希那「さっきからのあなたの動きもそう…。のらりくらりと立ち回りその場を上手くやり過ごそうとしてる感じが伝わってくるわ。」
中たえ「…………。」
友希那の言葉にたえは反論出来なかった。沈黙は何よりも雄弁である。友希那の問いかけに沈黙してしまった事で疑惑が確信に変わってしまった。
友希那「たかが模擬戦……。練習試合で死ぬ事は無い。心の片隅でそんな事を思っていたんじゃない?……正直言って失望したわ。あなたも私の血を引いているのならば何事にも全力になってみなさい!!」
そう叫び友希那は左手を天に掲げ、精霊の名を叫んだ。
友希那「来なさい、"義経"!!」
確信を付く友希那の言葉が突き刺さり、たえはその場を動く事が出来ない。だが、友希那は立ち直るまで待ってはくれない。気を許せば喉元へ神速の刃を突きつけられる。
友希那「いくらあなたがそのスタンスを貫こうとも構わない。…………だけど私はあなたを"殺す気"で行くわよ?」
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花園たえは昔から料理以外は何でも出来た。勉強に運動、楽器の演奏から幅広くだ。初めての御役目でもそうだ。周りを広く見渡す目、状況をいち早く察知し対策を立てる回転の速さ、果ては寝ながら授業の内容を頭に入れる事が出来る。そんな神童だった。
だから他人の目からしてみれば本気も出さず何でも熟している様に感じてしまうのも無理はなかった。
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友希那「来なさい、"義経"!」
その身に"義経"を憑依させる友希那。敵を倒す事に躊躇いがなくなったからかその身から迸る神威がたえの体を硬直させる。
友希那「願うは速さ……覚悟なさい!」
地面を素早く何度も蹴り上げ縦横無尽に樹海を八艘飛びで駆け抜ける。
中たえ「くっ………うっ!?きゃあああっ!!」
一・二撃を受け切るだけで精一杯。精霊バリアで辛うじて守られてはいるものの、衝撃は凄まじくピンボールの様に弾き飛ばされてしまう。しかしたえも負けじとすぐさま立ち上がるも、目の前に現れたと思いきやすぐ右側から生太刀が振り下ろされる。
中たえ「はぁっ!」
槍を傘状に展開させ防御。だが、樹海の根を背にし友希那の攻撃を前方へと制限させて凌ぐ方法しか真理を突かれたたえの頭の中には無かった。
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小沙綾「たえさん……。」
小たえ「………。」
握る手に思わず力が入る。悔しさからくるものだった。今目の前で戦っている人は未来の自分。さっき友希那が発した言葉は自分に言われているのと同義なのだから。
中沙綾「大丈夫?たえちゃん。」
小たえ「大丈夫……って言ったら嘘になるかもしれないです。たえさんは……私がカッコいいって思っているたえさんはそんな人なんかじゃない。ちゃんと頑張ってるし努力してる事を知っています!私だから知ってるんです。」
中沙綾「…そうだね。ちゃんと頑張ってる事を知っている私達が黙ってちゃダメだね。」
夏希「ああ!なら一生懸命応援しないと!」
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中たえ「……ふぅ……ふっ……ぅ…。」
一向に手を緩める事が無い友希那の猛攻が続く。身動きが取れず体力は減っていき、遂には肩で息をするのも苦しくなっていた。だけれどたえは槍を決して離す事なく友希那の攻撃を防ぎ続けていた。
友希那「もう"参った"と降参したらどう?」
思考が鈍る。考えが纏まらない。思わずその言葉を口にしてしまいそうになる--
その時だった--
夏希「負けるんじゃ無いぞ、おたえーー!!」
中たえ「っ!?」
途切れそうな意識の中、微かに聞こえてきたのは掛け替えの無いズッ友の声。
夏希「のらりくらりでやるのが何だってんだよ!!おたえはそんなところでやられる奴だったのか!」
小沙綾「そうです!たえさんはこの世界に来た時もずっと頑張ってきてたじゃないですか!」
中沙綾「そうだよおたえ!おたえが頑張って来た事は私が……私達がちゃんと見てるんだよ!」
支えてくれた友の声がたえに立ち上がる気力を与える。打ち倒す為の力をくれる。
中たえ「そう……だよね…。このまま何にも出来ないんじゃ…私の気持ち、御先祖様に伝える事…出来ないもんね。」
ふらふらと足元が覚束ないながらも何とか立ち上がり再び構えをとる。
友希那「そう……その気概は認めてあげるわ。だけど…これで終わりよ!!」
神速。光の如き速さで突撃する友希那。高く振り上げた生太刀の斬撃がたえの眼前に迫る。
中たえ「私は………!」
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生太刀は確実にたえを捉えていた。しかしこの場にいる誰もが目を疑った。たえは無傷、それだけならまだしも--
小たえ「私が……もう1人増えた…。」
