香澄達の物語は次のエピローグで終了となります。
樹海--
千聖「みんな、あの大群を退ければ全ての御役目完了よ。」
夏希「全員揃ったんです!絶対にやり遂げて見せます!」
蘭「ここまでみんなが繋いできた思い、絶対に無駄にしない。」
友希那「ええ。神に今見せてあげましょう。人間は守るべきものがあれば、無限に強くなれる事を!」
香澄「最後の戦いだ!私達はどんな時でも絶対に諦めたりなんかしない。私達は勇者だから!!」
--
友希那「燐子、氷河さん、助かったわ。暫く休んでて頂戴。」
燐子「分かりました……。」
つぐみ「はい。でも、私の分もとっておいてくださいね。」
友希那「勿論よ。」
中沙綾「中立神側に何かあったのか、バーテックスの供給が止まってます!」
夏希「って事は今残ってるバーテックスを殲滅すれば私達の勝ちだ!」
千聖「防人は前線へ行くわよ!ついて来て!」
尻込みする花音を無理矢理引っ張り、防人4人は前へ飛び出す。
--
イヴ「最後のひと暴れだ!覚悟しろよ、バーテックスども!」
突進してくる"超大型"へ銃口を向け、雷の力をチャージする。
千聖「思いっきり行きなさい!」
イヴ「レールガンだ!喰らいなぁ!!」
轟音と共に雷が発射され、射線上のバーテックスに風穴が空いた。
千聖「花音はイヴちゃんの援護!日菜ちゃん。」
日菜「ん?」
千聖「私の背中、任せたわよ。」
日菜「……りょーかい!星屑1匹通さないんだから!」
千聖「当てにしてるわ。」
--
夏希「3人のチームワークを見せてやる!」
小沙綾・小たえ「「うん!!」」
3人が相手をしているのは"蟷螂型"の群れ。前衛の夏希がダメージを蓄積させていき、後衛の沙綾が弓矢で急所を射抜いていく。
小たえ「行くよ"鉄鼠"!敵の攻撃は私が引き受けるから、2人は気にせずやっちゃえーー!」
槍を傘状に展開し、"蟷螂型"の鎌をガード。そして屈んだ瞬間に"蟷螂型"の眼前に双斧が現れ殴り飛ばした。
夏希「今だ、沙綾!!」
小沙綾「任せて!」
後方で矢を引き絞り、吹き飛ばされガラ空きになった腹部に矢を乱れ打つ。
夏希「ナイスチームワーク!」
小沙綾・小たえ「「いぇーい!!」」
--
蘭「来るよ!左右から4体づつ!」
薫「右側は私が行こう!」
美咲「なら、左は私が!」
"覚"を憑依させた蘭の予測を頼りに、薫と美咲は左右に展開。迫りくる"飛行型"と2体"超大型"に攻撃を仕掛ける。
蘭「気をつけて!あの"超大型"は前に戦った片方倒してもすぐ復活するタイプです!」
薫「問題ないさ。今の私達なら息をするかの様にタイミングを合わせられる筈だよ。」
美咲「そうですね。これだけ一緒に過ごして来たんです。見せてやりましょう!」
薫「やぁっ!!」
樹海の根を足場に宙を駆け上がりヌンチャクで"飛行型"を叩き落としていく。
薫「空を飛んでるからって有利になるとは限らないよ。飛ばしていこうか、"水虎"!」
ヌンチャクが水を纏い、頭上で振り回すと水が唸りを上げ巨大な渦を作り出した。
薫「鳴門の渦潮………とはいかないけれど、見事だろ?受けるといい!」
空を飛んでいる"飛行型"が次々と渦に呑まれ、光になって消滅していく。
美咲「やりますね、薫さん。よーし、私だって!薫さんが渦潮なら、私は槍の雨だ!」
次から次へと、我武者羅に槍を投げつける。
美咲「おりゃおりゃおりゃおりゃーー!出血大サービスだぁ!」
避けられない程の面の攻撃が"飛行型"の体や羽を貫いて地上に落下。そして動けない"飛行型"を見下ろしながら、トドメの一撃を下す。
