それはありえたかもしれないもしもの話--
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花咲川中学教室--
たえ「おはよー。」
たえがいつものようにドアを開けるとそこには--
香澄「いらっしゃいませ、たえお嬢様。」
たえ「あれ、香澄と有咲?」
そこはいつもの教室ではなかった--
有咲「ここは勇者バーです。私たちが接客致します。」
たえ「ほうほう。」
香澄「お客様、ご指名は誰になさいますか?」
たえ「何か面白そうな展開だー。じゃあ沙綾で。」
たえが言い放つとすぐさま沙綾が出てきた。
沙綾「こんにちは、おたえ。」
たえ「どうしたの、沙綾?こんなお店を開くなんて。」
沙綾「勇者としてみんなの力になりたくて。こういう場を設ければ、悩みとかも話しやすいかなってね。」
たえ「ステキな心がけだね。神樹様も大いに喜んでるよ。」
沙綾「おたえは何か悩み事はない?」
たえ「最近ハンバーグが食べれてないんだ。」
沙綾「それは大変!?じゃあ私が作ってあげるよ。沙綾特性ハンバーグパン!」
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たえ「っていう夢を昨日見たんだ。」
沙綾「あはは、なんかおたえらしいね。」
沙綾は笑って言った。
ゆり「勇者とおしゃべり出来る店ねぇー。もしあったら通いつめて、りみを独占するな。」
香澄「ゆり先輩、私生活でもずっと一緒なのに…本当に妹想いなんですね。」
有咲「しっかしまぁ、おたえは見る夢も弾けてるよな。」
沙綾「おたえは小学生の頃からこうなんだよ。」
たえ「なんか私、固まって夢を見る時期があるみたいなんだ。」
沙綾「だから定期的におたえの夢の話が出てくるんだよね。実はおたえも巫女の素養があったりして。」
たえ「私に秘められた才能が!?」
たえは目を輝かせた。
有咲「うーん…。」
りみ「どうしたの、有咲ちゃん?」
何か考えている有咲にりみが尋ねた。
有咲「私なんか最近夢見ないなって思ってさ。」
沙綾「見たい夢の内容をメモして枕の下に入れて寝ると、その夢が見れるって言うよ。」
有咲「へぇー。まっ、わざわざ試さないけどな。りみは何か夢みるのか?」
りみ「夢は見なかったけど、昨日の夜、寝てる間にふくらはぎの筋肉を攣っちゃって…痛かったよ。」
香澄「うわぁー。それは痛かったよねー。」
香澄がりみの頭を撫でる。
りみ「思わずお姉ちゃんを呼ぶところだったよ。」
たえ「今夜も夢見そうだな。」
その日の夜、市ヶ谷宅--
有咲は枕元で何かごそごそとやっていた。
有咲「確か、夢の内容をメモに書いて、枕の下に入れておく…だったな。」
有咲はメモ用紙を枕の下に入れた。
有咲「た、試すだけなら…ちょっとだけ…。ちょっとだけだからな…。」
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たえ「沙綾、オッちゃんがパワーアップしたんだよ。」
沙綾「え、それはまた急にどうして!?」
たえ「実は隠していたんだけど、僕は精霊だったんだって。」
沙綾「微妙にありえそう…。それで、どういう風に強化されたの?」
たえ「口に武器が格納されていて、取り出せるんだ。オッちゃん、4番!正義!勇者の槍!!とかね。」
沙綾「結構危険な存在じゃないかな…おたえには悪いけど、オッちゃんが正義の存在かを確かめないと!」
たえ「え、沙綾?」
沙綾「超変身!!」
すると沙綾は端末を取り出し、勇者へと変身する。すると、そこへ香澄もやって来て--
香澄「さーや、私も加勢するよ!勇者、根性、ベストマッチ!!」
たえ「ダメだよ!沙綾と香澄がオッちゃんと戦うなんて!」
更にそこへりみも参戦して来た--
りみ「私も加勢するよ!有咲ちゃん!お姉ちゃん!勇者の力、お借りします!!」
香澄「せいやー!ボルテック勇者キーーーック!!」
たえ「もうしっちゃかめっちゃかだよ。」
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たえ「っていう夢を見たんだー。」
沙綾「おたえ、中々破天荒な夢を見るんだね…。」
有咲「出てこないと思ったら、そっちの夢に行ってたのか…。」
有咲がポツリと呟いた。
たえ「え、何が?」
有咲「あ、いや……なんでも無いぞ。」
有咲は咳払いして誤魔化した。
