創造紀エヴァンゲリオン ―外来意識の介入―   作:最上 イズモ

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死に至る病そして

 

 

第三新東京市。

 

昼過ぎ。

 

空は晴れている。

 

それなのに。

 

街には。

 

妙な圧迫感があった。

 

警報。

 

ビル群へ。

 

赤い光。

 

走る。

 

『使徒接近』

 

地下。

 

装甲板。

 

開く。

 

初号機。

 

零号機。

 

弐号機。

 

三機。

 

地上へ。

 

シンジ(イズモ)「……」

 

エントリープラグ。

 

モニター。

 

街。

 

空。

 

使徒反応。

 

胸の奥。

 

少しだけ。

 

重い。

 

知っている。

 

この使徒を。

 

知識として。

 

映像として。

 

物語として。

 

でも。

 

実際に。

 

自分が。

 

その前へ。

 

立つのは。

 

全く。

 

別だった。

 

カエデ「敵性個体、観測範囲内へ進入」

 

カエデ「形状情報、不安定」

 

シンジ(イズモ)「分かってる」

 

カエデ「心拍数上昇」

 

シンジ(イズモ)「それも分かってる」

 

アスカ〈無線〉「何よ」

 

アスカ〈無線〉「珍しく緊張してる?」

 

シンジ(イズモ)「ちょっとね」

 

アスカ〈無線〉「へえ」

 

シンジ(イズモ)「アスカ」

 

アスカ〈無線〉「何?」

 

シンジ(イズモ)「今回は」

 

一拍。

 

シンジ(イズモ)「自分が攻撃する」

 

アスカ〈無線〉「は?」

 

シンジ(イズモ)「アスカと綾波は援護」

 

アスカ〈無線〉「ちょっと待ちなさい」

 

弐号機。

 

こちらを見る。

 

アスカ〈無線〉「あんた」

 

アスカ〈無線〉「いつも散々『単独で突っ込むな』って言う側でしょうが」

 

シンジ(イズモ)「今回は策がある」

 

アスカ〈無線〉「なら説明しなさいよ」

 

シンジ(イズモ)「時間がない」

 

アスカ〈無線〉「……」

 

シンジ(イズモ)「帰ったら」

 

少し。

 

声を落とす。

 

シンジ(イズモ)「全部話す」

 

アスカ〈無線〉「そういうの」

 

間。

 

アスカ〈無線〉「死亡フラグって言うんじゃないでしょうね」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

アスカ〈無線〉「黙るな!!」

 

レイ〈無線〉「碇くん」

 

シンジ(イズモ)「ん?」

 

レイ〈無線〉「帰ってくる?」

 

短い。

 

問い。

 

イズモ。

 

一瞬。

 

言葉を失う。

 

シンジ(イズモ)「帰る」

 

レイ〈無線〉「そう」

 

アスカ〈無線〉「……」

 

弐号機。

 

ナイフ。

 

握る。

 

アスカ〈無線〉「分かったわよ」

 

シンジ(イズモ)「アスカ?」

 

アスカ〈無線〉「今回は従う」

 

だが。

 

すぐ。

 

アスカ〈無線〉「でも」

 

強い。

 

アスカ〈無線〉「絶対よ」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

アスカ〈無線〉「絶対に帰ってきなさい」

 

シンジ(イズモ)「了解」

 

ミサト〈無線〉「シンジ君」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

ミサト〈無線〉「私、その作戦聞いてないんだけど」

 

シンジ(イズモ)「言ったら止めるので」

 

ミサト〈無線〉「当たり前でしょうが!」

 

シンジ(イズモ)「だから」

 

初号機。

 

腰。

 

沈む。

 

シンジ(イズモ)「事後承認でお願いします」

 

ミサト〈無線〉「シンジ君!!」

 

背部。

 

ブースター。

 

展開。

 

青白い。

 

炎。

 

シンジ(イズモ)「カエデ」

 

カエデ「推進系統正常」

 

シンジ(イズモ)「リミッター?」

 

カエデ「通常設定」

 

シンジ(イズモ)「今はそのまま」

 

カエデ「了解」

 

初号機。

 

地面。

 

蹴る。

 

轟音。

 

アスカ〈無線〉「ほんっと!」

 

弐号機。

 

後方。

 

アスカ〈無線〉「人のこと言えないじゃない!」

 

初号機。

 

飛ぶ。

 

ビル。

 

越える。

 

雲。

 

突き抜ける。

 

その先。

 

いた。

 

使徒。

 

巨大。

 

歪。

 

球体のような。

 

形。

 

しかし。

 

輪郭が。

 

一定しない。

 

シンジ(イズモ)「……レリエル」

 

カエデ「名称情報に一致する登録なし」

 

シンジ(イズモ)「こっちの話」

 

使徒。

 

ゆっくり。

 

開く。

 

内部。

 

黒。

 

色ではない。

 