蘭「"超大型"来るよ!」
指揮していた蘭も前線へ上がり、3人の目の前に2体の"超大型"が姿を現した。
薫「蘭ちゃん、大まかな指示をお願いするよ。私達は前だけ見るよ。」
蘭「分かりました。正面、1時の方角からミサイル!!」
美咲・薫「「りょーかい!」」
蘭「瀬田さん!奥のヤツが力を溜めてます!今のうちに後ろに回り込んで攻撃してください!美咲は11時と2時の方角から触手が伸びてくる!脆いから避けずに切り裂いて突っ込んで!」
美咲「そんな事まで解るの!?たぁっ!!」
薫「その一撃、放たせる訳にはいかないな!はっ!」
蘭「瀬田さん、後ろから触手来ます!美咲は左方向に気をつけて!そしてそのまま張り付きながら一か所に集めて!一気にトドメ行きますよ!」
美咲・薫「「吹っ飛べ!!」」
2体の巨体が打ち上がり、空中でぶつかった。
美咲「行くよ!!」
薫「これが諏訪と沖縄と北海道の!!」
蘭「絆の力の必殺技!!」
美咲「"古潭伝槍"!」
薫「"海山双流"!」
蘭「"トリニティストライク"!!」
重なりあった2体の"超大型"を、螺旋の水流、鞭、巨大な槍といった3人の連携攻撃が巨体を2体纏めて貫通し大爆発を起こすのだった。
薫「うん……3人が織りなすマリアージュ…。とても儚いね。」
美咲「あはは…確かにこれは儚いです。」
蘭「ノリで叫んだけど、これ恥ずかしい……。」
--
赤嶺「つぐちん……やぁっ!もう動けるの?」
つぐみ「せいっ!少し休んだから大丈夫。あれ?」
赤嶺「どうかした?」
つぐみ「香澄ちゃん、笑ってる。」
赤嶺「不思議なんだ……。体もヘトヘトで、立ってるのだってやっとなのに、なんだか楽しくてしょうがないんだよ。」
つぐみ「私も……あれだけ精霊の力を借りて使ったのに、なんでだろうね。」
2人は星屑を撃退しながら他愛もない会話をしていた。
赤嶺「……っと!みんなと仲良くなれたから…かな。初めは敵だったのに…そんな事無かったかのように私を受け入れてくれて…みんな明るくて、優しくて……。」
つぐみ「そうだね…私この世界に来れて良かったって思う。」
赤嶺「私も。さぁ、お喋りはここまでにして、残りを一気にやっつけちゃおうか。」
つぐみ「だね。あっ、因みに私ここまでで150体倒したよ。」
赤嶺「嘘ぉ!?……じゃあここから巻き返しちゃうから!」
--
紗夜「皆さん、守りは気にせず戦ってください。皆さんの後ろは私の"七人御先"でカバーします。」
紗夜の分身6体のそれぞれが友希那達1人1人に付き、索敵しながら周りの星屑を切り裂いていく。疲労がまだ残っている燐子に対しては念の為2体の分身がカバーしていた。
燐子「後方から"遠距離型"の狙撃が来ます……!」
あこ「させないっ!みんなはあこが守る!」
高嶋「ありがとう、あこちゃん!守りであこちゃんの右に出る人はいないね。」
あこ「へへーん!」
友希那「あこ、ついて来て。2人でまずは"遠距離型"から処理するわよ。」
あこ「はい!」
高嶋「じゃあ、私は紗夜ちゃんと"超大型"を倒しちゃうよ!燐子ちゃん、指示お願い!」
紗夜「了解です!」
燐子「任せてください…!」
高嶋「まずは"一目連"で閉じ込めるーーー!勇者ーーータツマキ!!」
巨大な暴風壁を展開し、その中に"超大型"を閉じ込めるが脱出するべく、"超大型"はミサイルを乱発射し打ち破ろうと画策する。
高嶋「今の私は気合充分!その程度の攻撃じゃびくともしないよ。」
