創造紀エヴァンゲリオン ―外来意識の介入― 作:最上 イズモ
大火力兵器の種類は?
アンケート集計やスマホがオーバーヒートしたため更新遅れました申し訳ございません。
第3新東京市。
夕刻。
本来なら。
西へ傾いた太陽が、可動式ビルのガラスへ赤く反射している時間。
けれど。
街は。
暗かった。
信号。
消灯。
街灯。
消灯。
ビル外壁の誘導灯。
消灯。
駅。
商業施設。
道路表示。
すべて。
沈黙。
風だけが。
人気のなくなった道路を通り抜けている。
シンジ(イズモ)「……」
イズモは。
交差点の中央で立ち止まった。
端末。
操作。
反応なし。
通信。
なし。
携帯回線。
なし。
ネルフ。
なし。
シンジ(イズモ)「停電にしては」
空を見る。
シンジ(イズモ)「静かすぎる」
カエデ「第3新東京市の電力供給状況を確認」
端末内。
カエデの声。
カエデ「メイン系統停止」
カエデ「サブ系統停止」
シンジ(イズモ)「非常電源は?」
カエデ「反応なし」
イズモの眉が。
僅かに動く。
シンジ(イズモ)「全部?」
カエデ「全域です」
シンジ(イズモ)「……ありえないな」
一系統。
故障。
なら。
ある。
二系統。
同時。
可能性は低い。
だが。
都市。
軍事施設。
非常用電源まで。
同時。
シンジ(イズモ)「落ちたんじゃない」
バッグを下ろす。
開く。
水。
簡易食。
工具。
暗視ゴーグル。
携帯用バッテリー。
シンジ(イズモ)「落とされた」
カエデ「人為的破壊の可能性を推定します」
シンジ(イズモ)「高いと思う」
端末。
ネルフへの専用回線。
発信。
無音。
切断音すら。
ない。
シンジ(イズモ)「……完全遮断」
そして。
嫌な記憶。
原作。
停電。
使徒。
手動。
シンジ(イズモ)「作品知識的にも」
バッグを肩へ。
シンジ(イズモ)「こういう時って大体ろくなことにならない」
カエデ「ネルフ本部へ向かいますか」
シンジ(イズモ)「行く」
カエデ「移動手段は」
イズモ。
道路。
止まった車。
駅。
沈黙。
シンジ(イズモ)「徒歩」
カエデ「距離があります」
シンジ(イズモ)「知ってる」
一歩。
歩き出す。
しばらくして。
後ろから。
足音。
シンジ(イズモ)「?」
振り返る。
アスカ。
アスカ「やっと見つけた!」
シンジ(イズモ)「アスカ?」
アスカ「携帯繋がらないし、電車止まってるし!」
肩で息。
アスカ「何なのよこれ!」
シンジ(イズモ)「都市全停電」
アスカ「見れば分かる!」
シンジ(イズモ)「ネルフまで落ちてる」
アスカ「……」
表情。
変わる。
アスカ「本部も?」
シンジ(イズモ)「多分」
アスカ「非常電源は?」
シンジ(イズモ)「全部」
アスカ「そんなこと」
シンジ(イズモ)「普通は起きない」
アスカ「……人為的?」
シンジ(イズモ)「自分はそう思う」
アスカ「なら」
息を整える。
アスカ「本部行くわよ」
シンジ(イズモ)「そのつもり」
アスカ「先に言いなさい」
シンジ(イズモ)「今言った」
アスカ「そういうところよ!」
さらに。
交差点。
一人。
白い制服。
レイ。
アスカ「ファースト?」
レイ「ネルフへ向かうところ」
シンジ(イズモ)「三人揃った」
アスカ「便利ね」
レイ「施設内部の非常通路は記憶している」
シンジ(イズモ)「助かる」
アスカ「私もだいたい分かるわよ」
レイ「そう」
アスカ「その反応何!?」
シンジ(イズモ)「行こう」
アスカ「流すな!」
ネルフ本部。
その頃。
地下。
完全な闇。
職員たちは。
懐中電灯。
手動端末。
紙。
普段なら使わないものを。
次々と引っ張り出していた。
司令室。
モニター。
全停止。
MAGI。
沈黙。
リツコ「主電源復帰しません」
冬月「予備は」
リツコ「同様です」
マヤ「第三非常系統も反応なし!」
ゲンドウ「原因」
