タイトルは文字通りバーテックスの事です。
星の鼓動が聞こえた香澄。
星屑の集合体であるバーテックス。
なので香澄にはバーテックスの声が聞こえるっていう設定が出来ました。
闇の彼方から7体のバーテックスが出現する--
有咲「残り7体…。全部来てんじゃねーかこれ…。敵の総攻撃…最悪のパターンだな。」
有咲が神妙な面持ちで呟く。
香澄「あれ?何ですぐに攻めて来ないんだろう?」
香澄が怪訝に思う。
有咲「さぁ?どの道、神樹様の加護の届かない壁の外に出てはいけないって教えがある以上は、私達からは攻め込めないけどな。」
ゆり「敵は、壁ギリギリの位置から仕掛けてくるみたい。決戦ね、みんなもそろそろ準備して。」
ゆりが4人に発破をかけると、
りみ「……。あははは!何するん、香澄ちゃん!」
香澄がりみにくすぐりを仕掛けていた。
香澄「フフフ…。緊張しなくても大丈夫だよ。みんないるんだから。」
りみ「そうだね。香澄ちゃん。」
ゆり「よし!勇者部一同変身!」
ゆりが号令をかけると、勇者達は変身する。
香澄は山桜の勇者に--
沙綾は紫陽花の勇者に--
りみは鳴子百合の勇者に--
ゆりはオキザリスの勇者に--
そして有咲はサツキの勇者に変身した。有咲の刻印は左肩にある。
遥か遠くからゆっくりと攻めてくるバーテックス達。
それぞれ"水瓶型""牡牛型""双子型""天秤型""牡羊型""魚型""獅子型"である。
沙綾「敵ながら圧巻だね。」
有咲「でも逆に言えば、こいつら殲滅させたらもう戦いは終わったもんでしょ。」
沙綾と有咲が話し出す。ここでゆりが、
ゆり「みんな、ここはアレやっときましょう。」
有咲「アレ?アレって何だ?」
有咲以外が円陣を組み出す。
有咲「な、円陣?それって必要なのか?」
ゆり「決戦には気合が必要でしょ。」
有咲「はぁ?ったくーしゃーねーなー。」
5人が円陣を組み、ゆりが話し出す。
ゆり「みんな、買ったら好きなもの奢ってあげる。だから、絶対に死んだりしないでね。」
香澄「よぉーし、美味しいものいっぱい食べよっと。肉ぶっかけうどんとか。」
有咲「ったりめーだ。言われなくても殲滅してやる。」
りみ「わ、私も叶えたい夢があるから…。」
沙綾「絶対にみんなで守り抜こう。」
ゆり「っ…。よーし!」
全員「「「勇者部、ファイトー!」」」
沙綾以外の4人が飛び出し、沙綾は横になってスナイパーライフルを構え、スマホで敵の情報を確認する。
有咲「バーテックスの進行速度にばらつきがある。あの巨大なやつ…明らかに別格なやつだ。でも、まずは……。」
敵の先頭を進んでいるのは"牡羊型"である。そこに有咲が攻め込む。
有咲「おら、一番槍だ!」
有咲が斬撃を入れると、すかさず沙綾は頭部を撃ち抜く。
有咲「まずは1匹、封印するぞ!」
有咲が封印の儀に入り、"牡羊型"から御霊が飛び出す。
香澄「他の敵が来る前に、こいつ倒しちゃおう。」
有咲「そらっ!」
有咲が御霊に向かって剣を投げるが、御霊は回転し剣を弾いてしまった。
有咲「な、何回ってんだこいつ。」
香澄「それなら、さーやー!!」
香澄が沙綾に合図し御霊にパンチする。
香澄「はあぁぁぁ!」
間髪入れずに沙綾が御霊を打ち抜き、破壊する。
香澄「ありがとー、さーや。」
沙綾の胸の花びらが5枚全て色付く。しかし、沙綾の顔には不安が残っていた。
沙綾「今の敵の動き…。まるで叩いてくれと言わんばかりの突出だった……はっ!まさか罠⁉︎」