燐子「そのまま維持してください…。そうすれば"超大型"が目指す場所は1つです……。」
燐子の予測は当たっていた。破れないと悟ったのか、"超大型"は壁に覆われていない上を目指し上空へと浮かび上がったのだ。
紗夜「落ちなさい!」
大葉刈を振り下ろし、刃が"超大型"に突き刺さる。そしてその勢いのまま全体重を乗せ、紗夜は"超大型"を押し込み、一緒に樹海に落下。地鳴りが響いた。
紗夜「このまま行ってください、高嶋さん!」
高嶋「分かった!行くよ"酒呑童子"!!」
"一目連"を憑依したまま"酒呑童子"も憑依させる高嶋。精霊の二重憑依だ。
高嶋「おおおおおっ!!勇者パーーーンチ!」
"酒呑童子"の力に"一目連"の速さが加わり、全ての呪詛を砕く鉄拳が"超大型"に炸裂。紗夜ごと"超大型"を消し飛ばしてしまった。
紗夜「とんでもない力ですね……。分身で良かったですよ。」
高嶋「えへへ……分身だから全力出せたんだよ。」
--
あこ「へっ!?後ろで物凄い音がしましたよ!?」
友希那「香澄達でしょうね。ふふ、頼もしい限りだわ。」
一方で"遠距離型"の砲撃を掻い潜り距離を詰めていく2人は目標を目の前に捉えていた。対する"遠距離型"は近付けさせまいとビームをまるで雨の様に発射し続ける。
あこ「友希那さん!ビームの雨ですよ!?」
友希那「焦る必要は無いわ。………まだ大丈夫そうね…。」
あこ「ゆ、友希那さん!?え、え!?ひょえぇぇぇ!?」
"大天狗"を降ろし、あこを抱えビームの雨の中を高速で駆け抜ける。"遠距離型"の元へ辿り着くと、刀使の力を使い果たし"大天狗"は"義経"の姿へと戻った。そして友希那は"義経"を憑依させる。
友希那「さぁ、行くわよあこ。」
あこ「うっぷ……は、はい…!」
"遠距離型"からの攻撃を友希那が引きつけ、その間あこは"和入道"の力で旋刃盤に炎を纏わせヨーヨーの要領で攻撃していく。
友希那「これで終わらせる!合わせるわよ、あこ!」
あこ「はい、友希那さん!」
生太刀と旋刃盤が"遠距離型"を十字に切り裂き炎を巻き上げ大爆発。"遠距離型"は消滅するのだった。
--
ゆり「やあっ!!」
有咲「だりゃあっ!」
最前線で戦っている香澄達6人。手強いバーテックスはいないが星屑が際限なく湧き出て襲ってくる。香澄達は星屑を他の場所に行かせない様必死で足止めをしていた。
中沙綾「キリがない!」
りみ「でも私達が頑張らないとみんなが…。」
数の暴力によって少ないながらも疲労やダメージは蓄積されていく、それでも香澄達は戦い続けた。諦めなければ奇跡が起きると信じて。そしてそれはすぐ起きる事となる--
蘭「そうだよ、りみ。私達はまだ戦える。」
りみ「蘭ちゃん!」
千聖「あなたはこんな所でへばる人じゃないでしょ?」
有咲「千聖か……!」
夏希「私達がついてる!みんなの力を合わせれば出来ない事なんてない!」
中沙綾「夏希……。」
中たえ「……そうだね!」
各箇所で戦っていたみんなが援護する為に駆けつけて来たのである。
紗夜「部長であるあなたが先に倒れる……なんて事はないですよね?」
ゆり「勿論……!女子力見せちゃうんだから。」
赤嶺「今こそ私達の力を合わせる時だよ。神を討ち滅ぼす者として……香澄としての指名を!」
手を翳す戸山、高嶋、赤嶺、3人の香澄。それぞれが持つ天の逆手に光が宿り、その光が輝きを増し勇者達1人1人に降り注ぐ。
高嶋「1人1人が持つ花が満開に咲き誇り……。」
赤嶺「それが集まって花結いとなり……。」