リツコ「現時点では不明」
一拍。
リツコ「ただし」
携帯ライト。
盤面。
内部回路。
リツコ「自然故障では考えにくい」
ゲンドウ「人為的か」
リツコ「メイン、サブ、非常系統」
リツコ「異なる経路がほぼ同時に停止している」
冬月「ネルフ内部の構造を理解した者の犯行か」
リツコ「その可能性が高いです」
マヤ「酸素循環系も徐々に低下!」
職員「医療区画から電力要求!」
職員「ケージ冷却系、停止まで十五分!」
マヤ「MAGIの再起動にも電力が必要です!」
リツコ「残存電力を集中」
マヤ「どこへ?」
リツコ「MAGI」
マヤ「生命維持に影響します!」
リツコ「分かってる」
マヤ「先輩!」
リツコ「MAGIが起きなければ」
暗闇の中。
声だけ。
リツコ「何が起きているかすら分からない」
ゲンドウ「続けろ」
マヤ「……了解」
外では。
誰も知らない。
ネルフという。
巨大要塞が。
ただの。
暗い地下構造物へ。
戻っていた。
巨大ゲート。
イズモたち。
到着。
アスカ「……」
見上げる。
巨大な扉。
完全停止。
アスカ「開く?」
レイ「通常電源がなければ開かない」
アスカ「じゃどうすんのよ」
イズモ。
制御盤。
見る。
シンジ(イズモ)「開ける」
アスカ「どうやって?」
バッグ。
降ろす。
シンジ(イズモ)「電気入れる」
アスカ「どこから?」
イズモ。
掌。
開く。
アスカ「……あ」
光。
収束。
金属。
セル。
コンデンサ。
配線。
制御回路。
組み上がる。
即席。
発電パック。
アスカ「……」
レイ「創造能力」
アスカ「分かってるけど」
イズモ。
盤面。
開く。
配線。
直接。
接続。
シンジ(イズモ)「カエデ」
カエデ「電圧調整」
シンジ(イズモ)「上げる」
カエデ「扉制御規格へ同期」
接続。
火花。
バチッ。
アスカ「ちょっ!」
重い。
音。
ゴゴゴゴゴ。
扉。
ゆっくり。
開く。
アスカ「……毎回思うけど」
シンジ(イズモ)「何?」
アスカ「ほんっと意味分かんない」
シンジ(イズモ)「慣れ」
アスカ「慣れたくない」
レイ「中へ」
シンジ(イズモ)「行こう」
三人。
暗闇。
入る。
内部。
本当に。
何も。
見えない。
イズモ。
ゴーグル。
装着。
もう一つ。
アスカへ。
投げる。
シンジ(イズモ)「これ」
アスカ「何?」
受け取る。
アスカ「暗視?」
シンジ(イズモ)「うん」
アスカ「用意よすぎない?」
シンジ(イズモ)「停電だけじゃなくて使徒戦にも使えるから」
アスカ「……何でも使徒基準なのね」
シンジ(イズモ)「最近は」
レイ「私は不要」
アスカ「見えるの?」
レイ「構造を記憶している」
アスカ「……ファーストも大概よね」
レイ「?」
三人。
進む。
階段。
非常通路。
メンテナンス区画。
扉。
手動開放。
階段。
さらに。
階段。
アスカ「エレベーターって」
シンジ(イズモ)「便利だったんだな」
アスカ「今さら!?」
レイ「あと十一階層」
アスカ「数えないで!」
途中。
イズモ。
止まる。
シンジ(イズモ)「待って」
アスカ「何?」
暗視。
床。
何か。
落ちている。
ケーブル。
切断。
アスカ「……切れてる」
イズモ。
しゃがむ。
見る。
切断面。
シンジ(イズモ)「焼損じゃない」
工具。
痕。
シンジ(イズモ)「切った」
レイ「意図的」
シンジ(イズモ)「うん」
さらに。
パネル。
開く。
中。
制御リレー。
抜かれている。
アスカ「ここまでやる?」
シンジ(イズモ)「だから全部落ちた」
アスカ「犯人、ネルフ内部知ってるじゃない」
シンジ(イズモ)「かなり詳しい」
一瞬。
考える。
ゼーレ。
他国。
内部犯。
可能性。
多い。
シンジ(イズモ)「……後」
アスカ「何?」
シンジ(イズモ)「今は直す」
発電区画。
扉。
開く。
アスカ「……うわ」
半壊。
電源盤。
配線。
部品。
