戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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ゆゆゆ第3期が発表されましたが、楽しみですね。この調子でのわゆのアニメ化もしてくれると良いんですが……。

アプリ、アニメ、小説と未だに広がり続けるゆゆゆワールドに感服致します。




思い出のアルバム〜思いがけない発見〜

 

 

樹海--

 

リサ『敵が全方向からランダムな速度で接近中!数名に分かれて対処して!』

 

勇者部は只今御役目の真っ只中。神樹に迫ろうとする、万を超える程の星屑の群れと戦っていた。

 

有咲「くそっ、数が多過ぎる!どの方向からも大群が押し寄せてくるぞ!」

 

ゆり「各自、敵の攻撃を避けつつ散開して!」

 

全員「「「了解!!」」」

 

勇者達はグループを作り、広範囲をカバーしつつ展開していった。

 

千聖「まずは出前の雑魚から蹴散らしていくわよ!」

 

小たえ「任せてください!たぁーーーっ!」

 

 

 

香澄「さーや、援護お願い!」

 

中沙綾「常にそのつもりだよ!」

 

 

 

紗夜「左右は気にせず、高嶋さんは真っ直ぐ進んでください!」

 

高嶋「解った!勇者パーーンチ!!」

 

 

 

薫「誰か一緒に前へ出てくれないかい?」

 

イヴ「よっしゃあ、俺が行ってやるぜ!」

 

 

 

小沙綾「日菜さん、三時の方角へ同時射撃を!」

 

日菜「オッケー!おやつの方角だね!」

 

 

 

燐子「あこちゃん…上空にも注意して…!」

 

あこ「助かったぁ……ありがとう、りんりん!」

 

友希那「まだまだ来るわ!対処中の方角へ向かって、全員で攻めるわよ!」

 

全員「「「了解!!」」」

 

 

---

 

 

森の中--

 

千聖「ふぅ………どうやら殲滅完了したようね。お疲れ様、たえちゃん。」

 

小たえ「千聖さんもお疲れ様でした。」

 

2人はふと周りの様子を見回す。しかし、辺りに他の仲間はおらず、森の中には千聖とたえの2人しかいなかった。

 

千聖「他のみんながいないわ。」

 

 

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草原--

 

薫「どうやら終わったようだね……。」

 

イヴ「そのようですね…。」

 

薫「近くに仲間は見当たらないようだ。」

 

イヴ「逸れてしまったのでしょうか…。」

 

 

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河原--

 

日菜「やっと終わったぁ……。」

 

小沙綾「助かりましたけど……ここは?」

 

日菜「樹海で別れて行動してたから、みんなバラバラに戻っちゃったのかな。」

 

小沙綾「端末の地図機能を使えばすぐ戻れる筈です……。」

 

どうやら他のみんなも同じ様に、樹海からバラバラな場所に戻されてしまったようだった。幸い全員花咲川中学からさほど遠くない場所だったのだが、戻ろうと歩き出した直後、突如雷が鳴り出し大雨が降り出してしまう。

 

 

---

 

 

森の中--

 

千聖「雨宿り出来る木があって助かったわね。」

 

小たえ「そうですね。でも……。」

 

再び雷が唸りを上げて轟いた。

 

小たえ「きゃあっ!」

 

千聖「たえちゃん!」

 

千聖(いけないわ……たえちゃんはまだ小学生。雷が怖いのは当然の事だわ。私がなんとかしないと。)

 

小たえ「ビックリしたぁ……。」

 

千聖「たえちゃん、何か楽しい話でもしましょうか。例えば……。」

 

千聖は必死で話題を頭の中で考える。今時の小学生が楽しくなるような話題を。鍛錬以外全てを切り捨ててきた千聖にとってそれは至難の業だった。

 

千聖(考えるのよ白鷺千聖…!小学生の女の子が楽しくなるような話題を………っ!)

