Fate/Infinite Stratos リメイク版   作:ぬっく~

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第1話

「……これはどういうことだ」

 

マスターは今一状況を把握できていなかった。

何時ものように研究施設にある自分の工房に来ると、そこは悲惨な光景が広がっていたのだ。

 

「工房は私の一存で解体しました。陣地ならもっと相応しい場所へご案内します」

 

研究所の職員の死体があちらこちらにあり、機材も全て破壊され尽くされていたのだ。

もし、襲撃があったのであればマスターも納得して脱出しただろう。しかし、この惨劇を引き起こしたのは……目の前にいるサーヴァントであるアーチャー自身だった。

 

「このまま大人しく従うのなら案内してあげますわ、マスター」

 

返り血をつけながらアーチャーは、マスターに提案する。

 

「それには及ばない。令呪を以て命ず、自害しろアーチャー」

 

マスターは残っている二つの令呪の一つを使い、アーチャーに自害を命じる。

 

「?」

 

しかし、アーチャーは首を傾げる。

令呪を使われたのに一向に自害することはなかったのだ。

 

「……重ねて令呪を以て命じる。自決するんだアーチャー!」

 

残っていた令呪を使い、再び自害を命じる。

だが、結局アーチャーは自害することはなかった。

 

「愚かなマスターね……」

 

アーチャーはそんなマスターを見ていて、正直呆れていた。

貴重な令呪をこんなことに使用してしまうことに。

再度契約の時に令呪はそのまま引き継がれるため、貴重な令呪を全て使ってしまったのだ。もうこのマスターは完全に聖杯戦争に参加する資格を完全に失ってしまったのだ。

 

「私の持つ宝具の中で、唯一それを可能にする物があるのですよ。だからそれ自分に使って、あなたとの契約を強制的に破棄させてもらいました」

 

アーチャーが何故、マスターからの令呪を受けてなお、自害をしなかったのか。

それは、手元にある奇怪な刃物が答えだった。

アーチャーはそれを自身の肩にそれを刺すことで、マスターとの契約を強制的に断ち切ったのだ。

 

「自らの身体を保てなくなるんだぞ!?」

 

サーヴァントは、マスターからの魔力を供給しなければ存在を維持できないのだ。

だが、アーチャーはその問題は既に解決していた。

 

「今ここで死ぬあなたには関係のない話でしょ?」

 

アーチャーはその手に持っていた干将・莫耶でマスターの首を切り落とす。

 

「では、行きましょうか……」

 

部屋の隅で赤ん坊を抱える一人の少女。

彼女はアーチャーの問いに頷く。

聖杯戦争の魔力供給のために作られたホムンクルスの姉弟。

アーチャーは初めてその姉弟を見つけた時、かなり驚いた。そして、そのシリアルナンバーを見て確信したのだ。

 

Orimura-W1000

 

Orimura-S0001

 

Orimura―――織斑。

この姉弟は、あの織斑千冬と織斑一夏だったのだ。

 

「この後、どうするの?」

 

「時が来るまで、身を隠そうかな」

 

「そう……」

 

崩壊する研究施設を背後に、アーチャーと千冬はそんな会話を交わす。

 

「大丈夫。私がちゃんと責任を持って貴方たちを養ってあげるから」

 

狐の面で素顔を隠したアーチャーが胸を張って言う。

 

「そう……」

 

千冬はなんとも言えない表情になる。

見るにかなり怪しい赤い外装の女性に付いていく他、生きていく方法はなかった。

見知らぬの私たちを嫌々引き取る訳ではなく、ちゃんとした家族として引き取ろうとしたのだ。

 

「ねぇ」

 

「ん?」

 

「名前」

 

「そうだったね。それも決めなきゃいけないね」

 

「それもそうだけど、私、あなたの名前知らない」

 

そう言われて、アーチャーは目を見開く。

そう言えば、一度も名乗ったことがなかったことを思い出す。

 

「かたな。私の名前はかたな。あなたのお義母さんになる人よ。千冬ちゃん」

 

「ん。わかったが、千冬とは?」

 

「君の名前だよ。WはWinter()の略称で1000だから合わせて、千冬」

 

「じゃあ、この子は?」

 

「……一夏。Summer()0001で一夏よ」

 

「一夏……。私の弟」

 

あうあうと手を伸ばす一夏。

アーチャーは微笑みむと、千冬に一つ願いを頼む。

 

「千冬ちゃん、私と再契約を結んでくれる?」

 

「再契約?」

 

「そう。私たちサーヴァントはマスターの魔力をもらうことでこの世界に現界することができるの。そのために千冬ちゃんとは再契約を結ばなければいけないの」

 

「そう言うことであれば構わない」

 

「ありがとう」

 

了承を得たことで、アーチャーは千冬の前に膝待き、再契約に必要な詠唱を教える。

 

「告げる。汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に、聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば―――我に従え!! ならばその命運、汝が“弓”に預けよう!!」

 

「アーチャーの名に懸け誓いを受けます……! 貴方を我が主として認めよう、千冬―――!」

 

千冬の右手の甲に激痛が走り、令呪が刻まれる。

正式に再契約がなされたのだ。

 

「では、行きましょうか」

 

「うん」

 

アーチャーは二人を抱え、その行方を晦ました。

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