どうも、suryu-です。今日もガルパン投稿をしています。
とりあえずなかなかスランプが抜けきらないのですが、こうしてまだ形になってるだけマシなんだろうなと思ってます。
また、評価をくださった方や感想をくださった方が居てくれて、本当に嬉しいです。もっと貰えたら嬉しいな……と思うのが作者の性ですね。
そんな感じですが、今回も閲覧なさってくださると幸いです!
非公式でありながら、その試合は有名なものになった。名門大学のチームが、新入生の島田流の娘とその少女の専属の砲手に圧倒された。と。その専属の砲手は”少年”でとても高い技術を持つ。とも聞いた。現在黒森峰に通う私の二人の娘とその仲間に、その少年の居る試合を見せるべきかはまだ迷っていた。島田流でありながら、”島田流では無い動き”を時折見せる事がある為だ。それは決まって、その少年が指揮をとった時に起こる。中途半端にはならないように、島田流にきっちり合わせて動いているのも確かだ。あの砲撃は参考にもなる。だがそれはそれだ。
「ちよきちがこれを認めている。というの? 家元が流派を曲げてまで?」
私には、それが何故かはわからない。だからちよきちの所に一度行くべきだとも思っている。だというのに、体は思った通りに動かないし仕事は積もっていく。まったく、こんな時くらい休ませてくれたっていいだろう。
「……この戦い方。どこかで見た事があるのよね。昔。そう、遠い昔だけど」
その”島田流”と違う動き方を垣間見せた時に、そんな感情を思い出す。私がかつて、ちよきち達と相対して戦車道をしていた時の事かもしれない。だからこそ気になるし、早くその疑問を解消したいのだが……
「はぁ。こういう時に限って、役職は面倒ね。まぁ、私が望んだ生き方だけれども」
まあ、今すぐでなくともいずれ分かると思う。だって、ちよきちは島田流家元なのだ。どういう意味であれ、私が関わらないなんて訳は無いのだから。
■■■
「それにしても……まさか僕と愛里寿が、こんなに有名になるとはね」
「ん……裕翔。あの時、ちょっとやり過ぎちゃったかな?」
「まあ、あれでいいんじゃない? あの人達自分を過信してた訳だし。問題は、見られてたってことだけど」
「確かに。見られてなかったら、ここまで有名には……ならないかも?」
「何その間……」
僕と愛里寿は、現在大学で昼食をとることにしていた。料理はそれなりにしたりするから、愛里寿にせがまれてたまに弁当を作る事になった。千代さんの微笑ましそうな視線が、たまになんとも言えなくなる。そういう関係では無いんだよなぁ。確かに相方という位置にはなってるけど、恋人ではない。それは今の現状だ。
「裕翔、相変わらず料理が上手い。……私の好きな目玉焼きハンバーグを、お弁当に詰め込むなんて」
「まあ、それなりだよそれなり。趣味でやってるものだし」
そんな愛里寿は僕の作った弁当を、ハムスターのように頬張りながらも食べている。その様子を、アズミさんやメグミさん。ルミさんが興味深く見ている。あの試合の後から、この三人とは絡むようになった。愛里寿の事もよく見ていてもらっている。実際気も合うし、話していて苦にならないのは、歳上しかいないこの学校では貴重だ。とりあえず、気になったことを聞いておこう。
「……もしかして、三人は料理をしないの?」
「え? な、なんの事かしらね。アズミ、分かる?」
「さ、さあ? ルミは?」
「わ、分からないかなーって」
なるほど、僕の想像は当たっているらしい。仕方ないなぁ。と自分の好物だから、多めに作ってあるだし巻き玉子を三人に渡す。
「それ、食べてみてくれるかな。一応自信作」
「あら、いいの?」
「それじゃあ遠慮なく貰うわ」
「いただきます」
三人は同時に、僕の作っただし巻き玉子を口に入れる。こんな時ですら仲良いなぁ。なんて思ったりはする。だいたいこの三人はワンセットだから。そして崩れ落ちるのも同時だった。やっぱり。
「……なにかしら、この敗北感」
「……美味しいのが困るわね」
「うわぁ……うん、うわぁ……」
「やっぱり料理できないんだ……」