香澄「そして、その力は未来を照らすきらめきの光になる。」
その時、全員の装束に描かれていた満開ゲージが光り出す。
花音「ふえぇ!?私のも光った!?」
美咲「って事は……。」
香澄「みんな、行くよ!」
一同「「「満開!!」」」
樹海から無数の光が勇者達に集まっていき、色とりどりの花が咲き乱れる。その様相はまさに
花音「綺麗……。」
つぐみ「まさか私も"満開"出来るなんて思っても見なかったな。」
1人に力を集めた"大満開"では無く、1人1人が手を取り合い、未来に進んで行く大きな力と決意に満ちた希望の力が今花結び、きらめきに溢れていた。
香澄「これで決める!はぁぁぁぁぁっ!」
一同「「「はぁぁぁぁぁぁっ!!」」」
全員が拳を天に掲げ、力を込める。きらめきが拳に集約され、無限の力が今、炸裂する。
勇者部一同「「「勇者パーーーーーーーンチ!!!」」」
全員が一斉に飛び上がる。上空で大爆発が巻き起こり、無数に飛び交っていた星屑全てが光に飲まれ、姿を消していった。
やがて爆発は収まり、樹海を静寂が包み込む。
小沙綾「はぁ……はぁ………敵増援見られません。私達の勝利です!」
香澄「……見てくれましたか?これが私達の強さの源です。この力があれば、どんな壁だって乗り越えていける。私はそう思うんです。」
紗夜「樹海化が解除されます。」
蘭「…………って事は、それぞれの時代に帰る時が来たんだね。」
中たえ「延長戦ももう終わり…。」
泣きそうになる気持ちを抑える。それでも悲しい気持ちは胸に押し込んで前を見据えた。
香澄「戻ろう、私達の部室へ。」
---
勇者部部室--
香澄達が戻ると、リサ達がうどんや蕎麦を作って出迎える。キラキラと輝く光は樹海へ赴く前よりも若干ではあるが明るさを増していた。
リサ「みんな、お疲れ様!さぁ、疲れた身体にはうどんが1番だよ!」
彩「さっき神託があったんだ。中立神は私達の力を認めてくれたって!」
中たえ「じゃあ、これで中立神は天の神側につく事を止めてくれるって事だね。」
モカ「うん。私達の御役目もこれで全部完了だよ。」
六花「神樹様の計らいで、元の時代に戻る前に少しだけ時間を頂けました。細やかですが祝勝会です!」
あこ「やったー!あこもうお腹ペコペコだよ!」
夏希「私もです!」
リサ「沢山あるから遠慮なく食べてね。」
ゆり「おかわり!」
有咲「早っ!もう食べてるのかよ!」
ゆり「ふふふ……食事は戦争だよ?早い者勝ちだぁ!」
りみ「皆さん!早くしないとお姉ちゃんに全部食べられちゃいます!」
香澄「あははっ!だね、りみりん。よーし、食べるぞぉ!」
彼女達のここでの御役目は終わった。僅かな時間だが、今この一時は勇者である事を忘れ、普通の中学生として最後の思い出作りに花を咲かせるのだった。
--
祝勝会のたけなわも過ぎ、前回同様に余った時間は今まで使ってきた部室を綺麗に清掃し、元の時代に戻るその時を待っていた。
ゆり「この場所に27人も集まるなんて、最初は全然考えられなかったな。」
有咲「そうだな。足の踏み場も無いけど、悪くなかった。」
六花「少しの間でしたが、勇者の巫女としてお役に立てた事は私達の誇りです。」
つぐみ「そうだね。なんたって私達の時代じゃ伝説の人達ですから。」
あこ「えへへ……。なんかそんな風に言われると照れるなぁ。」
燐子「そうだね…あこちゃん……。私達が拓いてきた道の先に…こんなに素晴らしい人達がいるんです…。私達がやってきた事は無駄じゃなかったんですね…。」
