ドルフロ 元咎人で戦乙女は人形として生きる   作:ユーベル

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コラボのラスト。
長かった。
そして難産だった。



★最後の波

第31実験部隊の防衛陣地の周囲には、ELIDの死体や瓦礫を利用して作られたバリケードが張られていた。

罠を仕込んだモノが。

バリケードには廃棄されていた人形の残骸を利用した張りぼてが置いてあり、そこへ3Dプロジェクターによるダミーを重ねてあった。

勿論、罠を仕込んだモノである。

と言うか、全てに罠を仕込んで有ると言う徹底具合である。

 

─システムテスタメントTypeケルベロス起動

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

意識が拡張される。

何時でも戦闘出来るように出力を上げていく。

トラップゾーンにELIDが踏み込んだら、戦闘開始の合図だ。

地上戦特化のシステムを解放している為、排熱効率を上げておく。

 

─トラップゾーンまで後200m。

 

装備を全て使用可能な状態(アクティブ)にしておく。

 

─トラップゾーンまで後163m。

 

やはり獣型が突出してくる。

それと共に虫型も突出してくる。

多脚という特性上、障害物の多い不整形地でも高い機動力を持つ。

 

─トラップゾーンまで後102m。

 

だからこそ、先陣きって突っ込んでくる。

突撃級BETAの様に。

 

─トラップゾーンまで後95m。

 

だから………

 

─トラップゾーンまで後53m。

 

君たちには………

 

─トラップゾーンまで後36m。

 

これ(・・)をプレゼントしよう。

 

─トラップゾーンまで後0m。

─トラップ起動します。

 

クリスタライズチタニウム製特殊ベアリングクレイモアとフィレッシュ弾頭の地雷原を。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

開戦の狼煙は上がった。

何万発ものベアリングと何千発もの鉄の矢が、真下と真正面からELIDに襲いかかる。

対崩壊地雷“伏犬”と対崩壊155mm散弾“狂雨”。

それがトラップに使用された兵器の名。

属性の込められていない汎用兵器であり、大型の崩壊獣に対して足止め程度にしかならない代物。

しかし、獣型ELIDと虫型ELIDは分類としては生物属性になり、なおかつ小型に分類されるため効果は抜群だ。

この時点である程度の数は減らせるが、いかんせん数が多い。

多少傷を負いながらも抜ける個体が幾つも見られた。

そこへ廃棄人形による弾幕が襲う。

対崩壊12.7mm重機関銃“黒森”。

かつてO.Dがオートキャノンを製作しようとして造った試作品が天命上層部の目に留まり、正式に量産され、車若しくは機甲に装備されようになった経歴を持つ2銃身重機関銃。

固定しなければ生身の人間には扱えない代物。

しかしそこは廃棄されていたとはいえ腐っても人形。

普通は固定して運用する物を両手持ちとはいえ、反動を無理矢理押さえつけて乱射する。

しかし廃棄されていた人形は等しく破損し、電脳内のデータも喪失している。

ならば何故動いているのか。

SAAと呼ばれるパワードスーツ、APF-175mod“バルディッシュ改”拠点防衛仕様を装備させ、なおかつ内蔵されている簡易AIに制御させているからだ。

しかし簡易AIでは戦闘中の処理が追い付かなくなる。

ならどうする?

答えは簡単、廃棄人形の電脳を利用する。

人間とほぼ同じ思考回路を構築してあるだけあって、その処理能力は高い。

だから、そこらじゅうの人形をかき集めて機体に押し込んで、固定砲台として活用している。

しっかり爆薬をたんまりと積み込んだ上で。

その悪質な仕掛けがこうをなしたのか、第一防衛ラインを突破された時点で全体の1/3ほどを削っていった。

 

