TF:軌跡を辿った者達   作:ペペロンチーノ伯爵

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chapter4『狩人の獲物』

ー≪フロンティア・前進基地虎大≫ー

 

 

 

基地の北東にあるパイプラインまでタイタンに乗って山を越えて来たゴーストチームは基地を渡る橋の下を抜けてパイプライン周辺の安全を確保する。

 

『敵性反応はありません、パイロット』

 

「了解だ……イグニス、どうだ?」

 

≪民間市民の救難ビーコンの信号があったのはここで間違いない、だが妙だ……敵性反応もなければ生態反応も無い………≫

 

「………罠か」

 

≪……んん!おいグレイブス!!≫

 

ケイドの呼び掛けに、ゴーストチームは彼が乗っているタイタンに振り向く。

するとケイド専用タイタンのベイルが基地の壁の窓に民間市民の姿を発見して指差しているのが見えた。

 

「居るのかそこに…?」

 

≪なんかすげぇ怯えてるけど、俺達を敵だと思ってるみたいだな……、多分だけどステルスナビで隠れてたんじゃねぇか?≫

 

≪罠じゃなかったってことか≫

 

≪俺とグレイブスは背後を警戒しよう、ケイドは窓にタイタンをロックして市民を確保してくれ≫

 

「………いやまて!!」

 

轟音、クルーシブルが窓に接近するベイルの身体を押し退けた瞬間に電磁波を帯びた弾道が突き抜けると同時にクルーシブの左腕が弾け飛んだ。

 

≪ッッ!!グレイブス!!!!≫

 

「………」

 

怯まずグレイブスは基地に設置された管制塔の屋上にバレットストライクをばら蒔くと、物理的ダメージ表示が出る。

そして屋上の空間が歪み、空間に色付いて現れたのは姿勢を低くしてスナイパーモードに移行していたノーススターだった。

 

『左腕、喪失、ヴォーテックスシールド破損……それ以外のダメージは確認出来ません』

 

「了解した」

(やはりな……ステルスナビは誰でも使える便利アイテムだが一般市民が入手できるような代物じゃない……)

 

≪スモーク散布!!各自隠れろ!!≫

 

≪了解……っておいクルーシブル!!≫

 

狙撃されているにも構わらずクルーシブルはスモークの外に、しかもわざわざ見晴らしの良い橋の外側に飛び出す。

そして追撃を躱そうとしたが動きを読まれていたのか二発目のコイル弾がクルーシブルの肩を撃ち抜く。

 

≪くそ!クルーシブル!!大丈夫か!?≫

 

≪問題ありません、ですが損害が激しいため、継続した戦闘は不能、即時離脱を推奨します≫

 

≪了解!イグニスとアールはグレイブスを頼むぜ!俺はあのノーススターをやる!≫

 

≪無茶だケイド!!相手は狙撃特化のノーススターモデルだぞ!?それにお前は………≫

 

≪いいから行けよ!人質も置いてはいけねぇ!!おら早く!!行け!!!≫

 

ケイドの熱に押され、三人は戦線を離脱、一人残ったケイドは操縦機を強く握りしめ、愛機を操る。

 

「よっしゃ……やってやろうぜベイル!」

 

『了解ですパイロット、ボコボコですね』

 

「おう!ボッコボコにしてやらぁ!」

 

薄れ始めるスモークから勢い良く飛び出すと同時に放たれる弾を紙一重でやり過ごし、管制塔から見て左側にある登り坂まで走って障害物に隠れる。

 

「クソ……こりゃやべぇな」

(アールの言ってた通り、相手は狙撃大好きノーススターちゃんだもんな………しかもノーススターにクローキングシステムだとぉ……?何者だあのやろう……一瞬だけ見えたあの印はエイペックスプレデターズの傭兵、賞金稼ぎか?厄介だなちくしょう)

 

 

~所属~

ー≪Apex Predators(エイペックス・プレデターズ)≫ー

使用タイタン:ノーススターモデル『クロム』

ー『ミシェル・オスマン』ー

 

 

 

 

 

