白音は仙術を使わず気を扱うようです   作:煌めく伯爵

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夏の終わりと求婚

アーシアが使い魔の契約をしてから数十日。あれからも、白音一行は使い魔の森での修行を続けてはいるものの、五大竜王の一角でとても強いらしいティアマットと会えることはなかった。特に白音は、自分の力が通じるかどうかを試したかったが、会えない以上どうしようもないので諦めている。それよりも問題なのは、以前変身した超サイヤ人に未だ変身できないことだろう。何というか、完全に感覚を掴みきれていないようなもどかしさを募らせながらも、白音は修行を続ける。そんなある日、アザゼルが白音を訪ねてきた。

 

「よお、こんなとこにいたのか。ったく、探すのに手間取っちまったぜ」

 

「アザゼルさんですか。私に何か用ですか?」

 

「ああ、学校の夏休みももうすぐ終わるからな、そろそろ人間界に戻るってことを伝えにな。他の奴らにはお前から伝えてやってくれ」

 

「もうそんなに日が経ったんですか?」

 

「もうってお前がこの森に来てから結構経ってんだぞ?さては、修行ばっかして休息とってねえな?」

 

「そうですね。あまりその辺は考えてませんでした。定期的にアーシアさんたちとは会ってましたけど、それも組手のためでしたし。思えば、服が汗でベタベタになってますね」

 

「はぁ、他の奴らもそうだがな、修行もいいが女を捨てるようなことするなよ」

 

呆れたような顔をするアザゼルは、ため息を吐きながらも白音がここで修行している間に何が起こっていたかを教えてくれた。曰く、リアス・グレモリーがソーナ・シトリーとレーティングゲームなるものをしたとか、それに勝つためにタンニーンという龍に赤龍帝が扱かれたこととか、白音にとっては割とどうでもいいことだったが休憩ついでに聞いておいた。

 

「さて、人間界に戻るのは明後日だからな。今日はちゃんとホテルに帰って風呂にでも入るんだな。」

 

「そうしましょうか。では、皆さんのところにでも行きますか」

 

気を察知してそちらの方向へと飛んでいく白音。アザゼルもアザゼルでやることでもあったのかどこかへと飛んで行ってしまった。三人が同じところにいるはずもなく、多少時間はかかってしまったが全員が合流し、アザゼルに言われたようにホテルへと向かうのだった。

 

      *

次の日はゆっくりと休み、そして人間界に戻る日がやってきた。当然のようにリアス・グレモリーとは別ルートからの帰宅である。この約一か月、アザゼルからもらった重力増加装置のおかげもあり、白音たちは結構レベルアップを図れただろう。因みに、アーシアが40、レイナーレとミッテルトが45、そして白音が50倍まで耐えられるようになっており、常にその倍率で生活していたりする。それに応じて、界王拳の耐えられる倍率も確実に上がっていた。

 

「なかなか良い修行になりましたね」

 

「そうね。最も成長したのは白音だと思うけど、場所を変えてってのは確かに効果があるわね」

 

「まあ、一番はアザゼル様が下さったこの重力増加装置のおかげっすけどね」

 

そんなことを話しながら、駅のホームを出ようとした時であった。アーシアに一人の男が話しかけてきたのだ。

 

「やっと見つけた。アーシア・アルジェントだね?」

 

「え、そうですけど……貴方は?」

 

そう聞くアーシアに男は突然胸元を開いた。一瞬露出狂かなにかとも思ったが、そこには大きな傷跡があり、それを見せてきたということはそれが男とアーシアが関係していることを証明するものになるのだろう。

 

「この傷、見覚えはないかな?僕はあの時キミに命を救われたんだ」

 

そこまで言われて、ようやく思い出せたようで、アーシアは何も言わずにただただ驚愕していた。その横で白音はまた厄介ごとかと頭を悩ませていたが。

 

「僕はディオドラ。ディオドラ・アスタロト。君を迎えに来たんだ。僕たちの出会いは運命だったと思うから、今までずっとキミを探していたんだ。そして、ようやく見つけた。──僕の妻になってほしい。僕は君を愛しているんだ。アーシア、結婚しよう」

 

突然の求婚に思考がついていかずあっけに取られてるアーシアの前に跪き、ディオドラはその手にキスをする。暑い夏も終わり、過ごしやすい秋が来るというのに、相も変わらず厄介ごとはまだまだ続きそうである。

 

 

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