僕の言葉にがっくりと三人は項垂れる。やっぱり料理ができる女性は、戦車道の中には少ないのかもしれない。いや、偏見かもだけどね。
「裕翔は、料理の上手な人が奥さんがいいの?」
「んー、どうだろ。僕自身作るのは楽しいけど、作ってもらうのも好きだから。気分にもよるかな? 一般的には作って欲しい人の方が多いけど」
「……じゃあ練習する価値アリ、だね」
「そうだね」
愛里寿からこんな質問をされる事は最近多い。なぜだか分からないけど、思春期なのだろうか。僕に奥さんがいたら○○な奥さんってどうなのか。と聞かれても、僕は確かに思考がまともじゃないけど、経験がないからよく分からない。だから、その聞かれた質問については、自分の感覚で答えることにしている。
「そういえば、裕翔のお母さんって何をしてるのかしら?」
「確かにそれは気になるわ。裕翔君の腕前に関わりそうだし!」
「うんうん。どんな人かな?」
「母さん? そうだなぁ、なんと言えばいいか。全国の学園艦と高校を巡りながら、技術を教えこんで高校戦車道の強化をしてるみたいだね。講演会もしてるらしいし」
「へぇ……凄いわね。私も受けてみたいかも!」
実際母さんが育てた生徒は多いらしいけど、僕に勝る子はいない。なんて言ったりしてくれる。最近は僕の妹も連れていってるらしく、戦車道を早い時期から教えこんでいる。夫婦仲も良好で、母さんと父さんは一緒に戦車道に関わってる。僕の整備の技術は、父さんから教わったものだ。母さんの講義を受けたいとアズミさんは言うけど、母さんの訓練は優しくないんだよなぁ。思いやりはあるけどね。
「因みにそのお母さんの名前は? そんな事してるなら、有名な人かもだし」
「んー、有名かは分からないけど、母さんにその仕事を渡したのは、千代さんだからなぁ。戦車道連盟も受け入れるくらいだし。となると、知る人ぞ知るって所かな? ……神田由利って名前なんだけど」
「……神田、由利?」
「それって確か、よね?」
「だ、だよね……”神田流ここにあり”と言わしめて、戦車道界隈では”軍神”と呼ばれた……」
「?」
三人は顔を見合わせて、ヒソヒソ声で話す。母さんはなんとなくだけど、昔有名な戦車道の選手だったと言うことは分かった。というか、母さんが軍神と呼ばれてるなんて思いすらしなかった。いや、確かに訓練とかはしっかりしたものだったけど、訓練の時以外の母さんって、そんな雰囲気を微塵も見せなかったからなぁ。
「まあ、僕としては母さんが有名でも関係ないかな。確かに僕に、技術を教えてくれたのは母さんだけど、今は愛里寿専属の砲手だから」
「そう。裕翔は私専属の砲手だから。私のモノだもんっ」
「モノって愛里寿……」
「ふふ、隊長に気にいられてるのね、裕翔君は」
「いやぁ、羨ましいわ」
「微笑ましいかな?」
なぜだろう。愛里寿関連になると、本当に皆から暖かい目で見られる。だから僕と愛里寿は恋人じゃないんだってば。と、何度説明しても皆からの目線は消えない。なんだろう、僕は愛里寿には自由な恋愛をして欲しいから、僕に括り付けるのはやめて欲しいなとは思うんだけどね……それはともかく。
「とりあえず愛里寿も気をつけてね? 男相手だと勘違いするからさ」
「……勘違い? 裕翔、どういうこと?」
「男相手だと、好意を持ってると勘違いされる言葉だからさ」
「……そう?」
毎回こう言うと、なぜか愛里寿は不機嫌になってその後の訓練で、憂さ晴らしをしている。僕は間違ったことを言っていないつもりだが、理解ができないのかもしれない。まあ愛里寿はいくら天才といえど、まだ十二歳だし。いや、僕も同い歳なんだけれどもさ。
「裕翔は本当にいつもこうよね……」
「隊長、本当に裕翔君でいいの?」
「こんな鈍感なかなか見ないよ……」
「平気。いつもの事だし……それでもいいの」
なんだかひそひそ話をしていて、聞こえないけどまあいいか。それにしても愛里寿は、この三人に敬語を使わないでとお願いしたらしい。なんでも、隊長だとしてもプライベートの時は、堅苦しいのは好きではないとか。そういえば前に僕が敬語を使った時は拗ねられて、どうやって機嫌を直したかというのを覚えてないなぁ。まぁ、使わない方がいいのは分かるけどね。
