魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!   作:ディア

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前回投稿してから2年以上経ってないからセーフ、セーフ!(バリアウトです)

ちなみに最近ドラクエやっていないんですが、皆さんのオススメは何でしょうか?メッセージボックス等で教えて頂けると幸いです。
作者はナンバーズの中では4,5,6,8,9クリア済みで他購入したけどクリアしていないのは1,2,3,7,10です。11のみナンバーズで購入していません。


新不死騎団長、はりきる

「ザムザにクロコダイン、どこに行っていたの?」

 

「何、後始末をな」

 

 ザムザの腫れた目を見てジゼルは全てを察した。

 

「そう……その様子だとケジメはしっかりつけたみたいね」

 

「ああ。それでこれからどうするんだ?」

 

 ザムザがジゼルの問いに頷くと、ジゼルが目を閉じ、淡々と告げる。

 

「新六軍団長を潰すわ」

 

 それは魔王軍に対する宣戦布告だった。

 

 

 

「新六軍団長を潰すとは大きく出たな」

 

「当然、何も考えていない訳じゃないわよ。あのクソ爺が魔軍司令補佐だったとはいえ、今の魔軍司令はバーンの腹心ミストバーン。ハドラー様よりも魔界に精通しているだけでなくバーンの為ならば何を仕出かすかわからない、それがミストバーン自身の恐ろしさよ」

 

「そのミストバーンに従う新六軍団長も然りという訳か」

 

 

 

「ええ、バーンは使えるものは全て使い、新六軍団長が油断ならない相手だというのはわかっているわね? 特に六軍団長だったフレちゃんやクロコダイン、それにバランなんかはその辺を理解しているでしょ?」

 

「うむ。十分に承知している」

 

「マックス、例の物を」

 

「はっ!」

 

 ハドラーの部下からジゼルの部下に成り下がったマックスが地図を取り出す。

 

「各軍団の動きを観察したところ、それぞれの主要国を一気に攻め立てるとのことです」

 

 マックスが地図を取り出し、各国に丸をつける。

 

 

 

「ふむ……それでマックス、新六軍団長と言うからにはそれなりの相手なのだろう」

 

「一人だけ除き、それなりの実力者であれば勝てます」

 

「その一人とは?」

 

 マックスが地図に指を差し口を開いた。

 

「ここに向かった不死騎団のオルゴ・デミーラ。かつて世界を征服寸前まで成功したこともある魔王です。ザボエラが死んだ今、魔軍司令に最も近い軍団長と言え、このオルゴ・デミーラを倒すことにより超竜軍団と魔影軍団を除いた魔物のほとんどが止まります」

 

「オルゴ・デミーラ……いつぞや悪さしている魔族から聞いたことあるわね。あの時のアレはタイムスリップだったのかしら?」

 

 ジゼルがそう呟くが全員無視した。

 

「しかし奴がそれを成し遂げたのは豊富な人材あってのことだろう? 奴自身はどうなのだ?」

 

「神をも封印した実力者であり自身も自らが頂点に立つと豪語していたのに関わらず、バーンの下につき軍団長のポストで納得しているのかわからないくらいです」

 

「確かに実績や性格を考慮しても軍団長とは言わずバーンと同格の扱いの魔軍司令になってもおかしくないな」

 

「ならその対処は私、ハドラー様、バラン、ベンの四人でどうかしら?」

 

「ええっ、私もですか!?」

 

「そりゃそうでしょ。相手は神をも封印した魔王よ。下手したらバーンよりも格上かもしれない。そんな相手に勝つ、最悪足止めするにはこの面子じゃないと無理よ」

 

「マックス、他の面子はどうなんだ? 俺がいないと困るということはないのか?」

 

「ないな。それ以外は超竜軍団の軍団長がデミーラに次いで警戒すべき相手だが、それは我輩達が相手になればいいだけだし、他もデスカールと同等以下の実力しか持っていない」

 

「さらっとワシのことを弱いの基準にしおった!?」

 

「やはり魔王軍は人材が不足しているということなのか……」

 

「仕方ないと思うよ? 旧軍団長のうち半分はハドラー様がスカウトしてきたんだからね。そ・の・上! 私という戦闘面でも工作面でも優秀な親衛隊の隊長を連れてきたのもポイントよ!」

 

「フフ……確かに大いに助けられたな」

 

 ハドラーが苦笑し、黒の核晶を取り出してくれたことを思い出す。もしジゼルがいなければハドラーは裏切りに気づくことなく死んでいただろうし、何よりもダイとの決着をつけることがないまま終わっていた。

 

 

 

「さあそういう訳だからベン、行くわよ」

 

「仕方ない……了解です」

 

 ベンが諦め、ジゼルについていき、ハドラーやバランもそれに続く。

 

 

 

「さて、我々親衛騎団もいくとしよう」

 

「ちょっと待てマックス、ところで俺達の相手は一体どんな相手なんだ?」

 

「闇竜バルボロス、かつて空の英雄と呼ばれたグレイナルのライバルであり対の存在でもある(ドラゴン)だ」

 

 

 

 

 

 その頃、新六軍団長達はオルゴ・デミーラを長とし、その指示に従っていた。

 

「バルボロス、あんたのところの竜を使ってデク人形達を不定期に襲撃してバラバラにさせなさい」

 

「ははっ」

 

「理由は簡単よ。勇者ダイは今バーンパレスにいて地上には予備の戦闘員しかいないから不定期に襲撃することによって予備戦闘員が不足するからよ」

 

「なるほど兵士達の疲弊を狙っていると」

 

「そういうことね。他の軍団とは違って超竜軍団を動かすのを不定期にした理由としては竜のモチベーションといつ強力な竜が襲撃するかわからない恐怖を味わさせることが出来るから……」

 

「了承した……ではオルゴ・デミーラ殿、その指示に従おう」

 

「宜しく~」

 

 オルゴ・デミーラの指示により、各国で一斉に大規模な魔物による侵略が始まる。

 

 魔物以外の生物を石にする雨を降らす魔物、人と魔物の姿を取り替え人間不信させる魔物、人間の力を奪いそれを自らの力に変える魔物など搦め手の魔物は全てオルゴ・デミーラの指揮下に入りそれ以外の魔物は全て他の軍団長に委ねられた。

 

 

 

「流石、かつて世界を後一歩まで支配した魔王よな。ミスト、そうは思わぬか?」

 

『はい。しかし恐れながらバーン様、あの者を野放しにしておけばバーン様の障害になります』

 

「奴は余には逆らえん。何故なら奴が生きていられるのは余の魔力あってのもの。余が死ねば余の魔力なしに生きられず、そのまま死ぬと言う訳だ。それにミスト、オルゴ・デミーラ程度ならお前でも討伐可能だ。その時が来たら命ずる。それまでダイ達の相手をするが良い」

 

『了承しました』

 

 ミストバーンがその場から消え、バーンは賽子を三つ取り出す。そのうち一つは普通の白い賽子、二つ目は青黒い賽子、三つ目は深緑の賽子だった。この賽子は人間、魔物、竜を象徴したものである。それらを放り投げ出た目を確認するとバーンが上機嫌に笑った。

 

「どうやらこの勝負面白いことになりそうだ」

 

 出た目はピンゾロ──つまり全て1であり誰がこの勢力争いに勝つかわからないというものだった。




後書きらしい後書き
ようやく書けたよ。と言う訳で今回はオルゴ・デミーラとバルボロスを登場させました。本来であればレオソードだったりゲマだったりと色々な既存キャラを出したかったのですが物語の都合上カットしました。


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