戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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物語の都合上姉妹の設定は無くなっていますのでご了承ください。

2章では苗字が出てこなかったあの人もちゃんと登場します。何故あの時出てこなかったのかは--




丸亀城の勇者達

 

 

西暦2015年7月30日、後に"7.30天災"と呼ばれる大災害。湊友希那は勇者になった--

 

 

友希那は輝きを取り戻した"生大刀"を使ってバーテックスと呼ばれる怪物を次々と切り裂いていく。

 

友希那「凄い…。力が湧いてくる。覚悟しなさい!クラスメイトの…人類の仇を取らせてもらうわ!!」

 

 

 

 

 

 

友希那が神社一帯のバーテックスを全て倒しきるまでは5分も掛らなかった。

 

友希那「これで、最後!!」

 

友希那の周りには食い散らかされた死体と切り刻まれたバーテックスの残骸でまみれている。この周辺で生き残っている者は友希那とリサだけの様だった。友希那はリサの元に戻ると、リサは目を覚ましていた。

 

リサ「良かった!」

 

リサは友希那に抱きつく。

 

友希那「リサも無事で良かったわ。」

 

友希那も変身を解き抱きしめ返した。

 

リサ「生き残ったのは私達だけか…。」

 

友希那「ごめんなさい…。みんなを助けられなかった。」

 

リサ「友希那が悪い訳じゃないよ。全部あの怪物達のせい。」

 

友希那「バーテックスの事ね。」

 

リサ「あれバーテックスって言うの?」

 

友希那「私はリサからあの怪物の名前がバーテックスだと聞いたのだけれど、覚えてないの?」

 

リサ「何が?私は気が付いたらなんか祠の横にいて…。」

 

どうやらリサは自分がやった事を覚えてないようだった。

 

友希那「とにかく、もう修学旅行って場合じゃない。生存者を探しながら歩いて香川まで帰りましょう。」

 

リサ「そうだね。いざとなったら友希那が守ってくれるし。」

 

友希那「リサには指一本触れさせないわ。」

 

リサ「おっ、頼もしいねー。さすが勇者様。」

 

 

ーー

---

 

 

再び、西暦2018年7月30日--

 

友希那「これが、私が初めて勇者になった経緯だったわね…。」

 

リサ「そうだね。途中で生存者も何人か見つかって、何とか香川まで戻ってこれた。」

 

友希那「私はバーテックスを許さない!あの時守れなかった人たちの分まで私は戦い続ける。」

 

リサ「私も巫女として、全力でサポートしていくからね。」

 

友希那「頼りにしてるわ、リサ。」

 

 

 

 

 

 

"7.30天災"以降、土着の神々が1つとなり神樹が生まれた。神樹は四国の周りに結界を張り巡らせ、3年間人々をバーテックスの襲撃から守っていた。今現在、友希那は勇者、リサは神樹からの神託を聞く巫女として人々を守っている傍ら丸亀城と呼ばれる城を改築した学校に通っている。

 

 

丸亀城、教室--

 

朝早く丸亀城の廊下をドタドタと走りながら、紫色のツインテールの少女が慌ただしく教室へ入ってきた。

 

?「よーし、今日こそはいっちばーん!って、あれ?もう来てたんですか!?友希那さーん!」

 

友希那「ええ、朝の訓練を早めに終わらせたからね。おはよう、あこ。」

 

あこ「おはようございます、友希那さん。あーあ、また2番かー。どんだけ早く来れば1番になれるんだろう。」

 

彼女の名前は宇田川あこ。友希那と同じく勇者で中学2年。友希那とは同学年なのだが、何故か大抵の人とは敬語で話しをしている。

 

友希那「因みに、今日はあこは2番でもなく3番よ。」

 

リサ「おっはよーあこ。今日は私が2番。」

 

あこ「あっ、リサ姉!?うぇー1番の壁は険しい…。」

 

因みに、あこはリサに至っては同学年なのに姉さん呼びである。

 

?「おはよう、あこちゃん。」

 

次に黒髪の美しい少女が教室に入ってきた。

 

あこ「あっ、おはよう。りんりん。」

 

彼女の名前は白金燐子。年齢は友希那達と同じなのだが、体が弱く小学3年の頃に病気で長期入院してしまい、同じ学年をもう1年やり直している。その為、学年では中学1年生となっているのである。

 

燐子「あこちゃん、今日は早かったんだね…。」

 

あこ「そーなんだよ!あこ頑張って早起きしたんだけど、友希那さんとリサ姉より早く教室に来れなかったんだよー。もーこうなったら、教室に泊まるしかないね!」

 

