波乱のバレンタインが続く中、些細な綻びから次第に真相が明らかになり始める。
皆がチョコと一緒にこの世界で感じた想いを伝える中、遂にたえは夏希に本当の気持ちを叫ぶーー
無人島、キャンプ場ーー
お昼を過ぎ、日が傾きかけてきている。たえ達2人は未だにしがみつかれた状態で拘束されていた。
つぐみ「それにしても、たえちゃん達はまだ何もしてないのに、常に拘束状態だなんてちょっと厳しいんじゃ……。」
薫「それも一理あるね。」
薫は少し手の力を緩める。するとたえはすぐさま拘束から抜け出し駆け回った。
中たえ「やったーーー!!あっ……!」
しかしすぐさま薫はたえの背後を取って、再び羽交い締めにしてしまう。
中たえ「むぎゅぅ………。」
あこ「緩めた途端に暴れたらそうなるよね。」
日菜「出来たーーーーー!」
直後、厨房から日菜の歓喜の声があがる。ようやくチョコが完成したのだ。
日菜「千聖ちゃん!早速このカツオチョコを受け取ってよ!」
千聖「え?…………え!?」
そこにあったのは実物大のカツオの形をしたチョレート。目元やヒレ、口元まで事細かに再現された見事なまでのカツオチョコ。
千聖「色はチョコだけれど……パッと見たら本物のカツオと見紛う出来だわ。」
日菜「私の情念を全て注ぎ込んで作ったチョコだよ!さ、割ってみて。」
千聖「情念を割って良いの?………じゃあ遠慮なくいくわね。はっ!」
割ってみると、内部まで拘っておりホワイトチョコで出来た骨が入っていた。
千聖「感動に言葉も出ないわ……ありがとう、日菜ちゃん。」
日菜「喜んでくれて良かったぁ!」
つぐみ「流石です、日菜さん!氷河家たる者、どんな困難でも機転を利かせて乗り越える。氷河家に相応しいチョコでしたよ。」
日菜「ありがとう、御先祖様!」
ーー
夏希「あっ、有咲さん!赤のよしみでこのチョコ貰ってください!」
有咲「赤のよしみ……?あぁ、勇者服のか…。」
夏希「初めて有咲さんの勇者服を見た時からずっと思ってたんです。私のと似てるなって。」
似ていて当然だった。有咲が使っている勇者システムの前の使用者は夏希だったから。
有咲「…………そうだな。私もそう思ってた。だから……夏希から貰えて凄く嬉しい。」
彩「夏希ちゃんと有咲ちゃんは、魂の性質も似てるからね。とっても勇敢で、仲間思いのところが♪」
夏希「随分遅くなっちゃいましたけど、伝えられて良かったです。」
有咲「私も……言えて良かった。先輩勇者の夏希に、ありがとう………ってな。」
そこへ高嶋と紗夜、そして赤嶺の3人が戻って来る。
彩「あっ、赤嶺ちゃん戻ってたんだね。これ、私からのチョコ。どうぞ。」
赤嶺「あー……彩ちゃんが私にくれるなんて意外だなぁ。どうもありがとう。」
彩「作った日から大切に枕元に置いておいたんだ。食べてみて。」
その言葉で、また一瞬赤嶺が動揺する。
赤嶺「え?あぁ……ごめん。実は今、ダイエット中で身体を絞ってるから、今度にするよ。」
モカ「およよ?まだダイエット終わってなかったの?」
蘭「ダイエットはバレンタインにチョコを食べる為だって聞いてたけど。」
赤嶺「え、あ、うん。まぁ、それは確かにそうだけど……。でも何て言うか、今は気分じゃなくて………。」
その一言が、防人達の逆鱗に触れてしまう。
千聖「赤嶺ちゃん……あなた対人専門なのに、人の気持ちが分からないようね…。なら、こちらにも考えがあるわ……。」
赤嶺「ええ!?違う!違うんだよ!!」
花音「何が違うのかな?彩ちゃんを泣かせたら許さないよ?」
イヴ「松原の言う通りだ…。赤嶺、うちの丸山を泣かせたら、ただじゃおかねーぞ!」
赤嶺「えぇ………何でそうなるかなぁ…。」
赤嶺はチラッとたえの方を見た。
中たえ「食べなよ、赤嶺。この状況で食べないのは、流石にマズいよ……。」
赤嶺「食べても……良いのかな?」
中たえ「半分くらいは、良いんじゃない?」
