戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

24 / 326

のんびりとした日常回の前編です。

キャラ崩壊誠に申し訳ございません。




ゆうしゃたちのきゅうじつ〈前編〉

 

 

とある日、道場--

 

安芸先生が見守る中、3人は今日も修行に励んでいた。

 

安芸「そこまで!」

 

全員「「「はぁっ……。」」」

 

3人は息を切らしながら安芸先生の元へ向かう。

 

安芸「勇者の力は神樹様に選ばれた無垢な少女でなければ使えない。あなた達に頑張ってもらうしかありません。そこで、次の任務は…。」

 

夏希「ゴクリ……。」

 

夏希が息を飲む。

 

安芸「しばらくの間、しっかりと休む事。」

 

全員「「「え?」」」

 

安芸「安定した精神状態でなければ変身は出来ません。張り詰めっぱなしでは最後まで保ちませんからね。」

 

夏希「やったー!休むのだったら任せて下さい。」

 

たえ「私も私もー。」

 

たえ・夏希「「イエーイ。」」

 

たえと夏希はハイタッチして喜ぶ。

 

 

 

 

 

 

次の日、清め処で水垢離をする沙綾。

 

沙綾「はー……。」

 

沙綾(次なる戦いに備えて休息を取る事も御役目、か…。そうは言っても私、気が休まるだろうか……?)

 

その時、沙綾の元へお手伝いさんがやって来た。

 

メイド「お嬢様。花園様がお見えです。」

 

沙綾「こんな朝早く?」

 

沙綾は着替えて門まで行くと、

 

たえ「ヘーイ、さあやーー!!レッツ、エンジョーーイ、香川ラーーーーーーーイフ!!!」

 

リムジンに乗ったノリノリのたえがそこにいた。

 

沙綾「え、えっと……。休日を満喫してるね。格好も車も。」

 

たえ「わぁ、ありがとう!ねぇ、これからナイスな休日の為にお出かけしよう。」

 

沙綾「い、良いけど……。」

 

たえ「やったーーーーー!!!」

 

沙綾(不安になるくらい休日テンションだなー。)

 

そんな事を思いながら沙綾はリムジンに乗り込む。

 

 

 

 

 

 

車内--

 

たえ「ヘイ♪ヘイ♪ヘーイ♪オゥイエーイ♪ナイスナイス、イェーイ♪エブリバディ、エブリバディセイ♪イェイ香川♪」

 

音楽を聴きながらノリノリのたえであった。

 

たえ「沙綾も盛り上がっていこうよ!」

 

たえが沙綾にイヤホンを渡す。

 

沙綾「そんな、音楽1つで乗れないよ…。」

 

 

 

 

 

沙綾「イェイ♪イェイ♪イェイ♪」

 

秒でノリノリになる沙綾であった。

 

沙綾・たえ「「エンジョイ!」」

 

たえ「さぁ、楽しいお休みの始まりだよー。」

 

 

 

 

 

 

花園宅--

 

合流した夏希と3人で何やら服を選んでいる。

 

夏希「こ、この服は……。やっぱり私には似合わないんじゃないか…。」

 

夏希がフリフリの衣装を着せられ戸惑っていた。

 

たえ「そんな事無いよ。ねぇ、沙綾?」

 

たえが沙綾の方を見ると、

 

沙綾「むはーーーーーー!!」

 

たえ「わー、そんな出し方する人初めて見た。」

 

鼻血を噴水の様に噴出し、スマホで写真を撮る沙綾の姿があった。

 

沙綾「はぁ、はぁ……。とっても似合ってるよ、夏希。」

 

沙綾は一眼レフを取り出す。

 

沙綾「で、でも、この込み上げてくる気持ちはなんだろう…はぁ…はぁ。」

 

たえ「何だか今の沙綾って、プロみたいでイイ感じ。」

 

沙綾「写真は愛だよ、あ・い!今日はとことん可愛い服に挑戦だね、夏希。」

 

夏希「いっ!?」

 

たえが次々に着替えさせ、沙綾がバシバシ写真を撮る。

 

夏希「こ、こんなの拷問だーーーー!!!!」

 

夏希の叫びが虚しく響き渡るのであった--

 

 

 

 

 

 

2時間後--

 

夏希「むーー……。」

 

隅っこで不貞腐れている夏希。

 

沙綾「はぁ…。最高だった……。」

 

夏希「何がだよ!」

 

満足し倒れる沙綾。

 

たえ「うーん、どれだー。」

 

クローゼットを物色するたえ。

 

たえ「あった。じゃあ、次は沙綾の番ね。」

 

たえがクローゼットからお姫様の様なドレスを取り出す。

 

沙綾「え、イヤイヤイヤこんなの似合わないよ。」

 

夏希「いや、私は似合うと思うな!!」

 

一転攻勢に出る夏希。

 

夏希「そーら、着せてやれー!」

 

