いくつかの没ネタ集   作:ぽんDAリング

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原作 涼宮ハルヒの憂鬱

オリ主は異世界人で涼宮ハルヒの姉という設定。

没理由 原作ノベル読んでない。アニメ一期・二期・劇場版消失の視聴のみ。なので、オリ主を動かす範囲が憂鬱〜消失までと少ない。


涼宮ハルヒの憂鬱 『異世界人はお姉ちゃん』

唐突だけど、私の妹は可愛い。

 

「お姉ちゃん、お姉ちゃん!!今日って七夕でしょ?あたし、織姫と彦星に良く見える様にデッカイ短冊を描いてくるわっ!!だから、お姉ちゃんにはまたアリバイ工作を手伝って欲しいの!」

 

訂正。私の妹は『おバカわいい』。

 

「いいよ。寝てる事にしといてあげる。だから、補導されないように気を付けて行っといで♪」

 

「やった♪お姉ちゃん大好き!」

 

抱き着いて来た妹の頭を撫でながら思う。

 

更に訂正。私の妹は『おバカでチョーかわいい』。

 

今年中学生になった妹はまだまだ幼さの残る笑顔で満足そうに自室へと戻って行った。それを見届けて私は長い溜め息を吐く。

 

分かってた事だけど、今日は七夕。妹が事を起こすのは既定事項。ならば、私がやる事も決まっている。

 

どこからどう説明しようにも、私の妹は『涼宮ハルヒ』。そして私は三歳年上の姉、涼宮アキホ。この世界では()()()()()になっている。

 

この世界に生まれ、最初は気付かず生活していたけれど、妹が産まれ、名をハルヒと聞いて違和感を覚えた。

 

もしかして、と調べてみたら案の定。ここは『涼宮ハルヒの憂鬱』の世界だった。

 

 

 

夜になり、約束通り妹のアリバイ工作を終えた私は今、住宅街の道端で待機中である。詳しい時間までは知らないのでそろそろかなぁ、まだかなぁと何度か思いつつ既に三十分は待ちぼうけている。

 

〜を大いに〜上げる〜よろしく〜

 

やっと路地の先で聴こえた彼の声に物語は予定通り進んでいることを認識して、私は歩を進める。

 

正面から向かってくる男女に片手を上げながらさも当然のように話しかけた。

 

「や、こんな時間に、こんな場所で会うなんて()()()()。キョンくん、みくるちゃん」

 

「あ、ハルヒのお姉さん。こんばんは、ホントに奇遇で…って、えっ?!」

 

「キョンくん!」

 

急な事態に驚きはした様だけど、みくるちゃんはキョンくんをかばう様に前に出て来た。まぁ、当然の行動だね。

 

()()私たちが出会うはずの三年前。本来面識も無いのにどうして?と、警戒するのは当たり前だろうけど、敵意は無いから安心して欲しいな」

 

「涼宮さんのお姉さん。単刀直入に伺います。あなたは何者ですか?何故この時代での接触を?私たちの情報ではあなたは()()()()()のはず。TPDDの所持も無く長門さんや古泉くん側でもなさそうですが?」

 

大人のみくるちゃんは年相応にしっかりしてるなぁ、と場違いなことを考えた私は悪くない。

 

「まだ全部は語れないのよね。でも、私が何者かなんて判り切ってるはずよ?宇宙人はユキちゃん、未来人はみくるちゃん、超能力者は一樹くん、残る一つは?」

 

「…異世界人」

 

「キョンくん大正解っ☆ご褒美にハグしてあげるよっ♪……って言いたいとこだけど、生まれも育ちもこの世界だから純粋に異世界人って訳にはいかないのよね。でも、その認識で大丈夫。ほぼ異世界人で合ってるよ」

 

「……驚きました。涼宮さんの望んだ事とはいえ、私たちの未来では異世界人の存在は確認出来ていなかったものですから」

 

みくるちゃんは依然緊張した面持ちで私への警戒を下げずにいる。もう少し私を信用して欲しいんだけど、急には難しいか。

 

「えと、いや、ちょっと待って下さい!見た感じハルヒのお姉さんは俺たちが出会った頃のお姉さんじゃないですよね?」

 

「うん?今は高一だよ。光陽園学院の一年生」

 

うんうん、よく気づいたね。キョンくんたちと出会うのは三年後の私。人間三年もあれば成長するものさ……色々とね。

 

「だったら、まだ出会ってさえいない俺たちを何故知ってるんですか?俺は三年後の俺で、朝比奈さんはもっと未来ですけど、ハルヒもハルヒのお姉さんも三年前のハルヒとハルヒのお姉さんで。でもここは三年前だから、ハルヒのお姉さんから見たら俺たちは未来から来てて……えっと、言っててわかんなくなってきた」

 

「大丈夫。わかりますよ。キョンくんの疑問は尤もです。TPDD若しくはそれに類する時間移動では無いとすれば、長門さんたちのように未来と同期する手段を持ち合わせているという事になりますから。でも、恐らく違う。方法は分かりませんが……」