光の欠如でもない。

 

そこだけ。

 

世界の奥行きが。

 

抜け落ちているような。

 

闇。

 

カエデ「空間歪曲!」

 

シンジ(イズモ)「来るぞ」

 

ミサト〈無線〉「シンジ君!」

 

シンジ(イズモ)「大丈夫」

 

ミサト〈無線〉「何が大丈夫なの!」

 

空間。

 

伸びる。

 

曲がる。

 

距離。

 

壊れる。

 

初号機の。

 

手。

 

腕。

 

胴体。

 

映像。

 

引き延ばされる。

 

警報。

 

カエデ「座標系異常!」

 

カエデ「通常空間から逸脱!」

 

アスカ〈無線〉「バカシンジ!」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

腹の奥。

 

冷たくなる。

 

知っていた。

 

こうなることを。

 

でも。

 

怖い。

 

普通に。

 

怖い。

 

シンジ(イズモ)「カエデ」

 

カエデ「はい」

 

シンジ(イズモ)「ログ全部残して」

 

カエデ「記録中」

 

アスカ〈無線〉「戻りなさい!」

 

ミサト〈無線〉「シンジ君、離脱!」

 

レイ〈無線〉「碇くん」

 

通信。

 

乱れる。

 

シンジ(イズモ)「二十四時間後」

 

ノイズ。

 

シンジ(イズモ)「また会おう」

 

アスカ〈無線〉「何言って――」

 

シンジ(イズモ)「I’ll be back」

 

アスカ〈無線〉「ふざけ――」

 

途切れた。

 

音。

 

消える。

 

光。

 

消える。

 

重力。

 

消える。

 

初号機。

 

黒。

 

沈む。

 

第三新東京市。

 

空。

 

何も。

 

残らなかった。

 

アスカ「…………」

 

弐号機。

 

停止。

 

ミサト〈無線〉「シンジ君?」

 

応答。

 

ない。

 

ミサト〈無線〉「シンジ君!」

 

ない。

 

アスカ〈無線〉「……」

 

握る。

 

操縦桿。

 

アスカ〈無線〉「バカ」

 

小さく。

 

アスカ〈無線〉「ほんっと」

 

声。

 

震える。

 

アスカ〈無線〉「バカシンジ……」

 

---

 

使徒内部。

 

無。

 

初号機。

 

漂う。

 

上下。

 

ない。

 

距離。

 

ない。

 

時間。

 

あるのか。

 

分からない。

 

計器。

 

ほぼ。

 

無意味。

 

シンジ(イズモ)「……」

 

息。

 

吐く。

 

カエデ「通常空間との接続を確認できません」

 

シンジ(イズモ)「ディラックの海」

 

カエデ「理論上の類似性あり」

 

シンジ(イズモ)「内部電源」

 

カエデ「残存三十三時間」

 

シンジ(イズモ)「生命維持?」

 

カエデ「節電状態で二十六時間以上」

 

シンジ(イズモ)「十分」

 

カエデ「本当に?」

 

イズモ。

 

少し。

 

笑う。

 

シンジ(イズモ)「カエデがそういう聞き方するの珍しいな」

 

カエデ「作戦内容を共有されていません」

 

シンジ(イズモ)「……ごめん」

 

カエデ「説明を要求します」

 

シンジ(イズモ)「原作通りなら」

 

周囲。

 

闇。

 

見る。

 

シンジ(イズモ)「二十四時間前後で」

 

一拍。

 

シンジ(イズモ)「初号機が自力でここを破る」

 

カエデ「不確定要素が多すぎます」

 

シンジ(イズモ)「うん」

 

カエデ「あなたは」

 

少し。

 

間。

 

カエデ「それへ自身の生命を賭けました」

 

シンジ(イズモ)「うん」

 

カエデ「合理的ではありません」

 

シンジ(イズモ)「……うん」

 

返せない。

 

本当に。

 

そうだった。

 

知識。

 

ある。

 

でも。

 

それだけ。

 

絶対ではない。

 

今まで。

 

原作と。

 

違う。

 

ことも。

 

起きている。

 

シンジ(イズモ)「怖いよ」

 

カエデ「……」

 

シンジ(イズモ)「普通に」

 

手。

 

少し。

 

震える。

 

シンジ(イズモ)「めちゃくちゃ怖い」

 

カエデ「ではなぜ」

 

シンジ(イズモ)「ここ」

 

初号機。

 

見る。

 

シンジ(イズモ)「確かめたかった」

 

カエデ「何を」

 

シンジ(イズモ)「初号機の中に」

 

声。

 

小さく。

 

シンジ(イズモ)「誰がいるのか」

 

沈黙。

 

カエデ「……」

 

シンジ(イズモ)「それと」

 

シンジ(イズモ)「この先」

 

シンジ(イズモ)「使徒だけじゃなく」

 

シンジ(イズモ)「エヴァそのものも」

 