戦っているフィールドには2人のたえ。姿形も瓜二つの"もう1人のたえ"が友希那の斬撃を槍で防いでいたのである。
友希那「この力は…!?」
中たえ「私の精霊…"両面宿儺"の力。」
友希那「くっ……。」
未知の力と相対し、友希那は危険を察知して一旦たえと距離を置く。
中たえ「ここから巻き返すよ、私。」
中たえ『りょーかい、私。』
たえ達は左右に分かれて友希那を挟撃する為走り出す。
友希那「2人になったところでやる事は同じよ。」
友希那も八艘飛びで樹海を駆け回る。
中たえ「はぁっ!!」
友希那「甘いわ!」
再び鍔迫り合う2人、だが今回は状況が違う。
中たえ「甘いのは友希那さんだよ。」
友希那「っ!?」
中たえ『隙あり!』
友希那「きゃあっ!!」
片方が友希那を引きつけて抑え、もう片方がその隙に攻撃を仕掛ける。単純だが1番効果的な戦術。
友希那「くっ、これならどうかしら?」
生太刀を一旦鞘へ戻したえに再接近。そして一気に居合抜きを仕掛けた。友希那が最も得意とする戦法。しかし、
中たえ「はっ!」
神速の友希那の居合をたえはそれを上回る速さで上空へ飛んで避けたのだ。
友希那「躱された!?」
中たえ「一撃くらえ!」
友希那の上を取ったたえはそのまま槍を振り下ろす。
友希那「大振り過ぎるわ。受け止める!」
槍を生太刀で受け止める友希那だったが、受けた瞬間に違和感を感じた。最初の攻撃より槍の一撃が重いのだ。
友希那「くっ………!これは!?」
中たえ「だりゃああぁぁぁ!!」
友希那「ぐっ!?」
一撃を受け止めきる事が出来ず友希那は樹海へ叩きつけられてしまう。
友希那「い、一体この短時間で何が……。」
中たえ「辺りを見てください。何か違和感がありませんか?」
言われるがまま辺りを見回す友希那。すぐ気がついた。さっきまでいたもう1人のたえが姿を消していたからだ。
友希那「もう1人の花園さんがいない…。」
中たえ「そうです。"両面宿儺"の力は単純に分身を作り出す力じゃ無いんです。"2倍"にする力です。」
友希那「2倍に…!?」
もう1人のたえを生み出したのは花園たえという"1人の存在を2倍にしたから"。神速の居合を交わしたのは"自身の速さを2倍にしたから"。重い一撃を喰らわせたのは"力を2倍にしたから"なのだ。
中たえ「2倍に出来る事は1つしか無理ですけど、その都度使い分ける事で臨機応変に対応出来るんです。」
友希那「……やるじゃない。やっとあなたの本気が見れそうよ。」
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"両面宿儺"の精霊の力を巧みに駆使したえは友希那と互角の攻防を繰り広げる。
中たえ「やぁっ!!」
中たえ『いくよっ!」
友希那「そこよっ!!」
自身を分身させ陽動、速度を上げながらかく乱、友希那の攻撃を受け流しながら出来た隙に力を上げて反撃。友希那も変幻自在のたえの攻撃に即座に対応してはいるものの、少しづつ押され始めてきた。
友希那「八艘一閃!!」
中たえ「きゃあぁぁっ!」
生太刀の一撃がたえにクリーンヒット。樹海に叩きつけられるが、たえは不敵な笑みを浮かべる。
友希那「なっ!?しまった!?」
自分を囮にしたのだ。大きな技を出した後には大きな隙が出来る。自分が敢えて攻撃を受ける事で、その隙にもう1人のたえが友希那へ槍を振り上げ上空へ突き上げた。
友希那「ぐはっ……!」
中たえ『麗槍百華刃!!』
散る蓮の花の如く、槍の乱舞が空中で身動きが取れない友希那へ降り注ぐ。
友希那「ぐっ……うっ…がはぁ……!!」
もう1人のたえが消滅し、両者地に伏せ身動きを取らない。
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リサ「友希那!」
高嶋「友希那ちゃん!」
香澄「おたえ!」
りみ「おたえちゃん!」
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2人が動かなくなってから1分程経過した時、両者指が微かに動き息を乱しながらゆらゆらと立ち上がり構えをとる。両者まだ勝負を諦めていないのだ。
友希那「はぁ…やるじゃない……花園さん…。はぁ…はぁ……だけどあなたももう満身創痍…"両面宿儺"もデメリットがあるようね……。」
中たえ「ふぅ…ふぅ……そうですね…。自分を増やす事に関して言えば…単純に使う力も2倍になりますし……疲労やダメージも2倍になりますね……。」
友希那・中たえ「「…………。」」
無言で向き合い、2人は自身の装束に付いているゲージにそっと手を置いた。
中たえ「……2人とも考えてる事は同じみたいですね…。」
友希那「……そのようね。血が繋がっているだけはあるわ。」
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2人の考えに1番最初に気がついたのは沙綾とリサだった。
中沙綾「っ!?みんなここから離れて!」
香澄「さーや?」
