多少なりと独自解釈がありますが、本筋は正史通り進んでいく予定です。
沙綾「逃げて!香澄死んじゃうよ!」
香澄「友達を置いてそんな事絶対にしない!ここでみんなを見捨てたら勇者じゃない!」
香澄「嫌なんだ…誰かが傷つく事や辛い思いをする事は…。」
そんな時香澄のスマホが光り--
桜色の勇者へと姿を変えたのだった。
樹海--
香澄の隣には、ゆりやりみと同じ様に精霊が浮いていた。牛の様な精霊で名前は"牛鬼"である。
香澄「これならいけるかも!」
香澄はそう言いながら"乙女型"バーテックスへパンチを繰り出す。
香澄「効いてる!」
確かに香澄のパンチはバーテックスに効いていた。しかし、すぐさまバーテックスの傷は癒えていく。
香澄「そんな……治っていく…。」
そこへ意識を取り戻した牛込姉妹が香澄の元へ合流する。
香澄「ゆり先輩!どうやってあの怪物をやっつけたらいいんですか⁉︎」
ゆり「バーテックスはダメージを与えても直ぐに復活するの。"封印の儀式"っていう特別な手順を踏まないと絶対に倒せない。」
りみ「お姉ちゃん、封印の手順ってなに?」
りみが尋ねるも、バーテックスは3人に向かって攻撃を始めようとしていた。
ゆり「攻撃を避けながら説明するから、2人共避けながら聴いて!」
直後バーテックスから光球が発射される。
りみ「わっ⁉︎避けながらなんてまた無茶苦茶やー!」
攻撃を避けている様子を沙綾は離れた所で見ている。
沙綾「みんな…香澄……。」
しかし、バーテックスは3人を攻撃しながらも沙綾を捉えていた。
沙綾「っ⁉︎ダメだよ…戦う事なんて…私には出来ない……。」
恐怖が沙綾を硬らせる。
ゆり「封印をする手順その1。まずは敵を囲む。」
ゆりがそう伝えると香澄はバーテックスに向かって行く。直後バーテックスから触手が飛んでくるも、これを何とか躱す。
香澄「位置に着きましたー!」
りみ「こっちも着いたよ、お姉ちゃん。」
香澄とりみがゆりに伝える。
ゆり「よし!それじゃあ封印の儀式行くよ!教えた通りにね!」
3人は右手を空に掲げた。
香澄「えーと確か、手順その2は敵を抑え込む為の祝詞を唱えるんだったっけ。」
スマホには祝詞が書かれている
香澄「えぇーーこれ全部唱えるのー!」
香澄「えっと幽世大神…。」
りみ「憐給…。」
すると目の前に精霊が現れる。
香澄「恵給、幸魂…。」
ゆり「大人しくしろーーー!」
そう気合いでゆりが叫び大剣を振るうと、なんとゆりの前にも精霊が現れたのだった。
香澄・りみ「「えぇーーそんなので良いのーー⁉︎」」
香澄とりみは思わず叫んでしまう。
ゆり「要は魂を込めれば言葉は何だって構わないんだよ!」
りみ「じゃあ先言ってよーお姉ちゃん…。」
その瞬間、バーテックスの周りに花びらが舞い、動きを止めた。そして、頭部の様なところから、逆さまの四角錐が飛び出してきたのだった。
香澄「わっ!何か吐き出した!」
香澄が驚くと、
ゆり「封印すれば"御霊"が剥き出しになる!アレはいわゆる心臓よ!破壊しちゃえば私達の勝ち!」
香澄「なら私が行きます!」
香澄が御霊に向かって飛び出そうとしたその時だった--
?「コワス…ハ…スル…。シン…ヲハカ…スル…。」
香澄(何…今の声……。)
ゆり「香澄ちゃん!ボーッとしてないで早く壊すわよ!」
香澄「え⁉︎りみりん、今何か声が聞こえなかった⁉︎」
りみ「香澄ちゃん、何も聞こえなかったよ。」
香澄(私にしか聞こえなかった…何で?……まぁ今は気にしない!)