見なければ。

 

ならない。

 

シンジ(イズモ)「知らないままじゃ」

 

一拍。

 

シンジ(イズモ)「たぶん勝てない」

 

カエデ「……了解しました」

 

シンジ(イズモ)「カエデ」

 

カエデ「はい」

 

シンジ(イズモ)「二十三時間二十分後」

 

シンジ(イズモ)「起こして」

 

カエデ「了解」

 

シンジ(イズモ)「あと」

 

少し。

 

迷う。

 

でも。

 

言う。

 

シンジ(イズモ)「暴走リミッター」

 

シンジ(イズモ)「解除」

 

カエデ「……確認」

 

カエデ「解除した場合」

 

カエデ「パイロットによる制御を保証できません」

 

シンジ(イズモ)「それでいい」

 

カエデ「初号機の自律行動を許可しますか」

 

シンジ(イズモ)「許可」

 

カエデ「……」

 

シンジ(イズモ)「カエデ?」

 

カエデ「解除します」

 

ロック。

 

一つ。

 

二つ。

 

三つ。

 

外れる。

 

シンジ(イズモ)「じゃ」

 

目。

 

閉じる。

 

シンジ(イズモ)「少し寝る」

 

意識。

 

沈む。

 

---

 

白。

 

気づく。

 

シンジ(イズモ)「……?」

 

床。

 

ない。

 

天井。

 

ない。

 

でも。

 

立っている。

 

白い。

 

空間。

 

シンジ(イズモ)「ここは……」

 

声。

 

響かない。

 

その時。

 

前。

 

靄。

 

人影。

 

女性。

 

ゆっくり。

 

歩く。

 

茶色い髪。

 

穏やかな。

 

表情。

 

イズモ。

 

息。

 

止まる。

 

知っている。

 

でも。

 

初めて。

 

会う。

 

ユイ「……」

 

女性。

 

こちらを。

 

見る。

 

ユイ「あなた」

 

少し。

 

首を傾ける。

 

ユイ「シンジではないわね」

 

イズモ。

 

一瞬。

 

どう答えるか。

 

迷う。

 

そして。

 

シンジ(イズモ)「最上イズモです」

 

ユイ「最上……イズモ」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

ユイ「そう」

 

微笑む。

 

ユイ「よろしくね」

 

シンジ(イズモ)「……よろしくお願いします」

 

妙に。

 

普通。

 

そのせいで。

 

逆に。

 

緊張する。

 

ユイ「シンジは?」

 

シンジ(イズモ)「たぶん」

 

自分。

 

指す。

 

シンジ(イズモ)「この身体の中」

 

シンジ(イズモ)「寝てます」

 

ユイ「……」

 

少し。

 

目を細める。

 

怒ってはいない。

 

ただ。

 

母親の。

 

目。

 

ユイ「生きているの?」

 

シンジ(イズモ)「そうだと思います」

 

ユイ「そう」

 

表情。

 

少しだけ。

 

緩む。

 

ユイ「ならよかった」

 

沈黙。

 

ユイ「なぜ」

 

ユイ「あなたがシンジの身体に?」

 

シンジ(イズモ)「自分にも」

 

一拍。

 

シンジ(イズモ)「完全には分かりません」

 

ユイ「完全には?」

 

シンジ(イズモ)「仮説があります」

 

ユイ「聞かせて」

 

シンジ(イズモ)「この世界」

 

少し。

 

言葉。

 

選ぶ。

 

シンジ(イズモ)「何度も」

 

シンジ(イズモ)「やり直してる可能性がある」

 

ユイ「……」

 

シンジ(イズモ)「数えきれないループ」

 

シンジ(イズモ)「その中で」

 

自分の胸。

 

触れる。

 

シンジ(イズモ)「“神事”になった彼が」

 

ユイ「シンジが?」

 

シンジ(イズモ)「この力と」

 

掌。

 

光。

 

創造。

 

小さな。

 

粒子。

 

シンジ(イズモ)「この役目を」

 

シンジ(イズモ)「自分へ渡した」

 

ユイ「何のために」

 

シンジ(イズモ)「たぶん」

 

まっすぐ。

 

見る。

 

シンジ(イズモ)「今回は」

 

シンジ(イズモ)「サードインパクトを起こさないために」

 

ユイ。

 

黙る。

 

長い。

 

沈黙。

 

ユイ「……」

 

視線。

 

どこか。

 

遠く。

 

シンジ(イズモ)「信じます?」

 

ユイ「普通なら」

 

少し。

 

笑う。

 

ユイ「信じないでしょうね」

 

シンジ(イズモ)「ですよね」

 

ユイ「でも」

 

イズモ。

 

見る。

 

ユイ「あなたがここにいる」

 

ユイ「それだけで」

 

一拍。

 

ユイ「普通ではないもの」

 

シンジ(イズモ)「……確かに」

 