リサ「2人は"満開"するつもりだよ!」
紗夜「いくら何でもやり過ぎでは!?」
神官を残し勇者達全員は巻き込まれない様に階下へと避難をする。
リサ(大丈夫だよね……友希那。)
中沙綾(おたえ……。)
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全員が離れた事を確認する友希那とたえ。
友希那(ありがとう…リサ。)
中たえ(沙綾……私、ちゃんと伝えるよ。)
意識を集中し、ゲージが徐々に光り出す--
たえ・友希那「「"満開"!!」」
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訓練場、地下二階--
2人の本気の闘いに巻き込まれない様階下へ避難した勇者達。2人の様子は記録用のドローンを通じてモニター越しで観戦していた。
高嶋「リサちゃん、大丈夫なの?模擬戦で満開までするなんて…。」
蘭「そうですよ。これで2人に何かあったら…。」
リサ「大丈夫。友希那を信じて。友希那はたえの全力に全力で応えようとしてる。多分たえの真意にも気が付いてると思う。」
燐子「花園さんの真意……ですか…?」
中沙綾「おたえは以前友希那さんに伝えたんです。"自分は今を幸せに生きている"って。だから今度は実力を友希那さんに見せて安心して自分の世界に帰ってもらうよう伝えるつもりなんです。」
あこ「だったら何で友希那さんはおたえを煽る様にしたんだろう…。」
有咲「ワザとだろ。自分では分かっていても相手は御先祖様なんだ、無意識に攻撃を躊躇ってたんだろう。それに気付いた友希那は焚きつけたんじゃないか?」
千聖「なら、此処からが本番の様ね……。」
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訓練場、地下一階--
友希那「行きなさいっ!」
中たえ「行っちゃえーー!!」
友希那が放つ小刀状のビットと、たえが放つ槍状のビットが互いにぶつかり合い、甲高い金属音が鳴り響き爆発。
友希那「せぇぇぇいっ!!」
中たえ「シールド展開!」
初撃は互角。友希那は間髪入れずに周囲に展開する左右3本ずつの巨大な刀を全方向からたえ目掛けて振り下ろされるも、たえは自身の周囲にシールドを展開。6本の斬撃を防ぎきる。
中たえ「ぐぅぅ……!衝撃が凄い…。手数は向こうの方が有利…なら!!」
方舟を動かすたえ。シールドを展開しながら突貫するのが狙いだ。
友希那「面白い……こちらも行くわよ!」
方舟同士が激突。大爆発が巻き起こり両者の方舟が消滅。煙が晴れた時2人は互いに激しい斬り合いへと移っていた。
中たえ「私はいつでも本気なんです!友希那さんが言った様に見られがちですけど、信念は友希那さんと一緒です!!」
なりふり構わず自分の言葉をぶつける様に吐き出す。
友希那「言葉だけなら何度でも言えるわ!私の言葉が間違っているというのなら、私を打ち伏せてみせなさい!実力で証明してみせなさい!!」
もう友希那もたえの攻撃を防御する事はせず、生太刀を振り回して斬り合いを繰り広げる。
中たえ「私は…ぐっ……負けない…!勇者になって辛い事や苦しい事、いっぱいあって…挫けて達観するようになっちゃったかも知れない。だから友希那さんからすると本気になっていないように見えるかもしれません。たけど私は勇者部と出会って…御先祖様に会って……私はいつでも全力なんです!私は勇者で…湊友希那の子孫の花園たえだから!!"満開・
友希那「来なさい!あなたの全力この湊友希那が受け止めるわ!!"満開・
すれ違い様に両者が最後の力を振り絞り斬り合う。一瞬の静寂の後2人の満開が消滅。互いに武器を振り切ったまま動かない。
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中沙綾「おたえ!」
リサ「友希那!」
つぐみ「どっちが勝ったの!?」
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友希那「あなたの……花園たえの覚悟…しかと受け取っ…たわ………。」
先に力尽き地に倒れたのは友希那だった。
中たえ「ありがとうございます……友希那さん。前にも言いましたけど、私今とっても幸せです…!生きていて本当に、今はとってもとっても楽しくて嬉しい……!」
神官「湊友希那様が戦闘続行不可能により、模擬戦、最終戦。勝者は花園たえ様です。」
勝利の知らせを聞いた香澄達がたえを労う為に一斉に駆け寄って来る。
香澄「おたえー!本当にお疲れ様!」
りみ「私感動しちゃったよぉ!」
小たえ「やった!流石未来の私です!」
中たえ「ありがとう…みんな……。みんなの声援届いたよ……。」
そう言い残し、文字通り全てを出し切ったたえは抱きしめるみんなに体を預けるように疲れて眠ってしまった。
中沙綾「伝えられて良かったねおたえ…今はゆっくり休んで。」
模擬戦を通じ様々な経験とスキルアップが出来た勇者達。勇者部の御役目はまた新たなステージへと進む--