創造紀エヴァンゲリオン ―外来意識の介入―   作:最上 イズモ

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使徒侵入?

 

ネルフ本部地下深層。

 

ハーモニクステストルーム。

 

金属と消毒薬の匂いが混ざった、冷たい空気。

均一な白色灯。

壁一面を埋める観測機器。

 

普段なら。

 

ここは、エヴァパイロットの神経接続状態を極限まで細かく測定する場所だった。

 

筋電位。

 

脳波。

 

神経反応。

 

シンクロ率。

 

意識と機体の境界。

 

そのすべてを。

 

容赦なく。

 

数値へ変換する。

 

マヤ「テストシーケンス、開始します」

 

天井スピーカー。

 

シンジ(イズモ)「了解」

 

マヤ「生体センサー、正常」

 

マヤ「神経接続系、正常」

 

一拍。

 

マヤ「……あれ?」

 

リツコ「どうしたの?」

 

マヤ「観測用モニター」

 

操作。

 

もう一度。

 

マヤ「真っ黒です」

 

リツコ「故障?」

 

マヤ「いえ」

 

キーボード。

 

高速。

 

マヤ「映像入力だけ完全に遮断されています」

 

ミサト「映像だけ?」

 

マヤ「はい」

 

マヤ「生体反応も、シンクロ率も、筋電位も」

 

画面。

 

数字。

 

流れる。

 

マヤ「全部取れてる」

 

リツコ「そんな切り分け」

 

少し。

 

考える。

 

リツコ「普通できないわよ」

 

テストルーム。

 

中央。

 

シンジ(イズモ)「切ったから」

 

通信。

 

沈黙。

 

ミサト「……何を?」

 

シンジ(イズモ)「カメラ」

 

ミサト「なんで?」

 

シンジ(イズモ)「必要ないから」

 

ミサト「必要あるから付いてるのよ!」

 

シンジ(イズモ)「神経リンク見るだけなら映像要らないでしょ」

 

リツコ「あなたね」

 

シンジ(イズモ)「数値は全部送ってる」

 

リツコ「そういう問題じゃない」

 

アスカ「相変わらずね」

 

別区画。

 

アスカ。

 

腕を組んで。

 

モニターを見る。

 

アスカ「普通のパイロットなら」

 

一拍。

 

アスカ「今ごろめちゃくちゃ怒られてるわよ」

 

シンジ(イズモ)「今怒られてる」

 

アスカ「もっとよ」

 

レイ「映像を切った理由は?」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

沈黙。

 

アスカ「?」

 

マヤ「シンジ君?」

 

シンジ(イズモ)「今」

 

一拍。

 

シンジ(イズモ)「全裸だから」

 

沈黙。

 

アスカ「はぁ!?」

 

ミサト「シンジ君!!」

 

リツコ「……」

 

レイ「そう」

 

マヤ「えっ」

 

シンジ(イズモ)「だから切った」

 

アスカ「なんで全裸なのよ!!」

 

シンジ(イズモ)「テストだから」

 

アスカ「答えになってない!」

 

シンジ(イズモ)「衣服挟むとモーション測定の誤差出る」

 

リツコ「出ても誤差範囲よ」

 

シンジ(イズモ)「気になる」

 

リツコ「あなたが?」

 

シンジ(イズモ)「うん」

 

マヤ「……先輩」

 

マヤ「筋電位の取得精度」

 

画面。

 

見る。

 

マヤ「確かに、通常よりかなり高いです」

 

リツコ「マヤ」

 

マヤ「すみません」

 

リツコ「感心しないの」

 

テストフロア中央。

 

シンジ――イズモ。

 

最低限だけ片手で隠す。

 

もう片方の手。

 

構える。

 

シンジ(イズモ)「じゃ」

 

一歩。

 

ジャブ。

 

シュッ。

 

空気。

 

切る。

 

次。

 

ストレート。

 

身体。

 

捻る。

 

回し蹴り。

 

足。

 

金属床。

 

乾いた音。

 

アスカ「ちょっと待ちなさい!」

 

シンジ(イズモ)「何?」

 

アスカ「何やってんのよ!」

 

シンジ(イズモ)「モーション確認」

 

アスカ「裸で格闘してるだけじゃない!」

 

