「TF:軌跡を辿った者達」
「ApexLegends」
とのIFストーリーです、設定、仕様の間違いもしくは改変がある可能性が高いのでご注意下さい。
尚、本作品はApexプレイヤーの皆さまに楽しめるように描いておりますので、Apexの知識が皆無の方々には入り込みずらい内容となっておりますのでご容赦下さい。
IFストーリー「Apexgame」
ーゲーム開始から数十分後ー
第三フェーズ縮小開始
ー≪羅生門周辺≫ー
汗で滲んだ肌に張り付く砂塵を拭いながら、静かに声を出す。
「もう第三フェーズ……これ以上外を回っていくことは出来ないわ」
先頭に立つレイスは後ろの二人に視線を回す。
「ならあの門を通るしかないな、オレの砲撃は既に使っちまってるが……」
マスティフにショットシェルを詰め込みながら語るジブラルタルの表情に曇りはなく、余裕も無いが決して絶望的ではない笑みを浮かべている。
「貴女のポータルを先まで繋げられないの?」
DOCドローンによる治療を終えたライフラインがレイスに提案する。
「そうね、それを考えていた所よ……それで行きましょう」
一呼吸入れようと苦く粉っぽい空気を吐き出そうとしたその瞬間、羅生門の上から扇状の波紋が迫り寄り、三人の身体をなぞるように照らし出す。
「ッッッ!!!!」
「……レイス!!」
「ええ!!ポータルを繋ぐ!!」
左腕を突き出し、次元を開く入り口を作り出し、レイスは出口となって羅生門へと駆け出す。
「フゥゥゥゥゥ……」
物陰から飛び出したレイスに狙いを定めていたブラッドハウンドは引き金に掛けていた指に力を込めるが、直後にレイスは虚空へ消え、羅生門の下に滑り込む。
「ふむ……」
「ッッ……これ以上は伸ばせない……!」
羅生門を抜けて虚空が切れると同時に出口のポータルを繋ぐ。
「よし、羅生門を抜けー」
刹那、頭部を守っていたレベル3ヘルメットを弾き飛ばし、彼女の身体が吹き飛ぶほどの貫通力と破壊力を持った弾丸がレイスを貫く。
「エイムに神々が味方している……」
「ふんぅ……ドームシールド展開!」
「クレーバーね……!」
ポータルを伝ってきたジブラルタルのドームシールドにレイスは保護され、レベル4バックパックを背負ったライフラインがDOCドローンでレイスを復帰させる。
「ホラホラホラホラホラホラ!頼むぜ早くしろって!!」
「黙れ皮付き……行くぞ!!」
駄々をこねる子供のように跳び跳ねるオクタンを押し退け、レブナントはデストーテムを羅生門の上で展開する、それを合図にオクタンはジャンプパットを床に投げ飛ばす。
「さぁ行こうぜアミーゴ!!ここに立派なジャンプパットもあるしな!!」
「トーテムを無駄にするなよ皮付き……!」
「主神を信じなさい……!」
ブラッドハウンドのハンティングビーストを火口に、ジャンプパットに乗ってデスプロテクションに身を包んだ三人がドームシールドに攻め込もうとしてくる。
「クッ……シルバァ!!!」
「へ!悪いな姉貴!!」
「誰も死なせないぜ!!」
「黙れ皮付き!!」
「ここで負けるわけには行かない!」
「誇れ、お前達は戦士だ」
衝突する二部隊、それぞれが一人一人の相手をすると思いきや、それは違った、レブナント達は瞬時にフォーカスをライフラインに変え、三人で囲むようにダメージを与えてダウンさせる。
その動きは恐ろしく早く、洗練されていた。
「しまった!ダウンしたわ……クソ……!」
「帰したぞ!」
「ええ、でも……すぐに!!」
デストーテムに帰したとはいえ、すぐさま第二次が三人を襲う。
「次はきっちり三人ともあの世に送ってやろう……!」
「我慢できねぇ!行くぞ!!」
「私に眼力を恵みたまえ……!」
再び衝突しようとしたその時、球状の広範囲電磁波を帯びたドローンが頭上に現れる。
「あれは……!」
「オーディンが遣わせた鴉……!?」
更に、三角形の装置がドローンの真下に放たれる。
装置は展開し、周辺の木々や岩々を引き寄せる驚異的な引力を発動させる。
「タイミングは完璧だ……あとは任せたぞ」
収容所の建物からドローンを操作するクリプトは天井を見上げる。
「ニュートに掛かればこんなもんだね」
グラビティリフトから戦場を見下ろすホライゾンは収容所へと撤退する。