友希那「………待って。赤嶺さん、まさかあなたも花園さん達に一枚噛んでるんじゃないかしら?」
赤嶺「ええっ!?そ、そんな事無いよ!」
千聖「だったら、彩ちゃんから貰ったチョコを食べるべきよ!」
次第に語尾が荒くなっていく勇者達。終いには、全員を巻き込んでの口論に発展してしまっていた。
全員「「「ガヤガヤガヤガヤガヤ…………!!」」」
総勢20人以上が一斉に口論している中、赤嶺はこっそりその輪から抜け出し、とある人物に声をかける。
赤嶺「夏希ちゃん、しぃーっ。」
夏希「え……赤嶺さん…?」
全員「「「ガヤガヤガヤガヤガヤ…………!!」」」
口論の最中、赤嶺がいない事に最初に気がついたのはつぐみだった。
つぐみ「ちょっと待って!赤嶺ちゃんは何処?」
六花「本当です!赤嶺さんがいません!」
日菜「夏希ちゃんもいないよ?」
辺りを見回すつぐみ。そして微かな違和感に気付くのだった。
つぐみ「…………はっ!?薫さん、たえちゃんから離れてください!」
薫「……分かった。」
たえから手を離す薫。すると、それに代わるようにつぐみがたえを羽交い締めにする。
中たえ「ぐわああぁ………!」
つぐみ「……これは…友希那さん!」
友希那「何かしら?………そんなまさか!?」
そしてつぐみに言われ、友希那がたえの腕を触った瞬間、友希那も違和感に気が付いた。
中たえ?「うっ…………!」
つぐみ「もう限界だよ………赤嶺ちゃん!」
なんと、今まで羽交い締めにされていたたえは赤嶺による変装だったのだ。
赤嶺「くっ…………。」
全員「「「ええーーーーっ!?」」」
りみ「どういう事!?じゃあ、本物のおたえちゃんは何処に!?」
赤嶺「はぁ………参ったなぁ。赤嶺香澄が、花園たえだよ。」
つぐみ「説明して、赤嶺ちゃん。」
赤嶺「……たえに変装術の指南を頼まれたんだ。前に私はたえに変装したからさ。その逆も出来るんじゃないかって。」
その台詞でみんなは思い出した。かつてエイプリルフールに、赤嶺がたえに変装し対人戦闘訓練と称し近づいてきた事を。
赤嶺「一度は断ったんだけど……強く食い下がるから、どうしようもなくてさ…。」
花音「何を貰ったの!?バレたら大変な事だよ?見返りもなくこんな事しないよね?」
赤嶺「そ、それは…その……お姉様と一緒に過ごす時間を作ってくれる……って。」
2人はここに来てからずっと入れ替わっていた。だから送られたチョコを食べる訳にはいかなかったのである。
美咲「とんでもない事するけど、チョコを食べなかったのは良い判断だと思うよ。勇者の正義感が裏目に出ちゃったね。」
赤嶺「…………ごめんなさい。」
友希那「それで、こんな事をした理由は何かしら?」
赤嶺「それは…………言えない。」
千聖「この期に及んで、そんな事が許されると思う?もうバレたのだから、白状しなさい。」
赤嶺「言わない。たえにとって大事な事だから。私の失敗で、計画を台無しにしたくないから。」
どんなに理由を聞かれても、赤嶺はそれ以上の事を答える事はなかった。
友希那「無人島まで連れて来られたみんなの事を考えたの!?それを……!」
つぐみ「待ってください、友希那さん。謝ってくれたから、許してあげてください。後の事はたえちゃんから聞きましょう。」
高嶋・紗夜「「……………。」」
赤嶺「ありがとう………つぐちん。」
友希那「早速花園さんを探しに行きましょう。」
紗夜「私も同行します。花園さんには私も煮え湯を飲まされてきましたから。」
全員は何組かに別れて、たえと夏希を探しに行くのだった。
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無人島、山中ーー
友希那と紗夜は山の中でたえ達を探していた。
友希那「紗夜、端末のGPSはどう?」
紗夜「ダメです……電源を切っていますね。」
友希那「地の利は花園さんにあるわ。こうなったら……。」
紗夜「止めておきましょう。」
