最後には外伝二部から登場する新たな人物も--
本編が終了したという事もあり、特別章や外伝で登場したキャラクター達や用語の情報を載せて参ります。
〈赤嶺香澄〉
・羽丘中学2年生 誕生日10月8日
・勇者装束:赤
・勇者装束モチーフ:稲
・勇者武器:天の逆手
・精霊:山本五郎左衛門(特別章)
特別章より勇者部として参戦する。香澄の名に能わず明るくコミュニケーション能力も高い。しかし、御役目となると、周りを見て状況判断をする冷静さも持ち合わせている。
中立神の試練の際は防人組と一緒に別空間へ飛ばされてしまい、そこで半年間行動を共にしていく中でお互いに仲を深めていった。
趣味はストリートダンスとトレーニングであり、何かとすぐに筋肉の話をしたがり、その際はかなりの饒舌になる。
精霊は山本五郎左衛門。防人組が手も足も出なかった"蟷螂型"を勇者パンチ1つで消滅させてしまう程の力を持っている。その力は一種の呪いの力で、天の逆手同様、天の神に対する呪詛により、バーテックスに対して絶大なる力を誇る。その一方で、その力の大きさから長時間の憑依は難しく、身体を鍛えている赤嶺ですら、短時間しか憑依させる事が出来ず、解除後は疲労が蓄積されてしまう。
特別章では赤嶺の口から神世紀72年の詳細な出来事が語られる事になる。神世紀71年、赤嶺は"勇者"としてではなく、"鏑矢"として羽丘中学に編入する。そこで同じく鏑矢として選ばれた氷河つぐみと2人の巫女である朝日六花と出会った。
鏑矢として修行をしていく中で、赤嶺とつぐみは西暦の終末戦争を生き抜き、伝説の勇者として崇められていた花園友希那からも指導を受ける。
そして迎えた神世紀72年。大規模なテロを鎮圧するべく、赤嶺は集まっていた首謀者達をその手で次々と鎮めて行くが、完了間際につぐみが子供に手を下す事を躊躇ってしまう。それでも赤嶺は御役目として、私情を捨て去り御役目を完遂。赤嶺家はその後大赦の地位を上げていく事になった。
たえによる心理テストの結果、他の2人の香澄達と共通点は余り多くなく、中身、特に他人との関係における自分の在り方が共通している事が分かった。たえはこれも香澄が持つ"因子"が関係しているのではないかと推測している。
中盤、造反神でも作り上げる事が出来なかった新たなバーテックスである"凶行型"が現れ、精霊や動きを封じる力に為す術もなく、戦闘不能になってしまう。トドメを刺される寸前、"凶行型"が不完全だった為、消滅し難を逃れた。
終盤、全員の絆の力により勇者達全員が満開。全員の力が合わさった勇者パンチにより中立神が送り込んできたバーテックスを鎮め御役目を成し遂げ、元の時代へと帰っていった。
〈氷河つぐみ〉
・羽丘中学2年生 誕生日1月7日
・勇者装束:白
・勇者装束モチーフ:カサブランカ
・勇者武器:精霊刀
・精霊:玉藻前(特別章)
特別章中盤より参戦。赤嶺と同じく神世紀72年から召喚された"鏑矢"の1人であり、防人の氷河日菜の先祖でもある。とある理由により氷河家の汚名を払拭する為に養子であり、旧姓は羽沢。"鏑矢"として赤嶺、六花と共に神世紀72年の大規模テロを鎮圧するが、完遂一方手前で子供を手にかける事に躊躇してしまう。この事が切っ掛けとなり徐々に赤嶺家との地位に差が開いていってしまい、最終的に氷河家が没落してしまう遠因となってしまう。
同じ鏑矢である赤嶺に何かとライバル意識を感じており勝負をしたがるので、常に赤嶺の体調管理に気を使っており、元の時代では赤嶺の食事は全てつぐみが管理していた程。
"鏑矢"としての鍛錬で西暦の終末戦争を生き抜いた伝説の勇者、花園友希那から教えを受けており、太刀筋が若干友希那と似ている。
武器の精霊刀は通常では刀身が無いのだが、戦闘時になると出現し、進化型のバーテックス程度は一刀両断する事が出来る。1番の大きな特徴は、他の勇者が持つ精霊の力を吸収、刃に投影する事で様々な能力を模倣出来る。