シンジ(イズモ)「神経リンク込み」

 

アスカ「だから何よ!」

 

シンジ(イズモ)「エヴァって」

 

さらに。

 

拳。

 

シンジ(イズモ)「パイロットの身体動作」

 

肘。

 

シンジ(イズモ)「かなり反映する」

 

踏み込み。

 

シンジ(イズモ)「なら」

 

蹴り。

 

シンジ(イズモ)「身体側の動きも取っといた方がいい」

 

アスカ「理屈は分かるけど!」

 

顔。

 

赤い。

 

アスカ「絵面が最悪なのよ!」

 

レイ「映像は切れている」

 

アスカ「そういう問題じゃない!」

 

ミサト「はい!」

 

マイク。

 

叩く。

 

ミサト「そこまで!」

 

シンジ(イズモ)「まだ三パターン」

 

ミサト「いいから模擬体乗りなさい!」

 

シンジ(イズモ)「はいはい」

 

アスカ「返事軽っ!」

 

シンジ(イズモ)「カメラ戻す?」

 

マヤ「まだ戻さなくていいです!」

 

マヤ。

 

即答。

 

自分で。

 

固まる。

 

マヤ「……」

 

リツコ「マヤ?」

 

マヤ「安全上です!」

 

ミサト「うん」

 

ミサト「そういうことにしましょう」

 

除菌シャワー。

 

作動。

 

白い。

 

霧。

 

消毒液。

 

身体を包む。

 

シンジ(イズモ)「冷たっ」

 

カエデ「体表除菌開始」

 

シンジ(イズモ)「こういう時だけ機械的」

 

カエデ「衛生管理です」

 

シンジ(イズモ)「分かってる」

 

シャワー。

 

停止。

 

模擬体。

 

待機。

 

エヴァの神経接続だけを模倣する。

 

巨大な。

 

実験用システム。

 

シンジ(イズモ)「じゃ」

 

乗る。

 

扉。

 

閉じる。

 

別。

 

アスカ。

 

レイ。

 

それぞれ。

 

模擬体。

 

接続。

 

リツコ「三人同時」

 

マヤ「了解」

 

ハーモニクステスト。

 

開始。

 

画面。

 

シンクロ率。

 

上昇。

 

波形。

 

重なる。

 

マヤ「シンジ君五一・二」

 

マヤ「アスカ四八・七」

 

マヤ「レイ三九・五」

 

アスカ「昨日より上」

 

シンジ(イズモ)「よかったね」

 

アスカ「何その反応」

 

シンジ(イズモ)「普通に褒めてる」

 

アスカ「もっと喜びなさい」

 

シンジ(イズモ)「なんで自分が」

 

レイ「二人とも」

 

アスカ「何?」

 

レイ「テスト中」

 

アスカ「ファーストに怒られた」

 

シンジ(イズモ)「珍しい」

 

レイ「怒っていない」

 

シンジ(イズモ)「そう」

 

平常。

 

いつもの。

 

テスト。

 

その。

 

同時刻。

 

ネルフ本部。

 

タンパク壁。

 

巨大な。

 

生体防壁。

 

その内部。

 

黒。

 

ごく。

 

小さな。

 

染み。

 

最初は。

 

ノイズ。

 

程度。

 

そして。

 

動いた。

 

一センチ。

 

十。

 

一メートル。

 

構造。

 

解析。

 

接続。

 

侵入。

 

マヤ「……?」

 

画面。

 

一つ。

 

赤。

 

マヤ「何これ」

 

リツコ「どうしたの」

 

マヤ「タンパク壁内」

 

拡大。

 

マヤ「異常反応」

 

警報。

 

マヤ「侵入反応検知!」

 

ミサト「何!?」

 

マヤ「使徒由来と思われるパターン!」

 

リツコ「位置!」

 

マヤ「地下深層!」

 

マヤ「ハーモニクス実験区画の近くです!」

 

ミサト「嘘でしょ!」

 

リツコ「テスト中止!」

 

マヤ「停止信号――」

 

操作。

 

マヤ「通りません!」

 

リツコ「何?」

 

画面。

 

赤。

 

一つ。

 

二つ。

 

広がる。

 

マヤ「システムへ侵入!」

 

ミサト「パイロットは!」

 

マヤ「模擬体内部!」

 