ケイドが隠れた箇所に標準器を合わせ、再びクローキングで景色と同化するノーススターの中でミシェルは呟く

 

「………………獲物は逃げたか……」

 

『離脱しますか?パイロット』

 

「いいや……手ぶらじゃ帰れないな、金にはならないが残ったもう一匹の獲物を狩ろうか」

 

ミシェルはクロムを操縦して管制塔から移動し、飛行しながら獲物が隠れた場所にゆっくりと近付く。

そしてコイルショックガンがフルチャージされた瞬間にクローキングのまま物陰に飛び出す。

 

「ッッ!!なに!?」

 

物陰に隠れていたベイルはレーザー兵器の代わりに前方を守るヒーリングシールドを装備しており、咄嗟に放ったフルチャージのコイル弾はヒーリングシールドを貫通まではいかずとも撃ち破った。

撃ち破られたシールドの破片は消滅することなく、ベイルの全身を包んでヒーリングシールドが受けたダメージ分のシールドを構築する。

 

「しまった……!!」

 

ミシェルが逃げようとした時には既に、ベイルはドライブヒーラーと呼ばれるライフル兵器の引き金を引き、クロムに無数の青色のエネルギー弾を撃ち込む。

 

「距離を取るぞベイル!!」

 

≪了解ですパイロット≫

 

電磁スモークを噴出しながら敵のノーススターから距離を取り、坂を登って管制塔の裏側にある開けた空間まで走って逃げる。

 

「……ッ……クロム、損害は?」

 

≪損害は確認出来ません、むしろ敵性タイタンから放たれたエネルギー弾にはダメージを回復すると同時にシールドを付加する能力があるようです≫

 

「なんだと……?」

 

電磁スモークから離れ、飛行を止めてタイタンの稼働ゲージを確認すると、左腕を奪ったターゲットに反撃されたダメージが回復しており、それどころか剥がされたシールドが基準値を越えてオーバーチャージされていた。

 

「………なるほど、つまりあのタイタンは直接的な攻撃手段を持った武装が無いってことか…」

 

≪そう推定されます、戦闘方法の改定を推奨、より攻撃的に攻めるべきかと≫

 

「……いや………いつも通りにやろう。ここで慣れない事をすれば何処かで計算違いが生まれるからな」

 

≪了解ですパイロット、引き続きクローキングシステムを継続します≫

 

クロムは再び飛行を始め、コイルショックガンをチャージしながらその姿を消した。

 

「………ふぅ……キッツいな」

 

≪ヒーリングシールドのチャージが終了しました≫

 

「OK…ならやるか!!」

 

ベイルは何もない空にドライブヒーラーを構え、エネルギー弾を撃ち続ける。

 

「何だと……!?」

 

エネルギー弾は空を飛び、一ヶ所の空間に壁があるかのように途中で着弾した。

その空間は飛行音を鳴らし始めながら歪み、ノーススターが姿を見せる。

フルチャージされたコイル弾を撃ち込み、咄嗟にベイルが構えたヒーリングシールドを弾き飛ばす。

 

「電磁スモーク!!」

 

≪散布しますパイロット≫

 

「逃がさんぞ」

 

≪装備を展開します≫

 

電磁スモークに紛れるベイルにノーススター専用の副武装『テザートラップ』を展開し、スモークの中心にいる獲物を拘束した。

 

「やつの盾は潰した、クラスターミサイルだ」

 

≪クラスターミサイル起動≫

 

クロムのHUDにはテザートラップに掛かった者がスモーク越しでも丸見えだった。

ノーススターから発射される無数の小型ミサイルは的確にスモーク内にいる獲物にほぼ全て命中している。

だがテザートラップの拘束は相手の移動を制限するトラップ、細かい動作まで妨害することは出来ない。

 

「………ッ!」

 

クラスターミサイルを喰らい続けながらもスモークの中からエネルギー弾を放ち、見えているはずのないクロムに的確に当て続ける。

だがその攻撃はクロムにエネルギーを与えているだけであり、全くの無意味であった、そのお陰でクラスターミサイルのリチャージはレスポンスを感じさせぬほど早くチャージされ、ほぼ無尽蔵にミサイルを放ち続けることが出来た。

コイルショックガンのチャージも通常の数倍のスピードで溜まり、粉塵の中で無意味な反撃を続けるベイルにもう既に4発以上フルチャージされたコイル弾を撃ち込んでいる。

 

「ッッ………」

(こいつ……なぜまだ撃ち続けられる…?あのシールドはとっくに破って弾は直撃している筈だ……なぜ?)