蘭「そうだね。例え私に出来なくなって、湊さん達がここにいるみんなの意思を継いでくれる。」
小沙綾「………未来は変えられるんでしょうか……。」
紗夜「…変えるのではありません。」
小沙綾「え?」
紗夜「作っていくんです。」
リサ「そうだよ。今この瞬間からでも未来はいくつもの可能性に分岐してる。」
小たえ「パラレルワールドですか?」
リサ「うん。もし大切な人がいなくなってしまう世界があったとしても、きっと何処かでは全員が笑顔で笑い合っている世界もある。その未来を守れるって考えれば………ね。」
小沙綾「そう……ですね。」
夏希「じゃあ、勇者以外の正義のヒーローがいる世界もあるって事ですか!?」
中たえ「男の勇者だっているかもしれないし、すっごくおっきなヒーローだっているかも。」
千聖「そもそも勇者がいない、みんなが平和に暮らしている世界だってあるかもしれないわね。」
赤嶺「そんな世界を、私達人間の手で作っていけたら良いね。」
これからの話に花が咲く中、遂に別れの瞬間がやって来た。部室に満ちていた光の輝きが収まり、香澄達から花びらが舞い散り始め徐々に体が透けていく。
赤嶺「前回はバラバラだったけど、今回は全員一斉なんだね。」
蘭「湊さん……今度こそさよならです。」
友希那「ええ……泣きはしないわ。そしてさよならでもない……。」
蘭「………そうですね。また会いましょう。」
友希那「きっと会いに行くわ。」
ゆり「あこちゃん、燐子ちゃんと仲良くね。」
あこ「勿論です!仲の良さじゃ、ゆりさんやりみに負けませんよ!来世でもきっと!」
燐子「うん……。私達の絆は永遠だよ…あこちゃん。」
りみ「燐子さん達なら……その想いはきっと実を結ぶ筈です。」
赤嶺「お姉様。お姉様と過ごした時間、私にとってかけがえのない宝物です。」
薫「それは何よりだ。辛い事もあるだろうが、お互い未来の為に頑張ろうじゃないか。」
つぐみ「任せてください。私がいるからには香澄ちゃんを辛い目に合わせたりなんかしないです!」
六花「私もついてます。ちょっとおっちょこちょいなところもありますから。」
赤嶺「ロック、酷いなぁ〜!」
イヴ「楽しい思い出を沢山……ありがとうございました。」
夏希「それはこっちの台詞ですよ。元の時代に戻ったら、いの一番にイヴさんに声かけて、絶対に友達になります!」
イヴ「そりゃあ、楽しみだ。ズッ友として仲良くしてやってくれ。………負けんじゃねぇぞ。」
ゆり「忘れないで。時代も、場所も、どんなに離れていたって………紗夜ちゃんは私の名誉姉妹なんだから。」
紗夜「はい………。沢山学ばせてもらいました。私がこの気持ちを持てる事が出来たのは………ここにいる皆さんのお陰です。」
高嶋「良かったね、紗夜ちゃん。」
紗夜「もう、元の時代に戻る事に不安はありません。高嶋さんや………仲間が隣にいますから。」
高嶋「うん……うん!ずっと一緒だよ!」
日菜「御先祖様!短い間だったけど、会えて良かった!」
つぐみ「私もです。日菜さんの様な子孫が未来にいるなら、氷河家の復興もきっと成し遂げる事が出来るって信じてる。」
日菜「それが出来たら……真っ先に報告しに行くから!」
つぐみ「それは楽しみです!でも、これだけは忘れないで。ちゃんと自分も幸せになって。例え復興が出来たとしても、日菜ちゃん自身が幸せじゃなかったら………意味が無いから。」
花音「心配には及ばないよ。私がついてますから。」
イヴ「私だって。」