「アッハハハ!当然!シーラに任せなって!」
クリプトのリブートによってシールドにダメージを与えられ、尚且つホライゾンのゼログラビティで引き寄せられるカモを増強壁の向こうに設置したシーラで睨み付け、その銃口を激しく回転させる。
パイロット・ストライク開始。
地上への到達まで残り5秒。
5
4
3
2
1
ご武運を、パイロット。
閃光
空間の歪みと、地形の微少な変形による地震が発生し、戦闘の中心部に大きな土煙が沸き荒れる。
「んダァ!?」
「新たな邪魔が入ったか!?皮付き共め!!」
「一度下がろう!」
混乱する戦場の中、晴れ行く土煙の中から立ち上がった男は、冷静にHUDを確認、場所を確認する。
「……ここは何処だ……?ケイド、ここはフロンティアか?」
無線機の向こうから聞こえる声に耳を澄ます。
≪え!?間違えたかな……あれ?あ、ごーめん、すげぇ間違えたグレイブス!全っぜん違うところに降下させちまったぁ、わりぃわりぃ!≫
「やはり任せるべきじゃなかったか……」
≪ごめんって!とりあえず戻ってきてー≫
ケイドの声を遮るほどの大きな機械音声が何処からともなく聞こえ始める。
≪残存する全てのApexプレイヤーに告ぎます、ゲームに侵入してきたバグを、排除してください、無事排除した場合、全プレイヤーをチャンピオン認定、全てのポイントを上限値に引き上げる事を約束します≫
「……ん?」
≪なんだ?何の声だ?グレイブス?≫
「この男を始末するだけで……」
「チャンピオン……?」
≪全てのApexプレイヤー同士のフレンドリーファイヤーを不可、あらゆる制限を限定解除します≫
「Apex……?傭兵部隊の?」
≪そんなPMCどもが何で……てかなんだかヤバそうだ!所属不明の部隊に囲まれてるぞグレイブス!≫
「分かってる……」
赤色のレーザーサイトがパイロットヘルメットの横顔を差す。
そしてシーラによる一斉掃射が始まると同時に水色の半透明の壁が構築され、弾丸を全て防ぎ切る。
「はぁ?なんじゃありゃ!」
「……増幅壁で防げるなら怖くないな……」
リチャージに入った増幅壁のPARKカードをチェストリグにしまう。
「どうやら仲良くは出来ないらしいな」
片手に持ったウィングマンエリートで宙に浮かぶドローンを破壊してホルスターに差し、メイン武器であるCARを構える。
「私たちの知らない技術…」
「新しいレジェンドってか?それにしては異色だぜ?」
「どうでもいい…ゲームに狙われた自分の運命を悔やむんだな、皮付き…」
「ここから帰りたいだけなんだがな……」
グレイブスはヘルメットの中で大きくため息を付き、周辺を見渡す。
≪OKグレイブス、帰還用のビーコンをこの座標に送った、ここに向かってくれ≫
「……遠いが、分かった」
≪クルーシブルの準備もしとくぜ!≫
「ああ、頼む」
刹那、グレイブスの身体は次元の歪みと共に亜空間へと消える。
「ッ!?」
「虚空か!?」
「レイスと同じ能力を…?」
オクタンは誰よりも早く、バンカーの扉が開く音を聞き付け、ジャンプパットを投げて跳び上がる。
「居たぜ!こっちだ!!」
「回り込もう、出口を抑えるんだ!」
それぞれが最適な動きをしに展開していく。
興奮剤を差し込みながらバンカーの中に飛び込んだオクタンはグレイブスの背中を捕捉した。
「おおっとと!待ちやがれ!!」
「……遅いな」
グレイブスはウォールランを駆使して加速し続けながらバンカーの中を駆け回る。
「壁を走っ……ずりぃぞ!!オレにもやらせろ!!」
「……」
パルスブレードを出口付近に打ち込み、噴出器にも似たトラップのようなものを設置している大柄の男の姿を検知する。
「……ふむ」
出口の扉を開けると同時にフェーズシフトで亜空間へと消える。
「またアレ……!」
「おかしいわ!レイスの虚空は軌跡が見えるはずなのに」
「そうね、私のとは別物……完全に姿が消えて捉えられない……」
困惑するワットソンとレイスを尻目に、バンガロールがバンカー前の集落に向かってフレアを投げ、爆撃を要請した。
「逃げるなら建物がある場所に逃げるはずよ、ボサっとしないで!」
