Fate/Infinite Stratos リメイク版 作:ぬっく~
「あはははははは!!」
暗殺者は高笑いしながら、一夏めがけてメスを投げつける。
そして、一夏は両手に持った二振りの夫婦剣である干将・莫耶を振るいメスを弾く。
「
暗殺者はいくらやっても一夏には勝てないと感じ始める。
「じゃあ、私も、本気に、なるね」
そう言って、暗殺者は持っていたナイフが一枚のカードへと変わる。
一夏はそのカードに見覚えがあった。
「
暗殺者は一夏と同じキーワードを唱えると、露出度の高い黒い水着のような格好へと変わる。
「っ!」
一夏は目の前の暗殺者から放たれる独特な匂いに戦慄を覚える。
今までに一度だって嗅いだことのない嫌な匂い。
吐き気すらおぼえる程、酷い匂いだ。
「行くよ」
暗殺者がナイフを構えると、一夏も干将・莫耶を構える。
「っ!!」
暗殺者の速さは先程と変わり、一段と早くなっていた。
一夏が気付いた時には、その首元にナイフが迫っていたのだ。
(避けるのは無理だ!! なら―――)
一夏は持っていた干将・莫耶を放し、両腕を伸ばして、迫り来るナイフを止めると同時にその腕に絡みつく。
手首を押さえられた瞬間、神経が警告を鳴らした。
暗殺者の持っていたナイフが肩口に食い込むが、一夏は勢いを殺すことなく巧みに体重を移動させ。
(投げ技……!?)
それが何なのか暗殺者が気付いた瞬間、逆しまに宙へ舞わせていた。
柔道の一本背負いにも似ていたが、手首の関節を押さえ込んでいた分、徹底的に容赦がない。
「ガッ……!!」
大地という名の兇器に叩きつけられ、暗殺者は贓腑に響くような衝撃に目を見開いた。
全身がほんの数秒、鎖に縛り付けられたように凝固する。
余りにも致命的な状況だったが、暗殺者が倒れ伏せたにも拘わらず、一夏は止めを刺すこともなく苦悶しながら膝を突く。
肩口に食い込んだ刃は、致命的にも至らずともそれに極めて近い一撃だった。
「ぐっ!! まだ、終わらせ、ないよ!!」
「ちっ。しぶてぇなぁ……」
一夏は考えた。
どう動いても、どう戦っても、この状態で止めを刺せる手段が思い浮かばない。
「そこまでだ」
「!!?」
「!!?」
突如として現れた男性に一夏と暗殺者は驚く。
「どう、いう、つもり? まだ、彼を、殺して、いない」
「撤収だ」
どうやら、この者はこの暗殺者の仲間らしい。
しかも、外には複数の気配を感じる。
「事が大きくなり過ぎた。一旦、撤退だ」
「っ! わかった」
暗殺者は力を解除し、カードに戻す。
「次は、絶対に、必ず、殺して、あげる」
そう言って、暗殺者は窓から飛び降りる。
残った男は一夏の方に振り向く。
「命拾いしたな、織斑一夏」
「…………」
男は一夏の顔を見て、少しニヤける。
「彼女は今は君に預けよう」
そう言って、男も窓から飛び降りて行ってしまった。
一夏は彼らが立ち去ったことが分かると、元の姿へと戻る。
そして、今までに溜まった脱力感に襲われ、その場に倒れた。
「一夏くん!!」
「やべぇ……血を流し過ぎた……」
一夏は意識を失った。