魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!   作:ディア

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DQ11Sに続いてDQMJP3も購入しました。常にアタカンタの大地の竜バウギアが強いですね。新超竜軍団長をバルボロスにして後悔した程です。まあまだ全クリしていないので評価は覆る可能性がありますが。


新・超竜軍団長バルボロスとの戦い

 その頃、居残り組は各新軍団長の元に向かい討伐していった。

 

「どうぢで、どうぢでボクちんだけがこんな目に遭うんだ!」

 

「ふんっ!」

 

 かつてギガ・マホトラの使い手として名を上げ、新・妖魔師団長となったブギーがデスカールに蹴りを入れられる。

 

「ぎゃぶっ!」

 

「言っておくがこのような目に遭っているのは貴様だけではない」

 

 ブギーを暗黒闘気で拘束すると共に自前の剣を構えて炎を纏わせる。

 

「や、やめ──」

 

 その威力に怖じけついたブギーが拘束から逃げ出そうとするがデスカールにやられた傷が原因で身体が動かずそれは叶わない。

 

「ブラッディースクライド!」

 

「ほげええええぇぇーっ!」

 

 断末魔の叫び声がその場に響きブギーが倒れた。

 

「さて、他の軍団長のところにいくか」

 

 ブギーの死体を確認するとデスカールがその場から去り他の軍団長達を討伐するべくルーラで移動した。

 

 

 

 ルーラで移動した先、それは新・超竜軍団長バルボロスのいる場所だった。

 

「デスカール、お前もここに来たか」

 

 デスカールよりも他の軍団長を早く倒したアクデンが声をかける。

 

「うむ。それで状況は?」

 

「信じられないことだが、あの様だ」

 

 アクデンが指差した先にいるのはボロボロになった親衛騎団であり、無傷でいるのも指揮官のマックスのみという有り様だった。

 

「なら何故加勢にいかぬ!?」

 

「行きたくとも出来ん。奴──バルボロスは親衛騎団以外の連中を確実に仕留める為結界を張っている。それも我らの力量では破壊出来ないものだ」

 

 アクデンがそう告げるとガーゴイルのカラスが降り、無言で首を横に振る

 

「駄目か?」

 

「どこにも隙はなかったぜ。あれを壊すにはベンのイオグランデ級の破壊力の攻撃をするしかない」

 

「ならば俺が行こう」

 

 その言葉を聞いた男が両腕に闘気を溜めてその技を放つ。

 

 

 

「どうした、それで終わりか?」

 

「くそっ!」

 

 バルボロスの挑発に乗るヒムを尻尾で凪ぎ払い、

 

「待てヒム! むやみやたらと攻めても無駄だ。私のライトニングバスターやアルビナスのニードルサウザンドも通じない以上、無駄だ」

 

「やってみなきゃわかんねえだろうが!」

 

「その通りだ。もしかしたらかすり傷くらいは狙えるかもしれんぞ?」

 

 バルボロスが笑みを浮かべ挑発するとヒムが再び拳に炎を纏わせた。

 

「とことん嘗めやがって覚悟出来ているんだろうな!」

 

「いいからさっさとかかってこい」

 

「うぉぉぉぉーっ!」

 

 ヒムの突撃、それは彼の技ヒートナックルではなく、自らの主人ハドラーの必殺技超魔爆炎覇そのものでありその突撃力はハドラー親衛騎団の誰もが知っておりバルボロスと言えども無事ではすまない。そう確信していた。

 

 

 

「惜しかったな」

 

「なっ──」

 

 だがバルボロスは全くの無傷。かすり傷を負うことはなかった。

 

「闇の衣か」

 

 解析を終えたマックスが呟き、解説する

 

「闇の衣?」

 

「わかりやすく言えば暗黒闘気を身に纏わせ鎧と同じ働きをさせるものだ。熟練すればありとあらゆる攻撃を無効化させることが出来る。それを剥がすには光の闘気が必要となる。つまり禁呪法で生まれた金属生命体たる我輩達ではほとんど勝ち目はないということだ」

 

「な、なんだと!?」

 

