創造紀エヴァンゲリオン ―外来意識の介入―   作:最上 イズモ

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アスカ来日

曇天の太平洋上。

国連軍空母《オーバー・ザ・レインボー》の甲板に、

ミル55D輸送ヘリが重々しい風切り音を残して降下してきた。

 

着艦の衝撃が金属甲板を震わせ、

冷たい潮風が一斉に吹き抜ける。

 

この艦は、使徒迎撃の最前線に立つ移動要塞。

そして――エヴァンゲリオン弐号機の母艦でもあった。

 

アスカ「で、誰がサードチルドレンなわけ?」

 

シンジ(イズモ)「俺がサードチルドレン。

隣は支援AIのカエデ。

後ろの二人は同級生のトウジとケンスケ。」

 

カエデ「よろしくお願いします」

 

トウジ「よろしくな」

 

ケンスケ「噂のエヴァ乗りってやつだな」

 

アスカ「あっそ」

 

アスカの視線が、ほんの一瞬だけシンジをなぞる。

値踏みするような目。

だがすぐに興味を失ったように背を向けた。

 

トウジがわずかに眉をひそめるが、

シンジは気に留めない。

 

この世界は、

彼が知っている「作品」よりもずっと張り詰めている。

 

艦内食堂。

金属製のテーブルが整然と並び、

照明はわずかに揺れていた。

 

作戦待機中の乗員たちの低いざわめきが、空間を満たす。

 

リョウジ「相変わらず凛々しいな、君は」

 

リョウジ「君が碇シンジ……いや、イズモくんだったね」

 

シンジ(イズモ)「はい」

 

リョウジ「噂は嫌でも耳に入ってくる」

 

リョウジ「初戦で暴走なし、単独撃破。

その後は自分でエヴァを改修し、残り二戦も被害最小。

正直、信じがたい戦果だ」

 

シンジ(イズモ)「偶然も多いですよ」

 

アスカ「どうせエヴァの性能頼りでしょ」

 

リョウジ「命中率は九八パーセント。

初搭乗時のシンクロ率は一〇パーセント。

現在は五〇パーセントだ」

 

アスカ「……化け物ね」

 

シンジ(イズモ)「残り二パーセントは、ラミエル戦で外しました」

 

アスカ「そんな話、聞いてないわよ」

 

アスカは立ち上がる。

 

アスカ「まあいいわ。ついてきなさい」

 

シンジ(イズモ)「呼ばれたので行ってきます」

 

リョウジ「気をつけて」

 

ミサト「ほどほどにね」

 

弐号機格納庫。

赤い警戒灯に照らされ、

巨大な人型が天井へと伸びている。

 

それは、

最初から実戦用として完成したエヴァンゲリオンだった。

 

アスカ「見なさい」

アスカ「これが、実戦用に造られた本物のエヴァよ」

 

シンジ(イズモ)「システムはノーマル構成ですね」

 

アスカ「勝手な改造なんてしないわ」

 

誇り。

そして、それを守らなければならない焦り。

 

警報。

 

洋上に巨大な影が浮上し、

海面が不自然にうねる。

 

アスカ「チャンスね」

 

シンジ(イズモ)「俺が行った方がいい?」

 

アスカ「私の操縦を見る絶好の機会よ」

 

シンジ(イズモ)「……わかった」

 

弐号機、起動。

 

シンジは補助席から全系統を監視する。

発進はオート。

だが判断は、人に委ねられている。

 

アスカ「シンクロ率、あんた低いわね」

 

シンジ(イズモ)「それより、コアの位置を優先して!」

 

カエデ「スキャン完了。

コアは口腔内部に確認されました」

 

シンジ(イズモ)「ミサトさん、魚雷を最大搭載で」

 

ミサト「了解」

 

アスカ「なんで私に相談しないのよ!」

 

シンジ(イズモ)「既存装備で、この使徒を確実に倒す方法は一つだけだ」

 

一拍の沈黙。

 

アスカ「……確かにね」

 

弐号機は、使徒の口腔へと突入する。

魚雷を次々と押し込み、

二十発分の爆発が連鎖する。

 

海面が、白く盛り上がった。

 

使徒、完全沈黙。

 

数日後。

学校、教室。

 

教師「今日は碇の二人とも欠席か」

 

アスカ「なんでファーストが来てて、

バカシンジとあのロボットが来てないのよ」

 

アスカ「しかも初登校で、

知り合いが軍事オタクと筋肉バカだけって、どういうことよ」

 

同時刻。

ネルフ第三ケージ。

 

無数の作業灯が白く瞬き、

エヴァの装甲が開かれている。

 

シンジ(イズモ)「次は分裂型、マグマ潜行型、衛星軌道型……」

 

既存装備では足りない。

それは、もう確信だった。

 

シンジ(イズモ)「ガトリングとミサイル、槍を統合した《マスティマ》」

シンジ(イズモ)「高周波ブレード」

シンジ(イズモ)「ヤシマ作戦レーザーの、小型低電力版」

 

シンジ(イズモ)「……これでいこう」

 

三日後。

学校の廊下。

 

腕を組んだアスカが、待ち構えていた。

 

アスカ「なんで三日も学校に来なかったのよ」

 

シンジ(イズモ)「第三ケージで徹夜してた」

 

アスカ「なんで」

 

シンジ(イズモ)「使徒対策兵器を作ってた。三つ分」

 

アスカ「あっそ」

 

そっぽを向いて歩き出す。

だが、その背中には――

 

警戒。

焦り。

そして、抑えきれない興味。

 

シンジはそれを感じ取りながら、

この世界で生き残る覚悟を、

静かに、確定させていた。




使徒襲来するがイズモの指示を無視して攻撃するアスカ、アスカを抑えながら使徒を壊滅することはできるか?次回創造紀エヴァンゲリオン瞬間心重ねて次回もサービスサービス
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