燐子「教室に泊まるって…ここには私達の寮もあるんだから、実質泊まってるようなものだよ…。」

 

あこ「あっ、それもそっか。」

 

歳は一緒なのだが、あこと燐子は本当の姉妹のように仲が良かった。

 

?「おはようございます。」

 

次に教室に入ってきたのは水色の髪の少女。友希那がその少女に話しかける。

 

友希那「紗夜、今日は少し遅かったのね。」

 

紗夜「えぇ、昨晩少し遅くまでネットゲームをしてしまったから。」

 

彼女の名前は氷川紗夜。このクラスの中で唯一中学3年生である。趣味はゲーム。中でもネットゲームに最近ハマっているらしい。

 

紗夜「もちろん、日々の鍛錬は欠かしてません。やる事はしっかりやってますから。それはそうと、高嶋さんはまだ来てないのかしら。」

 

友希那「ええ、まだ…っと、噂をすれば来たみたいよ。」

 

?「おっはよーございまーす。」

 

猫耳ヘアの少女が元気良く教室に入ってきた。

 

高嶋「高嶋香澄、ただ今到着しました!」

 

紗夜「おはようございます、高嶋さん。」

 

高嶋「おっはよー紗夜ちゃん。もしかして、私が1番最後?」

 

紗夜「そうですね。でも、まだ時間では無いので大丈夫です。」

 

高嶋「そっかぁー良かったー。」

 

香澄は誰とでも仲良くなれる才能があり、中でも紗夜とは非常に仲が良い。だが、ベクトルは若干紗夜の方が強い。友希那、あこ、燐子、紗夜、香澄の勇者5人に巫女であるリサを加えた6人がこの丸亀城特別教室のクラスメイト、そして世界を守る御役目を担っている少女達である。

 

 

---

 

 

3年前の"7.30天災"以来、今日までバーテックスの襲撃は起こっていなく、彼女達はバーテックスが再び現れても良いように日々丸亀城で訓練している。授業が終わり放課後、彼女達は本日も訓練に明け暮れていた。

 

今、丸亀城の広場では友希那vs香澄、紗夜vsあこの模擬戦が行われていた。

 

 

 

 

 

 

友希那vs香澄サイド--

 

友希那「はっ!」

 

友希那は木刀で香澄に斬りかかるが、香澄は上手く木刀の流れを晒して躱している。

 

高嶋「やっぱ友希那ちゃんは強いね!だけど、私も負けてられないよ。」

 

香澄は友希那の剣戟を躱して、友希那の腹部に1発拳をお見舞いした。

 

友希那「ぐっ!」

 

友希那は後ろに少し後退する。

 

友希那「素手で刀とやり合うなんて、香澄もやるわね。」

 

刀と素手では2倍以上リーチに差があるのだが、香澄は動体視力を駆使しその差を埋めている。

 

高嶋「友希那ちゃんだって!それにまだ本気出してないんでしょ?」

 

友希那「あら、バレてたのね。」

 

そう言うと友希那は目を瞑り脱力した。香澄は友希那の雰囲気が変わった事に息を飲む。

 

高嶋(友希那ちゃんが本気になった…。脱力してるのに隙が全く見当たらない……ならっ!)

 

香澄はフェイントを混ぜながら一気に友希那へ近づいていった。

 

高嶋(友希那ちゃんが最も得意とするのは居合だった筈。これでどうだ!)

 

友希那が木刀に手を置いた刹那、一閃--

 

 

だが、目の前に香澄の姿は無かった。友希那が木刀に手を置いた瞬間に、香澄は後ろに回り込んだのである。

 

高嶋「これで、終わり!」

 

 

香澄が友希那の背中に渾身の正拳を入れようと拳を振り被った瞬間--

 

 

高嶋「ぐっ!!」

 

香澄の腹部に木刀がめり込み、吹っ飛んだ。友希那は香澄が後ろに回り込む事を予測し、ワザと木刀を背中の方まで余計に振り切ったのである。

 

 

その攻防僅か5秒の出来事--

 

 

高嶋「あぁーー痛たた…。」

 

香澄は立ち上がろうとすると、

 

高嶋「!?」

 

友希那が香澄の喉元に木刀を突きつけて立っていた。

 

高嶋「降参ですー。」

 

香澄は両手を上げ、降参の意を示したのだった。

 

 

 

 

 

 

紗夜vsあこサイド--

 

紗夜「ふっ!はっ!」

 

紗夜が木鎌を使ってあこを攻め立てていたが、

 

あこ「くっ!よっ!」

 

あこは木盾で紗夜の攻撃を受け流している。

 

