そして何故か始まるプロレス大会。部室はどうなるの?
勇者部部室前--
中沙綾「あっ、紗夜さん。今日は高嶋さんと一緒じゃないんですね。」
紗夜「はい。今日は戸山さんと赤嶺さんと何やら約束をしているようで。」
中沙綾「2人とも……いや、赤嶺さんが来てからは3人で過ごす事が増えましたよね。」
紗夜「ヤキモチですか?心配はいりません。あの3人は姉妹みたいなものですから。」
中沙綾「それは勿論分かってますよ。私もちゃんと心に余裕を持ってい……。」
その時、何やら部室から声が聞こえ始める。
香澄「んん……あぁーーーっ!!」
中沙綾・紗夜「「っ!?」」
2人は外から耳をすましその声を聞いた。
高嶋「戸山ちゃん、大丈夫?痛い?もう止める?まだ続ける……?」
赤嶺「あぁ……そうやって焦らすのが、高嶋先輩の手なんだよね……ふふっ。」
高嶋「焦らしてなんか!じゃあ戸山ちゃん、もう一気にいっちゃうよ?」
中沙綾・紗夜「「……………。」」
徐々に2人の瞳からは光が消え始める。
香澄「う、うん………高嶋ちゃん。ちょっと怖いけど、思いっきり来……。」
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勇者部部室--
中沙綾・紗夜「「くぁwせdrftgyふじこlpーーーっ!!!」」
次の瞬間、2人は訳の分からない言葉を発しながら部室に突撃。そこで見た光景は香澄と高嶋の2人がマットの上で取っ組み合っている場面だった。
香澄・高嶋・赤嶺「「「え?」」」
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中沙綾・紗夜「「関節技の練習?」」
香澄「昨日、プロレス中継を観てたら、ちょっとやりたくなっちゃったんだ。」
高嶋「私達3人は武器とか無いし、いい練習になると思って、私と赤嶺ちゃんも一緒に。」
赤嶺「体育館から柔らかいマットまで借りて、本当よくやるよ……。」
香澄「えへへ……。だって、関節技だけじゃなくて、投げ技とかもやってみたいんだもん。」
高嶋「うんうん!パワーボムとかバックドロップとか!」
中沙綾「練習だっていうのは分かったけど、本当に安全?怪我とかしない?」
赤嶺「平気だよ。この2人はそれなりに武術の経験あるし、加減はしてるから。」
2人が話している間にも、香澄と高嶋はプロレスを続けている。
香澄「いっくよー!ドロップキーーーーック!」
高嶋「くはぁっ!!」
香澄の蹴りが命中し、高嶋はマットに叩きつけられる。
紗夜「本当に大丈夫なんですか!?」
中沙綾「それより制服が大変だよ!スカートは危ないって!」
紗夜「何を言ってるんですか、山吹さん!心配するところはそこじゃ無いですよ!?」
中沙綾「じゃあ、紗夜さんは高嶋さんのスカートが心配じゃないって言うんですか!?」
恐る恐る紗夜は高嶋の方を見た。
高嶋「やったなぁ、戸山ちゃん!お返しの、フライングボディアターーック!」
ジャンプした高嶋が香澄に覆いかぶさった。
紗夜「あぁ……確かにそれは確かに…確かに!高嶋さんダメです危ないです危険です!」
中沙綾「でも、このまま2人を見てるのも悪くないかも……。」
紗夜「そうですね……それならいっその事…。」
香澄・高嶋「「勇者パンチ!!」」
中沙綾・紗夜「「勇者パンツ!?」」
赤嶺「言ってない。おかしいでしょ……。山吹さんと紗夜さん…思考がやらしい。エッチ。」
中沙綾・紗夜「「なっ………!?」」
香澄「よーし、次はいよいよ合体技の練習するぞー!」
中沙綾「駄目駄目駄目駄目!!がががが合体は禁じ手だよ!!」
紗夜「合体は常に成功するとは限りません…。下手をしたら合体事故が起きてあんな事やこんな事に……!」
赤嶺「はぁ………。これは2人を押さえておく役が必要だね……。」
--
それから数分後--
有咲・蘭・千聖「「「何この状況………。」」」
遅れてやって来た有咲達は、眼前にある光景に頭の処理が追いつけていない。
あこ「さぁさぁ、今宵もやって来ました!香澄プロレスの時間だよ!!実況はお馴染み宇田川あこと!」
薫「儚い……瀬田薫が務めさせていただくよ。」