リツコ「強制切断!」

 

マヤ「拒否されます!」

 

アスカ〈通信〉「ちょっと!」

 

ノイズ。

 

アスカ〈通信〉「何なのよ!」

 

シンジ(イズモ)〈通信〉「カエデ」

 

カエデ「侵入プロセス検出」

 

シンジ(イズモ)「使徒?」

 

カエデ「可能性九七・八パーセント」

 

レイ〈通信〉「内部にも入っている」

 

シンジ(イズモ)「……来たか」

 

アスカ〈通信〉「何よその落ち着き!」

 

ミサト「模擬体!」

 

判断。

 

一瞬。

 

ミサト「そのまま射出!」

 

リツコ「ミサト!」

 

ミサト「ここで侵食されたらパイロットごと危ない!」

 

ミサト「隔離区画へ!」

 

マヤ「カタパルト接続!」

 

警報。

 

重なる。

 

模擬体。

 

動く。

 

シンジ(イズモ)「この状態で射出?」

 

アスカ「文句言わない!」

 

シンジ(イズモ)「裸なんだけど」

 

アスカ「今それどうでもいい!」

 

シンジ(イズモ)「そうだね」

 

カタパルト。

 

加速。

 

衝撃。

 

隔離区画。

 

停止。

 

だが。

 

画面。

 

赤。

 

侵食。

 

内部。

 

アスカ「……」

 

アスカ「増えてる」

 

レイ「速い」

 

シンジ(イズモ)「カエデ」

 

カエデ「解析中」

 

シンジ(イズモ)「侵入経路」

 

カエデ「複数」

 

シンジ(イズモ)「排除」

 

カエデ「既存セキュリティでは困難」

 

シンジ(イズモ)「了解」

 

アスカ「了解じゃないわよ!」

 

アスカ「このままどうすんの!」

 

発令所。

 

マヤ「内部システム侵食六〇!」

 

リツコ「ネットワーク切断!」

 

マヤ「もう独立動作しています!」

 

リツコ「使徒がコンピュータそのものへ進化してる……?」

 

MAGI。

 

反応。

 

侵食。

 

赤。

 

接近。

 

マヤ「MAGIへの接続を試みています!」

 

リツコ「遮断!」

 

マヤ「間に合いません!」

 

画面。

 

赤。

 

さらに。

 

その瞬間。

 

音声。

 

無機質。

 

アナウンス「侵入勢力を確認」

 

全員。

 

止まる。

 

アナウンス「脅威レベル判定」

 

アナウンス「外来コード」

 

アナウンス「自己増殖性あり」

 

アナウンス「基幹システムへの接触を確認」

 

リツコ「……何?」

 

アナウンス「免疫機能を起動します」

 

一秒。

 

二秒。

 

赤。

 

止まる。

 

マヤ「侵食率……停止?」

 

次。

 

逆流。

 

赤が。

 

消える。

 

一つ。

 

二つ。

 

十。

 

百。

 

まるで。

 

熱へ晒された霜。

 

侵入していた使徒構造が。

 

一気に。

 

分解される。

 

マヤ「何これ……」

 

リツコ「ログ!」

 

マヤ「取ってます!」

 

画面。

 

白。

 

高速。

 

コード。

 

流れる。

 

侵入。

 

識別。

 

隔離。

 

複製。

 

解析。

 

無害化。

 

そして。

 

削除。

 

マヤ「……排除されてます」

 

ミサト「使徒が?」

 

マヤ「はい」

 

数秒。

 

最後の。

 

赤。

 

消える。

 

警報。

 

停止。

 

静寂。

 

マヤ「侵入反応」

 

息。

 

吐く。

 

マヤ「完全消失」

 

誰も。

 

話さない。

 

リツコ「今の」

 

一拍。

 

リツコ「誰がやったの?」

 

マヤ「MAGIです」

 

リツコ「違う」

 

即答。

 

リツコ「MAGIに」

 

画面。

 

見る。

 

リツコ「あんな自律防御は入ってない」

 

マヤ「でも」

 

ログ。

 

開く。

 

マヤ「追加コードが」

 

リツコ「いつ入った?」

 

マヤ「履歴」

 

検索。

 

止まる。

 

マヤ「……分からない」

 