あこ「くぅー紗夜さんとは相性が悪いよー。」

 

それもそのはず、紗夜は前衛の攻撃型。対してあこは後衛の遠距離型なのである。接近戦に持ち込まれた時点であこの方が圧倒的に部が悪い。

 

紗夜「これも訓練の一環です、手加減はしませんよ。」

 

あこ「ならこれでどうだー!」

 

あこは木盾を腕に装着し、剣の様に振り回した。

 

紗夜「!?中々やりますね。」

 

あこ「えへへー。でしょー。」

 

紗夜「ですが、上半身に気を取られすぎですね。」

 

そう言うと紗夜はあこの攻撃を避けながらしゃがみ、木鎌であこの足を引っ掛け、転ばせたのだった。

 

あこ「うわっ!?」

 

尻餅をついたあこに、トドメを刺そうと紗夜が木鎌を振り上げる。

 

あこ「ま、参ったーあこの負けです。」

 

あこが降参。紗夜も攻撃の手を止めたのだった。

 

 

 

 

 

 

訓練後--

 

高嶋「やっぱ友希那ちゃんは強かったー。」

 

友希那「香澄も中々のものだったわよ。」

 

6人は模擬戦の反省をしていた。

 

リサ「そうそう。友希那も本気出さなかったら負けてたんじゃない?」

 

友希那「そうね。私もまだまだ強くならないと。香澄も拳だけじゃなくて足も組み合わせて使えればまだまだ強くなれるわよ。」

 

高嶋「そっか!足技かームエタイとか参考にしてみようかなー。」

 

あこ「ねぇねぇ紗夜さん。あこはどうだった?」

 

紗夜「守りは問題無しですが、やっぱり守ってるだけでは敵は倒せません。攻撃パターンをもっと増やすのが良いんじゃないかしら。」

 

あこ「でも、どうやって増やせば…。」

 

紗夜「最後に宇田川さんがやってみせた、盾を腕に装着しての接近戦は咄嗟の思い付きにしては良かったんじゃないかしら。」

 

あこ「ホント!?じゃあそれをもっと磨いていこーっと。」

 

燐子「高嶋さんに教えて貰えば良いんじゃないかな…。高嶋さんは接近戦得意だし…。」

 

あこ「それ良いね、りんりん!早速行ってこよっと。」

 

そう言うとあこはすぐさま香澄の元へ走っていった。

 

紗夜「白金さんは模擬戦やらなくてよかったのかしら?」

 

紗夜が燐子に尋ねた。

 

燐子「私は、皆さんの戦闘スタイルを把握して後方から指示を出すのが役目なので…。」

 

紗夜「そうですか。」

 

燐子「ですが、訓練は欠かしてませんよ…。前衛で戦う皆さんが敵を討ち漏らした時に狙い撃てるように…。」

 

紗夜「頼りにしています。」

 

燐子「そろそろ私達も友希那さん達と合流しましょうか…。」

 

紗夜「そうですね、行きましょう。」

 

こうして本日の訓練は終了した。

 

 

 

 

 

 

次の日の放課後、教室--

 

6人が訓練に行こうとした、その時、

 

リサ「!?」

 

リサの様子が変わった。

 

友希那「どうしたの、リサ?」

 

友希那は心配する。

 

リサ「神樹様から、神託がきた…。」

 

リサ以外「「「!?」」」

 

5人に緊張が走る。

 

燐子「なんて神託でしょうか…。」

 

燐子がリサに尋ねた。

 

リサ「バーテックスが…来る……。」

 

 

次の瞬間、5人のスマホからアラームが鳴り響いた--

 

 

 

-樹海化警報-

 

 

周りの時間が止まり、空が割れる--

 

 

紗夜「とうとう来ましたね…。」

 

高嶋「大丈夫だよ紗夜ちゃん!みんながいるから何とかなる!」

 

あこ「りんりん、指揮は任せたよ。」

 

燐子「分かった、任せて、あこちゃん…。」

 

友希那を除く勇者4人が丸亀城の屋上へと走っていった。リサは残っていた友希那に声をかける。

 

リサ「大丈夫、友希那?」

 

友希那「ええ、心配ないわ。ここでみんなの帰りを待ってて…。」

 

そう言うと友希那も屋上へと向かった。友希那は表面上は冷静を装っていたが、内心バーテックスへの怒りが沸々と込み上げてくる。

 

友希那(私はあの日の事は絶対に忘れない…。バーテックスは全て殲滅する。)

 

友希那の握った拳に力が入る。3年の沈黙を破り再び現れたバーテックスと5人の勇者達の初陣が今始まろうとしていた--

 

 

 

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