精霊は"玉藻前"。所謂九尾の妖狐であり、高嶋が持つ"酒呑童子"、友希那の"大天狗"同様三大妖怪に数えられる大妖怪であり、その名に恥じぬ強力な力を備えている。その力は香澄達が持つ天の逆手とはまた違った呪詛、呪いの一種であり、その力を受けたバーテックスは跡形もなく一瞬で消滅してしまう。また、九つの尾から狐火を放つ事も可能で、作中では狐火を巨大な火の玉にし、それを赤嶺が蹴る事で広範囲を焼け野原にしている。
特別章の中盤、赤嶺が神世紀72年の顛末を話し終えた後に巫女である朝日六花と共に召喚される。子孫である日菜と出会うも、物怖じせずに、出会ってすぐに手作りのクッキーを周りに振る舞った。
最初は子孫である日菜とは全然違うと勇者部一同から驚かれるが、氷河家の名に恥じぬ強い使命感は相変わらずであり、大食い大会の際は、率先して手を挙げ出場を決意するも、実際は小食であり、勇者部一同を驚かせている。
しかし御役目になると、打って変わって赤嶺との息の合ったコンビネーションを見せており、そのコンビネーションを遺憾なく発揮して御役目完了に貢献する。
終盤、全員の絆の力により勇者達全員が満開。全員の力が合わさった勇者パンチにより中立神が送り込んできたバーテックスを鎮め御役目を成し遂げ、元の時代へと帰っていった。
天の神が倒され、全てが終わってから15年後、新しく大赦のトップとなった花園たえ達の尽力により、氷河家は歴史から抹消されていた氷川家と共にその地位を取り戻し、英霊之碑にその家名が刻まれ、夢は果たされる事となった。
〈朝日六花〉
・羽丘中学3年生 誕生日7月17日
・巫女
赤嶺とつぐみより1つ年上であり、2人のまとめ役でもある。普段は丁寧な口調で話しているが、興奮したりするとかつて住んでいた場所の言葉である岐阜弁が出る時がある。
平和が続いていた神世紀生まれではあるが、巫女としての力は高く、赤嶺達"鏑矢"の巫女として神世紀72年の大規模テロ鎮圧に貢献した。
この時代の巫女としての仕事は神事で御祓いをしたり祭事的な側面が強かったが、"鏑矢"の巫女としては神樹の力を"鏑矢"に付与させ、それを矢に見立てて物理的に相手を粛清する事を請け負っている。この力を受けた者は昏睡状態に陥り、そこから目が覚めるか、永遠の眠りにつくかは神樹が決める。
暗殺の様な御役目にも割り切っている節があり、感情を優先してしまったつぐみに対しても何も言わず、その後の御役目も真っ当し、大赦でもそれなりの地位についており石碑にも家名が刻まれている。
特別章の中盤、赤嶺が神世紀72年の顛末を話し終えた後に、鏑矢である氷河つぐみと共に召喚される。
頭がきれる人物でもあり、バレンタインの際はたえ達が決めたルールの穴を突き、バラエティパックを持ってくるという奇策を打ち他の人達を驚かせたり、勇者部でパーティを行った時は勇者達を"騙された事よりも、疑った自分の気持ちを恥じる人達"と的確に分析しているが、これも全ては元の世界での御役目で培った観察力である。
また勇者部の催し物として闇鍋を提案するなどユーモアも持ち合わせているが、その時はそれが仇となりりみの料理の餌食となってしまった。
〈鏑矢〉
神世紀72年、バーテックスが出現しなくなり、勇者システムが封印されていた事もあって本当の意味での勇者は存在しなかった。その中で神樹から力を授かった勇者に近しい者は存在。それが鏑矢である。
その役目は"対人用の勇者"。世界の平和を脅かす人間を人知れずに討伐する、スパイ等と同じ役目である。鏑矢に力を振るわれた人間は昏睡状態に陥り、直接死ぬ事はないが、そこから助かるのか神罰が下るのかは神樹次第である。
また、その職務柄のため勇者のように目立つ装束は存在せず、代わりとして着ている制服に仕事着としての機能が備わっている。
