東方機械竜 〜孤独な戦士たち〜   作:(自称)ライダーオタク

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遅れてすみません!
今回は錬の強化回です!
ちょっと長いですが、どうぞ!


Ep.8「ホットでHeatな新兵器」

錬side〜

「あーくそ、硬てぇなこの野郎」

皆さんどうもこんにちは、輝晶 錬です。今現在俺は絶賛狩りゲーしてます。にしてもこいつ硬すぎませんかねぇ、どこ殴っても弾かれるし。これがいわゆる糞肉質?

え?なにを狩ってるか、だって?バ○ルモスだよ。モ○ハンたのちい。

「にしても、この前は紫に迷惑かけちまったな」

3日前の草下 跳との激突の後、俺はそのまま眠ってしまったらしい。それも丸2日。目を覚ましたときの紫の心配そうな表情はとても印象的だった。コイツこんな顔するんだな、って思った。というか、まだ会ってから一か月も経ってない奴だというのに、無二の友人、もしくは最愛の恋人が倒れたみたいな表情(かお)は何なんだ?

あと、この幻想郷にいる数少ない医者、それも現代と遜色ないほどの医療技術を持つ永琳によると、俺の怪我は軽く見積もっても全治に1ヶ月はかかるくらいだったらしい。再生能力がここで働いてくれたようだ。

「ま、考えるだけ無意味か……あァァァァァァァァァア⁈」

思考を終了し、ゲーム画面に視線を戻した俺は、目の前の信じられない事実に絶叫する。

『力尽きました』

「ウゾダドンドコド-ン!」

 

〜30分後〜

 

「あー腹立つ。マジで腹立つ」

ゲームを終えた俺は、今家の周りの林を散歩している。バサル○ス?あの後罠と怯みではめ殺してやりましたよ。

「んーやることねーな。パズ○ラでもすっか!」

さっきまでゲームしてたのにまた別のゲームをしようとしている自分にゲーム中毒にでもなったかと若干心配になりながらDフォンを起動すると、スマホの液晶に見慣れないアプリを見つける。

「えーっと、『Expansion Arms』?こんなん入ってたっけ?」

名前からしてドラゴン・ウォリアーの強化用だろうが、まさかあの神(自称)が入れたのか?

「いや嬉しいんだけどね、戦闘手段が手に入るのは。でもさ、一言くらい言ってほしいんだよなぁ…」

〜♪〜♪〜♪

誰に聞こえるでもなく愚痴る俺の耳に、警報じみた通知音が響く。

「おっ、ちょうどいい時にきたな。どうせ暇だったし、相手してやるか」

まあ、暇じゃなくても相手はするが。

 

NO side〜

 

人里を囲う森、その中の開けた草原に機械的な門のようなものが屹立していた。ポータルと呼ばれるソレからは、人形の機械歩兵(ソルジャー)が次々と湧き出てくる。それに加え、人のフォルムから外れた金属の異形と生身の人間がポータルから現れる。異形の方は、大人の身長程もある球体から武器の装備された腕と4本の節足動物のような脚が伸びており、球体に刻まれた溝の上をカメラが動き回っている。そして人間の方は、少し前に輝晶 錬と戦闘を行い引き分けに持ち込んだ軍服の青年、草下 跳だった。

「で、どうです、そのバトルアーマーの乗り心地は?」

『ああ、最高だ。この『クロウ・ポッド』なら、お前の言っていたイレギュラーも楽にスクラップにできる』

そう言って楽しげに笑う搭乗者に、苦笑いを浮かべる跳。そう簡単にいけばこっちも苦労はしない、と考えていた。

(だがこのバトルアーマー、耐衝撃性と対光学兵器バリアコーティング、そして特殊重兵器用徹甲弾の装填された重機関砲が搭載されているらしいですし…こっちには更なる調整を行ったメタリカとインゼクター ーあの鎧のことですー があります。撃破とまではいかなくとも再起不能にはできる…かもしれません。あくまで予想の話ですが)