部室にはりみの武器であるワイヤーで作られたリングが鎮座しており、部室の片隅には同じワイヤーでぐるぐる巻きにされた沙綾と紗夜の姿が。
中沙綾・紗夜「「くっ………。」」
赤嶺「ところで、合体技って何を試したいの?」
香澄「やっぱり最初はダブルラリアット!高嶋ちゃんと2人でズバーーンって!」
友希那「それなら、相手が必要になるわね。」
夏希「はいはいっ!私やりたいです!」
燐子「危なくないでしょうか……。」
夏希「心配無いです、燐子さん。」
そう言って夏希はリングに入り、2人の香澄と相対した。
モカ「ゴングでーす。」
モカがフライパンを叩きプロレスの幕が上がる。
あこ「試合開始ーー!さぁ、最初は香澄が夏希の両手をがっしり掴んだぁーー!」
夏希「おぉぉっ!?」
香澄はそのまま夏希をワイヤーに投げ飛ばし、飛ばされた夏希はワイヤーの反動で香澄の元へ帰ってくる。
香澄「行くよーーー!」
香澄・高嶋「「香澄ズ・ラリアーーーット!」」
夏希「にょわぁぁぁぁぁっ!!」
凄まじい衝撃が夏希を襲う。そのまま夏希は吹き飛ばされ、リング外に転げ落ちてしまった。
薫「流石だね。息がピタリとあっているよ。」
蘭「流石の威力だね。私が変わるよ、夏希。」
夏希「は、はい。タッチです、蘭さん。」
バトンタッチし、夏希の代わりに蘭がリングに入る。
あこ「さぁ、蘭ちゃんはどう動くのかぁ!」
香澄「どっからでもかかってこーい!」
蘭「香澄だからって手加減しないよ。はぁっ!」
日々の農作業で鍛えられた下半身から繰り出される鋭い蹴りが、香澄に襲いかかる。
香澄「うっ!」
あこ「蘭ちゃんの鋭い蹴りが炸裂だぁ!薫、今の技は?」
薫「ローリング蕎麦ットだね。」
高嶋「戸山ちゃん、ダッシュだよ!」
香澄「うん!香澄ズ・クロスボンバー!」
対する香澄達も、今度は自身がワイヤーの反動を使い、蘭目掛け前後から渾身の一撃をお見舞いする。
蘭「ぐはぁ……わ、悪くない一撃だよ…。」
あこ「見事な一撃で蘭ちゃんが撃沈だぁぁぁぁっ!!」
赤嶺「1対1ならいざ知らず、2人の香澄に1人で挑むなんて無謀だよ。」
香澄「さぁ、次は誰かな?」
次に名乗りを上げたのは--
千聖「私よ!」
有咲「私だ!」
あこ「これは勇者と防人の夢のタッグだよ!」
薫「この勝負は呼吸の合わせ方が鍵だね。千聖と有咲ちゃんに出来るかい?」
有咲「ふっ、当たり前だろ!さぁ、投げるぞ、千聖。」
千聖「何をかしら?」
あこ「早速合ってなーーい!」
有咲「だから!香澄をマットに投げて、そこを上からプレスするんだよ!」
千聖「そ、それくらい最初から分かってたわ。で、どっちを投げれば良いのかしら?」
有咲「どっちでも良い!あぁ、焦ったい!私が投げる!香澄、覚悟!!」
痺れを切らした有咲が香澄に向かって突進してくる。それと同時に千聖は高嶋の袖を掴みにかかる。
千聖「勝手に進めないで頂戴!高嶋さん、覚悟してもらうわ!」
しかし、香澄達はそれをものともせず、2人をリング中央目掛けて投げ飛ばした。
香澄・高嶋「「えいっ!」」
有咲「ちょまっ!?」
千聖「きゃあっ!?」
中央で有咲と千聖が衝突。そのまま2人はマットに伏せてしまった。
薫「秒殺とは……儚いね。」
花音「ふえぇ……何でみんな戦いたがるの…。」
友希那「見ていると、何故だか身体が熱くなって疼いてくるのよ。」
すると、そこへ更に遅れてやって来たたえ達がやって来る。
中たえ「あれ?リサさん達と遅れて来たら、なんか面白そうな事やってる。」
小沙綾「沙綾さん!?紗夜さんも!どうして縛られてるんですか!?」
中沙綾「うぅ……許して沙綾ちゃん。もう私達が戦うしかないのかもしれない。」
あこ「おっとぉ!遂にダブル沙綾が参戦だぁ!香澄達はこの挑戦を受けるのかぁ!」
香澄「踏まれても汚れても、野に咲く白い花が好き!そんな私は………笑顔の香澄マスク!」
高嶋「嵐にも耐えてきた、リングに咲く花一つ!そんな私は………怒りの香澄マスク!」
赤嶺「貴女から私へ、私から貴女へ。贈る引導………悲しみの香澄マスク!」
中沙綾「もう香澄達を止められるのは私達だけ……はぁぁぁぁっ!!」
紗夜「山吹さん……あなただけに頼りはしません。私も…はぁぁぁぁっ!!」