 

スモークが薄れ始めた瞬間、ベイルが煙の中を引き裂いてその腕を伸ばし、無意識にも前のめりになっていたクロムのコイルショックガンの銃口を殴り曲げ、銃身を掴んでクロムを壁に叩き付ける。

 

≪損失軽微、問題ありません≫

 

「くっ……」

(あれだけ撃ったはずなのに無傷だと……!?何がどうなってる!?)

 

硝煙を纏いながら現れるベイルに損失はみられず、傷一つ付いていない。

 

≪……ストームエイド終了、再稼働まで10分≫

 

「ふぅ………死んだかと思った……っぜ!」

 

ベイルはクロムからコイルショックガンを奪い捨て、蹴り退ける。

確かにベイルはダメージを受けていた、クラスターミサイルはシールドを剥がし、フルチャージコイル弾は装甲を貫いて甚大なダメージを受けていた。

そしてタイタンの機体状況が危険領域に入った時。

ベイルに搭載されている

『緊急再生復帰プロトコル別名:ストームエイド』

によって3秒以内に装甲を完全再生、シールドをオーバーチャージして全回復したのだ。

 

「さぁやるぜベイル!」

 

≪了解ですパイロッー≫

 

ドライブヒーラーを構えた瞬間、ベイルの顔面をクロムが殴り付け、それに加えてクラスターミサイルを掃射する。

状況はなにも変わっていない、ドライブヒーラーはいくら撃っても敵を回復、強化させるだけで何の役にもたっていない。

壁に後部を叩き付けられ、ドライブヒーラーによってリチャージ速度が何倍にも早くなったクラスターミサイルを至近距離で撃ち続ける。

それでもベイルはドライブヒーラーを片手で永遠と休むことなく撃ち続けた。

 

「このまま潰してやる………!」

 

≪機体はエネルギーに満ち溢れてます、もしもニュークリアイジェクトを使用されたとしてもオーバーチャージされたシールドを失う程度のダメージで済みます、パイロット≫

 

「なぜ攻撃手段の無いタイタンで俺に挑んだかは気になるがこの際どうでもいい……このまま狩る…!」

 

絶え間なく撃ち続けるクラスターミサイルの嵐に晒されながらベイルの中でケイドは静かに呟く。

 

「全部返せよハエ野郎……俺も返してやるからよ」

 

『………プロテクトシフト起動』

 

刹那、クロムの全身が激しく発光し、青色のエネルギー波を発しながら爆発した。

 

「ッッ!?」

 

シールドも装甲も内部から弾け飛び、エネルギー波の一部になると全て正面でズタボロにしてやったはずのタイタンに吸収され何事も無かったかの様に再生した。

 

「何かを返してもらったからにゃこっちも

返してやるのが男だからな……今まで貰ったモンを返してやる!!」

 

爆発で仰け反ったクロムの左腕を鷲掴み、自分の機体に引き寄せる。

引き寄せた瞬間にベイルは頭突きをかまし、強烈な熱源反応を起こしながら機体の内側から外側へクロムから受けたあらゆる全てのダメージエネルギーを爆発させた。

尋常ではないエネルギー出力の爆弾をゼロ距離で喰らったクロムは危険領域に達し、全てのエネルギーをベイルに奪われた事で全ての武装は使用不能になっていた、ブースターすら意味をなさない。

 

「これはグレイブスの分だハエ野郎!!」

 

クロムを蹴り飛ばすと同時に左腕を引き千切った。

黒焦げの外骨格をさらけ出した無惨な姿になったクロムは体勢を整えられずそのまま地面に倒れ込む。

 