床。
散乱。
焦げた臭い。
レイ「復旧には時間がかかる」
シンジ(イズモ)「普通ならね」
アスカ「嫌な言い方」
イズモ。
しゃがむ。
部品。
拾う。
見る。
シンジ(イズモ)「発電機本体は生きてる」
カエデ「励磁系統損傷」
シンジ(イズモ)「制御だけ?」
カエデ「複数箇所」
イズモ。
掌。
光。
部品。
生成。
シンジ(イズモ)「全部直すより」
線。
引く。
シンジ(イズモ)「バイパス作る」
アスカ「できるの?」
シンジ(イズモ)「多分」
アスカ「多分!?」
シンジ(イズモ)「初めて触る設備だから」
アスカ「急に不安になった!」
シンジ(イズモ)「規格は読める」
アスカ「もっと先に言って!」
数分。
イズモ。
工具。
配線。
カエデ。
電圧。
監視。
レイ。
系統図。
読み上げ。
アスカ。
ライト。
持つ。
アスカ「……私だけ雑用じゃない?」
シンジ(イズモ)「重要」
アスカ「ほんと?」
シンジ(イズモ)「暗いから手元見えない」
アスカ「……ならいい」
シンジ(イズモ)「そこ固定して」
アスカ「はいはい」
そして。
円盤状。
簡易発電ユニット。
接続。
シンジ(イズモ)「いく」
アスカ「爆発しないでしょうね」
シンジ(イズモ)「多分」
アスカ「シンジ!」
シンジ(イズモ)「冗談」
スイッチ。
回転。
低い。
音。
ブン――。
ランプ。
一つ。
点灯。
二つ。
三つ。
レイ「電力供給」
カエデ「安定」
シンジ(イズモ)「よし」
遠く。
空調。
動く。
照明。
一部。
点く。
アスカ「……」
アスカ「ほんとに直した」
シンジ(イズモ)「一時的に」
アスカ「十分よ」
司令室。
突然。
一部照明。
復帰。
マヤ「電源!」
リツコ「どこから!?」
職員「発電区画から供給!」
リツコ「誰が復旧したの?」
通信。
ノイズ。
その後。
シンジ(イズモ)『聞こえます?』
ミサト「……」
リツコ「……」
マヤ「……」
ミサト「シンジ君?」
シンジ(イズモ)『はい』
ミサト「今どこ!?」
シンジ(イズモ)『発電区画』
ミサト「なんで!?」
シンジ(イズモ)『入口から歩いて』
ミサト「そうじゃなくて!」
リツコが。
通信。
奪う。
リツコ「発電機を触ったの?」
シンジ(イズモ)『壊れてたので』
リツコ「あなた専門外でしょう!」
シンジ(イズモ)『カエデと配線図見ました』
リツコ「そういう問題じゃ――」
照明。
さらに。
復帰。
リツコ「……」
シンジ(イズモ)『MAGI優先します?』
リツコ「……お願い」
ミサト「折れた」
リツコ「うるさい」
MAGI区画。
サーバー。
停止。
イズモ。
端末。
接続。
シンジ(イズモ)「物理的には生きてる」
カエデ「起動シーケンス異常」
シンジ(イズモ)「電源遮断で落ちた時の保護?」
カエデ「複数プロセスが未終了」
シンジ(イズモ)「強制復帰したら?」
カエデ「データ破損確率一一・七パーセント」
シンジ(イズモ)「高いな」
レイ「手動復帰手順」
紙。
マニュアル。
持ってくる。
レイ「ここ」
シンジ(イズモ)「ありがとう」
アスカ「私も何かする?」
シンジ(イズモ)「冷却監視」
アスカ「また雑用」
シンジ(イズモ)「MAGI熱暴走させたらネルフ死ぬ」
アスカ「……超重要じゃない」
シンジ(イズモ)「だから言ったでしょ」
作業。
続く。
一分。
三分。
五分。
端末。
点灯。
MAGI。
再起動。
マヤ〈無線〉「MELCHIOR復帰!」
職員「BALTHASAR復帰!」
マヤ「CASPER、起動!」
リツコ「MAGI、オンライン!」
司令室。
歓声。
シンジ(イズモ)「よし」
壁。
背中。
預ける。
息。
吐く。
アスカ「疲れた?」
シンジ(イズモ)「階段」
アスカ「そこ!?」
シンジ(イズモ)「エヴァより階段の方が疲れる」
アスカ「十四歳でしょうが」