それに、たとえバトルアーマーの操縦者()が死んでも特に問題はない…跳は小さくそう呟いた。

「!来ましたね…」

草木を揺らす風の音に混じって、自動二輪の内燃機関(エンジン)の唸り声が近づいてくる。直後、目の前の森から龍を模した白いバイクが飛び出して、横向きに停車する。操縦者は被っているフルフェイスのヘルメットを取り、顔を晒す。女性のような優しさを感じさせる顔立ちの男は、しかしその涼やかな目をまるで獲物を見定める肉食獣のように細め、薄紅色の唇を険しく結んでいる。

「性懲りもなくまた来たか。ぶっ潰される覚悟はいいか?」

「こっちのセリフですね。今度こそ殺します」

互いの変身アイテムを取り出しながら睨み合う錬と跳。

『0・0・1』

『Code photon stand by,ready?』

 

『Grasshopper!』

 

「アームド・オン!」

「融合!」

 

『Dragon warrior complete』

 

『Injectioooon!』

 

それぞれの電子音が鳴り響き、2体の異形が現れる。

片や、一対の角と特殊合金の甲殻を持つ白亜の竜戦士。

片や、濃暗緑の装甲に身を包んだ飛蝗の戦士。

ここに、両陣営の戦力が出揃った。

 

錬side〜

 

「いくぞコラァァァァァァァ!」

走り出した余波で地面にヒビを入れながら、眼前の大群に突撃する。十把一絡げのソルジャー共が襲い掛かってくるが、俺はそれらを殴りつけ、蹴り砕き、腕を振るい、脚を薙ぎ、捻じ上げて破壊する。しかし壊しても壊しても際限なく湧いてくるソルジャーに、少しずつだが押されていく。

「クソッ、フライトユニット・テイクオフ!」

『Flight Unit Take off』

背中のブースターが稼動し、爆風でソルジャーを吹き飛ばしながら飛翔する。そして安全圏である空中でアプリを起動する。

『Weapon rise』

そして、画面にズラリと並ぶ武器の中からロボットアニメに出てくるようなビームガンのグリップに弧状のパーツが付いた武器を選択する。

『Axe shooter forwarding』

『Single mode』

アックスシューターのグリップを握り、引き金を引く。銃口からは途切れること無く光線が放たれ、直撃したソルジャーが爆散していく。俺は地面に向けてブースターを蒸かせ、急加速する。その間に俺はアックスシューターのグリップの側面にあるダイヤルを操作する。

『Burst mode』

ソルジャーの群れに突っ込みながら、銃口から光弾をばら撒く。少し精密性には欠けるが、破壊力と攻撃範囲はとても広くかなりのソルジャーが爆発していく。

「ドンドンいくぞォ!」

アックスシューターのダイヤルを操作し、銃身を握って内部の棒状の持ち手を引っ張り出す。するとグリップ下のパーツから光の刃が出現し、手斧の形態へと変化する。

『Axe mode』

「ハァァァァァァ!」

加速しながら、斧モードのアックスシューターでソルジャーをすれ違いざまに切り裂いていく。ジグザグに飛行しながら雑魚を潰し、本命に突撃する。

「フンッッッッッッ!」

渾身の力でアックスシューターを跳に振り下ろす。そこに巨大な丸い影が割り込む。敵のバトルアーマーだ。振り下ろしたエネルギーの刃がバトルアーマーの球状の装甲に刺さる。

 

しかし、相手のバトルアーマーには僅かな傷がついただけだった。

 

