ガタノゾーア in FGO 作:深淵を泳ぐもの
その後、ジャンヌの提案で情報収集のために、ラ・シャリテへと向かうことになった。ロマ二からもつい先程までサーヴァントの反応があったが、いまは離れて行ってるから安全とのこと。最も、その反応がもう1人のジャンヌと関係があった場合は、情報収集はほぼ絶望的と言ってもいいだろう。因みに反数名以上が未だミゼーアを疑っている状況だが、当の本人はどこ吹く風である。
「あ!皆さん!大変です!町の方から煙が……!」
ラ・シャリテのある方を指差し、そう叫ぶセイバー・リリィ。見ると確かに煙が上がっている。瞬間、ジャンヌが血相を変えてラ・シャリテの方へ走り出した。
「ちょ!?ジャンヌ!?クー・フーリン追って!ミゼーアも!」
「任せなあ!」
「りょーかい」
「メフィラス!貴方も行きなさい!」
「任せたまえ」
不完全な召喚なのにも関わらず、Aを誇る俊敏を駆使して1人ラ・シャリテへと駆けるジャンヌを1人にするわけにもいかず援護にクー・フーリンとミゼーア、メフィラスを回す。それによって先についたその4人は惨状を目にした。
「やめなさい!」
「おい!むやみに突っ込むな!」
突撃したジャンヌを見て、援護に回りながらそう言うクー・フーリン。殺到するワイバーンと
「はあ……はあ……」
「ジャンヌ……その……大丈夫?」
「……ええ、問題ありません。なぜ、もう1人の私がこんな事をするのか本当に理解に苦しみますが、それだけです」
死者を弔いながら、そう言うジャンヌの顔には遣る瀬無さが滲み出ていた。そんな中、ロマ二から、先の反応が戻ってきているとの通信が入る。本来なら逃げるべきなのだろうが、ジャンヌがもう1人の自分の真意を問いただしたいとの事で、ここに残る事となった。そしてやがてやってきたもう1人のジャンヌは、突然笑い出した。
「アハハハハ!見なさいよジル!!私の”絞りカス”が──ってそう言えば、ジルは連れてきてなかったわ」
もう1人のジャンヌ、黒いジャンヌは残念そうにそう言った。それを見たジャンヌは、信じられないと言わんばかりにこう叫ぶ。貴方は一体誰なんだ、と。その質問に黒いジャンヌは当たり前のように返した。
「あら?それは貴方が一番理解しているじゃない?”もう1人の私”。とうしてもわからないなら名乗ってあげます。私はジャンヌ・ダルク、蘇った救国の聖女」
「少なくとも私は自らを聖女などと思ってません。故に貴方も聖女であるはずがない。しかし、それよりも私が知りたいのは、”なぜこの村を襲ったか”です」
「何故?何故も何も彼らは私を、ジャンヌ・ダルクを信じているなんて言いいながら、あっさり裏切った人間だからです。報復ですよ報復。やられたからやり返す……当然のことでしょう?そもそも、主の声が聞こえない以上、主もこの国を見限ったのではなくて?だから、私はそれを代行しようと言うのです」
「それのどこが──」
「うるさいわね。現実を見ようともしない癖に、偉そうに。私は成長したの。成長した私こそが真のジャンヌ・ダルク!」
そう高らかに宣言する黒いジャンヌを他所に、ガタノゾーアは思う。裏切られた程度で、その国を滅ぼそうと思い立つのなら、果たして『光の巨人』どもは何度地球を破壊しただろうかと。所詮はその程度の愛国心しか無かっただけだと、ガタノゾーアは勝手に納得した。その横で、ミゼーアが笑い出した。
「何がおかしいのです?」
「いや、おかしいも何も、自分が”どう言う存在”か理解してないのに、良くそこまで口が回るものだなって思っただけだよ」
「なんですって!?……もういいです。バーサーク・ランサー、バーサーク・アサシン。彼奴らを殺しなさい!」
ミゼーアの言葉が余程頭にきたのか、黒いジャンヌは”狂化”をかけたサーヴァントの内、ランサーとアサシンにそう告げ、黒いジャンヌと指名されなかったサーヴァント達は、何処かへと向かって行ってしまった。
「あの者達の血と肉と腸、私に譲ってくれませんこと?」
「強欲なやつだ。なら、私は魂を頂こうか。次は血を譲れよ」
「勿論ですわ王様。……私より美しい者の血は、一体どこまで私を美しくしてくれるのかしら?」
「マスター……来ます!指示を!」
「オルガマリー、こちらも戦闘準備に取り掛かろう」
「わかってるわよ!メフィラス!リリィ、行くわよ!」
そうして、戦闘は起こった。しかし、立香はここであることに気づく、さっきまで居たはずのガタノゾーアが何処にも見当たらないのだ。指示を出しながら、知っていそうなミゼーアに聞いてみる。すると、ミゼーアはとてもイイ笑顔を浮かべ、
「ああ、ガタノゾーアなら先に行ったよ。”現実”を突き付けにね」
そう答えた。