戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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刀使達を思い出したタギツヒメとの最後の戦いが始まった。両者一歩も引かぬ攻防を繰り広げる中、友希那と可奈美は1つの作戦に打って出るのだった。

勇者と刀使の物語完結--





御刀に煌く満開の花

 

 

8人を一気に相手取るタギツヒメ。しかしその瞳は幼い子供の様に輝かせており、口からは本人も自覚しないままに笑みがこぼれ落ちる。

 

タギツヒメ「まだだ……もっとだ!もっと来い!もっと会話を楽しもうではないか!」

 

千聖「くっ……化け物かしら。会話なのだから少しは手加減くらいして欲しい…わねっ!」

 

香澄「だけど……私何だか今、すっごく楽しいです。」

 

千聖「え?」

 

香澄「拳を合わせる度に、タギツヒメの気持ちが流れ込んでくる様な感じがするんです。心の奥底ではタギツヒメは寂しくて……今こうして戦っている事が本当に嬉しい。そう言ってる気がするんです。」

 

香澄は感じていた。怒りを原動力に、怒りのままに暴れていたタギツヒメではあったが、その根底にあったものは根源的な孤独感。その孤独を埋めたいという対話を求めての渇望。一緒に遊んで欲しいという子供の様な純粋な気持ちがタギツヒメとぶつかる度に共有されていく。

 

友希那「……私も分かる気がするわ。」

 

可奈美と姫和、友希那が高速で動き回りタギツヒメを牽制しながら、香澄達が四方八方から攻撃を繰り出すも、タギツヒメも二刀と二本の腕でその攻撃を防ぎながら反撃する。

 

タギツヒメ「ぐっ……そうか…満たしてくれるか。はぁぁぁぁっ!」

 

腕を使いタギツヒメは上空へと飛び上がる。

 

千聖「くっ、銃でも届かない距離に…!」

 

タギツヒメ「"黝刃焱"!」

 

そして上空から炎を纏った青黒い刃を何発も飛ばす。

 

友希那「行くわよ、花園さん!」

 

中たえ「はい!」

 

中たえ・友希那「「満開!」」

 

中たえ「通さないよ!」

 

2人は満開し、たえが槍の刃を展開し防御壁を作り、友希那は箱舟でタギツヒメの元へ接近。更に上空へ位置取り真上から生太刀を振り下ろす。

 

友希那「"生生之大太刀"!」

 

タギツヒメ「ぐぅ……っ!!」

 

巨大な刃をまともに受けたタギツヒメは上から地上に叩き落ちてしまう。

 

タギツヒメ「やるでは…ないか。」

 

怯むタギツヒメに可奈美と姫和の追撃が迫る。

 

可奈美「"太阿之剣"!」

 

姫和「"雷神剣・無明"!」

 

技の威力に加え迅移の速さが加わり樹海を抉る程の斬撃が決まり更に吹き飛ばされる。

 

タギツヒメ「ぬわぁぁぁぁっ!!」

 

夏希「やったか!?」

 

蘭「それフラグだって…。」

 

タギツヒメ「心が……躍るなぁ。以前よりも大分力をつけているではないか。」

 

可奈美「当然だよタギツヒメ。私達は日々切磋琢磨して己を高め合い、その度に分かり合って強くなってきた。」

 

姫和「ああ。そして今私達は勇者という新たな仲間とも心を通わせた。」

 

タギツヒメ「成る程……それが其方らの力の源という訳か。」

 

友希那「そうよ。何度も打ちのめされながらも最後には超えてみせる。私達は決して絆を諦めたりしない。」

 

香澄「あなたを鎮め(救っ)てみせる。孤独を埋めてあげるよ。私達は勇者部!勇んで人の為になる事を進んで行うんだから!」

 

敵だったタギツヒメにすら救いの手を差し伸べる。タギツヒメは今まさに自身が相手をしている存在の計り知れない大きさを目の当たりにしていた。ふらつく体を起こし、タギツヒメは再び刃を勇者、そして刀使達に向け構える。

 

タギツヒメ「我を人とみなすか……。ならば我の心を満たして貰おう!試合……いや死合いとでも言うべきか……。我はタギツヒメ……我を打ち倒してみるがいい、刀使……そして勇者よ!」

 

 

--

 