たえ「もしかして有咲の夢には出てこなくて、こっちの夢に出てきた人でもいた?」
有咲「べ、別にそんなんじゃねーし…もうこの話は終わり!」
香澄「有咲顔真っ赤だよ、大丈夫?」
香澄が有咲を気にかける。
有咲「大丈夫大丈夫…。」
ゆり「そこまで破茶滅茶な夢を見ると、起きてる時は疲れない?」
ゆりがたえに尋ねた。
たえ「そーでもないかな。でも、うどんを禁止された夢を見た時はどうなるかと思って、冷や汗びっしょりだった。」
ゆり「それは悪夢だね…。」
香澄「昨日夢の話題が出たから、夢について色々調べてきたんだけど…。」
香澄がみんなに話し出す。
香澄「も、もしかしておたえの夢って……予知夢って事はないよね?」
たえ「私香澄と戦うなんて嫌だよ。」
香澄「私もおたえとなんて戦えない!」
有咲「そもそもオッちゃんが精霊とかあり得ないから安心しろ。」
香澄「そういえば、オッちゃんっていつおたえの友達になったの?」
たえ「朝起きたら枕元にいたんだ。」
有咲「……本当に精霊とか無いよな!?自信無くなってきた…。」
たえ「でも精霊ならそれはそれで面白いかな。」
有咲「おたえには烏天狗がいるだろ…ってもういないのか。」
たえ「あの子は自由だったね。」
有咲「ホント、誰に似たのか…。」
たえ「ところで有咲、面白い話して?」
たえが有咲に無茶振りをかます。
有咲「すげー角度から無茶振りするな!!」
沙綾「おたえは気まぐれなところがあるから。」
沙綾は笑って答えた。
有咲「この空気じゃ、何言っても面白くならないだろ…。」
ゆり「それにしてもたえちゃんは夢の内容よくそんなに事細かく覚えてるね。」
たえ「よく他の人より特殊だって言われます。今夜はどんな夢を見るんだろー。」
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花咲川中学、廊下--
沙綾とたえは花咲川中の廊下に立っていた。
たえ「…あれ、あそこにいるのは。」
たえは廊下の奥に人がいるのを見つけた。
?「おっす、おたえ。」
そこにいたのは夏希だった--
たえ「あっ、夏希!ほらオッちゃんも、おっすって!」
夏希「オッちゃんおっすー!おたえは相変わらずだな。」
たえ「3人集合だね。」
夏希「そだなー。いつもの3人だ。今日は勇者部何があったっけ?」
たえ「劇の練習がメインだったかな。香澄が張り切ってたよ。」
夏希「あはははっ!香澄は授業中、眠そうにしてたな。」
たえ「寝るのは良くない。」
夏希「おたえが言うな。」
たえ「あはは、ごめーん。」
夏希「後はりみを育てる時間だね。りみはすくすく育ってるから、教えがいがあるな。ゆり先輩は抜けちゃったけど、りみがあれなら、勇者部も安泰だな。」
沙綾「夏希、時期部長に立候補してみたら?」
夏希「何だよ、沙綾ー。私はガラじゃないって。部長は有咲がやるっしょ。」
沙綾「そうやって小学生の時も隊長避けてたよね。」
夏希「適材適所だよ沙綾。その分身体張るからさ。」
たえ「あれ……。」
夏希「どした、おたえ?」
たえ(何で夏希が花咲川中学にいる事が出来るんだろう…だって……あっ、そっか…これ、夢なんだね……。)
夏希「はぁ、気付くのが早いなー。察しが良すぎるんだよ、おたえは。」
たえ「夏希…。」
夏希「もうおたえの目が醒める頃かな。私は一緒に行けない。」
たえ「………。」
夏希「なーに、また、いつか何処かで巡り会えるさ。」
たえ「………うん。」
夏希「またね。」
たえ「またね……。」
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たえ「っていう夢を見たんだ……。」
たえは沙綾に昨日の夢の内容を話した。
沙綾「おたえ…。」
たえ「初めは楽しかったけど…とても悲しい夢だった。」
沙綾「おたえ…その夢、私も見たよ。」
たえ「えっ、沙綾も!?」
何の因果か沙綾とたえは偶然にも同じ夏希が出てくる夢を見ていたのである。
沙綾「こんな偶然あるのかな…。」
たえ「…あるんだろうね。神世紀の不思議ってやつだ。」
沙綾「いつか何処かで巡り会える……か。」
たえ「来世かもしれないね。」
沙綾「壮大だね。でも、そうなら嬉しい。」
たえ「まさにズッ友ってやつだ!」
沙綾「……そうだね。」
沙綾(見ててね、夏希…。)
たえ(私達は、ちゃんとやってるよ……。)
優しい風が2人の頬を撫でる--
それはまるで、夏希が2人笑いかけたかの様に優しい風だった--