沙綾「あぁー!」

 

夏希「お、良いじゃん!沙綾こそ似合ってるじゃん。」

 

たえ「アイドルにだってなれちゃうよー。」

 

沙綾のドレス姿をべた褒めする2人。

 

沙綾「そ、そうかなぁ……。」

 

鏡を見ながらまんざらでもなさそうな沙綾。

 

沙綾「はっ!?」

 

その日の夕方必死で水垢離をし、今日出てきた雑念を必死で払う沙綾の姿があったのだった。

 

沙綾「勇者である私が、こんな事で色めき立つなんて…。」

 

 

 

 

 

 

次の日、教室--

 

黒板に絵を描いている3人。

 

夏希「沙綾の絵って、それチョココロネか?」

 

沙綾「そう、私の夢はパンを作って色々な人に食べてもらう事。」

 

夏希「何か沙綾にしては可愛らしい夢だな。」

 

沙綾「おたえは何か夢ある?」

 

たえ「私は花園ランドを将来作るんだ。」

 

沙綾・夏希「「?」」

 

2人の頭に?が浮かぶ。

 

沙綾「その、花園ランドって何?」

 

たえ「ウサギがいっぱいいる楽園だよ。」

 

夏希「あー、確かに。昨日おたえの家に行ったけど、ウサギいっぱいいたな。」

 

沙綾「中々に独特な感性だね、おたえって。」

 

たえ「そう言う夏希の夢は何ー。」

 

たえが聞くと、夏希が照れだした。

 

夏希「うーん…えへへ。」

 

沙綾「ん?何で照れだしたの?」

 

夏希「いやー、家族って良いもんだから普通に家庭を持つのもありかなって…。でも、そうなると将来の夢が…お、お嫁……さん。」

 

沙綾・たえ「「わぁ……!」」

 

2人が夏希に抱き着く。

 

沙綾「夏希なら直ぐに叶うよ。」

 

たえ「ドレス姿が楽しみだね。」

 

夏希「なんだよ、つつくなよー。」

 

3人はこうして笑いながら、夢を語り合えるまで絆を深めたのである。

 

 

 

 

 

 

また次の日の教室--

 

安芸先生がクラスのみんなに話している。

 

安芸「もうすぐ、1年生とのオリエンテーションです。6年生としての自覚を持って、しっかりと後輩の面倒を見る事。」

 

たえ「オリエンテーションって何するんだっけ?」

 

夏希「1年生と一緒に楽しく遊びましょうって事だよ。」

 

たえ「へーそうなんだー。ん?」

 

たえが机の中に何かを見つけ取り出した。

 

たえ「あれー、中に手紙が入ってたよ。」

 

夏希「何っ、果たし状か!」

 

沙綾「気を付けて、不幸の手紙かも!」

 

たえは手紙を読みだす。

 

たえ「えっと…。最近気が付けばあなたを見ています……。」

 

夏希「やっぱり決闘か!場所はどこだ!?」

 

沙綾「呪いだよ!清めの塩とか必要かも!」

 

たえ「私はあなたと仲良くなりたいと思っています。」

 

沙綾・夏希「「えっ?」」

 

たえ「御役目で大変だとは思いますが、だからこそ支えになりたいと思います。だって。」

 

夏希「も、もしや、これって……。」

 

沙綾「ラブレター!!」

 

沙綾と夏希は動揺する。

 

たえ「わぁ!私ラブレター貰ったんだ。嬉しいな。」

 

2人の反応に対してたえは落ち着いている。

 

夏希「な、何でおたえはそんなに冷静なの!?」

 

沙綾「そ、そうだよ!ラブレター貰ったんだよ!?」

 

たえ「字とかよく見ればすぐ分かるよ。出した人女の子だもん。」

 

沙綾「え?」

 

夏希「なんだ女の子か―。」

 

2人は胸を撫で下ろした。

 

 

 

 

 

 

その日の夕方、山吹宅--

 

お手伝いさんが家を掃除していると、

 

沙綾「ただいまー。」

 

沙綾が帰宅した。すると、お手伝いさんが、

 

メイド「お帰りなさいませ。沙綾様、こちらを。」

 

お手伝いさんが、沙綾に1通の手紙を差し出す。

 

沙綾「これって…。私にも、ラブレターが。」

 

ドキドキしつつ沙綾は庭に出て手紙を確認する。

 

 

 

"山吹さんは優等生ですが、注意する時口うるさく感じます。気を付けて下さい。"

 

 

 

それは、クレームだった。

 

 

 

沙綾「ノウマクサマンダ バザラダン センダン マカロシャダ ソハタヤ ウンタラタ カンマン!!」

 

すぐさま沙綾は炎で燃やした。

 

沙綾「勇者である私が、あんな紙切れ1つに色めき立つとは……。」

 

勇者達の休日はまだまだ続く。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。