 

中沙綾「はぁ…はぁ……香澄、おたえ!」

 

舞衣「可奈美ちゃん、十条さん!」

 

それから数分が経過し、前線でバーテックスと荒魂を全て倒し終えた勇者と刀使達がタギツヒメと戦っている香澄達とようやく合流する。

 

ゆり「…状況は?」

 

沙耶香「互角…いや、若干可奈美達が押している……。」

 

友希那とたえの満開が時間により解除、香澄と夏希が満開し、タギツヒメ相手に互いに引かぬ戦闘が続いていた。遠距離から攻撃出来る蘭、千聖が距離を取って"凶行型"の能力を牽制し、6人が攻め立てる。

 

夏希「おらぁぁぁっ!!」

 

中たえ「やぁーーーっ!!」

 

タギツヒメは可奈美と姫和の斬撃を喰らうまいと必死に二刀で受け流し続ける。"ヤチホコ"で幾分ノロが剥がれているからとはいえ、勇者の攻撃は効きにくい為多少は受けても構わないと思っているのだろう。逆に可奈美達の攻撃を受けてしまえばノロが祓われ、バーテックスを依代としているタギツヒメにとっては勇者の攻撃も致命傷になってしまう。

 

タギツヒメ「どうした……千日手か…?」

 

可奈美「ふぅ…はぁ……なんの、まだまだだよ……。」

 

可奈美(確かにこのままだと埒があかない…。そうだ…!)

 

可奈美「友希那ちゃん!」

 

姫和に戦線を託し可奈美は友希那の元へ駆け寄り1つの作戦を伝えた。

 

友希那「………分かったわ。」

 

タギツヒメ「我を斬り伏せる陥穽(かんせい)は決まったか?」

 

可奈美「とっておきがね。行くよ!」

 

タギツヒメ「来るがいい!」

 

姫和「はぁっ!"雷神剣・絶空"!」

 

雷撃を纏った小烏丸を前に突き出し、迅移の速度を上げ槍の如く姫和はタギツヒメに向かって突進する。

 

タギツヒメ「効かぬ効かぬ!」

 

タギツヒメは2本の腕でその突きをガード。しかしその余波で激しい雷撃がタギツヒメの目を眩ませる。

 

可奈美「取った!」

 

怯む隙を狙い可奈美が懐に駆け寄り、胸を狙って斬りかかる。しかしタギツヒメはそれすらも読みきっており、二刀を樹海に突き刺し、それを支えに体を浮かせて可奈美の斬撃を避けきったのだ。

 

友希那「はぁっ!!」

 

刀使2人の攻撃を全て防ぎきったタギツヒメは、勇者である友希那の攻撃は大したダメージにならないと踏み、敢えてその攻撃を受ける。

 

タギツヒメ「効か……うぐっ!!」

 

ダメージは少ない筈だった。勇者の攻撃であればノロの防御力で防ぎきれる。タギツヒメは今までの戦いの経験からそう思っていた。しかし今、タギツヒメは信じられないという形相で攻撃を受けた箇所に目をやる。

 

タギツヒメ「なん……だと…。」

 

友希那が突き付けた刀はノロを祓い、鋒がタギツヒメへ刺さっていたのである。

 

タギツヒメ「勇者の攻撃が何故……。」

 

友希那「今よ、戸山さん!」

 

香澄「はい!いっけぇーーーっ!満開・勇者パーーーーンチ!!」

 

巨大な拳が突き刺さった刀の柄底を叩き、タギツヒメに刀が深々と突き刺さり貫通。ノロが祓われ露わになったバーテックスの依代に、勇者の力を纏ったパンチが叩き込まれた。

 

タギツヒメ「ぐはぁ………っ!?」

 

貫通した刀を見てタギツヒメは何が起こったのか全てを察する。

 

タギツヒメ「この刀は……"千鳥"…!」

 

友希那「ご明察よタギツヒメ。あの時、衛藤さんが私に駆け寄った時に刀を交換したのよ。」

 

可奈美「そう。今私が持っている刀は友希那ちゃんの生太刀。今までタギツヒメはずっと私と姫和ちゃんの攻撃ばかりを受けまいと必死になってた。だから敢えて友希那ちゃんと刀を交換したんだ。」

 