「まあいっか。とりあえず戦車道の練習を色々しないと。あと、整備もね」
難しい事は考えるとエネルギーを使うし、まずはやりたい物からやっていこう。愛里寿の視線が痛いから、逃げるって意味もあるし。怒った愛里寿は怖いからね。さて、今日はどんな調整をしようかなーっと。
■■■
「ふふ、やっぱり裕翔は私の息子ね。大学戦車道で相手に圧勝するなんて。愛里寿ちゃんと一緒に指揮してる姿は、とっても楽しそうね」
私。神田由利は現在北の方に居る。プラウダと聖グロリアーナの練習試合で審判をしつつ、高校戦車道強化という役を担っていた。それにしても、私の名前は未だに残ってるなんてね。すっかり忘れられたと思ってたけど。
「それで、神田教官。あなたの息子さんとその相手の恋愛話とか何かないの? ダージリンも聞きたいでしょ」
「同士カチューシャ。さすがに我々よりもかなり下の学年なのに、それは無いと思われますが」
「あら、ノンナさん。私も乙女だし、カチューシャさん同様聞きたい方ですわ。それに、恋に年齢なんて関係ない。そうは思わなくて?」
「ふふ、がっつかないのよ。と言っても話してもいいけれど。裕翔と愛里寿ちゃんの話はね」
現在私は、裕翔と愛里寿ちゃんの試合をプラウダの隊長副隊長と、聖グロの隊長に見せていた。”島田流”の動きだけをするあたり、裕翔も自重してるのかしらね。とは思うけど。
「これだけ戦車の整備と砲手としての腕が良くて、尚且つ懇意にしてくれる男の子。私カチューシャも憧れるわね」
「確かに、同士カチューシャの言う通りです。戦車道は男子もやっていいものだと、常々思っていました」
「あら、気が合いますわ。私も古臭い考えは、そろそろ撤廃すべきだと思いますの」
「お、貴方達もそう思うのね、ふふ。気が合うわね。私もそう考えていたのよ」
私自身は昔から勿論。ちよきちとは前々からそんな事を考えていたし、裕翔がもっと満足に愛里寿ちゃんと戦車道をできるようにしたい。確かに、今でも戦車道はできている。けど、まだまだこれじゃ足りない。その裕翔を、愛里寿ちゃんと共に大舞台に立たせたいから。
「実は私、”面白いこと”を考えておりますの。興味はありませんか? 神田教官」
「あら、ダージリンさん。何を考えてるのかしら?」
そして、聖グロ隊長のダージリンさんは私の考えに、とても似ている気がする。こう、古臭い戦車道や、聖グロのOB達の考えを変えようとしている。そんな彼女だから、私の思考をよく理解している。そんな彼女が言う”面白いこと”は、とても愉快なのだろう。
「あら、簡単な話ですわ。私達と同い歳くらいの男の子を、来年から執事として招き入れようと思ってますの」
「あら、それは楽しそうね! お嬢様学校に執事は、乙女漫画には付き物だし」
「……ノンナ。それ、私も採用してみたいわね」
「同士カチューシャ。確かに悪い考えではありませんね」
この子達はいずれ、私の考える新しい戦車道に必要になる。だからこそ、こうして一緒に色々な事を話しているのだ。私の考えに賛同する彼女達は、私にとってはとても貴重なのだから。
「とりあえず、話を戻すけど神田教官。その裕翔って子と愛里寿って子の恋愛話、聞かせなさいよ!」
「っと、そうだったわね。ふふ、あの子はね、小さい頃__」
■【後書きのコーナー】■
裕翔「で、この後書きのコーナーも二回目だけど」
愛里寿「元々は初回もやる予定。そう聞いてたよ」
suryu-「……あの時忘れてたんでしょうね、うん。疲れてましたし」
愛里寿「それは仕方ないね。因みに今回裕翔がお弁当を作ってくれたけど」
裕翔「僕は一応料理を覚えたんだ。役に立つかなと思って、色々とね」
suryu-「その理由に関しては……まあ君らしいですよね」
裕翔「うん。愛里寿の隣で戦車道をやるからには、色々な技術を得ておくべきだってね。そしたらいつの間にか趣味になったんだよね」
愛里寿「本当に裕翔は趣味の範囲が広い」
裕翔「まあね。さて、そんな感じですが、次回も閲覧なさってくださると幸いです!」