 

千聖「お菓子…!甘くて美味しいお菓子や可愛いケーキとかは好きかしら?」

 

小たえ「好きです!"アプフェル・シュトロイゼル"とか美味しいですよね!」

 

千聖「アプ……え?」

 

たえから帰ってきた予想外の一言に、千聖の脳内にハテナマークの嵐が巻き起こる。

 

小たえ「千聖さんは、"ベルリーナー・プファンクーヘン"とどっちが好きですか?」

 

千聖「え…あ、あの……えっと…ごめんなさい、分からないわ。」

 

小たえ「そうですかぁ……。」

 

寂しげな顔を浮かべるたえ。

 

千聖(くっ……こんな事なら、もっと日菜ちゃんに付き合っていれば良かったわ…。)

 

お菓子の話題を止め、再び千聖の脳内で会議が始まる。

 

千聖(お菓子はダメ……それなら他には……っ!)

 

千聖「動物!可愛い動物は好きかしら?」

 

小たえ「好きです!"イルリピカ"とか!」

 

再び知らない単語の羅列が千聖に襲いかかる。

 

千聖「……ピカ?」

 

小たえ「あ〜〜でも最近は、"クリーム・デ・アージェント"を飼いたいなって思ってるんです。」

 

千聖「…………ごめんなさい、それも分からないわ。」

 

小たえ「そうですかぁ……。」

 

千聖(何なのそれ!そうだわ、端末で検索すれば良いじゃない。)

 

勝機を見出した千聖は端末を操作するが、何故だか端末は繋がらなかった。

 

千聖「……変ね。」

 

小たえ「もしかしたら、さっきからの雷で通信基地局に異常が出てるのかもしれないですね。」

 

千聖「確かにそうかもしれないわね。迂闊だったわ…これじゃあ巫女に迎えに来てもらう事も出来ない……。」

 

雨は更に勢いを増していき、雷も鳴り響く回数が増えてきた。

 

小たえ「きゃあっ!」

 

千聖「大丈夫よ、たえちゃん。私がついてるわ。何をしたら気が紛れるかしら…。」

 

小たえ「じゃあ、お言葉に甘えて…歌でも聞かせてくれますか?」

 

千聖「歌……歌ね。」

 

その言葉を聞いて千聖は少し微笑んだ。こちらの世界に召喚されて身に付けたもの。その1つが歌だったから。防人達と"Pastel✽Palettes"を結成した経験が生きた瞬間である。

 

千聖「任せてちょうだい。」

 

小たえ「やったぁ!千聖さんの歌だぁ!千聖さんと一緒に逸れて得しちゃった。」

 

千聖「ふふ。損はさせないわよ。」

 

 

---

 

 

草原--

 

薫「びしょ濡れになってしまったね。」

 

イヴ「……ヘクシッ!」

 

薫「大丈夫かい?この上着を貸そう。」

 

イヴ「それもビショビショです……。」

 

薫「そうだったね…。」

 

辺りに雨を凌げるような場所は見当たらない。このままでは2人とも風邪をひいてしまう。

 

イヴ「雷…怖いです。」

 

薫「金属は外した方が良さそうだ。仕方ない、海まで急ごう。」

 

イヴ「どうして海なんですか?」

 

薫「ここだと落雷の危険がある。濡れた体ではひとたまりも無いからね。」

 

イヴ「海には雷は落ちないのでしょうか?」

 

薫「落ちる。だが、潜っていれば平気さ。海中までは通電しないからね。」

 

イヴ「私潜れません……。もし、浮いていたらどうなるでしょうか?」

 

薫「……………感電して、死んでしまうだろうね。」

 

イヴ「ひっ!?」

 

その言葉を聞いた直後、イヴの人格が変化し怒鳴り散らす。

 

イヴ「おい、こらっ!イヴをビビらせてんじゃねーぞ!」

 

薫「これは事実なんだ。腕1本でも水面に出ていると、全身感電してしまう。……雷は怖く、儚い………。急ごう。」

 

イヴ「待て待ておい!潜ったって息継ぎで上がった時に落ちたらどうすんだ!?」

 

薫「それは……だが…。」

 

イヴ「だがじゃねーよ!雷なんざ怖くねぇ!ドーンと構えてりゃ良いんだよ!」

 

そんな大見得を切るイヴの耳に、先程より大きな音で雷が轟く。

 

イヴ「うわーーーーーっ!?!?」

 

勢い余って、近くにいる薫に抱き付くイヴ。

 

イヴ「び、ビビってねーーぞ!」

 

薫「そんな事より早く海へ急ごう。」

 