タギツヒメ「これ程までに錬磨された勇者と刀使の調和……見事だった。あぁ……心躍る斬り合いだったぞ……礼を言う… 勇者達……よ…。そして刀使…いや、衛藤可奈美……十条姫和。」

 

初めて可奈美と姫和の名を呼び、元の巫女服の姿に戻るタギツヒメ。二刀を手放し膝から崩れ落ち仰向けで倒れ光となって消滅、直後樹海が光の洪水で満たされるのだった。

 

香澄「きゃあっ!?」

 

 

---

 

 

見知らぬ神社--

 

香澄「………あれ?」

 

光が収まり周りを見回すといつの間にか樹海化は解けており、そこは来た事もない名もしれぬ神社だった。桜の花が満開に咲いている事から季節は春だというのが分かった。

 

香澄「可奈美さーん、友希那さーん。さーやー!!」

 

見知った仲間達を探し歩き回るも、仲間どころか人1人神社には見られない。

 

香澄「誰もいない……。四国に帰ってきたと思ったんだけど…。」

 

すると背後から1人少女が姿を現した。

 

?「……まだ人が残っていたのね。」

 

黒い制服に身を包み、肩まで伸びた黒髪の少女。そして1番目を引くのは腰に帯刀している日本刀だった。その姿はどことなく姫和に似ている様な気もする。

 

香澄「それは……御刀?っていう事は刀使の方ですか?」

 

?「そうだけど……っ!?」

 

少女が何かを察知し御刀を握る。付近に荒魂が出現したのである。

 

香澄「あれは荒魂!?」

 

?「分かっているなら早く逃げなさい。ここは危険よ。」

 

香澄「いえ、私にも手伝わせてください!」

 

?「手伝うと言われても……あなた一般人よね?」

 

香澄「大丈夫です!荒魂なら樹海でも沢山相手してきましたから!」

 

?「樹海…?」

 

香澄の怯えがない真っ直ぐな目を見た少女は香澄を避難させる事をやめ、自分の名前を告げる。

 

篝「……私は、柊篝。」

 

香澄「っ!?」

 

その名前を聞いた香澄は驚きを隠せなかった。それは姫和から聞いた名前だったから。柊篝--つまり今香澄の目の前にいる少女は姫和の母親であり、そして今まで夢に度々現れた少女その人だったから。

 

香澄「私は戸山香澄…勇者です!」

 

篝「勇者?」

 

香澄「はい!バーテックスからみんなを守ってるんです。」

 

篝「バー…テックス……?」

 

篝(空想の話?……いえ、佇まいから戦い慣れた雰囲気を感じる…。嘘を言ってる訳ではない…?だったら……。)

 

香澄「篝さん?」

 

篝「……1つ聞いて良いかしら?」

 

香澄「何ですか?」

 

篝が投げかけた質問に香澄は再び驚いてしまう。

 

篝「もし、何かを守る為に命を投げ出さないといけなかったら…そうしないと守れないとしたら。あなたなら、どうする?」

 

夢で何度も聞いたあの質問。香澄が見た夢は正夢だったのだ。

 

香澄「…………難しいです。簡単に答えられないくらい、難しいです。」

 

篝「………うん。」

 

香澄「でも、そういう場面があるっていうのは分かってます。」

 

篝「…………。」

 

篝(まるで、そういう場面に遭遇した事があるかの様な顔ね……。)

 

その夢を見てから香澄はずっと考えていた。その質問の意味を。命の大切さを香澄は痛い程知っていたから。バーテックスとの戦いにはいつも死が隣に待っている。命をかけて世界を守り抜いた少女達の事も、友の為に命と世界を天秤にかけた少女の事も知っているから。

 

香澄「そんな時、私だったら……。私だったら、相談します。」

 

篝「相談?」

 

香澄「勇者部五箇条!一つ、悩んだら相談です。自分だけじゃどうにもならなくても…誰かに相談したら、きっとどうにかなります。」

 

篝「…もし、相談出来る人がいなかったら?」

 

香澄「その時は困っちゃいますけど……篝さんは友達いますか?」

 

篝「親しくさせてもらっている人ならいるわ。何かと絡んでくる、鬱陶しい先輩とか…。」

 