「マックス、本当に勝ち目はないのですか?」

 

 ヒムが驚きの声をあげる一方でアルビナスが冷静に尋ねる。

 

「ほとんど、と言ったはすだ。ない訳ではない。かつてその威力と命中率の悪さに歴史の闇に葬られた系統の呪文がある」

 

「それを使えば勝てると? しかし契約しようにも時間がありませんし、貴方が申し上げたように命中率の悪さに歴史の闇に葬られたのでしょう?」

 

「勝てる。アレだけの巨体に当たらない方が問題だ。その系統はマータ系。メラマータ、ギラマータ、ヒャドマータ、バキマータ、イオマータの五つこそバルボロスを倒すものとなる」

 

「くくく……甘い、カスタードプリンシュークリームよりも甘い! 確かにマータ系の呪文は脅威だ。しかしマータ系はそれぞれの呪文を複数回攻撃するだけの呪文。しかも一発の威力は大したものではない」

 

「大したものじゃねえなら何故脅威なんだ?」

 

「マータ系の脅威は一ヶ所に当たれば極大呪文を大きく上回るということだ。しかも魔力もその威力に見合う以上の低コストだ。そして我輩以外は攻撃呪文のスペシャリスト。一ヶ所に集約して出来ないとは言わせぬぞ?」

 

「わかりました。ならば契約しましょう」

 

「そうさせるとでも?」

 

「ブバーハ!」

 

「ほう、ブバーハを覚えていたか。しかも俺のブレスを防ぐとはやるではないか」

 

 バルボロスが感心し、笑みを浮かべるとマックスが5人を回復させマータ系の呪文を契約させる。

 

 

 

「指揮官たる我輩はサポート役だ。それ故に攻撃呪文以外なら使える……さあ契約完了だ。お前達、やれるな?」

 

「勿論だ」

 

 親衛騎団の全員がバルボロスの心臓を目掛け突撃するとバルボロスから放たれる黒い霧が周囲を覆う。

 

「い、いかん! 戻れお前達!」

 

「メラマータ!」

 

 それを見てマックスが撤収するように促すがその言葉に反応出来なかったヒムがメラマータを唱える。だがそれは不発に終わる。

 

「なっ、失敗だと?」

 

「残念だったな」

 

 ヒムが叩きつけられ動けなくなるとバルボロスが巨大な闇の球を作り出しそれをヒムに目掛けて放つ。

 

「くたばれ、人形共!」

 

 絶体絶命──今のヒムの状況を表すとしたらそんな状況であり、バルボロスが勝利を確信し笑みを浮かべる。

 

 

 

 そしてその瞬間、バルボロスの球を貫き巨大な渦が頬を掠めた。

 

「な、なんだと!? 我が闇の衣を撃ち破るとは、一体誰の仕業だ!?」

 

「俺だ」

 

 ピンクのリザードマン──クロコダインが名乗りを上げるとアルビナスが驚愕の声をあげた。

 

「獣王クロコダイン!」

 

「待たせたな。ハドラー親衛騎団」

 

 

 

「しかしどうやってあの闇の衣を突き破ったのですか?」

 

「あの闇の衣とやらは確かに厄介だった。しかしヒュンケルの光の闘気を俺の獣王激烈掌に乗せることで闇の力を一点に集中させ破壊したという訳だ」

 

 アルビナスが疑問の声を上げるとクロコダインがそれに答え、ヒュンケルに視線を送る。

 

「と、いうことだ。ここから先は俺達に任せてくれ」

 

「わかった。だが無理はするな。いくら回復呪文が得意な我輩と言えども魔力に限界はある」

 

「もとよりそのつもりだ」

 

 

 

「くくく……よかろう。この闇竜バルボロス、貴様ら纏めて相手にしてくれよう!」

 

「かぁっ!」

 

 バルボロスが暗黒闘気のブレスを吐くと同時にクロコダインが凪ぎ払い、その隙を見てヒュンケルが光の闘気を交えた攻撃をするとバルボロスの身体から出血し親衛騎団全員が目を見開く。

 