突如紗夜は友希那を静した。自分から友希那に同行し探しに行ったにも関わらず。
友希那「紗夜…?」
紗夜「私は聞いたんです。花園さんの理由というものを……。」
それは少し前に遡るーー
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無人島、森の中ーー
赤嶺「ごめんね、肩貸してもらっちゃって。」
赤嶺は木の上から落ち、その衝撃で足を捻ってしまっていた。
高嶋「無理は禁物だよ。あれ……って、ええっ!?」
紗夜「これは……っ!?」
キャンプ場まで戻る途中、2人は驚くものを目にする。赤嶺の頭がズレていたのだ。
赤嶺?「えっ………あわわわっ!?」
紗夜「カツラ!?それに……あなたは花園さん!?」
中たえ「バレちゃったかぁ……。」
高嶋「凄い……声はたえちゃんだけど、見た目は赤嶺ちゃんだ!」
紗夜「遂に覗きの為にここまで……湊さんに引き渡します。」
懐からロープを取り出す紗夜。しかし、たえはいつになく真面目な声で2人に話し頭を下げた。
中たえ「怒るのも無理はないけど、出来れば今回は見逃してくれませんか………。やる事があるんです。」
高嶋「やる事?」
そしてたえは2人に今回の計画について全て話すのだった。
中たえ「最初はこの計画、友希那さんの目を欺くものとして考えてた。だけど………沙綾の言葉が胸に刺さって…。」
ーー
中沙綾「私達勇者は、いつどうなるか分からないんです。それが異世界だとしても。今日にも明日にも、御役目で倒れるかもしれない。だからこそ!今この想いを伝えたいんです!」
中沙綾「私達のいるこの世界は、いつ終わるかも分からない。この奇跡はいつ終わってもおかしくないんです!だから、想いを伝える事を後悔したくないんです!」
ーー
中たえ「私はこのまま後悔しないのかなって考えた。私は、今まで何度か死んだも同然の目に遭って………今をしっかり生きようって思ってた筈なのに、実際は何も解ってなかった。だから今年は……自分の気持ちに向き合う為に行動したいんです。し過ぎた後悔を、1つだけ減らす為に。」
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無人島、山中ーー
友希那「花園さんがそんな事を………。」
紗夜「元の時代に戻れば私達も相当な目に遭うとは思います。私達にその実感はありませんが………花園さんにはあります。だから私は……何も言えませんでした。」
友希那「……………………。」
紗夜「湊さん、あなたはどうですか?後悔する恐ろしさを理解出来ますか?」
友希那「……私は後悔しない様、日々を生きているつもりよ。」
紗夜「そうでしょうね……湊さんはそういう人です。あなたは私とは違いますから。」
友希那「どういう意味?」
紗夜は一呼吸おき、友希那に箱を手渡した。
紗夜「これは………湊さんへ。入れておきましたよ……アーモンド。」
友希那「紗夜…?」
紗夜「感謝とか頼っているとか、そんな事ではありません。そんな事は私なりにですが、伝えてきたつもりです。ですが…それでも心の何処かに燻る何かがあって………湊さん、私はあなたに嫉妬していたんです。」
友希那「………っ!」
初めて友希那と出会った時、紗夜は友希那が嫌いだった。友希那はいつも正しくて、強くて、自分に自信があって、みんなの中心にいたから。
紗夜「強く、優しく、皆に愛されるあなたが羨ましかった。私はずっと湊さんに憧れていたんです。」
自分とは正反対だった。友希那の正しさが、強さが、人気が、自信が、紗夜はずっと妬ましかった。 しかしその裏返し、結局紗夜は友希那にずっと憧れていた。何故なら、紗夜がなりたい自分を、そのまま体現した存在が湊友希那だったから。
紗夜「あなたになりたいと何度も………何度も思いました。ですが……それはもう終わりです。この世界で私はみんなに、"氷川紗夜として"受け入れてもらって、幸せになれました。あなたになれなくても……私自身を見てくれる皆さんに出会えたから………もう、満足です。」