リツコ「分からない?」

 

マヤ「外部入力履歴がありません」

 

マヤ「ファイル生成ログも」

 

一拍。

 

マヤ「古い」

 

リツコ「いつ?」

 

マヤ「少なくとも」

 

表示。

 

マヤ「数週間前」

 

ミサト「数週間」

 

全員。

 

ほぼ。

 

同時。

 

思い当たる。

 

リツコ「……シンジ君」

 

隔離区画。

 

簡易シート。

 

三人。

 

救護班。

 

来ない。

 

通信。

 

まだ。

 

不安定。

 

アスカ「……」

 

レイ「……」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

全員。

 

最低限。

 

非常用シート。

 

アスカ「寒い」

 

シンジ(イズモ)「うん」

 

アスカ「うんじゃない!」

 

シンジ(イズモ)「服作る?」

 

アスカ「最初からそうしなさいよ!」

 

レイ「欲しい」

 

シンジ(イズモ)「了解」

 

掌。

 

光。

 

生地。

 

繊維。

 

プラグスーツに近い。

 

薄手。

 

保温。

 

二着。

 

生成。

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

置く。

 

背中。

 

向ける。

 

アスカ「……」

 

アスカ「見ないの?」

 

シンジ(イズモ)「何を」

 

アスカ「いや」

 

一拍。

 

アスカ「なんでもない!」

 

シンジ(イズモ)「?」

 

レイ「着る」

 

シンジ(イズモ)「うん」

 

少し。

 

時間。

 

アスカ「いいわよ」

 

振り返る。

 

シンジ(イズモ)「寒くない?」

 

アスカ「かなりマシ」

 

レイ「温かい」

 

シンジ(イズモ)「よかった」

 

アスカ「……で」

 

腕組み。

 

アスカ「さっきの」

 

シンジ(イズモ)「何?」

 

アスカ「免疫機能」

 

シンジ(イズモ)「ああ」

 

アスカ「“ああ”じゃない!」

 

一歩。

 

アスカ「知ってたでしょ!」

 

シンジ(イズモ)「うん」

 

アスカ「やっぱり!」

 

レイ「いつ作ったの?」

 

シンジ(イズモ)「ラミエルの後くらい」

 

アスカ「ずっと前じゃない!」

 

シンジ(イズモ)「使徒のコア解析して」

 

膝。

 

抱える。

 

シンジ(イズモ)「生物としての攻撃だけじゃない可能性あるなって」

 

アスカ「だから?」

 

シンジ(イズモ)「コンピューター側にも免疫作った」

 

アスカ「……」

 

レイ「免疫」

 

シンジ(イズモ)「人間と同じ」

 

手。

 

出す。

 

シンジ(イズモ)「ウイルス入る」

 

シンジ(イズモ)「異物だって判断する」

 

シンジ(イズモ)「隔離」

 

シンジ(イズモ)「解析」

 

シンジ(イズモ)「排除」

 

レイ「……分かった」

 

アスカ「私は分かりたくない」

 

シンジ(イズモ)「なんで」

 

アスカ「ネルフのシステムに」

 

指。

 

アスカ「あんたが勝手に免疫機能埋め込んでる事実をよ!」

 

シンジ(イズモ)「勝手じゃない」

 

アスカ「許可取ったの?」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

アスカ「取ってないじゃない!」

 

シンジ(イズモ)「試験実装」

 

アスカ「勝手じゃない!」

 

カエデ「事後承認を前提としていました」

 

アスカ「もっと悪い!」

 

シンジ(イズモ)「でも動いた」

 

アスカ「結果論!」

 

レイ「助かった」

 

アスカ「ファースト!」

 

レイ「事実」

 

アスカ「そうだけど!」

 

無線。

 

ノイズ。

 

リツコ〈無線〉『シンジ君』

 

イズモ。

 

止まる。

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

リツコ〈無線〉『聞きたいことがあるんだけど』

 

声。

 

怖い。

 

シンジ(イズモ)「……」

 

アスカ。

 

口元。

 

笑う。

 

シンジ(イズモ)「免疫機能?」

 

リツコ〈無線〉『やっぱりあなたね』

 

シンジ(イズモ)「説明します」

 

リツコ〈無線〉『後で』

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

リツコ〈無線〉『すごく』

 