「固…ガッ⁈」

直後、俺は宙を待っていた。ブースターで飛行しているわけではない。殴られたのだ、あのバトルアーマーに。

「づッ…ゔッ…」

勢いよく地面を転がり、そのまま体勢を立て直す。ドラゴン・ウォリアーの衝撃吸収能力のおかげで骨は折れてないが、殴られたときの鈍い痛みはまだ残っている。

『このクロウ・ポッドの性能はどうよ、イレギュラー?お前の持つ光学兵器や物理武装はコイツには効かない。なんせ、お前の戦闘データを基に改良を加えた機体なんだからな』

俺の戦闘データ…誰が持ってったかは簡単に想像がつく。このデカブツの後ろに佇んでいる黒鉄のバッタ、草下 跳だろう。

「だったら…コイツはどうかな!」

腰にアックスシューターを吊るし、反対側のスロットからDフォンを抜き、素早く操作する。すると、中空に光が走り、2本の剣を形作る。

『Photon gladiator forwarding』

『Vibro blade forwarding』

メタル・ドラゴン1号機にして俺の相棒『Photon』の初期装備であり、俺の愛剣たち。ヴィブロ・ブレードとフォトン・グラディエーター。

『コイツらも受け止められんのかァ⁈』

ブースターを蒸し、爆発的に加速する。右手のヴィブロ・ブレードをバトルアーマーの腕に向けて切りつける。刀身が半ばまで腕に刺さるが、それで限界か切り落とせない。すぐ様ヴィブロ・ブレードを離し、反対のフォトン・グラディエーターを相手の球面に突き立てる。が、貫けない。丸い装甲の一部を赤熱させただけで止まってしまっている。

『それで終わりかぁ?なぁ、イレギュラーさんよォ!』

相手のアーマーの脚が俺の腹を叩く。ブースターのおかげで大きく吹き飛ばされる事はなかったが、吸収しきれなかった衝撃が体を走る。再度体を通り抜ける衝撃。どうやら地面に叩きつけられたようだ。しかも変身が解けたらしく近くにフォトンも転がっている。

「ガ…ハッ…」

立てない。体が上手く動かせない。

『なんだよインゼクター、お前はこんな程度の奴に負けたのか?せっかく変身したってのに、これじゃお前の出る幕もねぇな』

「貴方が勝手に僕の前に出たんでしょう」

『ケッ、悪かったよ。にしても、あのビームブレードの出力がもーちょっと高かったらヤバかったな。例え対光学兵器用バリアが貼られていても、熱で装甲を溶かされちゃ意味ないからな』

俺が気を失っていると思ったのか、ポロリと弱点を零すバトルアーマー。

(ね…つ…?)

そういえば、フォトン・グラディエーターの刃先のエネルギー量は温度にすると1500℃くらいはあるんだったか。集中したエネルギーが刃先の狭い面積で開放されればそれはかなりの熱になるだろう。だが、それでもあの装甲を破るには足りないらしい。もっと高い熱が必要だ。

(熱か…それは俺じゃなくてアイツの、焦也の得意分野だったな)

ふと脳裏に巡るのは、俺のかつての仲間…俺が向こうの日本軍から逃げてたときに一緒に過ごしていた仲間、その1人である陽気な熱血漢との交流の記憶。灼熱と火炎を纏う機竜を駆った青年、赤峰 焦也の記憶。

(あー、今ここにアイツがいりゃーなー、畜生)

そんなifを考えていた俺は、ふと今朝見かけた謎のアプリを思い出した。アレには九つの異なる模様 -炎、稲妻、十字の軌跡、銃弾、刃、爆炎と爆風、流水、竜巻、雪の結晶- が描かれていた。

(もしかしたら、アレってアイツらの機体の能力が使えるのか?だとすりゃこの状況をひっくり返せる…)

今は考えてる場合じゃない。一か八か、やってみるっきゃない!

「ぐ、ぬぅぅぅ…!」

『おお?まだ立てるのか。いいねぇ、俺もまだ殴り足りなかったんだよォ!』

カメラアイが俺を向き、バトルアーマーが近づいてくる。その速度は速く、このままだと俺はまもなく轢き潰されるだろう。

Dフォンを握る。そして、『Expansion Arms』を開き炎のエンブレムを選択、コードを打つ。

『0・0・2』

『Code heat stand by,ready?』

俺の頭上に、赤いアーマーが出現する。炎と熱気に包まれたそれを見上げ、叫ぶ。

「イクスパンデッド・アームド・オン!」

ソケットにDフォンを嵌める。直後、全身にアーマーが合体しフォトンのときと同じようなスーツが生成される。違いがあるとすれば、スーツのラインが水色ではなく赤であることか。最後に頭部をメットが覆って変身が完了する。同時に衝撃波が放たれ、目の前のバトルアーマーが後退する。

『Dragon warrior expanded』

その見た目は、サラマンダーの意匠がある消防士の耐熱服といったところだ。肩には一挺のキャノン砲、腕には一対の筒状の武装、腰には一本の剣。その名は、『ドラゴン・ウォリアー タイプ2:Heat』