ユイ「それに」

 

ユイ「シンジではないあなたが」

 

優しい。

 

でも。

 

鋭い。

 

ユイ「私の息子の身体を」

 

ユイ「ここまで守っている」

 

イズモ。

 

少し。

 

視線。

 

落とす。

 

シンジ(イズモ)「借り物なので」

 

ユイ「借り物」

 

シンジ(イズモ)「壊したくない」

 

ユイ「……そう」

 

それだけ。

 

だけど。

 

少し。

 

安心したようだった。

 

ユイ「それで?」

 

シンジ(イズモ)「?」

 

ユイ「あなた」

 

笑う。

 

ユイ「お願いがあるのでしょう?」

 

イズモ。

 

止まる。

 

シンジ(イズモ)「分かります?」

 

ユイ「わざわざここまで来たのだもの」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

息。

 

吸う。

 

シンジ(イズモ)「暴走してください」

 

ユイ「……」

 

笑顔。

 

消えない。

 

ただ。

 

目が。

 

少し。

 

真剣になる。

 

ユイ「理由は?」

 

シンジ(イズモ)「この空間」

 

周囲。

 

白。

 

見る。

 

シンジ(イズモ)「通常兵器じゃ」

 

シンジ(イズモ)「外から壊せない」

 

シンジ(イズモ)「時空そのものを」

 

シンジ(イズモ)「内側から破る必要がある」

 

ユイ「あなたには?」

 

シンジ(イズモ)「できるかもしれない」

 

ユイ「なら」

 

シンジ(イズモ)「でも」

 

遮る。

 

シンジ(イズモ)「自分がやるより」

 

ユイを見る。

 

シンジ(イズモ)「あなたの方が」

 

シンジ(イズモ)「確実です」

 

ユイ「……」

 

シンジ(イズモ)「初号機は」

 

少し。

 

笑う。

 

シンジ(イズモ)「自分の機体じゃない」

 

ユイ「そうね」

 

シンジ(イズモ)「あなたです」

 

静か。

 

ユイ。

 

そして。

 

ユイ「分かったわ」

 

迷い。

 

なかった。

 

シンジ(イズモ)「……早いですね」

 

ユイ「シンジを」

 

一拍。

 

ユイ「帰したいのでしょう?」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

ユイ「なら」

 

微笑む。

 

ユイ「私も同じ」

 

---

 

ネルフ本部。

 

六時間。

 

経過。

 

初号機。

 

反応。

 

なし。

 

リツコ「生命維持信号は?」

 

マヤ「取得不能です」

 

ミサト「推測でも」

 

マヤ「……できません」

 

アスカ。

 

壁。

 

寄りかかる。

 

腕。

 

組んでいる。

 

いつもなら。

 

何か。

 

言う。

 

今日は。

 

言わない。

 

レイ。

 

椅子。

 

座る。

 

じっと。

 

モニター。

 

見る。

 

そこには。

 

黒い。

 

球体。

 

アスカ「……」

 

時計。

 

見る。

 

アスカ「六時間」

 

誰も。

 

返事。

 

しない。

 

---

 

十二時間。

 

アスカ「もう十二時間よ」

 

ミサト「分かってる」

 

アスカ「何も動かないじゃない」

 

ミサト「分かってる!」

 

声。

 

強く。

 

なる。

 

アスカ。

 

止まる。

 

ミサト「……ごめん」

 

アスカ「……」

 

小さく。

 

アスカ「別に」

 

レイ「碇くんは」

 

全員。

 

見る。

 

レイ「帰ると言った」

 

アスカ「……」

 

レイ「だから」

 

モニター。

 

見る。

 

レイ「待つ」

 

アスカ「……ファースト」

 

レイ「なに」

 

アスカ「そういうとこ」

 

一拍。

 

アスカ「ほんと強いわね」

 

レイ「?」

 

アスカ「何でもない」

 

---

 

十八時間。

 

作戦室。

 

リツコ。

 

図面。

 

数式。

 

ディラックの海。

 

ポジトロン。

 

N2。

 

マヤ「理論上」

 

マヤ「N2によって瞬間的な境界干渉を作り」

 

マヤ「その瞬間に高出力ポジトロンを照射すれば」

 

リツコ「穴を」

 

マヤ「一秒未満」

 

リツコ「それで十分」

 

ミサト「十分?」

 

リツコ「初号機を」

 

一拍。

 

リツコ「回収するだけなら」

 

ミサト。

 

見る。

 

ミサト「……シンジ君は?」

 

リツコ「……」

 

ミサト「ねえ」

 

リツコ「分からない」

 

ミサト「なら」

 

リツコ「二十四時間」

 

声。

 

抑える。

 

リツコ「それ以上は待てない」

 

ミサト「何で」

 

リツコ「初号機内部の生命維持限界」

 

ミサト「シンジ君もそこにいるでしょう!」

 