香澄「だったらその鬱陶しい先輩に相談すればいいんです。1人よりは、絶対2人!きっと、良いアイデアを出してくれる筈です。」

 

篝「美奈都先輩には無理だと思うけど……。」

 

香澄「っ!美奈都先輩!私にも同じ苗字の人がいるんですよ。」

 

篝「美奈都は名前なんだ。」

 

香澄「そうなんですね…すみません。でもその人がダメでも、きっと大丈夫な人がいます!篝さんの力になれるような、そんなアイデアを出してくれる人が。」

 

"悩んだら相談"--勇者部の心得、その在り方を香澄は篝に繋ぐ。それが香澄の導き出した答え。きっと力になってくれるだろうと信じて。

 

篝「………そうなると良いわね。ありがとう、戸山さん。こんな質問に真剣に答えてくれて。」

 

香澄「これくらいなら全然です。ずっと考えてましたから…。」

 

篝「え?」

 

香澄「な!?何でもないです!」

 

篝「ふふっ、不思議な人。」

 

その時篝が持っていたスペクトラム計が反応する。

 

篝「荒魂が近づいてくる!」

 

香澄「私も戦います!」

 

篝「いいえ、助力は必要無いわ。」

 

そう言って篝は帯刀していた御刀、"小烏丸"を構えた。

 

香澄(やっぱり姫和さんと同じ御刀…。)

 

篝「はぁっ!!」

 

やって来る巨大な荒魂を篝は一太刀の元斬り伏せる。

 

香澄「凄い……あんなに大きな荒魂を一太刀で!」

 

篝「この程度の荒魂、物の数じゃない。すぐ終わらせるわ。はあああああああっ!!」

 

瞬く間にその数を半分以下に減らす荒魂。対して篝は疲れを全くみせていなかった。

 

香澄「わぁ……。あっ!」

 

その時、突然香澄の周囲が光で満ちる。いや、香澄の体自体が光っていた。

 

香澄(体が……消える!お別れを言いたかったけど、無理そうだな。ありがとう、篝さん。)

 

心の声で別れの言葉を告げ、香澄はその場から姿を消してしまうのだった。

 

 

--

 

 

数分後--

 

篝「これで……最後!」

 

最後の荒魂を切り裂き、辺りは静寂に包まれる。

 

篝「ふぅ、終わったわ、戸山さん。戸山さん?」

 

辺りを探すもそこに香澄の姿は既になかった。

 

篝(何処にもいない………。帰ったのかしら。突然現れたと思ったら突然消えて…勇者を名乗る不思議な子だったわね。)

 

晴れ渡る青空を見つめながら篝は呟く。

 

篝「でも、あなたと話せて良かった。いつかまた………会えたら良いわね。」

 

神社の桜が風に吹かれ、花びらが舞い上がり篝を包み込むのだった。

 

 

---

 

 

勇者部部室--

 

?「……すみ、香澄!」

 

香澄「……う、うーん……ここは…?」

 

目を覚ました香澄がいた場所はもとの異世界。タギツヒメを鎮めた後戻ってきたは良かったものの今まで何故か香澄だけが目を覚さなかったのである。

 

りみ「香澄ちゃん、大丈夫?全然目を覚さなかったから心配したんだよ。」

 

香澄「ごめんごめん…なんかずっと夢を見ていたような感じだったよ……。」

 

燐子「どうして戸山さんだけが……。」

 

舞衣「タギツヒメの最期に溢れ出てきた光を一番間近から浴びてしまったから……ではないでしょうか。」

 

ゆり「取り敢えず何ともないようで良かった。念の為後で病院で診てもらってね。」

 

香澄「分かりました。」

 

リサ「本当にみんなお疲れ様。」

 

六花「先程神託があってこの世界に残っていたノロは全て刀使の皆さんによって祓われたとの事です。」

 

高嶋「やったぁ!これで"凶攻型"はもう現れないね。」

 

紗夜「そうですね。長い戦いでしたが漸く苦労が報われましたね。」

 

大赦や巫女、そして刀使の力を借り勇者達は中立神が課した一つの壁を打ち破る事を成し遂げた。そして探し求めていた記憶を残す手掛かりも--

 

中たえ「そして刀使の皆さんが再びこの世界にやって来た事で、記憶を残すヒントが分かった気がするよ。」

 