その予測は正しく、横並びに展開するミサイルのど真ん中でグレイブスはフェーズシフトから復帰した。
「…………」
グラップルを撃ち出し、建物の上に身体を引き上げた遠心力で空中に跳ね上がり、爆撃を回避する。
「あれはボクのだ、お友だちになりたいな」
「ほらほら行くよニュート!」
「待ってください!ソマーズさん!いや博士!」
「あいつ速ぇぇ!オレの倍のスピードだぜ!!ヤバすぎる!!」
迫り来るレジェンド達から距離を取り、家屋に身を隠したグレイブスは呟いた。
「手練れだが……パイロットほどではないな」
≪やっぱりパイロットが最高峰なのかね?一介の傭兵部隊より≫
「そうだな、Apexの所のパイロット部隊はもっと強かったと思うが…」
≪てかパイロットじゃ無かったのか?≫
「ヘルメットを被ってなかった、パイロットの認証コードも確認出来ない、タイタンを保有してる部隊じゃなさそうだ」
≪じゃあ歩兵って事か≫
「そうだな、だが手練れであることに変わりはない、それぞれが固有のアビリティを使用してるようだ」
潜んでいた家屋の扉が独りでに開いたと思いきや、ドローンが侵入して壁にもたれ掛かるグレイブスをじっと見つめる。
「バレたか……」
外に飛び出し、レジェンド達の攻撃を避けながら航空基地の建物内に逃げ込んだその瞬間、入り口の横で待ち伏せしていたレイスがマスティフの銃口をグレイブスに向けて放った直後、グレイブスは壁を蹴ってマスティフの弾を回避し、ウォールランを応用して壁を蹴り渡りながらレイスの手からマスティフを叩き落とす。
「ッッ!」
クナイを抜き、グレイブスに刺し向ける。
だが腕を捕まれ、片腕の力だけで身体を引き回されて壁に叩き付けられる。
「カッ……ハッッッ……!?」
(なんて力……!?)
「パイロット相手に生身で肉弾戦をしようとは……命知らずだな」
横から割り込んで来たミラージュの右ストレートを躱し、渾身の前蹴りを食らわせる。
「ゴフッッ!?!?!?」
ミラージュの身体はくの字に折れ曲がり、血反吐を吐きながら壁に吹き飛んだ。
「悪いがお前達に用はない、帰らせてくれればそれでいいんだ」
建物から抜け出し、手摺を蹴って宙を跳ね、スラスタージャンプで管制塔の上に飛び乗る。
「やっぱりずりぃ!!てめぇ!その腰の奴オレにも寄越せよ!」
「ならパイロットになることだ、お前達はそれぞれに適正があるはずだ」
グレイブスは離陸場の袋小路に追い詰められ、レジェンド達に囲まれる。
「追い詰めた」
「おしまいよ」
「観念するんだなバッタ野郎」
「…………お前達とオレには圧倒的な差がある」
冷静に、冷徹に、冷酷に、グレイブスは口を開く。
「まず、生身の歩兵であるお前達が戦場のパイロットに勝てるはずがない」
「パイロ……あぁん!?」
「もういいわ、仕留めましょう」
バンガロールの合図と同時に全レジェンドの攻撃やアビリティがグレイブスに放たれた時。
ー≪タイタンフォール≫ー
その言葉が放たれた時、レジェンド達の頭上の空、天空に轟音が走ると共に雲が切り裂かれた。
瞬く間に、巨大な鉄の塊、二足歩行の何かがグレイブスの背後に落下し、ジブラルタルのドームシールドとは比べ物にならないほど分厚く、広大なプロテクトが展開される。
「これがお前達(歩兵)と俺(パイロット)との差だ、この戦争の勝敗を決めるのは、歴史を決めるのは、俺達パイロットと、このタイタンだ」
圧倒的だった、その男の背を見ながら膝を付くタイタンと呼ばれるそれは、どうにもならないほどの威圧感を持っていた。
「なに…あれ?」
「うわぁ!大きなオトモダチだ!友だちになれるかな?」
「いや……あれは流石に無理じゃねぇのか?アミーゴ……」
『…………複数の敵対勢力を検知』
「喋った……」
「一体どういう……」
『パイロット、当機に搭乗することを推奨します』
タイタンの視覚器官から放たれたスキャンがレジェンド達を照らす。
『……脅威レベルの査定を変更、非パイロット、歩兵を検知』
「帰還ビーコンが届くまで、少し遊んでやろう、クルーシブル」
クルーシブルはグレイブスを掴み、搭乗口に乗せてその身体を起き上がらせる。
『お帰りなさい、パイロット、全てを貴方に委ねます』
≪あぁ……さぁ、どこまでやれる?歩兵達よ≫