彩「私も!」
千聖「そうね。私達が日菜ちゃんをそんな目に合わせたりはしないわ。友達だもの。」
日菜「千聖ちゃん………みんな……!」
つぐみ「ふふっ……!」
モカ「なんだかんだリサさんにはお世話になってばっかでしたね。」
リサ「何言ってんの、モカ。私だって何度もモカに助けられたじゃん!私が言うのもあれだけど、モカももう一人前だよ。ちゃんと自信持ちなね?蘭を頼んだよ。」
モカ「はい。」
美咲「あーあ。今度こそ本当にさよならになっちゃうのかぁ……。」
薫「おや?美咲はまだ帰りたくないかい?」
美咲「本音を言っちゃうとそうですね。」
薫「でも、随分と笑顔じゃないか。」
美咲「あはは…出てました?………"ここ"に、みんなは……私の友達はちゃんといますからね。ぎゅうぎゅうで逆に暑いくらいですよ。」
有咲「ここからは私らが走って行かないとな。」
千聖「そうね。今を生きる私達が、みんなの思いを繋ぐ番よ。」
有咲「ああ。でも、もう誰かに託したりはしない。私達がゴールを切るんだ。」
千聖「完成型勇者だから?」
有咲「勿論!」
中沙綾「夏希………!」
中たえ「また会えて本当に嬉しかったよ。」
夏希「私もです!きっとまた会えるよ。」
中沙綾・中たえ「「………………。」」
小沙綾「私が夏希を守ります!」
中沙綾「ありがとう……夏希を宜しくね!」
小たえ「3人のチームワークは最強なんですから。ね、たえさん?」
中たえ「………そうだね!3人揃えば無敵だもん。夏希を支えてあげて、もう1人の私。」
夏希「前も言ったけど、湿っぽいのは無し!笑顔笑顔!…………またね。」
中沙綾・中たえ「「うん、またね。」」
香澄「私勇者になって本当に良かった。」
赤嶺「突然どうしたの?」
香澄「だって、こんなに素敵な人達に出会えたんだもん。」
高嶋「それは私もそう思う!みんなの笑顔を見てると、私の歩いてきた道は間違ってなかったんだなって思うんだ。」
香澄「これも因子?ってやつの導きなのかな?」
赤嶺「それはちょっと違うと思うな。」
香澄「え?」
赤嶺「因子にそういった力は無いと思うな。因子は道標の様なもの。大事なのは道を選び歩いていく力じゃないかな。それは誰もが当たり前に持っている力で、私達香澄はその力が他の人より少し優れているだけだと思うんだ。」
香澄「おぉ………なんか赤嶺ちゃんが言うと凄く説得力があるよ。」
赤嶺「しっかりしてよ?戸山ちゃんが先頭なんだから。私達が繋いできたバトンを引き継いで、あなたがゴールするんだよ?」
香澄「………うん!」
友希那「ありがとう。私はあなた達に出会えた事、決して忘れないわ。」
蘭「未来が幸せになる事を、祈ってるから。」
夏希「本当にありがとうございました!」
千聖「この先も犠牲は絶対に出さない!私達の力で未来を切り拓いていくわ!」
香澄「私達ならどんな困難でも乗り越えて行ける!さようなら!みんなが託してくれた思いを胸に…………行こう、未来へ!!」
勇者部一同「「「勇者部、出動!!」」」
---
神樹が作り出した異世界が光につつまれ、消滅していく。彼女達は今、それぞれの未来へ歩み始めた--
西暦から神世紀へと、時代を越えて繋ぎ続けた努力が実を結び、託された勇気のバトンは遂にゴールへと繋がる--
神世紀301年--戸山香澄達、花咲川中学勇者部は天の神を打ち倒し、神樹はその役目を終え、人に未来を託した。勇者達はその手に平和を掴み取ったのだ。
そして世界が平和を取り戻し、15年の月日が流れる--