一拍。

 

リツコ〈無線〉『詳しく』

 

通信。

 

切れる。

 

アスカ「終わったわね」

 

シンジ(イズモ)「たぶん怒られる」

 

アスカ「当たり前よ」

 

レイ「でも」

 

シンジ(イズモ)「?」

 

レイ「褒められると思う」

 

アスカ「なんで?」

 

レイ「赤木博士は」

 

一拍。

 

レイ「技術が好きだから」

 

沈黙。

 

シンジ(イズモ)「……ありそう」

 

アスカ「何その理解度」

 

時間。

 

経つ。

 

通信。

 

復旧せず。

 

救護班。

 

来ない。

 

アスカ「暇」

 

レイ「そう」

 

シンジ(イズモ)「一時間くらいかな」

 

アスカ「何するの?」

 

シンジ(イズモ)「しりとり」

 

アスカ「……」

 

レイ「やる」

 

アスカ「ファースト乗り気!?」

 

シンジ(イズモ)「じゃあ」

 

考える。

 

シンジ(イズモ)「りんご」

 

アスカ「ゴリラ」

 

レイ「ラジオ」

 

シンジ(イズモ)「オスミウム」

 

アスカ「いきなり元素やめなさい!」

 

シンジ(イズモ)「ム」

 

アスカ「ム……」

 

考える。

 

アスカ「ムード」

 

レイ「ドーナツ」

 

シンジ(イズモ)「月」

 

アスカ「機体」

 

レイ「イリジウム」

 

シンジ(イズモ)「ム?」

 

レイ「ええ」

 

アスカ「ファーストまで元素使い始めた!」

 

レイ「使える」

 

シンジ(イズモ)「いいね」

 

アスカ「よくない!」

 

さらに。

 

シンジ(イズモ)「リツコ」

 

アスカ「硬直状態」

 

レイ「インパクト」

 

シンジ(イズモ)「トリチウム」

 

アスカ「またム!」

 

シンジ(イズモ)「元素強い」

 

アスカ「卑怯なのよ!」

 

レイ「ム」

 

考える。

 

レイ「無重力」

 

シンジ(イズモ)「力学」

 

アスカ「苦労」

 

レイ「海」

 

シンジ(イズモ)「ミサイル」

 

アスカ「留守番電話」

 

レイ「ワンピース」

 

シンジ(イズモ)「スカンジウム」

 

アスカ「また!!」

 

シンジ(イズモ)「ムード」

 

アスカ「それもう出た!」

 

シンジ(イズモ)「じゃ」

 

少し。

 

考える。

 

シンジ(イズモ)

「いろはにほへと

ちりぬるを

わかよたれぞ

つねならむ」

 

アスカ「待ちなさい!」

 

レイ「最後は“む”」

 

シンジ(イズモ)「そう」

 

アスカ「文章はズルでしょ!」

 

シンジ(イズモ)「単語縛りって言ってない」

 

アスカ「言わなくても普通そうなのよ!」

 

レイ「では」

 

少し。

 

考える。

 

レイ「無常」

 

シンジ(イズモ)「強い」

 

アスカ「なんでファーストだけ対応できてんのよ!」

 

笑い。

 

少し。

 

響く。

 

使徒。

 

侵入。

 

MAGI。

 

警報。

 

全部。

 

ほんの少し前まで。

 

死ぬかもしれなかった。

 

でも。

 

今。

 

三人。

 

隔離区画で。

 

しりとり。

 

アスカ「……」

 

少し。

 

笑う。

 

アスカ「バカみたい」

 

シンジ(イズモ)「うん」

 

レイ「悪くない」

 

アスカ「……そうね」

 

一時間後。

 

無線。

 

復帰。

 

ミサト〈無線〉『シンジ君!』

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

ミサト〈無線〉『アスカ! レイ!』

 

アスカ「生きてるわよ」

 

レイ「問題ない」

 

ミサト〈無線〉『救護班を向かわせてる』

 

ミサト〈無線〉『そのまま待機!』

 

シンジ(イズモ)「服は作ったから大丈夫」

 

沈黙。

 

ミサト〈無線〉『服?』

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

ミサト〈無線〉『……シンジ君』

 

シンジ(イズモ)「?」

 