『なんだなんだ、データにねぇカッコだなぁ?』

「新装備だ。さあ、こんがり焼かれる準備はOK?」

『残念だが、その前に俺がお前をバラバラにしちまうよ!』

バトルアーマーが自らの拳を打ちつけんと走り出す。人間なら知覚できない速度で払われる拳に、俺は腰の剣を抜き、あてがう。赤く輝く刀身に拳が触れ、まるでバターに温めたナイフを当てたかのようにするりと切り裂かれた。理由はただ一つ、剣にある。

『っ、そいつぁ…』

「そう、剣だ。でも、ただの剣じゃない。紅蓮の刃先が全てを断ち切る灼熱の剣

 

ヒートブレードだ」

ヒートブレード。この武器の最大の特徴は、最高8000度にも及ぶ熱を発する刀身だ。8000度といえば、太陽の表面温度に匹敵する温度だ。並大抵の物質では耐えることすらできない。ちなみにこの情報はヘルメットのスクリーンに書かれているものだ。

『厄ァッ介だなあ、装甲をやられたら終わりなんだっつの!』

背部、脚部のブースターを起動して下がろうとするバトルアーマー。だがもちろん、逃がすつもりはない。

「さっき聞いたよなぁ、こんがり焼かれる準備はOKってさ!」

両腕の筒のロックを解除し、バトルアーマーに向ける。瞬間、筒の先から火炎が吹き出し、奴を包み込んだ。

『っづぁぁーーー⁈あ、熱っ、()っちい!』

火炎が一部剥がれ、バトルアーマーが墜落する。背部と脚部がズタズタに壊れている。どうやら、ブースターが熱に耐えきれずに爆発したらしい。

『ぐ、この野郎…排熱システムまでおじゃんにしやがって…』

「そうか、じゃあこのまま蒸し焼きにでもするか」

『ヒッ、まっ待て。俺の知っている向こうの情報を教える、だから殺すのは待っt

「そんなもんに興味はない。それに、お前が死んでも話を聞くことはできるからな。ということで話は終わり」

…ッ、インゼクターッ!何見てんだよ、さっさと助けろ!』

そう跳に怒鳴るバトルアーマー、の操縦者。しかし、跳は動こうともしない。

「フフッ、お忘れですか?敗色濃厚な時には引くのも一手。まあ、貴方は置いていきますが」

『なっ…ふ、ふざけんなぁ!俺は「それに」っ⁈』

バトルアーマーの台詞を遮って、僅かに声を落として跳が続ける。

()はアンタらの味方なんかじゃ無いんですよ」

そう言って、個人用ポータルを起動する跳。

「さよならです」

『おっ、オイ待…』

バトルアーマーの腕が伸びる。しかし、それは空を切るに終わった。

『あ…あぁぁ…』

「話は終わったっぽいな、じゃあさっきの続きといこうか」

『う…うあぁぁぁぁぁ!』

ヤケになったかのように残った拳を振るうバトルアーマー。しかし、それはヒートブレードで切り落とされる。

「そうだ、さっき蒸し焼きっつったが、スマン、ありゃ嘘だった」

『Full charge‼︎』

「正しくは『焼き払う』になりそうだ」

腰からDフォンを取り外し、側面のボタンを押して戻す。すると、肩のキャノン砲、その砲身に赤い光が溜まっていく。

『Critical attack!Burning Blast!』

両腕の装甲とバックパックから体を固定するためのアンカーが伸び、地面に刺さる。キャノン砲が変形し、エネルギーを放出する準備が完了する。そして、

「Fire!」

砲口から熱線 ー 実際は高温・高圧のガス ー が発射され、射線上のバトルアーマーを貫き、爆散させた。

「さて、帰るかな」

にしても、跳が去り際に残したあの言葉…どういう意味なんだ…?

 

跳side〜

 

さっきはマズいことを言ってしまいました。上に報告されてないといいですけど…もしもバレたら、僕は…

(父さん、母さん…待っててください。僕が必ず…)

必ず、仇を取りますから…

 

What's the next episode…?




第8話でした!
因みに、最後の熱線の元ネタはバサルモスとグラビモスです。
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