「………………」

 

『パイロット、聞こえていますか?パイロット?脱出してくださいパイロット、脱出です、脱出、脱出、脱出』

 

「……クロム………………」

 

ショートした配線盤から弾ける火花の音に混じって聞こえてくるタイタンの重い足音が少しずつ迫ってくる。

そしてノイズが走るディスプレイにベイルの姿が見え始めた。

 

「………すまんな……クロム」

 

『パイロット、脱出、脱出、脱出、プロトコル3、脱出してくださいパイロット、脱出してください』

 

「一つだけ……おれの命令を聞いてくれ」

 

ベイルは倒れ込むクロムの前に立ち、その拳を振り上げる。

クロムは危険領域のレベルに達していたが、ベイルも自分の身体を使ってエネルギー波を放出した事による自爆ダメージを受けており、そのダメージは決して軽くない。

振り上げられた拳がコックピットに向けて落とされたその瞬間。

 

≪フライトコア展開≫

 

「ッ!!!」

 

クロムの背中に装備されたミサイルポットから無数の誘導ミサイルを撃ち出し、ほとんどマウントを取った状態のベイルに至近距離からぶつける。

 

「こいつ!!ここに来て足掻きやがった!!!」

(予備バッテリーか……!?それで機体のエネルギーをチャージしやがったのか!!)

 

ミサイルを撃ち続けながら飛行ブースターを稼働させてマウントを逃れ、状況を逆転させて行く。

フライトコアのエネルギーが無くなる頃にはクロムは地に足を付け、ベイルは壁に押し潰されたかのように倒れ、沈黙する。

 

≪パイロット、ケイド?機体の下部に重度の損失を検知、ブースターが破損しました≫

 

「くそ……脚をやられたか……?」

(あのフライトコアのミサイル、途中からベイルの脚を集中放火しやがった……ちくしょう起きるのに時間がー)

 

ハッとした時には既にクロムがディスプレイ上にそびえ立っており、コックピットに向けてクラスターミサイルを構える。

 

「これは………やべぇぞ………」

 

一方その頃、撤退を終えて回収地点に着いたゴーストチームは輸送機を要請して離脱準備を始めていた。

 

≪とりあえず降りて状況を確認しようぜ≫

 

≪そうだな…そうするか≫

 

『………………』

 

タイタンから降りて一ヶ所に集まったイグニスとアールの二人は微動だにしないクルーシブルに声を掛ける。

 

≪ん………降りてこいよグレイブス、寝てんのか?≫

 

≪監視なら必要ないぞ、スポットエリアを展開してあるからな≫

 

≪………おい?グレイブス?≫

 

『………これよりコックピットを開閉します』

 

クルーシブルの頭部が割れ、開かれる。

 

「………お!?おおお!?!?」

 

「………これは……」

 

『イグニス、アール、すみません』

 

そして前進基地虎大にてベイルに止めを刺そうとクラスターミサイルのトリガーに手を掛けたその瞬間、コックピット内で警告音が鳴り響く。

 

『外頭部に接触反応、予備バッテリーを奪われます』

 

「何だと!?」

 

身体を振って暴れるクロムを見ていたベイルは確かにその存在を確認していた。

コックピットの中で一緒に見たケイドは衝撃と共に全身の鳥肌が立つ。

 

「………マジかよ………愛してるぜ隊長!」

 

≪相変わらず詰めが甘いなケイド、それでは持たんぞ≫

 

クロムの頭部から跳び出し、ベイルの頭部に移ってバッテリーを差し込む。

 

≪ブースターの回復に全てのエネルギーを使え、それまでは俺がやろう≫

 

「了解!!頼むぜ隊長!!」

 

ベイルから離れ、壁にグラップルを付けて高速で身体を跳ね上がらせる。

 

≪クソ……貴様が亡霊か!!≫

 

傍受したタイタンの中から聞こえる無線の声を聞きながら、宙を舞うグレイブスは左手に持ったPARKカードの起動スイッチを押す。

 

武器強化(ウェポンブースト)………」

 

それと同時に興奮剤を撃ち込み、クロムに二発目のグラップルショットを放って尋常ならざるスピードでグラップルに引かれて接近する。

 

「ッッ……!」

(どれだけ速かろうとグラップルのロープが奴の軌道を教えてくれる……殴り潰してやる!)

