Fate/Infinite Stratos リメイク版 作:ぬっく~
―――日本
「はぁ……。はぁ……。はぁ……」
少女は全速力で逃げていた。
「いたぞ!!」
人気のない路地を駆けるが、黒服の男たちが先回りしていた。
少女はこの道がダメだと分かると、引き返し別のルートに入る。
「もう少し……」
少女は既に数十分以上走り続けており、足ももう限界に近く、もう走る余裕はなく、この道に賭けるしかなかった。
「おうっと、大丈夫か」
少女は無事に路地を抜け、その先にいた学生服を着た少年にぶつかる。
「ご、ごめんなさい!」
少年はぶつかって転んだ少女に手を差し伸べる。
「こっちだ!」
「!!」
路地から聞こえた大声に少女は、早く逃げななければないないと、立ち上がろうとするが。
既に限界に到達していた足は動かなかった。
そうとしているうちに、路地からぞろぞろと黒服のがたいのいい男たちが少年少女を取り囲む。
「大人しくしていろ」
怯える少女に手をかけようとした時だった。
バキッ。
「え……」
少女は呆然となる。
「おい」
少女に手をかけようとしていた男の腕がぶらぶらと揺れていた。
「うがぁあああ!! 腕がぁ!!」
腕が折れた痛みで姿勢が崩れ。
「五月蠅い、黙れ!!」
少年は喚く黒服の顎に膝蹴りを入れ、黙らせる。
あっという間の出来事に回りがそのことに理解するのに少し時間がかかった。
「貴様ぁ!!」
ようやく現状を理解すると、臨戦態勢に入る。
「女の子一人に何人がかりで襲うとか、脳みそ大丈夫かぁ?」
「用があるのはその少女一人だけだ。我々の邪魔をするな小僧!!」
「そうかい。おい、お嬢ちゃん」
「は、はい」
急に話かけられ、少女は驚く。
「どうしたい」
「え……」
「お前は、どうしたい」
少女は少年の背を見て……憧れるヒーローと重なる。
「た……」
「ん」
「助けて……」
「ああ、了解だ」
少年はそれを聞いて、頷く。
「ちっ、民間人には手を出す訳にはいかなかったが、仕方あるまい」
先程までとは違い、彼らも本気であると、少年は察する。
「来い」
その一言で、始まる。
◇
少年のボディブローが肝臓に突き刺さる。
「ぐぅばぁ!?」
先程の一撃で肝臓どころか贓物全てが砕けて混ざり、挽肉になっていた。
少年は次々と黒服の男たちを壊していく。
そして、いつの間にか黒服の男は一人しか残っていなかった。
「お、お前は、何者、なんだぁ!!」
「そういや、名乗っていなかったな」
少年は、そう指摘され名を明かす。
「俺は―――織斑一夏」
「!?」
黒服の男はその名を知っていた。
正確には苗字の方だが。
「ま、まさか、あの織斑千冬の―――」
「ああ、千冬姉は、俺の姉さんだ」
織斑千冬。
IS世界大会『モンドグロッソ』で総合優勝した正真正銘の化け物。
全ての競技。全ての種目。アシストシステムの力を借りずにマニュアルだけで操作し、全てのタイトルを獲得した女だった。
その弟が目の前にいるのだ。