リツコ「だからよ!」

 

初めて。

 

リツコの声。

 

強くなる。

 

全員。

 

止まる。

 

リツコ「だから」

 

拳。

 

握る。

 

リツコ「二十四時間まで」

 

リツコ「待ってるの」

 

ミサト「……」

 

リツコ「それを超えたら」

 

声。

 

戻る。

 

冷たい。

 

科学者の。

 

声。

 

リツコ「初号機回収を最優先する」

 

ミサト「……」

 

リツコ「それが」

 

一拍。

 

リツコ「私の仕事よ」

 

ミサト「……あんた」

 

乾いた。

 

音。

 

平手。

 

リツコの。

 

頬。

 

マヤ「葛城三佐!」

 

ミサト「よくそんなこと言えるわね!」

 

リツコ「……」

 

ミサト「シンジ君の命はどうでもいいの!?」

 

リツコ「そんなこと」

 

ミサト「じゃあ何よ!」

 

ミサト「司令も!」

 

声。

 

震える。

 

ミサト「あんたも!」

 

ミサト「初号機」

 

ミサト「初号機」

 

ミサト「初号機ばっかり!」

 

リツコ「……」

 

ミサト「中にいるのは」

 

一拍。

 

ミサト「十四歳なのよ……」

 

静か。

 

リツコ。

 

頬。

 

押さえる。

 

そして。

 

小さく。

 

リツコ「……知ってるわよ」

 

ミサト「……」

 

リツコ「分かってる」

 

目。

 

伏せる。

 

リツコ「だから」

 

一拍。

 

リツコ「嫌なのよ」

 

誰も。

 

何も。

 

言えなかった。

 

---

 

二十三時間。

 

アスカ。

 

寝ていない。

 

レイ。

 

同じ。

 

アスカ「……」

 

手。

 

見る。

 

十日前。

 

合わせた。

 

〇・〇一秒。

 

ハイタッチ。

 

帰れ。

 

そう。

 

言った。

 

アスカ「……嘘ついたら」

 

小さい。

 

声。

 

アスカ「絶対許さない」

 

レイ「誰に?」

 

アスカ「バカシンジ」

 

レイ「そう」

 

アスカ「ファースト」

 

レイ「なに」

 

アスカ「帰ってきたら」

 

一拍。

 

アスカ「殴る?」

 

レイ「私は殴らない」

 

アスカ「……そう」

 

レイ「でも」

 

アスカ「?」

 

レイ「怒るかもしれない」

 

アスカ「……」

 

少し。

 

笑う。

 

アスカ「それ」

 

アスカ「見てみたいわ」

 

---

 

使徒内部。

 

カエデ「イズモ」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

カエデ「イズモ」

 

シンジ(イズモ)「ん……」

 

目。

 

開く。

 

カエデ「指定時刻です」

 

シンジ(イズモ)「何時間?」

 

カエデ「二十三時間二十分」

 

シンジ(イズモ)「正確」

 

身体。

 

起こす。

 

シンジ(イズモ)「内部電力」

 

カエデ「残存一時間三十八分」

 

シンジ(イズモ)「余裕ないな」

 

カエデ「はい」

 

静か。

 

闇。

 

シンジ(イズモ)「ユイさん」

 

声。

 

返る。

 

ユイ「起きた?」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

ユイ「準備は?」

 

シンジ(イズモ)「できてます」

 

ユイ「そう」

 

一拍。

 

ユイ「なら」

 

優しい。

 

声。

 

ユイ「始めましょう」

 

初号機。

 

目。

 

開く。

 

緑。

 

光。

 

一瞬。

 

エントリープラグ。

 

警告。

 

全て。

 

真っ赤。

 

カエデ「自律制御移行!」

 

シンジ(イズモ)「リミッター完全解除!」

 

カエデ「解除!」

 

ロック。

 

全解放。

 

初号機。

 

身体。

 

震える。

 

装甲。

 

内側。

 

圧力。

 

シンジ(イズモ)「……来る」

 

咆哮。

 

音のない。

 

空間。

 

それでも。

 

響く。

 

初号機。

 

四肢。

 

動く。

 

人間。

 

ではない。

 

兵器。

 

でもない。

 

生き物。

 

紫電。

 

走る。

 

装甲。

 

割れる。

 

拘束具。

 

弾ける。

 

内部。

 

肉。

 

露出。

 

光。

 

シンジ(イズモ)「……すご」

 

カエデ「空間歪曲急増!」

 

シンジ(イズモ)「ユイさん!」

 

答え。

 

ない。

 

でも。

 

初号機。

 

腕。

 

伸ばす。

 

何もない。

 

空間。

 

掴む。

 

そして。

 

引き裂く。

 

世界。

 

裂ける。

 

---

 

ネルフ。

 

二十三時間。

 

四十三分。

 

マヤ「異常反応!」

 

リツコ「何!?」

 