 

ミシェルはタイミングを図ってクロムの右手の拳をグレイブスに向けて振り抜いた。

だがグレイブスはグラップルを途中で切り離してスラスタージャンプ、拳を飛び越えてボロボロの右腕にしがみつき、片手でヘムロックを構え、クロムのコックピットに向けてバースト射撃しながら腕を掛け上がる。

 

≪クソ、離れろ!!≫

 

右腕を振り回される前に腕から離れ、身体を水平に高速で回転させながらPARKカードで強化されたエネルギー弾を撃ち続ける。

PARKカードの武器強化の効果を得たヘムロックの弾丸は危険領域に陥ったクロムのHPを微量ながら確実に減らしていく。

………本来ならば、いくらパイロットであろうとタイタンを相手に正面から挑むなど自殺行為に等しい、普通であれば対タイタン用兵装を装備して安全地帯を確保して削って行くのが上等手段だが、この男グレイブス・フェニックスはパイロットの中でも唯一タイタン相手にまともな対タイタン用兵装なしでも渡り合える逸材である。

 

「くそ………」

(速すぎる………何だこいつのスピードは…!?動きの軌道を変えるときにどうやってスピードを維持してるんだ………!?あり得ない!!)

 

そのスピードはノーススター級のクロムですら至近距離でのターゲット捕捉が追い付かないほどである。

グレイブスは焦ることなくクロムの股下を滑り込み

、フェーズアウトを使って亜空間にジャンプ、振り向いたクロムの背後に回って頭部に乗り、バッテリーを抜き取った冷却装置にヘムロックを撃ち込む。

 

≪クソ……クソ!!≫

 

クロムが飛び上がった事で何かを察したグレイブスはその場を離れる。

グレイブスの黒のパイロットスーツをその目に焼き付け、ミシェルは歯軋りをしながら飛び去っていった。

 

「………逃がしたか」

 

≪おーい、終わったかグレイブス?≫

 

「終わったぞケイド、相手は逃げた……」

 

≪了解……ブースターは回復した、帰ろうぜ?≫

 

「そうだな……行くぞ」

 

起き上がるベイルの肩に飛び乗り、二人は帰路に付く。

 

「なぁグレイブス?」

 

コックピットの中でケイドはグレイブスに語り掛ける。

 

≪……なんだ?≫

 

「いつからこの基地に居たんだ?」

 

≪スモークに紛れてコックピットから降りて民間人を全員クルーシブルの中に詰めてからは基地内に潜んでた≫

 

「ハハ、そりゃクルーシブルも大変……ってお前最初から居たなら初めから助けてくれよ!」

 

≪ムリだ、どっちが囮になってもお前は攻撃武装無し、そして俺は対タイタン用兵装を持ってない。グダグダになってどちらかが死んでいた≫

 

「………それもそうか」

 

ここでケイドに一つの疑問が浮かんだ。

 

「でもどうしてグレイブスは残ったんだ?もしかして俺が残るのを予想してー」

 

≪それはかなりの想定外だったぞケイド、まさかお前が残るとはな、本当はあのまま奴をしばらく監視してから帰投する予定だったんだ≫

 

「あ、すいません」

 

 

~ナイトフォール本部~

ー≪事務室前≫ー

 

 

帰投後、グレイブスはアールとイグニスから叱られながら報告を終え、イェソドからの呼び出しで一人事務室に向かう。

 

「………入るぞイェソド」

 

「グレイブスか、入れ」

 

扉を開け、コーヒーを飲みながら事務作業に勤しむイェソドはこちらを横目にペンを置いた。

 

「フロストヘイト作戦…」

 

「ん………?」

 

「そこでお前が持ち帰ったデータを全て調べたところ、面白いものが見つかった」

 

「それで?」

 

「こいつは………世界を時限爆弾にする」

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