戦車道描写に関して不安が未だに多く残るのですが、なんとか更新致しました。もう少し上手くなりたいなぁ……
そんな感じですが、今回も閲覧なさってくださったら幸いです。
大学の入学式は、それなりの長さで終わるもの。僕はとりあえず愛里寿の隣で校長の話を聞いたあと、寝そうになっていた愛里寿を起こして閉式。外に出てみると、サークル勧誘をする先輩方がたくさん居た。
「愛里寿、凄いね。小学校とは全然違う」
「うん。裕翔と一緒に居るから怖くないけど、一人だったらちょっと大変だったかも」
「だね。因みに愛里寿は気になるサークルとかはあるの?」
「まだ考え中だよ。裕翔は?」
「んー、自分の趣味と合うものがあれば、かな?」
「裕翔の趣味って広いから、色々できそうだよね……サッカーにゲームに、その他もろもろ」
「まあね。色々な人と話しが合うようにってしているうちに、いつの間にか」
大学のサークルは部活と違って、制約がなくて面白いなんて聞いたことはある。だからなんだろうけど、サークルの数は沢山だ。僕と愛里寿が通う大学も、人が多いしたくさんの種類がある。これは選り取りみどりで、選ぶ甲斐が有りそうだ。サークルの人の性格が自分と合うか、しっかり吟味して選ぶことにしよう。この際だ。僕の考えが子供らしくなくても、受け入れてくれる人が一番だ。
「……サークル活動するなら、裕翔と色々やってみたい。裕翔が居ると安心だから」
「そう? そう言ってくれると嬉しいけど、好きなのやっていいんじゃないの?」
「やだ。裕翔と一緒に」
「……まあいいけど」
愛里寿はたまに、こういう時がある。千代さんは微笑ましそうに見てくるけど、男相手だと勘違いしかねないから僕はハラハラしてる。まあ、色々あるし。
「とりあえず、裕翔。この後大学戦車道の非公式戦だね。先輩達に勝てるかな?」
「勝てるよ、僕と愛里寿なら。いつも通りやればいい」
「それなら安心。裕翔と一緒なら、どんな相手でも勝てる気がするから。西住流が相手でも」
「ふふ、だよね。……それじゃあ行こうか、愛里寿。今日の戦場も、とても面白くなりそうだね」
「うん。知らない人との連携、どうなるかは分からないけど楽しみ」
とりあえず僕と愛里寿は、ゆっくりと戦車道の会場へと歩いていく。大学戦車道の実力はどんな物かは分からないが、こうして愛里寿と歩いているとどんな相手でも戦って勝つことができる。そう信じることができるから。
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「島田流の子ならともかく、まさか男子が戦車道。しかも島田流の子の砲手。大学戦車道は男子なんかで勝てるほど、甘くないのよ?」
「まあ坊やは坊やらしく、可愛がってあげましょう。逆に島田流の子。愛里寿さんは最大に警戒させてもらうけど」
私、島田愛里寿は、完全に怒りの一歩手前まで来ていた。裕翔は小さい頃、私の戦車道を見てからずっと一緒に居てくれる。そして、砲手としても最高の部類なのに、この先輩達は完全に裕翔をバカにしてる。それがとても許せない。そもそも、戦車道が女の子だけのものなんて、誰が決めたんだろう。自衛隊とか軍で乗る人は、男だって沢山いるのに。
「まあ、念の為ハンデを貰いましょう。いくら男子がいようと? 相手は島田流の次期継承者。こちらの方が戦車が多くても、構わないわね?」
「……構わない。それでいい」
「そう、それじゃあ準備をしておいてね。自前の戦車を使うらしいし、用意は少しかかるでしょうし」
そう言うと、敵になった先輩達はどこかに歩いていった。恐らく自分の戦車の所だろう。裕翔はやれやれと苦笑いしながら、”私と裕翔の二人分の”インカムを取りだした。私と裕翔の二人で、ということなのだろう。なら、しっかりとそれに乗ることにした。インカムを受け取ると、装着する。
「なによあの先輩達! 嫌味ったらしく言った上に、私達は、ハンデ背負った状態で戦うことになったし。だいたい、男の子が戦車道やったっていいじゃない!」
「そうそう。あんな言い方しなくていいわね」
