今回は日常回です。
錬side〜
「ん〜〜〜、いい朝だ」
皆さんおはようございます、輝晶 錬です。
「今日の朝飯何にしよ…その前にフォトン起こすか」
バトルアーマー(奇跡的に残ってたデータボックスを解析したところ、名前はクロウ・ポッドというらしい)との戦闘とドラゴン・ウォリアーの新装備追加から、特に戦闘もないまま5日経った。戦いがないのはいいが、少し退屈だ…これじゃ戦闘狂みたいだな。
「そういや、今日は紫と会う約束があるんだったな」
そう、なんと今日は紫に呼び出しをくらっているのだ。何やら、話したいことがあるらしい…俺何もしてないよな?間違って民間人殺しちゃってないよな?
「…まずはフォトンだ、おーい起きろー!もう朝だぞー!」
キング・クリムゾンッ!
「『ご馳走様でした』」
フォトンの寝坊助を起こして、飯を食った。ちなみに、メニューはトーストとベーコンエッグだ。材料の調達?知らん、そんなことは俺の管轄外だ。
『で、兄ちゃん。今日はどうするの?』
「今日は人里に行く。紫に呼び出されたんだよ」
『へー、なんの用なんだろ?』
「さあ?」
服を着替え、家を出る。人里までの道を歩きながら、今妖怪に襲われたらどうボコってやろうかなどと考えていると、
ガサガサ…
「!敵か!」
咄嗟に構える俺。そして草むらから出てきたのは…
『ピギャー』
赤いラインと黒い金属の皮膚を持つトカゲだった。
「なんだコイツ?どっかで見たような…あぁっ、Heatの!」
そういえば、5日前に追加されたドラゴン・ウォリアーの拡張装備で、俺の仲間だった赤峰 焦也の機体の能力を持っていたあのアーマーはトカゲのようなデザインをしていた。なるほど、小さくなればこうもなるか。
「さて、取り敢えずコイツも連れてくとして…名前何にしようか?」
『ヒートでいいんじゃない?』
「んな安直な…トカゲだし、リザード…というか、よく見たらコイツサンショウウオだな。サラマンダー…そうだ!ランダにしよう!」
なぜ俺はトカゲとサンショウウオを間違えたんだ?
「お前は今日からランダだ。よろしくな!」
『ピギャー♪』
どうやら気に入ってくれたようだ。
「そうだ、お前も行くか?紫に紹介しときたいし」
『ピギャー』
「そうか。じゃあチョイと失礼して…っしょっと」
ランダを抱き上げ、胸元に寄せる。
「さ、いこうか」
『ピギャー!』
〜青年移動中〜
「おぉ兄ちゃん、一昨日ぶりだな!ソイツぁ新しいペットか?」
人里の入り口に着くや否や、門番のオッチャンに話しかけられる。
「ハハハ、ペット…まあおおむねペットだな」
「そうか。にしても、でっかいトカゲだな⁈ひょっとして妖怪の赤ん坊とかじゃ…」
「違うよオッチャン。コイツはロボット…絡繰だ。見た目がトカゲなのは、そういうデザインとしか言えないな。あとサンショウウオな」
「ほう。それで、今日はなんの用だ?」
「ちょっと待ち合わせでね。茶屋のある通りに行くつもりなんだ」
「へ〜、彼女さんかい?」
「そんなんじゃないっての。っと、そろそろ時間だ。じゃあなオッチャン」
「おう、頑張って来いよ」
オッチャンとの世間話を済ませ、門をくぐる。そして、そのまま茶屋の通りに向かう。そこの入り口が待ち合わせ場所だ。
「さて着いたが、まだ紫は来てないな」
まあ、約束の5分前だし。来てなくても仕方ないか。
〜5分後〜
「お待たせ、遅れてしまってごめんなさいね」
「いんや、時間ピッタリだ」
ホントに時間ピッタリに紫がきた。スキマは使ってなかった。ここ人里だし、あまり目立たない方がいいかもしれないが。あ、紫の服装だが、藤色っていうのか?なんか薄い紫色でロングスカートのワンピースだ。柄は花だな。
「どうしたの?黙り込んじゃって」
「いや、似合ってるなって」
「ちょっ…」///
「?どうした?」
「な…何でもない」///
「そうか」
「…この鈍感め」
「なんか言ったか?」
「いいえ、何も。そういえば、その子は?」
そう言って、紫は俺の胸元のランダを指差す。
「ああ、コイツはランダ。さっき拾ったんだ」
「へー。もしかして、この子ってフォトンと?」
「もちろん、同じだ」
〜青年&BB(ドゴッ…少女移動中〜
「紫、結局話って何なんだ?」
「ああ、それはね…どうせなら、あそこで話しましょう?」
そう言って指を差す紫。その先には茶屋の暖簾がある。
「お、いい考えだな。小腹も空いてきたし、なんか食ってこうぜ。フォトンは?」
『オイラも賛成!』
と満場一致なので、入店することになった。茶屋(店名は牧野庵というらしい)の入口の隣には、座席と日よけのための傘。店内は案外広く、通路の両側に座敷があり、そのうえには4人掛けの席が3席づつ、合計6席ある。そのうちの1席に座り、店員の少女に2人分のお茶と団子を注文する。
