Fate/Infinite Stratos リメイク版 作:ぬっく~
それは、一つの悲劇で起こった出来事だった。
「未だに発見されずか……」
とある協会で神父が呟く。
聖杯戦争の現監督である言峰綺礼は未だに続く第四次聖杯戦争の結果に頭を悩ませていた。
「一体何処へ行ったの言うのだ」
前監督から監督役を引き継いだが、10年以上未だに決着の付かない聖杯戦争が続けられていたのだ。
アーチャーのサーヴァントがある日を境に行方がつかめなくなっていた。
もし、脱落しているのであればよかったのだが、敗れたサーヴァントは5騎のみだったのだ。
「前マスターは死亡が確認されているが、肝心のサーヴァントが何者かに持ち出されては、どうすることはできまい」
聖杯戦争が完全に終了していないため、新たにサーヴァントを呼び出すことはできない。
そのため世界中の魔術師たちが血眼になって探している。
だが、未だにその成果は出ていない。
「一体何処にいるのやら……」
人の苦労も知らない名の知らないアーチャーのサーヴァント。
そんな彼女は―――
◇
「ぎゃあああぁぁぁ!!」
「狙撃だと!?」
ロシアで裏社会を仕切るマフィアのボスが一本の矢によって狙撃されたのだ。
障害物が少ない橋の上で、しかも走行中の中での狙撃。
「死神……」
ここ数年で名の上がった伝説の殺し屋がいた。
その正体を一度も見た者は誰もいない。正体不明の殺し屋。
依頼をすればキッチリとこなすからには、存在することは分かっている。
「終わったわよ。残りの報酬はスイス銀行にキッチリと振り込んでちょうだい」
マフィアのボスから数十Km離れたビルの屋上で漆黒の弓を持つ赤い外装に狐面をつけた彼女はボイスチェンジャーを使用しながら依頼者に報告していた。
「いいだろう」
それを聞いて彼女は電話を切る。
「う―――ん。だいぶ貯金が溜まったことだし、久々に日本に帰えろうかしら」
サーヴァント、アーチャーは殺し屋としてしていた。
戸籍のない彼女たちが真っ当な仕事につける訳なく、アーチャーは自身の持ちうる力をフルに使い、金を稼いでいたのだ。
現在は無事に戸籍を裏から入手し、子供たちは日本で平和に暮らしている。
「あら、もう行ってしまうのかしら?」
伸びをするアーチャーの背後から誰かの声が聞こえる。
アーチャーはそんなことには全く驚くことはなかった。
「仕事を終えたものですもの、我が子たちの下に帰るのはいけないことかしら?」
「あら、子持ちなの。もし知ったら悲しむと思うよ」
水髪の少女。
アーチャーは彼女が何者なのか知っていた。
「少なくとも長女は知っているから構わないわ」
「あら、それは残念ね」
「それで、何か用かしら? 更識楯無さん」
ロシア代表IS操縦者、更識楯無。
日本人でありながら、自由国籍でロシア代表になった裏社会の人間。
「……知っていたのね。サーヴァント」
「ふ~ん。私のことも知っているようね」
お互いに既に正体がバレていた。
もう言葉は要らず、アーチャーは干将・莫耶を投影し、楯無は自らのIS《ミステリアス・レイディ》を呼び出す。
「こっから先は、一方通行よ! 元の場所に帰りなさい!!」
「こっから先は、一方通行なのよ! とっとお家に帰って寝ていなさい!!」
二人少女が持てる全ての力を使って、今ぶつかり合った。