英霊之碑には勇者達の名と並んで家名が刻まれているので、勇者と同じ様に扱われ、それに準ずる功績は残していた。
〈凶攻型〉
中立神が偶然他の時代から異世界にやって来た"ノロ"と呼ばれる物質をバーテックスと掛け合わせる事で作り上げた異質のバーテックス。通称"レクイエム・フォルテ"。
その姿は非常に濃いノロにより真っ黒な身体で、中心に赤い核が備わっている悪魔にも似た姿。赤嶺や造反神も以前の御役目で似たようなバーテックスを作り上げようとしたが、断念してしまう程。
負の神和性を持つノロに身体が覆われているので、勇者達の攻撃が殆ど効かず核から発射されるレーザーや光撃で幾度となく勇者達を苦しめ、最初に姿を見せた際は不完全ながらも香澄や赤嶺等の強者達を戦闘不能寸前まで追い詰めている。
特筆すべき1番の能力が"精霊の力を封じる事"と"身体の動きを止める事"。前者の力により、精霊を憑依させて戦う事が出来ずその力の前では精霊バリアですら無意味なものとなってしまう。一方でこの2つの力を同時に使う事は出来ず、また"満開"は封じる事が出来ない。そしてもう一つ、"鎮花の儀"が通用すると言う点。この力を使って勇者達は"凶攻型"を倒す為の切り札である"ヤチホコ"の完成までの時間を稼いだ。
終盤、同時に3体の"凶攻型"が現れるも、"ヤチホコ"を起動させる事に成功した勇者達はその力で"凶攻型"を退けるのでは無く倒す事に成功。最終的には再び異世界にやって来た刀使達によって、この異世界に残っていたノロを全て回収された事で完全に消滅する。
〈
特別章終盤で登場した勇者達の武器。ゴールドタワーの一室に作られ、巫女の祈りを樹海に送り、その力でバーテックスを弱体化させる力を持つ。"鎮花の儀"で撤退させるしか"凶攻型"を倒せない勇者達の為にたえとリサが大赦と協力して作り上げた。
その名前は大国主が持つ矛の名前から取られており、文字通りに"凶攻型"を倒す決定打を作った矛となった。
当初は巫女の祈りを異なる時間である樹海に届ける負荷が巫女達にかかり友希那始め勇者達は使う事を躊躇っていたが、巫女達の自分達も戦いたいと言う願いを聞きいれる。
起動方法は樹海にいる勇者とゴールドタワーにいる巫女が、エネルギー充填が完了した際に同時に起動スイッチを押す事で、溜められた祈りの力が樹海に降り注がれる。その力は凄まじいものであり、巫女達にかかる負担は大きいが、バーテックスの動きを鈍化させ"凶攻型"に至ってはノロが中和され、大幅に弱体化し身体の色が白くなる程。
その後は改良が重ねられ、エネルギー充填までの時間が短縮され、巫女にかかる負担も若干少なくなっている。
〈戸山明日香〉
・中学3年生
・巫女
西暦時代の巫女の1人であり、"7.30天災"の際にあこと燐子を勇者として見出した巫女。
"7.30天災"当日はあこ一家と一緒にキャンプに来ており、帰りの車中で巻き込まれる。避難所に行く際に神樹からの神託を受け取った明日香は車を飛び出し、それを見たあこも跡を追って飛び出した。そして何かに導かれる様に古びた神社に辿り着き、そこに奉納されていた旋刃盤をあこが手に取って勇者として覚醒する。
その後もう一つの気配を辿ろうとするも、途中で足を挫いてしまい、その役目をあこに託した。その際にあこが出会ったのが燐子である。
燐子達と合流した明日香は避難所である小学校に辿り着くも、既にそこはバーテックスに襲撃された跡であった。両親を亡くしてしまうものの、弟だけは生き延びており再会するが、弟は天空恐怖症候群に陥ってしまう。
そこで約1週間程立て篭り、やがて大社から神官がやって来て2人は勇者として、自身は巫女として大社へ赴く事になる。
それからは年に一度は2人に会うようにしており、親睦会も兼ねて丸亀城の勇者達と巫女とでお花見を企画するが、その少し前に2人が"完成型"との戦いで戦死してしまう。