中沙綾「だね。無くなってしまった記憶も何かの切っ掛けがあれば思い出せる。」

 

 

--

 

 

大橋跡--

 

たえ「あ…………ふふっ。そのリボン、似合ってるね。」 

 

沙綾「このリボンは…あなたがくれたんでしょ?」

 

たえ「はっ……!思い…出したの…?」

 

沙綾「まだほとんどは思い出せない。時々夢に出て出てきたり、頭痛がした時に走馬灯のようにふわっと浮かんでは煙のように消えていくけど…あなたがくれたのは思い出したから…。ありがとう。花園さん。」

 

 

--

 

 

造反神からの試練の際でも挙がっていた1つの可能性。香澄と沙綾が大橋跡でたえと会った時、沙綾は自身が持っていたリボンをたえが贈った物だと思い出した事があった。

 

千聖「仕組みは分かったけど、それをどうやって成し遂げれば良いのかしら…。」

 

可奈美「合言葉みたいなのを決めとくってのはどう?」

 

一同「「「それだぁ!!」」」

 

つぐみ「物が持って帰れないならそれが一番じゃないかな。」

 

出会いは突然だった。決して交わる事の無かった二つの世界が見えない大きな力で交わりその裾野を広げていく。勇者と刀使--その存在は神の力をも凌駕しいつか新たな未来を切り開く事となるだろう。そして別れの時がやって来る。

 

姫和「花びらが……。」

 

益子「俺達の役目も終わりって事だな。」

 

沙耶香「うん……やらなきゃいけない事は全部やったから…。」

 

夏希「もうお別れなんて寂しいです…。」

 

舞衣「僅かな時間でしたが、また皆さんに会えて嬉しかったです。」

 

薫「海を見たら、私達を思い出してくれ。」

 

エレン「YES!お互い頑張りましょうネ!」

 

有咲「ちょっと待て!こうして刀使達が消えちまったら、それまで話してた記憶を残す方法も忘れちまうんじゃねーか?」

 

可奈美「それなら私に考えがあるんだ!友希那ちゃん、生太刀借りていい?」

 

友希那「ええ…。」

 

可奈美は友希那から生太刀を借りると、紙とペンを取り何か書き始める。そして生太刀を強く握って少しの間目を瞑り、書き終わった紙を机に置き、その上から生太刀を突き刺した。

 

花音「机が貫通したぁ〜〜!!」

 

ゆり「な、何やってるの可奈美ちゃん!?」

 

可奈美「私達は刀使、"神の力を祓う巫女"。香澄ちゃん達のとこの神樹様っていうのも神様でしょ?」

 

姫和「……考えたな。」

 

荒魂も神樹も、正の力と負の力の違いはあれども、大きくみればどちらも神様である事には変わりない。可奈美は生太刀に刀使の巫力を宿したのだ。神樹の力を祓う為に。

 

可奈美「生太刀が刺さってる理由は忘れちゃうかもしれないけど、こうして私が書き残した言葉は消えない筈。後はこれから先を作っていくみんな次第だよ!頑張って、香澄ちゃん!」

 

香澄「はい!本当にありがとうございました!また会いましょう!」

 

可奈美「勿論!きっと……また会えるよ!」

 

 

 

そうして刀使の6人は自分達の世界へと戻って行ったのだった--

 

 

 

 

---

 

 

勇者部部室--

 

香澄「……あれ?どうして私達部室に集まってるんだろう……。」

 

有咲「あーー!!刀が机に刺さってるぞ!」

 

ゆり「え?本当だ!」

 

リサ「これって友希那の生太刀だよね?友希那がやったの?」

 

友希那「わ、私じゃないわよ…。」

 

みんなが机に生太刀が貫通している摩訶不思議な状況に驚いている最中、香澄はそこに刺さっていた紙に書いてあった文字を読んだ。

 

香澄「…………ふふ。友希那さんの仕業じゃないですよ。」

 

リサ「え?」

 

香澄の言葉を聞いて全員がその紙を読む。そこにはこう書かれているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

可奈美『ありがとう。あなた達に出会えて、言葉で表せない程に大切で掛け替えのない思い出を貰えたよ。また会おうね、勇者のみんな!!         刀使ノ巫女 衛藤可奈美』

 

 

 

 

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