黒い球体。

 

表面。

 

赤。

 

亀裂。

 

ミサト「……」

 

立つ。

 

アスカ「!」

 

レイ「……碇くん」

 

マヤ「内部からA.T.フィールド!」

 

リツコ「ありえない」

 

マヤ「出力上昇!」

 

リツコ「初号機……?」

 

黒。

 

球体。

 

膨らむ。

 

赤。

 

亀裂。

 

増える。

 

そして。

 

裂けた。

 

光。

 

噴き出す。

 

使徒。

 

内部。

 

何か。

 

飛び出す。

 

初号機。

 

咆哮。

 

空。

 

赤く。

 

染まる。

 

アスカ「……」

 

声。

 

出ない。

 

ミサト「シンジ君……」

 

初号機。

 

落下。

 

ブースター。

 

再点火。

 

姿勢。

 

制御。

 

地上。

 

着地。

 

轟音。

 

膝。

 

つく。

 

それでも。

 

立つ。

 

アスカ「……帰ってきた」

 

レイ「ええ」

 

アスカ「本当に」

 

息。

 

震える。

 

アスカ「帰ってきた……」

 

ミサト〈無線〉「シンジ君!」

 

ノイズ。

 

数秒。

 

そして。

 

シンジ(イズモ)〈無線〉『……聞こえる?』

 

ミサト「聞こえる!」

 

アスカ〈無線〉「バカシンジ!!」

 

シンジ(イズモ)〈無線〉『うわ』

 

アスカ〈無線〉「うわじゃない!」

 

シンジ(イズモ)〈無線〉『ただいま』

 

静か。

 

アスカ〈無線〉「……」

 

シンジ(イズモ)〈無線〉『作戦』

 

一拍。

 

シンジ(イズモ)〈無線〉『言ってなかったな』

 

アスカ〈無線〉「……いい」

 

シンジ(イズモ)〈無線〉『え?』

 

アスカ〈無線〉「今はいい!」

 

弐号機。

 

一歩。

 

近づく。

 

アスカ〈無線〉「帰ってきた」

 

声。

 

少し。

 

かすれる。

 

アスカ〈無線〉「それで十分」

 

シンジ(イズモ)〈無線〉『……うん』

 

レイ〈無線〉「碇くん」

 

シンジ(イズモ)〈無線〉『綾波』

 

レイ〈無線〉「おかえり」

 

シンジ(イズモ)〈無線〉『ただいま』

 

---

 

第七ケージ。

 

初号機。

 

拘束。

 

装甲。

 

かなり。

 

損傷。

 

整備主任「…………」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

整備主任「お前」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

整備主任「暴走させたな」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

整備主任「自分から」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

整備主任「二十四時間近く消えたな」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

整備主任「……」

 

工具。

 

握る。

 

シンジ(イズモ)「怒ってます?」

 

整備主任「当たり前だろ!!」

 

シンジ(イズモ)「ですよね!」

 

怒声。

 

響く。

 

ただ。

 

その声。

 

少し。

 

安心している。

 

リツコ。

 

やって来る。

 

初号機。

 

見上げる。

 

リツコ「珍しいわね」

 

シンジ(イズモ)「何が?」

 

リツコ「暴走」

 

シンジ(イズモ)「ああ」

 

リツコ「あなた」

 

視線。

 

鋭い。

 

リツコ「暴走リミッターを入れていたはずでしょう」

 

シンジ(イズモ)「解除しました」

 

リツコ「意図的に?」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

リツコ「何故」

 

シンジ(イズモ)「ディラックの海」

 

シンジ(イズモ)「通常空間と違う」

 

手。

 

少し。

 

動かす。

 

シンジ(イズモ)「外から穴開けるなら」

 

シンジ(イズモ)「ブラックホール級の時空歪曲か」

 

初号機。

 

見る。

 

シンジ(イズモ)「初号機の暴走くらいしか」

 

シンジ(イズモ)「思いつかなかったので」

 

リツコ「……」

 

シンジ(イズモ)「結果」

 

シンジ(イズモ)「出られた」

 

リツコ「そうね」

 

一拍。

 

リツコ「でも」

 

近づく。

 

リツコ「あなた」

 

低い。

 

リツコ「二十三時間」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

リツコ「自分が消えていた間」

 

リツコ「外がどうなっていたか」

 

シンジ(イズモ)「……分からない」

 

リツコ「そう」

 

少し。

 

怒っている。

 

でも。

 

それだけではない。

 

リツコ「葛城は私を叩いたわ」

 

シンジ(イズモ)「え」

 

リツコ「アスカは寝てない」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

リツコ「レイも」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

リツコ「あなた」

 

目。

 

合わせる。

 

リツコ「自分一人の作戦だと思わないことね」

 

イズモ。

 

何も。

 

言えない。

 

シンジ(イズモ)「……はい」

 

リツコ「それと」

 

書類。

 