イヴ「も、もうこうなったらヤケクソだ!鬼でも蛇でも何でも来いよーー!」

 

 

---

 

 

河原--

 

一方の日菜と沙綾は、運良く近くにあった洞窟へ避難していた。

 

日菜「洞窟があってラッキーだったね。」

 

小沙綾「不幸中の幸いでした。」

 

しかし、雨は凌げても雷の落ちる音は防げない。寧ろ轟音が洞窟に反響して更に大きな音になってしまう。

 

小沙綾「きゃあーーっ!」

 

日菜「大丈夫、安心して。私がついてるから。お臍を守ってれば心配なし!」

 

小沙綾「うぅ……そこまで子供じゃないですよぉ…。」

 

日菜「でも、中学生が小学生を守るのは当然だよ?」

 

小沙綾「それでも大丈夫です。30分もすれば、治まる筈ですから。きゃあーーーっ!」

 

日菜「あらら………。」

 

小沙綾「い、今のは…!単純に大きな音に驚いただけです!」

 

日菜「解ってる解ってる。解ってるよ、沙綾ちゃん。」

 

小刻みに肩を震わせ、我慢する日菜。

 

小沙綾「絶対解ってないですよね…。」

 

日菜「ごめんごめん。そうだ。こんな時にしか出来ない遊びを教えてあげる。」

 

小沙綾「遊び…ですか?」

 

日菜「雷って、まず光ってから音が鳴るでしょ?だから、タイミングが計れるんだ。」

 

小沙綾「はい……。」

 

日菜「遊びっていうのはね、雷が落ちる瞬間に、日頃は口に出せないような事を大声で叫ぶって物。」

 

小沙綾「どうしてそんな事を?」

 

日菜「言えない事を大声で叫ぶのってストレス発散になるし、るんっ♪てするでしょ?」

 

話をしていると丁度良いタイミングで空が光り出した。

 

日菜「習うより慣れろってね。見てて……っ!」

 

光り出してから数秒後、雷鳴が轟いた。

 

 

 

日菜「千聖ちゃんの頑固者!分からず屋!へそ曲がりーーーーっ!」

 

 

 

小沙綾「あの……千聖さんには内緒にしておきますね。」

 

日菜「えっ!?ぜ、絶対だよ?絶対だからね!」

 

小沙綾「ごめんなさい。全部聞こえちゃいました……。」

 

日菜「くうぅ……タイミングを間違えちゃったかぁ。じゃあ、次は沙綾ちゃんね。」

 

小沙綾「いえ、私は遠慮しておきます。」

 

日菜「まぁまぁ、そんな事言わないで。物は試し。何事も経験してみない手はないんだからさ。」

 

小沙綾「はぁ…。」

 

日菜「沙綾ちゃんも秘密喋ってよぉーー!私だけじゃ不公平だぁーー!」

 

次第に駄々を捏ね始める日菜。そんな日菜に沙綾は折れる事にした。

 

小沙綾「分かりました。そこまで言うなら1回だけやります。」

 

日菜「待ってました!」

 

小沙綾「タイミングを見計らって………っ!」

 

 

 

小沙綾「夏希はもっと時間を守って!ランドセル空のまま持ってこない!おたえは授業中は寝ない!私もオッちゃん抱きたーーーーい!!」

 

 

日菜「おぉ………。」

 

言い終わると肩の荷が下りたのか、晴れやかな笑顔で日菜に話しかけた。

 

小沙綾「はぁ〜〜〜!本当にすっきりしました!日菜さんの言う通りでしたね。」

 

日菜「良いね良いね!沙綾ちゃんのその笑顔るんっ♪てくるよ!」

 

すると次第に雨音が小さくなり、雷の音も治まりはじめてくる。

 

小沙綾「あっ、段々雨雲が引いてきたみたいですね。もう1回くらいやりたかったんですけど、残念でした。」

 

日菜「そっかぁ、残念。」

 

小沙綾「こんなに楽しい遊びが出来るなんて、雷や遭難も悪い事ばっかりじゃないですね。」

 

日菜「でしょでしょ!」

 

小沙綾「帰ったら、沙綾さんにも教えてあげよっと。」

 

日菜「あはは……過激になり過ぎないと良いけどね……。」

 

 

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