シンジ(イズモ)「中身は運動不足の技術屋」
アスカ「初めて納得した」
エレベーター。
最低限の電源。
復旧。
三人。
待つ。
珍しく。
静か。
アスカ「……ねえ」
シンジ(イズモ)「ん?」
アスカ「シンジ」
シンジ(イズモ)「何」
アスカ「ファーストと」
レイ「?」
アスカ「……その」
シンジ(イズモ)「?」
アスカ「キスとかしたことある?」
沈黙。
イズモ。
止まる。
レイ。
止まる。
カエデ。
沈黙。
シンジ(イズモ)「……ない」
アスカ「即答」
シンジ(イズモ)「なんで急にそんな話?」
アスカ「別に!」
シンジ(イズモ)「今ネルフ復旧した直後だよ?」
アスカ「だから何よ!」
シンジ(イズモ)「話題の温度差」
アスカ「うるさい!」
レイ「キス」
レイが。
わずかに首を傾ける。
アスカ「ファーストは入ってこなくていい!」
レイ「私の話では?」
アスカ「そうだけど!」
シンジ(イズモ)「……」
イズモ。
ため息。
シンジ(イズモ)「ないよ」
アスカ「ふーん」
シンジ(イズモ)「何?」
アスカ「私がないのに」
一拍。
アスカ「あんたにあったら癪だっただけ」
シンジ(イズモ)「何その理屈」
アスカ「いいでしょ!」
少し。
間。
イズモ。
レイを見る。
レイも。
こちらを見る。
シンジ(イズモ)「まあ」
アスカ「?」
シンジ(イズモ)「好きなのは事実だけど」
沈黙。
アスカ「…………は?」
シンジ(イズモ)「?」
アスカ「今」
一歩。
詰める。
アスカ「なんて言った?」
シンジ(イズモ)「好き」
アスカ「誰が」
シンジ(イズモ)「綾波」
アスカ「…………」
レイ「……私?」
シンジ(イズモ)「うん」
レイ「そう」
アスカ「そう!?!?」
シンジ(イズモ)「いや」
シンジ(イズモ)「恋愛としてどうとかは」
少し。
言葉を探す。
シンジ(イズモ)「まだ分からない」
アスカ「何よそれ!」
シンジ(イズモ)「人として好き」
アスカ「紛らわしい言い方すんな!」
シンジ(イズモ)「聞いたのアスカじゃん」
アスカ「そうだけど!」
レイ「……ありがとう」
シンジ(イズモ)「うん」
アスカ「なんで二人だけそこで話まとまってんのよ!」
エレベーター。
到着。
チン。
扉。
開く。
そこ。
ミサト。
加持。
ミサト「シンジ君!」
加持「いやぁ、助かった」
ミサト「アスカ! レイ!」
三人。
見る。
ミサト「……何その空気?」
アスカ「なんでもない!」
シンジ(イズモ)「なんでもない」
レイ「碇くんが私を――」
アスカ「ファースト黙って!!」
ミサト「何!?」
シンジ(イズモ)「後で」
ミサト「絶対聞く!」
その時。
警報。
全員。
止まる。
マヤ〈館内放送〉「パターン青!」
ミサト「……嘘でしょ」
マヤ〈館内放送〉「使徒接近!」
イズモ。
目。
細くなる。
シンジ(イズモ)「来たな」
アスカ「ほんっと」
表情。
戦闘へ。
アスカ「休ませる気ないわね!」
シンジ(イズモ)「配置につこう」
ミサト「待って!」
シンジ(イズモ)「?」
ミサト「エヴァの射出系統、まだ完全復旧してない!」
シンジ(イズモ)「手動?」
リツコ〈無線〉「手動よ!」
シンジ(イズモ)「……今日はずっと人力だな」
アスカ「文句言わない!」
ケージ。
暗闇。
最低限の照明。
整備班。
工具。
ハンドル。
手動。
整備主任「電源足りねえぞ!」
シンジ(イズモ)「補助パック出します!」
整備主任「早く!」
創造。
発電。
接続。
初号機。
起動。
弐号機。
起動。
零号機。
待機。
ミサト〈無線〉「目標映像送る!」
モニター。
使徒。
小さい。
これまでより。
圧倒的に。
小さい。
薄い。
外殻。
膜。
未完成。
アスカ「何これ」
シンジ(イズモ)「……」
嫌な予感。
カエデ「敵性個体、質量低」
カエデ「A.T.フィールド反応も弱い」