その時だった。"牡牛型"が大きく鐘の音を鳴らしてきたのだ。
有咲「な、何だこの音!気持ち悪すぎる!」
沙綾を除く4人は鐘の音のせいで全く身動きが取れなくなってしまった。
沙綾「香澄、みんな!くっ…あのベルか!」
沙綾がスナイパーライフルの鉤爪に指を掛けた瞬間--
沙綾の目の前に"魚型"が出現し、頭上を飛び越えると、再び地面に潜っていった。その揺れは、沙綾の狙いを狂わせる。
沙綾「揺れで、狙撃が!このままじゃまずい!!」
その時だった。
りみ「音は…音はみんなを幸せにするもの……。こんな音なんかに…。」
りみの背中の花びらが3枚色付いた。
りみ「こんな音おぉぉぉーーーっ!!」
りみのワイヤーが"牡牛型"の鐘に絡みついて音を封じ込めたのだ。
ゆり「よしっ、まずは…!」
ゆりは"天秤型"と"水瓶型"を真っ二つに切り裂いた。
りみ「お姉ちゃん!」
ゆり「よし、3体まとめて……。」
ゆり達が封印の儀を施そうとした瞬間、
りみ「あわわわ…!」
りみが"牡牛型"に引っ張られていく。
香澄「このぉ!」
香澄が追い掛けようとした時、有咲が香澄を止めた。
有咲「待てっ!何だか様子がおかしいぞ。」
バーテックス達が、後方に控えていた"獅子型"に集まってきたのだ。
"天秤型"と、"水瓶型"も傷が再生し、"獅子型"へと向かっていき--
そのまま4体を吸収して合体したのだ--
--
一方その頃沙綾は、"魚型"と対峙していた。
沙綾は連続してダメージを与えていくが、またも地中へと潜ってしまう。香澄達を援護しようとスコープを除くと--
"牡牛型""水瓶型""天秤型""獅子型"の4体は合体し、1つの大きなバーテックスへと姿を変えていた--
有咲「何だぁ⁉︎こんなん聞いてねぇぞ!!」
香澄「でも、これなら…4体まとめて倒せるよ!」
有咲が慌てるが、香澄はこの時がチャンスと見ていた。そして、ゆりが4人に指示を出す。
ゆり「まとめて封印開始!」
沙綾「はっ!みんな危ない!!」
少し遠くに離れていた沙綾はバーテックスの動きに気付き叫び出す。それと同時に"融合型"が炎の玉を作り出し、そこから無数の火の玉を4人に向けて飛ばしてきたのである。4人は避ける為行動に移すが、何とその炎は4人を追尾してくる。
ゆり「くっ、この炎、私達の動きに合わせて……、うわっ!」
ゆりに炎が命中する--
りみ「きゃあぁぁぁ!!」
りみも逃げていたが、追い付かれいくつか当たってしまった。香澄も逃げていたが、
香澄「くっ、追ってくるなら、このまま返す!」
炎を跳ね返そうとした時--
香澄「これは……!」
?「コワス…ナニモカモ…ハカイスル。シンジュヲ…セカイヲ…ハカイスル!」
香澄(またあの時の声…。一体何処から……?)
香澄「まさか、バーテックスから⁉︎」
その瞬間、判断に遅れ後方から来た炎に吹き飛ばされてしまう--
有咲は剣を振りかぶって攻撃するも、
有咲「くそっ…!」
剣が折れてしまい、有咲にも炎が命中する。少し離れていた沙綾はライフルで攻撃するも、"融合型"は全くダメージを負っていない。
沙綾「これも、効かないの⁉︎」
そして"融合型"は巨大な炎を生み出し、
沙綾「はっ……!」
沙綾に向かって発射した--
爆音が樹海に響き渡る。
ゆり「うっ……。」
有咲「くっ……。」
りみ「そんな……。」
沙綾「こんな事って……。」
香澄「神樹様が……。」
吹き飛ばされた、香澄達勇者5人--
"融合型"は樹海を蹂躙し続ける--
勇者達に動く力は残されていなかった--