渡す。

 

シンジ(イズモ)「?」

 

リツコ「ゼーレから」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

リツコ「査問」

 

シンジ(イズモ)「今?」

 

リツコ「今」

 

シンジ(イズモ)「寝たい」

 

リツコ「行きなさい」

 

シンジ(イズモ)「はい……」

 

---

 

ゼーレ。

 

暗闇。

 

赤。

 

柱状モニター。

 

一つ。

 

二つ。

 

並ぶ。

 

イズモ。

 

中央。

 

立つ。

 

キール「君が」

 

低い。

 

声。

 

キール「碇シンジだね」

 

シンジ(イズモ)「身体は」

 

沈黙。

 

シンジ(イズモ)「ええ」

 

キール「……」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

キール「今回」

 

画面。

 

初号機。

 

使徒。

 

キール「ディラックの海から」

 

キール「自力で帰還した」

 

シンジ(イズモ)「初号機が」

 

キール「君ではないと?」

 

シンジ(イズモ)「自分だけじゃ無理です」

 

キール「何を見た」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

キール「使徒から」

 

シンジ(イズモ)「使徒からは」

 

一拍。

 

シンジ(イズモ)「何も」

 

キール「嘘を」

 

シンジ(イズモ)「エヴァからなら」

 

空気。

 

変わる。

 

キール「……何?」

 

シンジ(イズモ)「一つ」

 

赤い柱。

 

見上げる。

 

シンジ(イズモ)「確認しました」

 

キール「何を」

 

シンジ(イズモ)「エヴァは」

 

声。

 

落ち着いて。

 

シンジ(イズモ)「人造人間ですね」

 

沈黙。

 

長い。

 

一つ。

 

声。

 

『どこで知った』

 

シンジ(イズモ)「中で」

 

キール「中?」

 

シンジ(イズモ)「意識がいた」

 

『……』

 

シンジ(イズモ)「生き物なら」

 

一拍。

 

シンジ(イズモ)「意識があっても」

 

シンジ(イズモ)「おかしくないでしょう」

 

キール「その意識と」

 

シンジ(イズモ)「話しました」

 

また。

 

沈黙。

 

キール「何を話した」

 

シンジ(イズモ)「個人的なことです」

 

『答えたまえ』

 

シンジ(イズモ)「嫌です」

 

空気。

 

さらに。

 

重くなる。

 

キール「君は」

 

キール「自分の立場を理解しているのかね」

 

シンジ(イズモ)「エヴァパイロット」

 

キール「それだけではない」

 

シンジ(イズモ)「なら」

 

少し。

 

首。

 

傾ける。

 

シンジ(イズモ)「説明してください」

 

誰も。

 

答えない。

 

シンジ(イズモ)「……」

 

シンジ(イズモ)「説明しないなら」

 

シンジ(イズモ)「自分も」

 

一拍。

 

シンジ(イズモ)「必要以上には話しません」

 

キール「……」

 

数秒。

 

キール「よかろう」

 

キール「下がりたまえ」

 

シンジ(イズモ)「失礼します」

 

退出。

 

扉。

 

閉じる。

 

イズモ。

 

息。

 

吐く。

 

シンジ(イズモ)「……怖」

 

カエデ「心拍数が上昇していました」

 

シンジ(イズモ)「あんな赤い板に囲まれて問い詰められたら普通怖い」

 

カエデ「発言内容は強気でした」

 

シンジ(イズモ)「強がってた」

 

カエデ「そうでしたか」

 

シンジ(イズモ)「初転移でゼーレ査問とか」

 

頭。

 

抱える。

 

シンジ(イズモ)「難易度設定おかしいだろ……」

 

---

 

帰宅。

 

扉。

 

開く。

 

シンジ(イズモ)「ただいま」

 

レイ「おかえり」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

止まる。

 

レイ。

 

いる。

 

家。

 

灯り。

 

味噌汁。

 

匂い。

 

シンジ(イズモ)「……ただいま」

 

もう一度。

 

言う。

 

レイ「ええ」

 

カエデ「帰宅を確認」

 

シンジ(イズモ)「アスカは?」

 

レイ「さっきまでいた」

 

シンジ(イズモ)「ここに?」

 

レイ「あなたが戻るまで待つと言っていた」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

レイ「でも」

 

時計。

 

レイ「帰った」

 

シンジ(イズモ)「そっか」

 

レイ「怒っていた」

 

シンジ(イズモ)「だろうね」

 

レイ「心配していた」

 

イズモ。

 

少し。

 

黙る。

 

シンジ(イズモ)「……そっか」

 

翌日。

 

学校。

 

教室。

 

扉。

 

開く。

 

シンジ(イズモ)「おはよう」

 

一瞬。

 

静か。

 

ケンスケ「シンジ!」

 

トウジ「お前!」

 

二人。

 

来る。

 

シンジ(イズモ)「うわ」

 