「アレだけ私達が攻撃しても通じなかったというのにこうも易々と負傷させるとは……」

 

 シグマが腕を組み、思考する。確かにハドラー親衛騎団はハドラーの守護兵として優秀だ。しかし相性というのは絶対的な能力に差がない限りは覆せない。それを痛感し、ヒュンケルとクロコダインの連携攻撃を観察し取り入れようとしていた。

 

 

 

 そしてしばらくするとヒムが回復し終わり、口を開く。

 

「俺も、やるぜ」

 

 ヒムがそう声を上げるとヒュンケルが首を横に振る。

 

「バカを言うな。お前では相手に出来ん」

 

「いや出来るさ。バルボロスはあんたの光の闘気交えた攻撃なら通用する。つまり闇の衣が一瞬だけ剥がれるんだ。その一瞬だけ叩き込めば俺の攻撃でも通用する」

 

「それならクロコダインに任せた方が良い。クロコダインの獣王激烈掌に闘気を交えたならバルボロスもただではすまない」

 

「それは出来ねえよヒュンケル。何故なら獣王激烈掌は言ってみれば砲台。巨体なバルボロスと言っても避けるのは容易く、うかつに攻撃出来ない。だから確実に攻撃を当てられるあんたが攻撃しているんだろう?」

 

「仕方ないか」

 

 ヒュンケルがため息交じりにそう頷き口を開く。

 

「だが俺に合わせろ。戦闘センスはお前の方が高いのだからこのくらいは出来るだろう?」

 

「当たり前だ」

 

 ヒュンケルとヒムが飛び出し、バルボロスの心臓目掛け飛び出すとバルボロスのブレスがヒュンケルを襲う。

 

「ヒュンケル!」

 

 思わずヒムが声を上げ、不安そうにそちらを見るとヒュンケルがそのブレスを切り裂き声を荒げた。

 

「無駄なあがきは止めろバルボロス!」

 

 そしてヒュンケルの剣がバルボロスの身体を切り裂き、それに連携してヒムがハドラーの超魔爆炎覇を真似た突撃で攻撃するとバルボロスの身体に穴が開いた。

 

 

 

「くっ……まさかここまでとはな。だが、俺は死なん! さらばだ!」

 

「そうはいかねえよっ!」

 

 バルボロスが大空に羽ばたき攻撃が届かない位置に逃げようとした瞬間、炎の鎖と氷の鎖がバルボロスを拘束した。

 

「な、なんだ!?」

 

「カーッカッカッ! この氷炎将軍フレイザード様から逃げられるとでも思ったのか!」

 

「フレイザード!」

 

「ようヒュンケル、いつからこんな小物相手を取り逃がすようになっちまったんだ? 昔からか! 騎士道精神って奴は大変だねぇ。女に取り入れる為の騎士道精神って奴は」

 

「何が言いたいフレイザード!」

 

「昔、お袋に惚れていたんだろ? だから取り逃がして騎士道精神をアピールしていた……はっ、馬鹿馬鹿しい」

 

「黙れフレイザード! そういうお前こそジゼルに認められるように手柄を立てるようにしていたのは知っているんだ」

 

「そ~れ~の~何が悪い? 誰だって認められたいって欲求はあるんだぜ。ハドラー様しかり、お袋しかりな。だけどお前のそれは女に取り入れる為のもんだろうが!」

 

「ぐぁぁぁっ!?」

 

 フレイザードが力むとバルボロスの身体の半身が燃え、もう半身が凍てつき断末魔の叫び声が響いた。

 

「ヒュンケル、貴方の騎士道精神はそこから来ていたのですか……」

 

「違う! 父バルトスの教えだ!」

 

 ヒュンケルがフレイザードの指摘とアルビナスのジト目を否定するももはや手遅れでこの場にいるほとんどが懐疑的な視点でヒュンケルを見ていた。




とりあえず構想として練っているのがダイの大冒険原作、DQ11S要素取り入れたカミュ主人公物。
序盤は本当にダイの大冒険原作という名前の11Sですが、徐々にダイの大冒険に近づいていきます。
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