戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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設定上香澄達は中学生であり、りみは香澄と沙綾の1学年下になります。



言葉使い、性格異なるかもしれませんが生暖かい目で見守ってください。




守る為のチカラ

 

"乙女型"を倒した次の日の放課後--

 

クラスメイトA「知ってる?隣町で交通事故があった事。」

 

クラスメイトB「えっ?あの2、3人怪我したって奴?」

 

クラスメイトA「そうそう、私その時近くに居たからびっくりしちゃった。」

 

そんな会話を気にとめながら、香澄は沙綾と部室へと脚を運んだ。

 

 

 

 

 

 

勇者部部室--

 

りみ「その子香澄ちゃんに懐いてるよね。」

 

香澄「でしょー牛鬼って言うんだー。」

 

りみ「可愛いねー。」

 

香澄「ビーフジャーキーが好物なんだよ。」

 

りみ「えっ⁉︎牛なのに?」

 

そんな他愛もない会話していると、ゆりが話を切り出した。

 

ゆり「さてと、みんな無事で何よりだったよ。早速だけど昨日の事を色々説明していくね。」

 

香澄・沙綾「「宜しくお願いします。」」

 

ゆり「戦い方はアプリに説明ソフトがあるから、今回はなぜ戦うかって言う事を説明するね。」

 

そう言うとゆりは黒板に絵を描きだしていった。

 

ゆり「これがバーテックス。人類の敵が壁を越えて12体攻めてくる事が神樹様のお告げで分かったの。目的は神樹様の破壊。以前にも襲ってきた事があったみたいなんだけど、その時は追い返すのが精一杯だったみたい。」

 

淡々とゆりが説明していく中で沙綾は違う点を考えていた。

 

沙綾(以前にも……。)

 

ゆりの説明は続く。

 

ゆり「そこで大赦が作ったのが神樹様の力を借りて勇者と呼ばれる姿に変身するシステム。人智を超えた力には同じ力で対抗したって事だね。注意事項として、樹海が何かしらダメージを受けると、その分日常に戻った際に何らかの災いとなって現れると言われているんだよ。」

 

その説明を聞いた時、香澄は放課後の話を思い出した。

 

 

ーーー

ーー

 

 

クラスメイトA「知ってる?隣町で交通事故があった事。」

 

クラスメイトB「えっ?あの2、3人怪我したって奴?」

 

クラスメイトA「そうそう、私その時近くに居たからびっくりしちゃった。」

 

 

ーー

ーーー

 

 

ゆり「派手に破壊されて大惨事なんて事にならないように、私達勇者部が頑張らないといけないの。」

 

一頻りの説明が終わったところで沙綾が口を開く。

 

沙綾「その勇者部もゆり先輩が意図的に集めたって事で良いんですよね?」

 

ゆり「そう…。適正値が高い人は分かってたから……。私は神樹様をお奉りしてる大赦から使命を受けているの。この地域の担当として。」

 

りみ「知らなかった……お姉ちゃんがそんな事をしてたなんて…。」

 

ゆり「黙っててごめんね、りみ。」

 

香澄「敵は次いつ来るんですか?」

 

ゆり「明日かもしれないし、1週間後かもしれない。そう遠くないはずだよ。」

 

沙綾「どうして……。何でもっと早く勇者部の本当の意味を教えてくれなかったんですか?香澄もりみりんも死ぬかも知れなかったんですよ!?」

 

沙綾がゆりに声を荒げて言った。

 

ゆり「ごめんなさい……。でも勇者の適性が高くてもどのチームが神樹様に選ばれるのか、敵が来るまで分からないんだ。むしろ変身しなくて済む確率の方がよっぽど高くて……。」

 

香澄「そっか。各地で同じ様な勇者候補生が沢山いるんですね。」

 

ゆり「そう、人類存亡の一大事だから。」

 

沙綾「こんな事、ずっと黙ってたんですか…。」

 

そう言うと、沙綾は部室から出てってしまった。

 

香澄「あっ、私追いかけてきます。」

 

すぐ後に香澄が追いかけて出て行った。

 

 

 

 

 

 

渡り廊下--

 

沙綾を探す事数分、香澄は渡り廊下で沙綾を見つける。香澄が差し出した手には缶ジュースが握られていた。

 

香澄「はい、私の奢りだよ。」

 

沙綾「でも、そんな奢ってもらう理由なんて…。」

 

香澄「あるよ。だってさっき、さーや私の分まで怒ってくれたから。」

 

沙綾「ありがとね、香澄。何だか香澄が眩しく見えるよ。」

 

香澄「えっ、どうして?」

 

沙綾「私、昨日ずっとモヤモヤしてたんだ…。このまま変身出来なかったら私は勇者部の足手まといになるんじゃないかって…。」

 

香澄「そんな事ないよ、さーや。」

 

沙綾「だからさっき怒った事も、そのモヤモヤを先輩にぶつけてた事もあって…。私悪い事言っちゃった……。ねぇ、香澄は大事な事を隠されて怒ってないの?」

 

香澄「それは、驚きはしたけど…。でも嬉しかったよ。だってその適性のお陰でゆり先輩やりみりんに会えたんだから。」

 

