創造紀エヴァンゲリオン ―外来意識の介入―   作:最上 イズモ

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決戦第三東京市

薄暗い居室に、端末の青白い光だけが浮かび上がっていた。

ネルフ本部の私室。

シンジ――イズモは椅子に深く腰掛け、指先だけで画面をスクロールしている。

 

シンジ(イズモ)「……綾波レイ。ファーストチルドレン」

 

表示されるのは医療記録、適合率、更新履歴。

どれも正確で、簡潔で、人を説明するには致命的に足りない。

 

シンジ(イズモ)「……原作通り、か」

 

小さく息を吐く。

魂の構造。母の存在。エヴァとの関係。

知識としては整理できる。

だが、現実として並ぶと、整理しきれないものが残る。

 

シンジ(イズモ)「……使徒由来の魂と、母親のクローン」

 

理解できるからこそ、切り捨てられない。

感情が邪魔をする。

 

その背後で、扉がきしんだ。

 

トウジ「なに見とるんや、転校生」

 

シンジ(イズモ)「ちょっと調べもの」

 

トウジは画面を覗き込みかけ、途中で視線を逸らした。

フェンス越しに、プールの水音と生徒の声が届く。

 

トウジ「……先生も罪やなぁ」

 

シンジ(イズモ)「お前と一緒にするな」

 

直後、教師の怒声。

トウジは慌てて手を振り、廊下の向こうへ消えた。

 

――ネルフ本部、第六ケージ。

 

巨大な整備アームが天井から垂れ下がり、

零号機が静かに固定されている。

 

その足元で、綾波レイと碇ゲンドウが短い言葉を交わしていた。

 

シンジ(イズモ)「……」

 

胸の奥に、理由のないざわめき。

そこへ、葛城ミサトが顔を出す。

 

ミサト「ねえシンジくん。今夜、リツコと一緒にお邪魔していい?」

 

シンジ(イズモ)「構いませんけど」

 

――シンジの家。

 

簡素なダイニング。

並べられた工具と資料。

生活感はあるが、余白が多い。

 

シンジ(イズモ)「せっかく来たなら、食べていきます?」

 

ミサト「え、いいの? 手料理?」

 

リツコ「いただくわ」

 

シンジは掌をかざす。

光が集まり、皿と料理が形を成す。

 

シンジ(イズモ)「どうぞ」

 

食事の途中、リツコが思い出したように言う。

 

リツコ「そういえば、レイに更新カード渡しそびれたの」

リツコ「明日、持っていってくれない?」

 

シンジ(イズモ)「わかりました」

シンジ(イズモ)「カエデも一緒に来て」

 

カエデ「なぜでしょう」

 

シンジ(イズモ)「……二人きりは、誤解を生む」

 

――翌日。

 

古いアパートの外廊下が、風に軋む。

 

シンジ(イズモ)「ここだ」

 

インターフォンは反応せず、

ドアは軽く回った。

 

シンジ(イズモ)「……綾波、碇だけど」

 

返事はない。

室内には、湯気の残り香だけ。

 

カードと簡単なメモを置いた、その直後。

 

カエデ「後ろを向いてください」

 

シンジ(イズモ)「わかってる」

 

ほどなく、制服姿のレイが現れる。

 

シンジ(イズモ)「更新カードを渡しに来た」

シンジ(イズモ)「一緒に本部へ行こう」

 

レイ「……いいわ」

 

移動中、言葉は少ない。

 

シンジ(イズモ)「零号機の起動実験だね」

シンジ(イズモ)「エヴァに乗ることが、君の居場所になってる?」

 

レイ「……そうかもしれない」

 

シンジ(イズモ)「でも」

シンジ(イズモ)「乗らなくても、友達ではいられる」

 

レイ「……変なことを言うのね」

 

否定でも肯定でもない声。

 

――ネルフ本部、実験区画。

 

アナウンス「零号機、起動確認」

 

直後、サイレン。

 

第六使徒ラミエル、侵攻。

 

ミサト「全員退避!」

 

光線が都市を削る。

 

――臨時作戦会議室。

 

ミサト「完璧な攻防力ね」

 

シンジ(イズモ)「補助案があります」

 

彼は提案する。

衛星レーザーとの同時攻撃。

制限。

48時間の再装填。

 

ミサト「……なるほど」

ミサト「採用するわ」

 

――双子山山頂。

 

夜風の中、ポジトロンライフルが構えられる。

 

シンジ(イズモ)「綾波。俺が守る」

 

レイ「……あなたを守る」

 

作戦開始。

 

初弾は逸れ、

反撃が迫る。

 

シンジは衛星制御に集中する。

光が迫り、

レイが、盾になる。

 

同時発射。

 

夜が、白く裂けた。

 

――戦闘後。

 

シンジ(イズモ)「綾波!」

 

エントリープラグを開く。

微かな呼吸音。

 

レイ「……司令?」

 

シンジ(イズモ)「違う。大丈夫だ」

 

レイ「……こんな時、どんな顔をすればいいの?」

 

シンジ(イズモ)「……笑えばいい」

 

レイは、ほんの一瞬だけ迷ってから、

ごく僅かに口元を緩めた。

 

それは救いではなく、

接続が成立した合図だった。




突然ミサトから民間企業が作ったロボットの見学に誘われ行くことになるがそのロボットが暴走果たして止めることができるか?次回創造紀エヴァンゲリオン人のてで壊すもの
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