まず目に付いたのは手術室の様な天井だった。
テンプレ通りならば『知らない天井だ』とでも言えばいいのだろう。
そんな下らない事を考えながら体を起こし、幽界で話をしていた時のように可動範囲の確認を行う。
これをしておかないと、ぶっつけ本番で動いても下手に怪我をしてしまい、最悪死んでしまうからだ。
可動範囲に関しては問題なし。
次は情報だ。
この場所の状態を見れば、おそらくチェーザレが置いて行ったであろう機材が存在している。
Will'Oの反応が検知されるところを見ると、汎用二脚甲のWill'Oエンジンを動力源にしているのだろう。
とりあえずPCを起動させ、中に保存されている情報を確認する。
えっと、保存されてるファイルは……………
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─器のスペック
─器について
─世界情勢
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簡潔だね。
とりあえず、世界情勢から。
1905年に未知の古代文明遺跡で発見された崩壊・逆崩壊技術がことの発端。
その後起きた戦争の性で遺跡は破壊され、内部にあった崩壊液が大量に流出し、世界規模での汚染とELIDの発生によるバンデミックが起きた。
2061年におきた鉄血工造施設への襲撃事件、通称「蝶事件」が発生。
この時、自動人形を統括管理する新型人工知能「エリザ」のハードウェアが置かれていた研究施設が武装集団に襲撃され、防衛システムを補助する為調整中のエリザを再起動するも暴走。
この人工知能「エリザ」を鉄血人形たちは「エルダーブレイン」と呼称。
2053年に設立されたPMC「グリフィン&クルーガー」は、事件後から民生品の人形を改造した戦術人形を主軸とした運用に切り替える。
おそらく、この崩壊液は液状化した崩壊エネルギーと思われる。
いや、確実に液状化した崩壊エネルギーだ。
PCと一緒に置いてあるサンプルからは、しっかりと崩壊エネルギーの反応を検知しているからだ。
ELIDによって産まれてきたミュータントも、見方を変えれば崩壊ゾンビの一種になる。
次は、この体のスペックだが………………ナニコレ。
鉄血上級人形の、それもウロボロスの5倍のスペックってナアニ?
あ、速見表が有った。
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IOP戦術人形=鉄血下級人形<鉄血上級人形=アクセサリ<<<<<オーガン・ディバイダー
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えっと………………………
『アクセサリの応用だけでも十分だったのだが、機甲の技術を取り入れたら出力が上がりすぎたから、その出力に見合った強化を施したらこうなった』
……………………………………もう何も言わん。
最後にこの体のベースになった鉄血人形は?
アーセナル?
違った、アーモリーだった。
『戦場での資材回収ならびに武器弾薬の生産』『あらゆる地形を踏破するための高機動力』『豊富な銃火器による広範囲殲滅と大規模破壊』『高い情報処理能力とそれに伴うハッキング能力』といった欲張りコンプセントの性で元の電脳がエラー吐いて起動しないから、データ削除した上で廃棄予定だったと。
それに目を付けたチェーザレが、躯体をデータ毎買い取り、改造したのが今の私って訳か。
ところで今気付いた事なんだが…………キーボードに触ってもいないのにPC操作してた。
多分と言うかほぼコイツ等の仕業だ。
常時散布型のナノマシンドローンと特殊生体金属繊維を織り込んだ人工皮膚。
コイツ等の性で電子戦特化型以上のハッキング能力を得ている。
それだけでなく空気の微細な流れを検知できるほどだ。
一応レベルを変更出来るからいいけど。
それにどうやら、崩壊汚染への耐性は世界トップクラスのようだ。
まあ、これに関しては当たり前としか言えない。
崩壊3rdの世界は何処もかしこも崩壊エネルギーに満ちていた。
特に聖痕を宿す戦乙女と崩壊の基点の一つである律者は、常に崩壊エネルギーに直接接しているのだから。
一言で言えば、原子炉の真横で耐放射能装備無しで生活しているようなモノだ。
それが戦乙女の日常だ。
──武装の製作が終了しました。
──詳細の確認をお願いします。
はいな。
これが一覧とスペック表な。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
私の使っていた武器の中から使用頻度の多いものを統合再編したのか。
これは使いやすそうだ。
それじゃあ………
『All systems nominal』
「ラビットブレイカー、Ride On!」
『Ride On』
ここから出て
『Switch engine drive』
世界を旅しますか!?
『Shift UP』
殺伐だけど
──出力上昇
『One』
どこか楽しく
──臨界出力到達
『Two』
それでいて自分らしく
──コース形成確認
『Three』
行くとしましょうか!
──ホイール回転数最大
──空間固定ブレーキ解除
『Top Gear IGNITION』
「さあ、この世を楽しむぞ!」