「全くね。弱いものの遠吠えなのかな?」
「……あなた達、裕翔の事。認めてくれるの?」
「勿論よ! あんな人達の言うことは気にしなくていいわ!」
「……だよね」
この三人はなんとなく、仲良くなれる気がする。裕翔の事を認めてくれたんだから、私もこの三人の為に頑張らないと。だって、裕翔の味方なら私の味方にもなってくれるはずだから。
「三人の、名前は?」
「メグミよ。愛里寿さん。いえ、隊長と呼ぶべきかしら?」
「私はアズミ。よろしくお願いするわ!」
「ルミです。今回はよろしくね」
「分かった。……島田愛里寿。今回の隊長。ほら、裕翔も」
「分かってるよ、愛里寿。僕は神田裕翔です。愛里寿専属の砲手をしてます」
私専属。そう言うように、今まで何回も裕翔に言ってきた。だからなのか、こうして最近は裕翔も言ってくれるようになった。これだけでもかなり嬉しい。三人は三人で、面白そうとでも言いたそうな顔をして裕翔と私を見る。まあいいけど。
「私達は今回、隊長さんのチームの各戦車の車長をするから、なんなりと、ね? さすがに頭にきてるし、本気で戦うわ」
「そういうわけだから、任せてくれると助かるわ!」
「ふふ、大丈夫。味方はちゃんと居るからさっ」
「分かった。……部隊コードはどうしよう。裕翔、何かある?」
「んー、そうだな。……”スカル小隊”にするか。僕と愛里寿の戦車が、スカルリーダー。メグミさんがスカル1。アズミさんがスカル2。ルミさんがスカル3」
「わ、結構古いアニメのやつを持ち出してきたわね」
「でも、悪くないわね。負けなさそうって感じで!」
「だね。私も好きかなー」
「一応そのシリーズの続編でも使われた小隊名だし、僕も良いかなって」
三人の反応を見て、裕翔は少し得意げだ。やっぱり昔のアニメが好きだからなのかもしれない。それを知らない私からしたら、ちょっと三人はずるい。まあ、私より歳上なんだから仕方ないといえば、仕方ないんだけど。
「裕翔、戦車に乗るよ。早くあの先輩達を討ち取ろう」
「ん、了解。愛里寿。それじゃあ楽しいパーティーといこうか」
とにかく、裕翔をバカにした先輩達には、悪いけど自信を完全になくしてもらう。私と裕翔の全身全霊をもって、あの先輩達を完全に”潰す。”私の怒りに触れた事を身をもって後悔してもらう。島田愛里寿を。島田流を。そして、神田裕翔を。”裕翔の技”を。全てを知らないあの人達はこれから地獄を見る。いや、地獄を見せる。
「あなた達もこの紙に書いた通りの周波数で、連絡を取れるようにして」
「分かったわ、隊長さん」
「やるとしましょう」
「本気出してくかぁ」
アズミ。メグミ。ルミの三人も、楽しそうに紙を受け取る。案外気は合いそう。まあ、裕翔の事も認めてくれたもんね。だから頑張らないと。
「裕翔。”本気”でお願い」
「分かってるよ、愛里寿。僕もバカにされたままじゃ、ね」
「ふふ、だよね」
そうして、私と裕翔は同じ戦車に乗り込む。やるべきことはただ一つ。あの先輩達を討ち取って、裕翔と私の名前を刻み込む。絶対に、許しはしないんだから。
「こちらスカルリーダー。これから”私と裕翔で”指揮をとる。各車両準備完了なら伝えて。You copy?」
《スカル2 I copy! 戦車の調子もご機嫌だし、頑張るわ! 司令塔が二人なんて初めてだから、楽しみね!》
《スカル1 I copy! ま、あの面倒な人達に痛い目見てもらおうかしら。どんな指示も頑張るわ》
《スカル3 I copy。 こちらも同じく。よろしくね、隊長さん》
アズミ。メグミ。ルミの順番で、私の質問に答えてくれた。裕翔に目配せすると頷いてくれる。それじゃあ作戦コードを、裕翔に発表してもらおう。
「あー、愛里寿から目配せをもらったんで、僕が作戦名を発表します。作戦名はbroken heart。先輩達の心を壊しちゃいましょうって。You copy?」
《あら、良い作戦名じゃない。ふふ、裕翔の実力を見せてもらうから。 スカル1 I copy》
《島田流専属の砲手。楽しみねっ。スカル2 I copy!》