残りの防衛ラインに到達するまで、同じ仕掛けを作動させた。

此処までは最初と同じ。

しかし、ここからは31実験部隊とO.Dとバルディッシュ改狙撃仕様による狙撃が追加されたのだった。

試作人形がいるとはいえ、31実験部隊は通常の戦術人形で構成されている為、ELIDに対して効果はドチラかと言うと薄い。

そんな彼女らにO.Dはある弾丸を支給していた。

対崩壊弾“窮鼠(きゅうそ)”。

HG、AR、RF等の銃種関係無しに既存の規格(・・・・・)で造られた対崩壊用の弾丸。

対生物、対異能、対機甲の3種が造られている。

この弾丸の特徴は、なんと言っても通常の銃器でも使用できると言う点だ。

その為、かの世界では戦乙女以外の人々が崩壊獣に対抗する為に製造され、一定以上の戦果を発揮した。

そんな弾丸を渡したことにより、ELIDは急速に数を減らしてゆく。

ヘッドショット1~2発で倒せるようになったのだから当然なのだが。

残り300mを切った時点でARによる射撃が更に追加された。

O.Dもこの時点で狙撃から“アベンジャー”による弾幕に切り替えていた。

それでもELIDの進軍は止まらない。

むしろ現在進行形で同胞を減らしてゆくO.Dが一番ヤバイと判断したのか、彼女のいる方向に殺到する様になっていた。

通常ならば戦術人形といえどもELIDとの格闘戦はほぼ不可能であり、公式記録にもほとんど残っていない。

だが、O.Dは違う。

元人間で崩壊獣と生身で戦い、生き抜いてきた彼女にとって、その程度のことは障害にすらならない。

むしろ自身の格闘能力がどれぐらいなのか、それを知るための実験台程度でしかない。

だから前へ出る。

ELIDを殴り殺す為だけに。

殴る蹴る投げる引き千切る切り刻む。

その中で自分だけの総合格闘術を造り上げる。

昔から変わらない思考回路。

自身を囮としつつ、味方が戦いやすく動き、その上で自身の最適な動きを見つける。

そんなトライ&エラーを繰り返してきた。

文字通り死に物狂いで。

その集大成こそが現在の行動。

 

相手の攻撃を利用して投げ飛ばし、残存するトラップゾーンに蹴り飛ばす。

至近距離で銃を撃ち、荷電磁高周波振動するワイヤーで切り刻む。

ELIDの死骸を即席の武器として振り回し、フレンドリーファイアを誘発させる。

突破しようとするヤツを狙撃し、密集地点に爆弾を投げ込む。

 

生身の人間だった頃ならば大怪我か死亡していたかもしれない行動を、難なくこなしていた。

実際、人間だった頃は手足を失うような大怪我をしていたが……………。

そんな行動をしていれば敵側の被害が大きくなり、壊滅まで後「そおい!」

─ドグシャ!

 

あ、最後の1体が死んだ。

……

………

…………

……………

………………

…………………

……………………

ま、いっか。

ともあれELIDの大群は全滅したのであった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

どうにか片付いた。

地上戦ではケルベロスがいい感じに機能したし、幾つか実験する事ができたから有意義だったな。

 

「あの、重ね重ねですが、救援ありがとうございます」

 

気にしなくていいよ。

こっちも色々と情報が欲しかったってのも有るから。

ああそうそう、これ渡しとくわ。

 

「記録媒体ですか?」

 

そう、その外骨格二種の設計図と動力源の設計図(理論付き)。

それと対崩壊弾頭をはじめとする対崩壊兵器の製造方、熱伝高周波振動ブレードの設計図に、クリスタライズチタニウムをはじめとする特殊合金の生成方。

オマケでSAA“バルディッシュ改”とSAA専用の各種装備武装の設計図だね。

 

「正直大盤振る舞いですね」

 

これぐらい出しとけば、あんたの上司も文句無いでしょ。

それに、バルディッシュ改の残骸とか仕掛けた罠とかも好きにしていいよ。

かき集めれば1機ぐらいは組めるだろうし、好きに解析してくれてもいいよ。

と言うか、ジャミング切ったとたん五月蝿いな。

 

「アハハハハハ」

 

ま、そんな訳だからもう行くは。

 

「そうですか、ドチラへ?」

 

自由気ままに旅するさ。

また縁があったら会おうや。

 

「そうですね。では、お気をつけて。縁がありましたらまた」

 

ほな、サイナラ。




駆け足ぎみだけどこれでコラボ終了。
そんなわけで、杭打折さんには新型外骨格二種とその設計図、動力源の現物と理論付き設計図、対崩壊弾頭をはじめとする対崩壊兵器の製造方、熱伝高周波振動ブレードの設計図、クリスタライズチタニウムをはじめとする特殊合金の生成方、SAA“バルディッシュ改”とSAA専用の各種装備武装の設計図をプレゼントです。
次は何処コラボ(カチコミ)行こうかな?

用語解説
システムテスタメント
戦闘特化システム。
ヴェルフェゴールと違い目の色は変わらないが全身に3色若しくは6色のラインが現れる。
3つのタイプに別れており、それぞれで特性が異なる。

Typeケルベロス
突撃、狙撃、遊撃を得意とする陸戦特化のシステム。
ラインの色は黒、紅、白。

Typeスプライト
要撃、爆撃、迫撃を得意とする空戦特化のシステム。
ラインの色は紫、青、芥子色。

Typeシュピーゲル
前記2つのシステムTypeに加え、迎撃、伏擊が可能となった汎用システム。
ラインの色は黒、紅、白、紫、青、芥子色。
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