気を引き締め直し、再び香澄は御霊へとパンチを繰り出す。
香澄「てやーー!!」
しかし、御霊はビクともせず、
香澄「かたーーーい!!全然ビクともしないよ!」
そんな最中りみが何かに気付いた。
りみ「ねえお姉ちゃん、何かさっきから数字が少しづつ減ってきてるんだけど…。」
ゆり「あぁ、これは私達のパワーの残量だよ。これがゼロになると、アレを抑えきれなくなって倒す事が出来なくなる。」
淡々と答えるゆりに対してりみは狼狽えた。
りみ「えぇーー!それじゃあ…。」
ゆり「そう、バーテックスが神樹様に辿り着くのを黙って見てるしか無くなる。」
そう言うとゆりは御霊に向かって大剣を振り上げる。
ゆり「香澄ちゃん!代わって!」
ゆりの一振りが入るも、相も変わらず御霊には傷一つ付かない。
ゆり「くっ⁉︎なら、私の女子力を込めた渾身の一撃を…受けなさい!!」
そう言うとゆりは高く飛び上がり、落下の勢いをプラスした一撃を御霊にお見舞いした。だが少し御霊に罅が入っただけでまだダメージは足りていない。
その時、ゆりのオキザリスの刻印が一瞬だけ光った事には誰も気付かなかった。次の瞬間、バーテックスが異様な雰囲気を放つと神樹の周囲が枯れ始めたのだ。
りみ「何あれ…。」
香澄「枯れてる…⁉︎」
ゆり「まずい!始まった!」
香澄「ゆり先輩!あれは一体⁉︎」
香澄がゆりに尋ねる。
ゆり「長い時間封印していると樹海が枯れてしまって現実の世界に悪い影響が出てしまうの。早いところ御霊を壊さなくちゃ。」
その頃離れたところで見守っていた沙綾。
沙綾「神樹様…どうかみんなを…香澄を守ってください……。」
戦う力の無い沙綾は只々祈る事しか出来なかった。
香澄「時間が無い…。」
香澄は再び御霊にパンチを繰り出そうと飛び上がる。
香澄「はぁぁぁぁっ!!」
香澄の脳裏に勇者部のメンバーが思い浮かんでくる。
香澄(怖い…痛い……でも…。)
そして浮かんでくる勇者部での思い出--
香澄(大切な、あの日常を守る為に…。)
香澄「大丈夫!出来る!」
香澄の右手に精霊が宿り、山桜の刻印が光りだす--
香澄「とりゃあぁぁぁぁぁーーーー!!!」
御霊にパンチが当たった瞬間、粉々に砕け散りそのまま光となり空に昇っていった。
香澄「どうだぁぁぁーー!!」
刹那、バーテックスの体が砂になって崩れていった。
ゆり・りみ「「香澄ちゃん!!」」
2人が香澄へと駆け寄った。
ゆり「よく頑張ったね香澄ちゃん。」
ゆりが香澄の右手を取り賛辞を送ると、
香澄「痛たたたぁぁ!!やっぱ硬かったよーーー。」
痛がりながらも終わった安堵からか笑顔が溢れていた。
沙綾「良かった…みんな無事だった……。」
沙綾もホッとした様子で胸を撫で下ろしたのだった。
樹海が揺れ始める--
御役目が終わった事により樹海化が解け、元の世界へと戻っていく--
花咲川中学、屋上--
気がつくと4人は花咲川中学の屋上に立っていた。
香澄「あっ、さーや大丈夫?怪我は無かった?」
香澄が沙綾に聞くと、
沙綾「私は大丈夫だよ。香澄の方こそ大丈夫だった?」
香澄「うん、もう安全だよ。ですよね、ゆり先輩。」
ゆり「うん、もう大丈夫。見て。」
屋上からは元の世界が広がっていた。
りみ「みんな今日の出来事には気付いてないんだよね、お姉ちゃん。」
ゆり「そうだね。他人からすれば今日は普通の平日。私達で守ったんだよ、この日常を。」
3人が思い思いに耽っている中で続けてゆりが言う。
ゆり「あっ、因みに世界の時は止まったまんまだったから、今の時間は授業の真っ最中だよ(笑)」
香澄・沙綾・りみ「「「えっ……⁉︎」」」
香澄・沙綾・りみ「「「えぇぇぇーーーー!!」」」
ゆり「まぁ、大赦に連絡して何とかしてもらいましょう。りみ、怪我は無かった?」
りみ「うん!お姉ちゃんは何とも無い?」
ゆり「もちろん!」
りみ「うぅ…めっちゃ怖かったよぉお姉ちゃん……もう訳分かんないよ…。」
無事に帰れた安堵からかゆりに抱きつき泣くりみ。
ゆり「よしよし、良くやったね。冷蔵庫にあるチョココロネ食べていいから。」
ゆり「あれ元々私のだよぉお姉ちゃんーー!」
姉妹で抱き合っている中、香澄と沙綾は別々に考えている事があった。
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?「コワス…ハ…スル…。シン…ヲハカ…スル…。」
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香澄(あの声は一体何だったんだろう…?)
沙綾(香澄と樹海へ行った時のあの感じは…私の記憶が無い事と何か……?)