放心状態になった明日香だったが、巴からの叱責やリサが連れてってくれた病院で天空恐怖症候群から回復しつつある弟の頑張りを見て前を向いて生きていく事を決めた。
その後、かつて燐子から貰った小説の一文を見た事が切っ掛けとなり、丸亀城へ向かい殆ど手付かずだった燐子の遺品を整理する。そこで明日香は燐子が密かに研究していた精霊に関するノートを発見した。このノートが後の勇者システムに生かされていく事となる。
大社にそのノートを託した夜、明日香は2人と一緒の時間を積み重ねていく夢を見る。目が覚めた後、明日香は前を向いて歩くのではなく、2人を失った悲しみを抱いたまま進んでいく事を心に決めるのだった。
その後は元の生活に戻り、巴が大雨の中紗夜の自宅へ行くと飛び出そうとした際は巴にあこの形見であるレインウェアとブーツ、そしてもしもの時の為のお金を巴に託し、外へ出る為の時間稼ぎをした。
奉火祭が行われようとした際、当初明日香も供物となる筈だったのだが、巫女の1人である麻里恵からあこと燐子の勇姿を語り継ぐ役目があると諭され、供物の為の6人の巫女から外れる事となる。
奉火祭が終わった後、リサの大赦掌握計画に賛同し、協力。リサを大赦のトップに立たせるべく尽力した。
外伝2部では、大赦のトップとなったリサの指示の元、巴と共に"香澄"の名を持つ芙蓉と倉田の2人を監視する役目を担う。その中で仕方ないとは言え抹消された勇者である氷川紗夜の事を思う描写もみられ2人の行く末を神樹に祈った。
その後は2人を壁の上まで連れて行くヘリコプターの中で2人の香澄と邂逅。無茶をする倉田をかつての巴と重ねていた。
〈宇田川巴〉
・中学2年生 誕生日4月15日
・巫女
西暦時代の大社の巫女の1人であり、"7.30天災"の際に紗夜を勇者として見出した巫女。実家は小さな神社であり、その為宗教的な事柄に詳しく、大社の事を"歪な組織"であると評し快く思っていない。父親も大社の神官であるが、要職には就いていない。
過去に海で溺れ死にかけた事が切っ掛けで身体が弱く、更に水恐怖症になってしまった為、大社での滝行を特例で免除されている。
"7.30天災"当日、神託に導かれ自転車を走らせる巴は古びた神社で錆びた鎌を持ち、涙を流している少女に出会う。この少女こそが紗夜であり、その美しさに見惚れてしまう。巴の姿を見た紗夜は偶然ながらも巴の名前を口にする。それ以来巴は紗夜を神様だと慕うようになるが、これ以来紗夜とは一度も顔を合わせていない。
丸亀城からリサが来る時は必ずといっていい程リサから紗夜の情報を聞き、紗夜がやった事と同じ事をしたりしている。
明日香が花見の計画を立てた際は紗夜に手料理を振る舞う為に、明日香と一緒に料理の練習をするが、直後の御役目であこと燐子が戦死し花見は中止になってしまう。
放心状態の明日香を見た巴は、前を向いて生きるようにと明日香を叱責する。しかし、紗夜の精神状態が不安定となり、大社は紗夜を故郷で療養させる事を提案。紗夜が故郷で酷い仕打ちを受けている事を知っていた巴はそれに猛反発するも、子供の訴えだと大社は耳を貸さず巴は別棟に隔離されてしまう。そこでも必死で止めるよう訴える巴だったが、聞き入れられる事無く、更に巴の予想通り紗夜は友希那を殺そうとする凶行に走ってしまう。
勇者システムを剥奪された事で紗夜は戦線に出ないと分かり安堵する巴。隔離も終わり普段の日常が戻る筈だったが、直後巴に舞い込んできたのは紗夜が戦死したという悲しい事実だった。
紗夜の死を知らせる為にやって来たリサに、大社の歪さやこのままでは友希那が紗夜と同じ道を辿る事を説き、リサが大社を掌握させる為の切っ掛けを植え付ける。そして葬儀が実家で個人的に行われると知った巴は、独断で遺体を引き取るべく大社を離脱し大雨の中紗夜の実家へ向かった。ところが実家が目と鼻の先という所で道路が浸水して先に進めなくなってしまう。一時は紗夜に背中を向けてしまう巴だったが、もし死んでしまっても紗夜と同じ所へ行けると躍起し水の中を進み実家へ辿り着く。