ミサト〈無線〉「油断しないで!」
シンジ(イズモ)「アスカ」
アスカ「何」
シンジ(イズモ)「攻撃任せる」
アスカ「私?」
シンジ(イズモ)「自分は防御」
アスカ「了解!」
弐号機。
跳ぶ。
ライフル。
構える。
シンジ(イズモ)「綾波、後方」
レイ「了解」
小型使徒。
接近。
アスカ「遅い!」
射撃。
命中。
一発。
二発。
三発。
使徒。
崩れる。
反撃。
ほぼ。
ない。
最後。
弐号機。
一撃。
外殻。
破壊。
使徒。
四散。
静寂。
アスカ「……」
シンジ(イズモ)「……」
ミサト〈無線〉「敵性反応?」
マヤ〈無線〉「消失!」
職員「撃破確認!」
誰か。
呟く。
職員「……弱すぎる」
アスカ「拍子抜け」
シンジ(イズモ)「違う」
アスカ「?」
シンジ(イズモ)「弱すぎる」
アスカ「同じじゃない」
シンジ(イズモ)「今までの使徒と」
カエデ「戦闘能力に大幅な乖離」
シンジ(イズモ)「わざわざ」
残骸。
見る。
シンジ(イズモ)「ネルフの復旧直後に来た」
ミサト〈無線〉「偶然じゃない?」
シンジ(イズモ)「可能性はある」
一拍。
シンジ(イズモ)「でも」
小さく。
シンジ(イズモ)「これ、本命じゃない気がする」
アスカ「……偵察?」
シンジ(イズモ)「か」
シンジ(イズモ)「捨て駒」
レイ「こちらの反応を見るため」
シンジ(イズモ)「そう」
発令所。
誰も。
すぐには。
返事しなかった。
使徒。
知性。
学習。
進化。
今までも。
考えていた。
だが。
もし。
本当に。
こちらを。
観察しているなら。
ミサト〈無線〉「残骸、全部回収」
リツコ〈無線〉「解析するわ」
シンジ(イズモ)「お願いします」
アスカ「次」
海の向こう。
見る。
アスカ「もっと厄介なの来ると思う?」
シンジ(イズモ)「多分」
アスカ「……」
槍。
肩へ。
アスカ「なら」
弐号機。
振り返る。
アスカ「次も倒せばいいだけよ」
シンジ(イズモ)「うん」
夜。
ネルフ本部。
電力。
ほぼ復旧。
職員。
忙しい。
ケージ。
整備。
MAGI。
解析。
イズモ。
第七ケージ。
整備主任「お前」
シンジ(イズモ)「?」
整備主任「今日は帰れ」
シンジ(イズモ)「でも使徒の残骸――」
整備主任「リツコ博士の仕事」
シンジ(イズモ)「初号機の補助電源」
整備主任「俺らの仕事」
シンジ(イズモ)「発電区画」
整備主任「設備班」
シンジ(イズモ)「……」
整備主任「帰れ」
シンジ(イズモ)「はい」
アスカ「珍しく完全論破されてる」
後ろ。
アスカ。
レイ。
シンジ(イズモ)「いたの?」
アスカ「いたわよ」
シンジ(イズモ)「何しに」
アスカ「帰るのよ」
シンジ(イズモ)「ああ」
歩く。
三人。
アスカ「……ねえ」
シンジ(イズモ)「何?」
アスカ「さっきの話」
シンジ(イズモ)「使徒?」
アスカ「違う!」
シンジ(イズモ)「停電?」
アスカ「違う!」
シンジ(イズモ)「何?」
アスカ「もういい!」
先。
歩く。
レイ「私を好きという話?」
アスカ「ファースト!!」
シンジ(イズモ)「ああ」
アスカ「そこで思い出すな!」
レイ「私は」
歩きながら。
少し。
考える。
レイ「嫌ではない」
イズモ。
止まる。
アスカ。
止まる。
シンジ(イズモ)「……そっか」
レイ「ええ」
アスカ「…………」
アスカ「何なのよ今日!!」
廊下。
声。
響く。
電気。
戻った。
街も。
ネルフも。
再び。
光に満たされた。
けれど。
イズモには。
別の意味で。
少しだけ。
昨日までとは。
違う世界に見えていた。
そして。
誰にも見えない場所で。
回収された小型使徒の細胞が。
一度だけ。
微かに。
動いた。
突如宇宙に飛来する使徒、
ジャミングを回避し使徒をキャッチすることができるか?
次回創造紀エヴァンゲリオン
キセキの価値は次回もサービスしちゃうよ