「じゃあ話すわね」その言葉から紫の話が始まった。
「最近、変な夢を見るの。と言っても、別に悪夢とか予知夢って訳じゃなくて、本当に普通の家族の夢」
家族という言葉に、俺の胸がチクリと痛む。過去に俺が見殺しにしてしまった、とある少女の家族の姿が脳裏に浮かぶ。だが、紫の夢に出てくるのは多分別の家族なのだろう。
「へー、そんな夢を見たのか。それだけか?」
「これだけだったら別にあなたを呼んだりしないわ。…不思議なところがあったのよ」
「その夢にか?」
「ええ。まずは、その家族全員に既視感を覚えたこと。会ったこともないはずの家族なのにね。2つ目は、家族、両親と女の子1人の3人なんだけどね、その女の子に関するだろう情報だけが認識できないこと。名前や声にはノイズがかかって、顔は暗くて見えなかったわ」
「なるほど。後は何かあったのか?」
俺は紫に質問する。紫は少し躊躇うように視線を逸らした後、ゆっくりと話を続けた。
「…3つ目は、
紫の言葉に、俺は絶句するしかなかった。俺の悪い方の予想が、紫の夢があの少女の出来事なのではないかという予想が当たってしまったかもしれないからだ。
「…まあ多分、思い過ごしでしょうけど。ねえ錬、どうしたの?すごく険しい顔をしてるけど」
「っ、ああ、何でもない。そうだな、多分その通りだ」
そう、その通りだ。これはただの夢、ただの紫の思い過ごし。あの少女とは無関係のはずだ。
ちなみに話の間、フォトンとランダは俺が頼んだ団子をひたすら食っていた。おかげで俺の分を追加注文するハメになった。
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松木庵の前で紫と別れた俺は、少し人里を散策した後家路に着いていた。そんな俺の頭は、先刻の紫の話でいっぱいだった。
(さっきは思い過ごしだと否定したが、もしあの夢があの子のことなら、俺は…)
そこまで考えて、かぶりを振る。
(よそう。こんなことを考えても無意味だ)
言い訳じみた理由をつけて、無理やりに思考を終わらせる。いや、実際言い訳なのだろう
本当は…怖いのだ。彼女のことを思い出すのが。彼女が死に際、自分にどんな思いを持っていたのか、なんと言おうとしたのかを思い出すのが。だからもっともらしい
(ごめんな、■■■…こんなダメな男で…)
跳side〜
「…最上級研究職員のパスとはいえ、セキュリティが厳重ですね」
僕…草下 跳は、さっきその辺で会った研究員を後ろから襲って奪っt…お借りしたカードキーとセキュリティランク(リストバンドにインストールされています)を使って軍のデータベースに潜っています。目的はもちろん、ここの機密情報をいただく為です。
(新型ソルジャーに新装備の配備、特にどうでもいいことばかりですね)
それにしても、彼らは何故あの世界を侵略しようとしたのでしょう?ただの慰安婦目的なら、こう言ったら失礼ですがそこら辺の女でも使えばいいだけの話…何か別の目的があるのでしょうか?だとしたら、考えられるのは資源、土地、食糧…ですが、そのどれもが目的には当てはまらないようにも思えます。
(ん?このフォルダ、どのデータも文字化けだらけですね。こんな故障ファイルが放置されているなんて、アイツらのフォルダ管理能力はどうなって…あれ?)
僕は文字化けした複数のファイルの中に、不可解な内容が記されたファイルが一つあるのを発見しました。内容というのは、数字の列。但し、単なる数列ではなく漢数字とアラビア数字が混ざっているという奇妙な組み合わせの数字の列ですが。
(何ですかね、コレ?ただの数列…ではないですね。それなら漢数字は必要ないし。乱数表…ならばコンマやクォーテーションマークが入っているのはおかしい…一体何なんですか、ホントに?)
パソコンの前で唸りながら数列を解読しようとする僕。しかし、どれだけ考えても数列の意味の手がかりさえ掴めない。そもそも一4とか六1とか何の意味があるんですか、何かの組み合わせで…組み合わせ?
(ひょっとしてコレ、五十音に翻訳できる?)
脳内に表を作る。漢数字は一から十まであるのに対し、アラビア数字は1から5までしかない。アラビア数字を表の縦に置いて母音を当てはめ、漢数字を表の横に置いて子音を当てはめれば五十音表が完成する。「ん」にあたる数は零0だ。これを当てはめて数列を解読し、
「…これは」
その結果に、僕は絶句した。ここの科学者たちは人道とか倫理とかを奈落の底に全力で投げ捨てたのかと言いたくなるような人間ばかりでしたが、この内容はそんなレベルを超えている。
「『龍の子計画』の報告書及び不適合個体の始末報告…?」
What’s the next episode…?
はい、日常回でした(新事実が出ないとは言っていない)。