ガタノゾーア in FGO 作:深淵を泳ぐもの
第二特異点からカルデアに帰ってきたその日の夜。ガタノゾーアは誰もが寝静まったであろう深夜に、エミヤから話があると呼び出され、特に無視する意味もないのでこうして食堂に向かっていた。
「来てやったぞ」
「……ん?ああ、てっきり無視されると思っていたのだがね」
食堂に入り、何やら調理器具を弄っていたエミヤに声をかける。このカルデアの食堂は料理が出来るエミヤと彼に弟子入りしているセイバー・リリィが管理しているので、彼が調理器具を弄っていても問題ないのだが声をかけるまでガタノゾーアに気付かなかった辺り相当集中していたのであろう。自身とガタノゾーアの分の紅茶を淹れながら近くの椅子に腰かけるエミヤとその対面の椅子に座るガタノゾーア。エミヤはほんの少し迷うような表情を見せた後、意を決したように口を開いた。
「話とは何だ?」
「……邪神ガタノゾーア。これが名前で間違いないな?」
「ああ、そうだな。それで?」
「経緯は省くが俺は生前、正義の味方を目指していたんだ。だが、ある日世界が闇に包まれて、俺は自分の無力を悟ったよ」
「ほう?」
世界が闇に包まれる。そんなことが出来るのはそうそう居ないだろう。しかも、それを自分に伝えるということはエミヤは生前ガタノゾーアが地上に現れた時に生きていた人物だと言える。
「世界各国を襲う怪獣に、俺がその時憧れていた『
「なるほど、あの時の奴を形成している光の一人というわけか。それで、なぜその話を今する?」
「別に意味などないさ。ただ、私はお前がどういう存在かここにいる誰よりも知っていると自負している。だからこそ、なぜこちら側に付いているのか理解できなくてね」
「ああそんなことか。他の奴らも言っていたよ。
「気まぐれか、それを信じるしかないのが悔しい所だな。あの怪獣にすら勝てない私ではお前が何を考えていても止めることも……いや、一矢報いる事すら出来ないだろうからな」
諦めたように紅茶を啜るエミヤ。実際に、ガタノゾーアと真面にやりあえるのはミゼーアとジャンヌ・オルタ、次点でメフィラス位だろう。邪神に人間が勝つには類まれなる幸運が必要なのだから。ただ、投影魔術が使えるエミヤは廃人になる覚悟で挑めば一矢位は報いれるかもしれないが。
「私が話したかったことはそれだけだ」
そう言って立ち上がり、コップを片付けてその場を去っていくエミヤ。そんな彼を見送って、彼が淹れた紅茶を啜るガタノゾーアは珍しい偶然もあるものだとと思った。自身を倒した光の一人が英霊になり、サーヴァントとしてこうして出会う。別段どうする気もないが、なんとなくティガの事を思い出し本人も気づかぬうちに少しばかり笑みを浮かべていた。
まあ、エミヤが生きた時代的にティガとかの話組み込んだらこうなるよねって話でした。