ミサト〈無線〉『また創造能力で勝手なことしてないでしょうね』

 

イズモ。

 

アスカ。

 

レイ。

 

三人。

 

顔。

 

見る。

 

シンジ(イズモ)「……服だけです」

 

アスカ「嘘ではないわね」

 

レイ「今は」

 

ミサト〈無線〉『その言い方何!?』

 

シンジ(イズモ)「後で説明します」

 

ミサト〈無線〉『最近そればっかり!』

 

救護班。

 

到着。

 

扉。

 

開く。

 

職員「パイロット三名確認!」

 

職員「外傷なし!」

 

アスカ「やっと出られる……」

 

レイ「しりとり」

 

アスカ「もういい!」

 

シンジ(イズモ)「続き帰ってからやる?」

 

アスカ「やらない!」

 

レイ「私はやる」

 

アスカ「ファースト!?」

 

三人。

 

歩く。

 

その後ろ。

 

テスト区画。

 

何事もなかったように。

 

照明。

 

点灯。

 

模擬体。

 

沈黙。

 

けれど。

 

発令所では。

 

リツコが。

 

一人。

 

大量のコードを。

 

見ていた。

 

マヤ「先輩」

 

リツコ「……何」

 

マヤ「この免疫アルゴリズム」

 

マヤ「すごいです」

 

リツコ「分かってる」

 

マヤ「既知ウイルスのデータベース照合じゃない」

 

リツコ「ええ」

 

マヤ「“自分と違うもの”を」

 

画面。

 

マヤ「振る舞いで判別してる」

 

リツコ「生物の免疫を」

 

少し。

 

眉を寄せる。

 

リツコ「コンピューターへ持ってきた」

 

マヤ「しかも」

 

ログ。

 

マヤ「今回の使徒から」

 

解析データ。

 

マヤ「新しい侵入パターンを学習してます」

 

リツコ「自己更新」

 

マヤ「はい」

 

リツコ「……」

 

椅子。

 

背中。

 

預ける。

 

リツコ「十四歳」

 

マヤ「中身は違うそうですけど」

 

リツコ「そういう問題でもないわ」

 

少し。

 

笑う。

 

リツコ「怒るべきかしら」

 

マヤ「勝手にMAGIへコード入れてますから」

 

リツコ「そうよね」

 

マヤ「でも」

 

マヤも。

 

少し。

 

笑う。

 

マヤ「助かりました」

 

リツコ「……そうなのよ」

 

画面。

 

コード。

 

見る。

 

リツコ「だから」

 

ため息。

 

リツコ「怒りにくいのよ、あの子」

 

その頃。

 

廊下。

 

イズモ。

 

くしゃみ。

 

シンジ(イズモ)「……」

 

アスカ「風邪?」

 

シンジ(イズモ)「誰かに悪口言われた気がする」

 

レイ「赤木博士?」

 

シンジ(イズモ)「たぶん」

 

アスカ「心当たりありすぎでしょ」

 

シンジ(イズモ)「でも」

 

少し。

 

笑う。

 

シンジ(イズモ)「動いてよかった」

 

アスカ「免疫機能?」

 

シンジ(イズモ)「うん」

 

アスカ「次から許可取りなさい」

 

シンジ(イズモ)「努力する」

 

アスカ「許可取るのに努力いらないでしょ!」

 

レイ「必要なのは申請」

 

シンジ(イズモ)「……はい」

 

三人。

 

歩く。

 

ネルフ本部。

 

いつもの。

 

機械音。

 

職員の声。

 

灯り。

 

さっきまで。

 

使徒が。

 

内部へ。

 

入り込んでいたとは。

 

思えない。

 

その。

 

いつもの音が。

 

今日は。

 

少しだけ。

 

心地よかった。

 

そして。

 

MAGIの最深部。

 

イズモが。

 

仕込んだ。

 

小さな。

 

免疫プログラムは。

 

今回の侵入データを。

 

静かに。

 

自分自身へ。

 

追加していた。

 

次に。

 

同じものが。

 

入ってきた時。

 

もっと早く。

 

排除するために。

 




使徒に吸収されるイズモ
エヴァの中にいるユイと協力して使徒から脱出することはできるか?
次回創造紀エヴァンゲリオン
死に至る病そして
次回もサービスサービス
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