実家で紗夜の遺体を一方的に引き取った巴は、言いがかりをつけて来た紗夜の父親を酒瓶で殴り、実家へ帰ろうとするもそこへ詩船が車でやって来て実家まで乗せてもらう。そして実家の神社で紗夜の葬儀をし埋葬。一面には真っ赤な彼岸花を、紗夜が眠っている場所には白い彼岸花を植え、いつまでも紗夜の巫女であり、味方だと呟きずっと傍にいる事を誓った。
その後は静かに紗夜の側で暮らしていたのだが、詩船から巴がいる場所を聞いたリサがやって来る。リサから大社を掌握する決意を聞いた巴は"紗夜を奪わない事"と"どんな形でも紗夜が生きた証を残す事"を条件に大赦に復帰、リサの大赦掌握に貢献する。その際父親にも協力するよう伝えた。
外伝2部では、大赦のトップとなったリサの指示の元、明日香と共に"香澄"の名を持つ芙蓉と倉田の2人を監視する役目を担う。抹消された勇者である紗夜の事を聞かれた際は皆が忘れてしまっても自分がいつまでも憶えていると、今でも紗夜の事を大切に思っている。
その後は2人を壁の上まで連れて行くヘリコプターの中で2人の香澄と邂逅。無茶をする倉田をかつての自分と重ねていた。
〈都築詩船〉
・年齢不詳
・元巫女、大社神官
西暦時代の大社の元巫女、現神官であり、"7.30天災"の際に高嶋香澄を勇者として見出した。その過去は高嶋同様謎に包まれており、自身の口からは車で高嶋を乗せた事があると言っているのみ。また、かつてリサに恩があるのか、リサには逆らえない節が見られる。
西暦2019年時では大社神官であり、巫女達の先生として教鞭を取りながら大社に勤めている。何かと感情を表にする事は無く、冷静に物事を見極めている為か大社内には詩船を快く思っていない神官もいるが、巫女達には慕われており、親睦を深める為に明日香が提案した花見もすんなり許可している。
別棟に隔離されている巴の元を訪れた際は、巴からトロッコ問題を引き合いに出しつつ"市民の命より、紗夜の命の方が重い"事を訴える巴に対し"価値の低い者を守る為に、価値の高い者が犠牲になる事は、勇者の戦いの意義が揺るがされかねない"と指摘する場面もあった。
紗夜の死後、葬儀が実家で行われると知った巴に対し、密かに引っ越し先の住所を教えたり、遺体を抱えた巴を実家に送り届ける等、巫女の味方として動いている場面が多く見受けられる。
リサが大赦を掌握する際は前述の恩からリサに協力、巴の父親と共にリサの為に尽力した。その際、それでも従わない神官に対しリサを怒らせたら友希那が黙ってないと釘を刺す。
第2部では姿を見せなかったが、第3部では主要人物として登場。実は高嶋香澄を見出した巫女では無く、ただの一般人である。
考古学研究の為奈良に赴いていた際に"7.30天災"に遭い、突如現れた星屑に襲われていたところを高嶋友奈と和奏レイに助けられた。単純な二人への興味から生き残った者たちと一緒に、バスを使い安全だと噂されている四国への避難の旅が始まった。
道中星屑を避けていく為に、バスは大幅な回り道をするも順調に移動していたが、いつ襲われるかもしれないという不安、中々目的地に辿り着かない憤り、そして尽きかける食糧、他の生存者たちは徐々に憔悴しきっていた。
そんな中、休憩中に母親が連れていた子供が行方不明になってしまう。他の生存者たちが見捨てて先へ進めと迫る中、香澄とレイは見つかるまで探すと宣言。声を上げる生存者たちを詩船は言葉上手く収めるのだった。
子供も無事に見つかり、再びバスを走らせる中突如何人かの生存者たちが"天空恐怖症候群"を発症し、車内は一時パニックに陥るも、これも詩船は力づくで沈めてしまう。そしてここに至るまでにレイは詩船の内に秘める狂気に気付き始めていた。