次の瞬間、凄まじい地鳴りと共に沙綾と紗夜は自らの力でりみのワイヤーを引きちぎったのである。
りみ「う、嘘!?どうして生身の2人が素手でワイヤーを引きちぎれるの!?」
更に2人の闘志を受け、倒れていた有咲達も再び起き上がる。
千聖「流石は勇者ね。でも、防人も一撃で終わる程ヤワじゃないの!もう一度やらせてもらうわ!」
有咲「そうだ!これが技の練習なら、私達全員で相手するのが当然だろ!」
蘭「勇者の敵は常に複数。なら、シミュレーションも対大勢じゃないと意味ないよね!」
夏希「さぁ、ここからがメインイベントです!」
有咲達の先導を受け、次々に選手達がリングへと上がり始める。
モカ「これじゃあ、誰が敵だか味方だか分からないね。」
イヴ「バトルロイヤルとは、中々いかすじゃねーか。全員ぶっ倒してやるよ!」
リサ「友希那ー!蝶の様に舞って、蜂の様に刺しちゃってーーー!」
燐子「………それはボクシングです…。」
中たえ・小たえ「「みんな頑張れーー!!」」
部室にいる殆どを巻き込んだバトルロイヤルが今、始まろうとしていた。
--
数分後--
夏希「ぎゃふん!?」
1人、また1人と香澄達に挑んでいった者達が倒れていく。対する香澄達は全く疲れをみせていなかった。
友希那「やはり無手の勝負だと、香澄達に敵う人はいないのかもしれないわね。経験の差がありすぎるわ。」
千聖「それでもやるべきよ。香澄ちゃん達の練習になれば、それだけ敵の討伐が楽になるわ。」
蘭「そうですね。この身が仲間の役に立つなら、喜んでどんな技だって受けとめる。来なよ。」
紗夜「そうです。高嶋さんの為なら……私は笑いながらマットに沈みましょう!」
中沙綾「紗夜さん……流石です。さぁ、沙綾ちゃん。私達も心を鬼にするよ、香澄の為に!」
小沙綾「ど、どうして私まで!?」
残った6人が一斉に香澄達に飛びかかる。流石の3人もこれには怯んでしまう。
高嶋「わわわ!こんなに大勢いっぺんに!?」
香澄「2人とも!こうなったらもうアレしかないよ!香澄ズ・三位一体!」
次の瞬間、香澄の掛け声と共に、3人の香澄が一つに重なり合いーー
中沙綾・紗夜「「っ!?」」
香澄・高嶋・赤嶺「「「秘技!香澄神拳!!」」」
有咲「えっ!?」
千聖「あっ……!」
蘭「何!?」
紗夜「はぁぁ……!」
中沙綾「ひゃふ!」
小沙綾「ふぁぁぁ!」
6人の秘孔を突いたのだ。突かれた6人は恍惚な表情でその場に倒れ込んでしまう。
りみ・花音「「ええっーーー!?」」
モカ「ん?これは終わったよね?ゴング鳴らしまーす。」
フライパンの音が試合終了の鐘を告げた。
あこ「試合終了ーーー!勝者はトリプル香澄チームだぁーーー!!」
薫「見事な試合運びだったね。」
香澄・高嶋・赤嶺「「「ウィーアー!」」」
赤嶺「はぁーー!良い筋肉にいっぱい触れて満足満足!」
こうして異種過ぎる格闘技大会は幕を下ろすのであった。
--
それから30分後--
美咲「はぁ!?じゃあ、部室がしっちゃかめっちゃかになってるのは、そのプロレスごっこのせいだって事!?」
彩「良かったぁ。みんなが喧嘩したのかと思ったよ…。」
別件で戻ってきた美咲、彩、そしてゆりが戻って来るや否や、部室の惨劇を見て驚きを隠せないでいた。
ゆり「成る程ねぇ、投げ技や関節技の練習ねぇ。今までやってこなかったもんね、そういう事。」
有咲「だ、だろ?香澄達は素手で戦う貴重な勇者なんだし、充分に練習させておかないと!」
香澄「そ、そうなんです!だって練習しないと、樹海で上手く出来ないですから!」
彩「ホントそうだよね!あの大きいバーテックスを投げ飛ばすのには、何回も練習しないと無理だもん。」
ゆり「そうだよねぇ。でも知らなかったな。バーテックスにも関節や秘孔ってあったんだねぇ。」
香澄・高嶋・赤嶺「「「うっ……!」」」
ゆり「あははは……中々良いところに注目さたね……って笑って許されないよこれは!!」
香澄・高嶋「「ごめんなさーーーい!!」」
千聖・夏希「「すみませんでした……。」」
あこ「そ、それではテレビをご覧の皆様。いつかまた白いマットのジャングルでお会いしましょう!」
薫「また会おう、子猫ちゃん達。瀬田薫でした。あぁ……儚い。」