《裕翔君、楽しんでいこう!スカル3 I copy!》
■■■
「いくら島田流と言えど、相手は新入生。調子づいてきたら困るのよね」
「ほんとほんと。男子なんか連れちゃってさ」
「おまけに私達に勝つつもりだから、余計に笑っちゃうわね」
その件の先輩と呼ばれた人達は、今現在裕翔と愛里寿のチーム。スカル小隊の、二倍の量の戦車で向かっていた。これくらい量があれば、押し切ることも出来ると思っているのだろう。だが。
「さて、そろそろ索敵を……!?」
《て、敵弾命中……!》
《立て続けにこちらに命中していきます! どこから撃たれているのかわかりません!》
「ど、どういう……」
いきなり、見えないところからの砲撃を受けて、驚きを覚えるのだが、対処する前に混乱を起こしている。そして、気づいた時にはすでに車両は五分までに。意味がわからない。そう言おうとした時だ。
《て、敵隊長車両が現れました! そして、我々の砲弾は当たらず、敵隊長車両の砲撃が、我々の戦車のウィークポイントを的確に攻めて、行動不能にさせています!》
「砲撃? ……砲手って、あ、あの、男子!?」
「嘘でしょ!? 男子があんな的確に狙ってこれるわけ!?」
《ありえない……こちらの方が量は多いはずなのに、簡単に無力化されている……向こうの戦車の動きは、隊長車両しか見えないのに、他の車両からの砲撃もしっかりとくらっている……なんで……》
「い、一度退却! 対抗策を……」
「ダメです! 後ろから戦車が……敵車両が現れました!」
「なんですって!?」
《……万事休すです》
「私達が、こんな簡単に、負ける……?」
もはや、先輩としての顔はそこにない。混乱して慌てふためき心を折られ、圧倒的な敗北者となった事により先程のような笑みはない。そして裕翔に対する認識も、戦車道をなぜかやっている生意気な男子というものから、自分達の届かない所にいる島田流に与する砲手と変わる。
「……私達は、最初からこんな化け物をバカにして、相手しようとしてたと言うの?」
「こんなの……一方的な蹂躙じゃない……」
《……完全に、私達の負けです》
負け。最後に無線からその言葉が聞こえたあと、数秒もたたずに先輩と呼ばれた者達の戦車は行動不能になる。彼女達は何を間違えたのか? それは__
■■■
「あれから、何年かしらね」
私。島田流の家元である島田千代は、友人の子供と自分の娘の非公式の試合を観戦し終えた。あれは、戦いなんてものではなかった。おそらく愛里寿は裕翔君の扱いに対して怒って、裕翔君も”それなりに”本気を出したんだろう。
「それにしても、さすがにゆりっぺの息子ね。砲撃は相変わらず完璧。味方が当てやすいように、敵の動きも止めた」
戦場の空気を支配するのは、愛里寿と裕翔君の二人で十分。それなのに、裕翔君ほどでは無いとはいえ、正確無比な攻撃をする味方がいるからこそ、成り立つ戦術だと思われる。裕翔君と愛里寿はどこまで読んでいたのか。
「……”神田”の技術。彼はしっかり受け継いでいるわね。そして、それをしっかり私達の”島田”に合わせている。でも、あれは”全力”じゃない」
私が知る限り、”神田”というのは……だからこそ、あの戦い方は裕翔君ならでは。本来なら、愛里寿と同じポジション。全力の司令塔は二人もいらないのが”基本”だけど、あの二人ならきっと。戦法に関してだってそうだ。今の島田流に足りないものを、きっと彼は。
「そう、確かに臨機応変と言われるような戦法を、島田流は重視している。けど__」
”裕翔君が新たな風を発して、島田流に何をもたらすか、知りたいわね。”
■【後書きのコーナー】■
愛里寿「……それで、後書きでは何を話すの?」
裕翔「うーん、なんだろうね?」
suryu-「一応その話に関係する事とか、基本的には自由です」
愛里寿「それじゃあ今後、ここで話す事を作るって事で」
裕翔「了解。因みにあの先輩達はどうなるの?」
愛里寿「……聞かぬが花」
suryu-「コノココワイ」
愛里寿「とりあえず、次回もお楽しみに」