初めて吐露した自分自身の本当の言葉。その声にあの頃のトゲは無く、優しさに満ち溢れていた。
友希那「そう……。」
紗夜「湊さん……大嫌いだったあなたが、そんなに嫌いではなくなって、いつの間にかもうとっくに…………好きになっていました。」
友希那「…………ありがとう。」
紗夜「"好き"と言われて"ありがとう"とは、モテる人の常套句ですね……呆れてしまいます。」
友希那「愛しているわ、紗夜。」
紗夜「っ!?」
友希那「親友として、仲間として、あなたを大切に想うわ。好きになってくれてありがとう。」
紗夜「……………………ええ。」
友希那「これは私からのチョコレートよ。初めて互いに渡し合えたわね。」
紗夜「……今井さんには内緒にしてあげます。」
友希那「え…?じゃあ、香澄には?」
紗夜「う、五月蝿いですね……!」
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無人島、アスレチック公園--
ここはキャンプ場から正反対にある大きな公園。赤嶺に変装したたえと夏希はそこへ来ていた。
夏希「ええーー!?私達の時代に遠足で行く予定だった公園にそっくりだ!!ここで遊ぼうって事ですか?赤嶺さん!」
赤嶺?「ごめんね、わたしは赤嶺じゃないんだ。」
夏希「へ?」
赤嶺は変装を解き、目の前にたえが現れる。
夏希「ええーーー!?たえさん!?どういう事!?」
中たえ「ビックリさせちゃったね。でも、どうしても言いたい事があったから。」
いつもと違う雰囲気のたえ。その感じを夏希も感じ取っていた。
夏希「どう…したんですか?」
中たえ「うん。あのね……これあげる。」
そう言って差し出したのは2つの箱。中身は両方ともチョコだった。
夏希「チョコ……だけど2つありますよ?」
中たえ「良いんだ。私の気持ちは、全部夏希にあげたかったから。」
夏希「え?だけどそんな事って……。」
中たえ「ねぇ、夏希。守ってあげられなくてごめんね。」
夏希「………………。」
中たえ「私は、その事をずっと後悔していたけど、それを言う事も出来なくて、それにも後悔した。沙綾が堪えきれなくなるのを傍で慰めて、しょうがないなっていつも笑ってた。折角この世界で会えたのに、私はこのまま夏希に取り繕った自分しか見せないのかな…………。」
徐々にたえの声が震えてくる。涙を堪えているのが夏希にも分かった。
中たえ「それで私は、夏希が守ったこの世界で、また後悔しながら生きていくのかなぁ…………。」
夏希「たえさん……。」
中たえ「夏希がいてくれたから沙綾とも友達になれて、本当に毎日が楽しかったね。」
そしてたえは遂に自分の本当の気持ちを夏希にぶつける。
中たえ「夏希………………………………3人でいようよ。ずっとずっと3人で、このままここに。この世界の最後まで一緒にいてよ……。」
夏希「………っ!」
中たえ「一緒にいたいよ夏希!世界が壊れても私は夏希と沙綾と一緒にいたいよ!!」
夏希「………………ぁ。」
たえの目からは大粒の涙が止めどなく流れていた。
中たえ「とうとう言っちゃった………。ごめんね。こんな事急に言われても困っちゃうよね。忘れちゃって良いから。これは私の寝言だから…………あはは…。」
目に涙を浮かべながらも、精一杯の笑顔でたえは取り繕う。
夏希「…………忘れない。忘れないよ、おたえ。」
夏希はそんなたえを優しく抱きしめる。
中たえ「………………!」
夏希「おたえの本気を私が忘れる訳ないでしょ。本当の気持ちをありがとう。」
中たえ「夏希………………うぅっ……!」
夏希「泣け泣け。やってる事は子供なのに、おたえはちょっと大人過ぎるんだよな。」
中たえ「それは夏希だよぉ………うぅぅ。」
夏希「嬉しかった。やっと本音で喋ってくれて。それに私、解ってるから。今の言葉が本心だったとしても、おたえは絶対に……勇者として正しい事をするってさ。」