トウジ「ニュース見たぞ!」

 

ケンスケ「二十三時間行方不明って何やったんだよ!」

 

シンジ(イズモ)「使徒の中」

 

ケンスケ「もっと分からん!」

 

アスカ。

 

席。

 

座っている。

 

こちらを。

 

見ない。

 

シンジ(イズモ)「……」

 

近づく。

 

シンジ(イズモ)「アスカ」

 

アスカ「……」

 

シンジ(イズモ)「おはよう」

 

アスカ「……」

 

無視。

 

シンジ(イズモ)「怒ってる?」

 

アスカ「怒ってない」

 

シンジ(イズモ)「怒ってる」

 

アスカ「怒ってない!」

 

シンジ(イズモ)「ごめん」

 

アスカ「……」

 

止まる。

 

シンジ(イズモ)「作戦」

 

シンジ(イズモ)「話さなかったこと」

 

アスカ「……」

 

シンジ(イズモ)「勝手に突っ込んだこと」

 

アスカ「……」

 

シンジ(イズモ)「心配させたこと」

 

アスカ「……」

 

シンジ(イズモ)「ごめん」

 

アスカ。

 

ゆっくり。

 

見る。

 

目。

 

少し。

 

赤い。

 

アスカ「……次」

 

シンジ(イズモ)「うん」

 

アスカ「次やったら」

 

一拍。

 

アスカ「帰ってきた瞬間殴る」

 

シンジ(イズモ)「了解」

 

アスカ「今回は」

 

視線。

 

逸らす。

 

アスカ「帰ってきたから」

 

小さく。

 

アスカ「許す」

 

シンジ(イズモ)「ありがとう」

 

アスカ「……バカ」

 

レイ「私も」

 

二人。

 

見る。

 

レイ「怒っている」

 

シンジ(イズモ)「綾波も?」

 

レイ「ええ」

 

シンジ(イズモ)「……ごめんなさい」

 

レイ「次は」

 

少し。

 

考える。

 

レイ「先に言って」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

トウジ「お前」

 

遠く。

 

トウジ「女子二人に怒られてんな」

 

ケンスケ「羨ましい」

 

トウジ「そこちゃうやろ」

 

アスカ「聞こえてるわよ!!」

 

---

 

数日後。

 

第七ケージ。

 

机。

 

青い。

 

火花。

 

シンジ(イズモ)「……」

 

レーザー。

 

発振器。

 

冷却。

 

コンデンサ。

 

カエデ「再充填二・七秒」

 

シンジ(イズモ)「まだ遅い」

 

整備主任「どこがだよ」

 

シンジ(イズモ)「二秒切りたい」

 

整備主任「何撃つつもりだ」

 

シンジ(イズモ)「使徒」

 

整備主任「知ってる」

 

シンジ(イズモ)「じゃあ」

 

部品。

 

交換。

 

シンジ(イズモ)「冷却回路もう一本」

 

整備主任「寝ろ」

 

シンジ(イズモ)「まだ夕方」

 

整備主任「お前」

 

工具。

 

置く。

 

整備主任「二十四時間近く異次元行って帰ってきたばっかだろ」

 

シンジ(イズモ)「数日前です」

 

整備主任「数日前!」

 

シンジ(イズモ)「身体検査も問題なし」

 

整備主任「精神!」

 

シンジ(イズモ)「……」

 

止まる。

 

カエデ「休息を推奨します」

 

整備主任「ほら」

 

シンジ(イズモ)「二対一」

 

整備主任「帰れ」

 

シンジ(イズモ)「……はい」

 

工具。

 

置く。

 

立つ。

 

少し。

 

歩く。

 

振り返る。

 

初号機。

 

巨大。

 

静か。

 

その中。

 

今は。

 

確かに。

 

誰かがいる。

 

シンジ(イズモ)「……」

 

小さく。

 

シンジ(イズモ)「またお願いします」

 

返事。

 

ない。

 

でも。

 

それで。

 

よかった。

 

戦い。

 

続く。

 

使徒。

 

次。

 

来る。

 

人類補完計画。

 

ゼーレ。

 

父。

 

ユイ。

 

知っているはずだったものが。

 

一つずつ。

 

現実の。

 

重さを持つ。

 

イズモは。

 

初号機へ。

 

背を向ける。

 

シンジ(イズモ)「帰ろう、カエデ」

 

カエデ「はい」

 

今日は。

 

デバッグを。

 

途中で切り上げる。

 

死ぬ直前まで。

 

それを。

 

続けていた人間にとって。

 

案外。

 

それが。

 

一番。

 

難しいことだった。

 




突然襲来する使徒、さらに使徒に瞬殺される弐号機零号機
さらにf型装備でも歯が立たない果たして使徒を壊滅させれるか?
次回創造紀エヴァンゲリオン完全拒絶そして壊滅次回もサービスしちゃうよ
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