何度目かの休憩中、レイが不満を募らせた生存者たちから暴行を受けてしまう。最初はレイがどう切り抜けるか様子を見ていた詩船だったが、最後まで抵抗せず暴力を止めるよう訴え続けていたレイを見て、自分と対極にいる者として排除しなければならないという考えに至る。取り敢えずその場は、ナイフを使い強引に事を納め、耳を切り落とした首謀者を強引に別の車に乗せ何処かへ走らせてしまう。
数十分後、帰ってくると一緒に連れていた首謀者が"天空恐怖症候群"を発症していた。再びバスを走らせる。その異様な状況に香澄とレイは詩船に問い詰めるが、詩船は無視してバスのスピードを上げ、レイをあまりにも普通過ぎると吐き捨て真実を告げる。詩船は実験と称してこれまで何人かの生存者たちを使って、星屑にわざと追い詰められ"天空恐怖症候群"を故意に発症させていたのである。
その事を知り、バスを止めるよう詩船に言うも、詩船はますますバスのスピードを上げ、他の生存者たちとレイを四国へ置いたら香澄と二人で変わり果ててしまった世界を旅し続けると宣言。だが、香澄がバスのブレーキを踏みバスは停止。詩船を力づくで屈服させる為香澄は戦いを挑むが、人を傷付ける事が出来ない香澄は詩船に制されてしまう。
そのまま詩船はレイも制し拘束するが、機転を効かせたレイにボールペンで手痛い反撃を食らってしまい降参を宣言。四国へとバスを走らせた。
四国が目前に迫ったしまなみ街道で詩船を待っていたリサたち大社と邂逅。話を聞くが、詩船はたとえ今は安全な四国でも、近い将来に四国も星屑に襲われるだろうという事、そしてそこで香澄は再び戦わなければならなくなってしまう事をリサに問う。否定しないリサに対しレイは拒否を示すも、詩船はリサに一つの提案をする。それは自身が香澄を見出した巫女だと偽ることでレイをこの状況から離脱させる事だった。
当然反論するレイだったが、これまでの経験から詩船はレイが大社の方針には従えないだろうという事が分かっていた。そして香澄は星屑を倒す事が出来る唯一の存在、人を守りたいと願い、それを可能にする力がある香澄は大社に加わるだろうという事も詩船は見抜いていた。詩船リサに頭を下げ、何よりも普通を願い生きてきたレイを素晴らしい人間であり、自分が成りたかった人間だと言い香澄と二人で大社の軍門に降ったのだった。
この時の大きな借りの為、詩船はリサに逆らう事が出来ず、外伝1部へと繋がっていく。
外伝後日談では、香澄の訃報を知らせにレイの元へ訪れ、久方ぶりにレイと再会。レ当時より大分丸くなったものの、詩船が下した判断は今でも間違っていると言うレイに対しても飄々とした態度で接していた。
そこへレイをインタビューしに来た芙蓉香澄と倉田ましろと邂逅。レイに高嶋香澄を見出した巫女である事を話され、インタビューの矛先が詩船に向いてしまい、詩船は話題に上がっていた2人の香澄の名前の由来を説明した。
数時間のインタビューの後2人が帰り、帰る詩船を見送るレイに詩船は一つ尋ねた。今は幸せかと。レイは幸せだと答え、詩船は自分があの時選択した事は間違いなかったと、レイの生き方が好きだと言い去るのだった。
〈豊崎麻里恵、日野光、鈴木佳奈子、仁藤史織、海老沢成美、真木園水〉
・巫女
大社の巫女であり、奉火祭で生贄になった6人の巫女達。麻里恵は高校2年生、光は中学1年生、佳奈子と史織は中学3年生、成美と園水は中学2年生である。
奉火祭で生贄になる筈だったリサと明日香を勇者の巫女として後世に語り継がせる役目があると諭し、代わりに生贄となった。
尊い犠牲により、願いは聞き届けられ束の間の平和を掴み取るものの、その犠牲はリサを大赦掌握へと突き動かす事となる。
名前の元ネタは全員香澄達のクラスメイトから取られている。
〈芙蓉香澄〉
外伝第2部に登場する人物。終末戦争が終わり平和になった世界で誕生した4人目の香澄(時系列で並び替えれば彼女が2番目)。バーテックスも勇者も存在しなくなった世界で彼女が見たものは何なのかーー