 

みくるちゃんは理解してるみたいだね。未来人組の時間渡航じゃなくて、宇宙人組の同期と似た原理だって。

 

「ちょっと説明が難しい話なんだけど、この時代の私はみくるちゃんとキョンくんとは初対面だよ。はじめましてよろしくね♪だけど、三年後に出会う事は知っている。知っているだけで経験はない。頭の中にこれから経験する事が映像や文字列として存在している。記憶じゃなくて記録って感じかな?敢えて言うなら『未来視』。そんな感じだよ」

 

「……余計に分からなくなりました」

 

キョンくんは少し悩みながら肩を竦めて『お手上げ』を表現した。みくるちゃんは私の言葉の意味を理解して固まっている。まぁ、みくるちゃんが危機感を覚える様な万能な未来視じゃないんだけど、敢えて言う必要はないしね。

 

「解らないなら解らないままで良いの。これからユキちゃんの所に行って改変前に戻るんでしょ?私はその激励に来ただけ。キョンくんはハルちゃんと一緒に居る事を楽しいと思ってくれた男の子だから、やっぱりお姉ちゃんとしては応援したくって。三年後の、そしてその後もハルちゃんをよろしくね。あの子、所謂『ツンデレ』だから苦労すると思うけど、ウチでは私もフォローする筈だから」

 

この後の行動を知っている私にキョンくんは何とも言えない顔をしてたけど、妹をよろしくって言われて一瞬真面目な表情をして、照れて目線を逸らしてる。かわいいなぁ、男の子だなぁ♪

 

「じゃ、私はもう行くね。三年後の野球大会楽しみにしてるから♪」

 

それだけを一方的に告げて、涼宮アキホはクールに去るぜっ☆

 

 

 

 

っと、異世界人のスキルで、とあるマンション前に瞬間移動。いやはや、とても便利なスキルです♪

 

エントランスへと入り呼び鈴を鳴らす為、自動ドア横のダイヤルで部屋番号を押す。

 

7・0・8っと。

 

どこででも聞き慣れたチャイムが鳴り、ダイヤル下のスピーカー&マイクに向かって笑顔で告げる。

 

「こんばんはっ、ユキちゃん☆涼宮ハルヒの姉、涼宮アキホです♪ちょっとだけお話良いかなぁ?」

 

言い終わると同時にエレベーターホールへの自動ドアが開いたのでそそくさとエレベーターに乗り、部屋まで移動して呼び鈴を鳴らす寸前でカチャリとドアが開いた。

 

「はじめまして長門有希さん。私は涼宮ハルヒの姉の涼宮アキホです。そして、異世界人でもあります。……以上!堅苦しい挨拶は終わり♪時間も無いし手短に言うね。今からユキちゃんに『種』を植えます。その種はいずれ芽吹いて花を咲かせるから。これからココに来る人達が巻き込まれる事件は無かった事には出来ないけれど、ほんの少しだけ素直になれる不思議な花がきっとユキちゃんの助けになると思うから。三年後、ハルちゃんの大切な一人になるユキちゃんへのプレゼント♪」

 

ユキちゃんの胸元にそっと触れ、離す。私の触れた場所をユキちゃんは不思議そうに触れて僅かに顔を傾けた。

 

「……感謝する」

 

「いいのよ、ただのお節介だから。あ、これからココに来る人にコレを渡してね。それと『ちゃんと靴を履く』様に伝えて」

 

私が何処から取り出したか不明な紙袋をユキちゃんは受け取ると再び顔を傾けた。

 

「……ユニーク」

 

「ふふっ、ありがと☆じゃ、お姉さんはもう行くね。三年後、また会えるのを楽しみに待ってるから♪」

 

ほんの少しだけ頷いたユキちゃんに手を振り、便利なスキルで自宅の部屋へと移動する寸前に呼び鈴が聴こえた気がした。

 

 

 

 

俺と朝比奈さん(大人ver)は世界改変を起こした犯人を止めるべく、長門の力を借りて三年前の七夕から世界改変直前の世界へと飛んだ。

 

「っ?!…寒っ!」

 

「……長門さんが準備していてくれて助かりましたね」

 

先程まで夏の暑さだった為、制服のブレザーもコートも脱いでいたがカッターシャツ一枚じゃ流石に凍えてしまう。ガタガタと勝手に鳴る奥歯の痛みを無視してサッとブレザーとコート着込む。

 

朝比奈さんも夏場の眼福モノな薄着だったが、出発前に長門から渡されたロング丈のファーコートを紙袋から取り出し早速羽織っている。

 

靴も履く様に促されたから、長門は転移先が12月の真冬だって事を知っていたんだろうが……こんな気遣いが出来る奴だったっけか?

 

 




衝動的に書きたい欲が沸いた理由→消失のクライマックスで、寒がる朝比奈さんに暖かい格好(コート&靴)をさせたかっただけ。
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