沙綾は少し考え再び話し始めた。

 

沙綾「私は中学に入る前に事故で足が全く動かなくなって…。記憶も少し飛んじゃってて学校生活を送るのが怖かったけど、香澄がいたから不安が消えて、勇者部に誘われてから学校生活がもっと楽しくなって……。そう考えると適性に感謝しないとかもね。」

 

香澄「うん!これからも楽しくなるよ。ちょっと大変なミッションが増えるだけで。」

 

そう笑いながら2人は謝る為に部室に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

一方その頃部室に残っていた2人は。

 

ゆり「えっとー、説明が足りなくてごめんね。……流石に軽すぎて怒っちゃうかなぁ…。」

 

ゆりは自分の精霊の犬神を相手に謝る練習をしていた。

 

りみ「大丈夫だよ、お姉ちゃん。心を込めて謝ればきっと大丈夫だよ。」

 

その時、スマホから再びアラームが鳴り響いた--

 

 

 

再度世界の端から空が割れ--

 

 

 

虹色の光が世界を侵食していく--

 

 

 

 

闇の向こうから現れたバーテックスは3体--

 

 

 

 

 

 

 

樹海--

 

ゆり「3体同時に来るなんて……。」

 

りみ「どうしよう、お姉ちゃん。」

 

姉妹が話している中、香澄はスマホの中アプリを起動して勇者の衣装を身に纏う。右手の甲には山桜の刻印。香澄は武器は持たずに拳でバーテックスと戦っていくスタイルだ。

 

香澄「さーや、待っててね。倒してくるから。」

 

沙綾「待って!私も…。」

 

しかしその瞬間、沙綾の頭に先日のバーテックスとの戦いがフラッシュバックしスマホを持つ手が震え出す。

 

香澄「大丈夫だよ、さーや。」

 

沙綾「香澄……。」

 

香澄「行ってくるね。」

 

香澄はスマホを確認する。手前の2体が"蟹型"と"蠍型"で奥が"射手型"と表示されている。

 

ゆり「遠くの奴は放っておいて、手前の2体をまとめて封印の儀に行きましょう。」

 

ゆりが2人に指示を出した時、奥の"射手型"の上口から長い針を作り出しゆりとりみの2人に向かって発射してきた。

 

ゆり「わっ⁉︎」

 

りみ「大丈夫⁉︎お姉ちゃん!」

 

2人は躱すも、すぐさま今度は下口から無数の小さな針を発射してきたのだ。

 

りみ「い、いっぱい来たーーーー!!」

 

香澄(射ってくる奴を何とかしないと…。)

 

香澄が"射手型"に向かったのを見た"蟹型"は、方向転換しながら自身の周りに板状の物を生み出した。そして"射手型"が射った針をその板で反射させ香澄を狙ってきたのである。

 

ゆり「まずい!」

 

りみ「香澄ちゃん!危ない!!」

 

香澄「っ⁉︎わわわわわーーーー!!!!」

 

何とか躱し、着地するもすぐさま今度は"蠍型"が尻尾の針で香澄に襲い掛かってきた。針に押され空中に上がった香澄だが、牛鬼が攻撃を防いでくれていた。しかし、そこから落とされ、空中で振り回された尻尾に吹き飛ばされてしまう。

 

香澄「きゃあっ⁉︎」

 

ゆり「早く助けに!うっ⁉︎」

 

助けに行こうとするも、"蟹型"と"射手型"の反射攻撃によって中々香澄を助ける事が出来ないでいた。

 

ゆり(何てコンビネーション…。まるでバーテックスが意思を持っているかの様な……。)

 

沙綾「あっ、香澄!!」

 

そんな最中、沙綾の5m程手前に香澄が吹っ飛ばされてきた。"蠍型"がトドメを刺そうと針を刺してくるが牛鬼が香澄を守ってくれている。

 

沙綾「っ……!」

 

沙綾は再び思い出す。香澄と初めて会った日の事を--

 

 

ーーー

ーー

 

 

香澄「新しいお隣さんだ!年が同じなら同じ中学になるよね!私は戸山香澄。宜しくね。あっそうだ!この辺まだよく分からないでしょ。何だったら案内するよ!任せてー!」

 

 

ーー

---

 

 

沙綾「やめて…。やめて……!」

 

 

 

 

沙綾「香澄を虐めないでえぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 

叫び声に気付いた"蠍型"が沙綾に向かって攻撃してくる--

 

 

 

 

しかし--

 

 

 

 

バチバチと青い閃光を放ちながら沙綾のスマホから現れた精霊が守っていた。

 

沙綾「私、いつも香澄に守られてばっかりだった…。」

 

香澄「さー…や……。」

 

沙綾「だから今度は私が勇者になって……。」

 

沙綾「香澄を守る!!」

 

 

 

沙綾のスマホから光が溢れる--

 

 

 

青い勇者の衣装を身に纏い、左胸には朝顔の刻印、そして動かない足の為に補助パーツが付いている。

 

香澄「さーや、綺麗……。」

 

その姿は戦闘の痛みを一瞬でも忘れてしまう程の美しさを放っていた。

 

 

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