中たえ「どうしてそんな事が解るの?私出来るよ……夏希の為だったら世界だって裏切る…。」
夏希「出来ないよ。」
中たえ「だから……どうして?」
夏希「おたえが私のズッ友だからだよ。」
中たえ「………………あぁ、無理だよ。そんな事言われたら………ズルいよ…夏希……。」
夏希「ズルいのはそっちでしょ!?こんな島ずっと隠しててさ!それにこの公園は何!?」
中たえ「私ね、この島に自分の好きな場所を全部コピーしてる最中なんだ。」
夏希「うぇ!?何それ!?」
中たえ「本物はいつか都市開発とかで無くなっちゃうでしょ?保存して残しておける……立体アルバムみたいな?」
夏希「うひゃぁ……流石"花園家"。まっ、良いや。ちょっと遊んで行こうよ!」
中たえ「そうだね………痛っ…!」
その場に座り込むたえ。木から落ちた衝撃で挫いた足が痛み出したのだ。
夏希「おたえ!怪我してるの!?」
中たえ「うん、ちょっと足首をね…。でも、大丈夫だよ。」
夏希「大丈夫じゃないでしょ。ほら、私が支えてあげる…………みんなの所までちゃんとね。」
中たえ「うん…………………ありがとう………夏希。」
2人は支え合いながら、キャンプ場へと戻って行ったのだった。
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無人島、キャンプ場ーー
リサ「はい、お仕置きの時間だよ♪」
キャンプ場に戻ったたえは再び簀巻きにされ、今まさにお仕置きされる真っ只中。しかし、たえは笑顔だった。
燐子「どうしてお仕置きされるのに笑顔なんでしょうか……。」
リサによるお仕置きが執行されようとした時、友希那が声をあげる。
友希那「その事なんだけど、リサ。今回はこれくらいで良いんじゃないかしら?」
全員「「「えっ!?」」」
あこ「急にどうしたんですか、友希那さん。」
友希那「やらかしたにはやらかしたけれど…今回はいつも被害に遭っている人から進言があったのよ。」
中たえ「あの……今回はごめんなさい。勝手に連れて来て、巻き込んで…反省してます。」
小たえ「たえさんだけのせいじゃないんです。この島のアイデアは私のだし……ごめんなさい。」
中たえ「私、いつもとは違う意味でバレンタインを利用しました。罰はちゃんと受けます……。」
深々と頭を下げる2人。その素直な行動に若干引き気味の勇者部。その理由を知る人物は少ない。
有咲「なんたたえがいつもと違うぞ……。また誰かが変装してるんじゃねーか?」
赤嶺「私じゃないからねー。」
夏希「あの!私は旅行に来れて楽しかったです!沢山遊べましたし。」
日菜「そう言えば……チョコ作りに夢中で旅行の事すっかり忘れてたよ。」
薫「もう良いんじゃないかい?たえちゃん達はちゃんと謝った。誠意は伝わったよ。」
つぐみ「そうですね。」
中たえ「みんな……。」
小たえ「お詫びの印に、私達が御馳走の配達の手配をしておきました。」
あこ「本当!?御馳走って事は……!」
中たえ・小たえ「「満漢全席だよ!」」
中たえ「それからホテルも開けておいたし、温泉も入れるようになってます。」
六花「至れり尽くせりですね。」
彩「やったぁ!それじゃあ、ここからが本当の慰安旅行だね!」
高嶋「楽しもうね、紗夜ちゃん!」
紗夜「そうですね、高嶋さん。」
リサ「今年は邪魔も入らず、良いバレンタインになったね。」
りみ「邪魔……ですか?」
リサ「友希那のファンクラブだよ。毎回捌くのにかなり時間がかかるんだから。」
友希那「いつもありがとう、リサ。これは私からのチョコよ。」
リサ「ありがと、友希那。これは私からだよ。」
友希那「ええ。こんな平和な日がずっと続くと良いわね。」
リサ「そうだね……。」
こうして長いバレンタインの1日は幕を閉じる。そして、それと同時にこの世界で過ごす日々に終わりの足音が近付いていた--